鳥ノ胸山( 鳥ノ胸山:1,208m ) 2000.03.18 登山


  三ヶ瀬西沢の林道から見た鳥ノ胸山 ( 2000.03.18 )

【鳥ノ胸山登山記録】

【鳥ノ胸山登山データ】

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鳥ノ胸山登山記録

[菰釣山 の項から続く]

落合橋を渡り、再び今朝ほどの道を進む。
今朝は誰もいなかった川沿いの道には釣り人の姿が何人か見られた。 ヤマメなどを釣っているのであろうか。
早朝から大きな音で音楽を聴いていたグループは まだいるようであったが、 さすがに周囲に人が増えてきた現在の状況では 大人しくしているようである。

彼らを右手に見て道なりに右に大きく曲がっていくと、やがて鳥ノ胸山の登山口が見えてきた (11時17分)。 私の持っている丹沢山塊の地図 (昭文社 99年版) では ここからのルートは破線となっていて 難路を示しているのだが、 登山口にあったボーイスカウトが書いた標識を見ると、 どうやらさほど難路ではなさそうである。

しかし、登り始めるといきなり道が不明瞭になって少々心配になってしまった。色々な方向に踏み跡が見えたためであるが、よくよく見ると 赤テープが目印として木に付けられており、 それを辿っていくと 後は全く問題なく進むことのできるルートであった。

今朝ほどの城ヶ尾峠への登りは完全な雪道であったが、ここは日当たりが良いのであろうか、雪は所々にしかない。道は植林の中をジグザグに登ることになり、 最初のうちはテンションが低く なかなか気合いが入らなかったが、 身体が再び暖まるにつれて、 ペースも上がってくるようになった。

道は木々に囲まれ展望はほとんど得られなかったものの、それでも時々樹林越しに鳥ノ胸山らしき山容が見え、意外に遠くに見えるその姿に 少々驚かされた。

檜だったか杉だったかの樹林 (カラマツだったかもしれないが、恥ずかしながら良く覚えていない) の中を登り詰めていくと、 やがて上方に青空が見え、 ヒョイと稜線上に飛び出した。
ここはどうやら 今朝ほどの水晶橋から登ってくる道らしい。 道を左に折れると、 暫くは展望の良い稜線歩きとなり、 振り返れば今朝ほど登った城ヶ尾峠・菰釣山などの 東海自然歩道を成す山々を見ることができた。

明るいカヤトの道を暫く登った後は再び樹林帯となり、展望の利かない道がそれからずっと続くことになった。 やがて前方左手に 樹林越しではあるが鳥ノ胸山の双耳峰が見え出し、 その手前には大きなピークも見えてきたが、 どうやらあのピークを越えねばならないらしい。
一旦落としたギアを 再びトップに持っていくのはなかなか難しく、 気持ちとしてはピークを巻いて欲しかったのだが、 残念ながら道はピークを目指していた。 ただ、思った程きつい登りではなく、 雪道を登り着いた所が雑木ノ頭であった (12時9分)

菰釣山も含め、人にはほとんど会わなかった今回の山行であったが、珍しくこの雑木ノ頭には 3人のグループがおり、 食事をしていた。 余計なことだが、 展望も利かないこのような場所で食事をする意味が理解できない。 地図ではここから 30分程で鳥ノ胸山頂上のはずである。

狭い頂上は 3人で一杯の状況で 座る場所もなかったため、水を飲んだ後、直ぐさま鳥ノ胸山へと向かうことにした (12時13分)

道はこの雑木ノ頭から一気に下るようになっており、しかも雪が豊富だったため楽しく、かなりのスピードで (滑り) 降りられたのだが、 この道を登るとなると ちょっと考えてしまう。
従って、 下山時もこの道をそのまま戻ることを考えていたのだが、 この急坂を見て止めることにしたのであった。 ギアが低速に入ったままなので 考え方もマイナス思考である。

一気に下り立った鞍部からは鳥ノ胸山がそびえ立って見える。
こういう場合見かけ倒しが結構多いのだが、 今回の場合は本当に急で、 しかも薄暗い檜の植林帯の中の登りであり、 根っこが至る所に露出していて、 さらにその上を雪が覆っているものだから、 登りにくいことこの上ない状況であった。

少し登っては足を止めて上を見ては休む といったことを繰り返していたが、やはり距離はそれ程ある訳ではないことから、いつの間にか傾斜が緩やかになり、 鳥ノ胸山の双耳峰の一方に辿り着くことができたのであった。 しかし、こちら側には何もなく、 本当の頂上はもう一方の耳らしい。

日当たりが良い道を一旦下って緩やかに登り返すと、そこが鳥ノ胸山の頂上で、頂上には懐かしい丸太の標柱を見ることができた。 そう、 ここは山梨百名山だったのである。 このことは予期していなかっただけに 少々儲かった気がした (12時39分)

頂上は小広く、三角点と丸太のベンチが 3つほどあり、展望に関していえば 西方がひらけているのみである。 従って、正面の谷間の先に富士山が、 そしてその右横には 御正体山が富士と背を比べるようにして聳えているのが見え、 この山が 富士を好む写真家の人気のスポットである ということが頷けたのであった。

ただ私が頂上にたどり着いた 12時30分頃は、既に太陽が南に来ており、富士山などが逆光に近い形となってしまっていたので、 私のような素人カメラマンには 料理することができない状況であった。

頂上の東側は樹林に囲まれているものの、樹林越しに加入道山とその後ろに堂々とした大室山の姿を見ることができた。

この頂上でも終始 1人で、20分程景観を楽しんだ後、そのまま山頂を突っ切って道志側へと下山した (12時59分)

下山路は私の苦手である階段状に整備された道であり、日が良く当たっていて雪がほとんどなかったものの、融けた雪で道がぬかるんでいたことから、 少々歩きにくかった。 また、登山路の右側は植林帯、 左側は雑木林 というようなコントラストになっているのが面白かった。
展望がほとんど利かない道を一気に下ると、 やがて林道で、 そこには鳥ノ胸まで 50分 と書かれた大きな標識も見られた。

林道を左に進むとすぐに林の中に入っていく道が見えたが、これはグリーンロッジ経由の下山路のはずで、道志の森キャンプ場へ戻る私としては そのまま林道をまっすぐ進むことにした。
この林道も山の裏側に入るとまだ多くの雪が残っており、 そこに足跡が全くついてなかったので少々心配になったものの、 そのまま突き進むと やがて道も広くなり、 すぐに民家の前に飛び出して車道に出たのであった。

この車道は中山橋からの道らしく、三ヶ瀬川沿いを進んでいくとやがて今朝ほど進んできた下善之木からの道と合流し、 そこから少し歩いた所が車を止めてある場所であった (14時8分)

時間にして 3時間ほどの山行であったが、ギアが低速に入ったままであることから なかなかテンションが上がらず、 それが故に逆に手応えがあったとも言えよう。

地図上の破線であった道は思いの外良く整備されており、これだったらまず菰釣山に直登し、そこから城ヶ尾峠を目指し、さらに大界木山まで足を伸ばして、 そこから浦安峠、平指山、雑木ノ頭、 鳥ノ胸山と辿るルートを取っても問題なかった気がする。
一旦下山した後 再び登るというのは、 こういうケースに慣れていない私には少々辛かったのであり、 登山路が連続していればもっと楽しめたであろう。


鳥ノ胸山登山データ

上記登山のデータ登山日:2000.03.18 天候:快晴単独行日帰り
登山路:道志の森キャンプ場−鳥ノ胸登山口−雑木ノ頭−鳥ノ胸山−三ヶ瀬−道志の森キャンプ場
菰釣山から続く
交通往路:道志の森キャンプ場−下善之木−(国道413号)−青山−(国道412号)−(国道246号)−瀬谷(車にて)


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