唐松尾山・笠取山( 唐松尾山:2,109m ) 1998.11.21 登山


 笠取山西付近から見た笠取山( 1998.11.21 )

【唐松尾山・笠取山登山記録】

【唐松尾山・笠取山登山データ】

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再登山、   再々登山


唐松尾山・笠取山登山記録

権現岳・編笠山に引き続いて、2週連続で山に行ってきた。
行き先は唐松尾山・笠取山である。
この山を選んだ理由やそこまでのアプローチについては、「山の雑記帳:唐松尾山・笠取山のご案内 にて述べているので省略するが、それぞれの山にキャッチフレーズを付けるとすれば、唐松尾山は多摩川流域の最高峰、 笠取山は東京都の主流 ? 多摩川の最初の 1滴が生まれる山、と言ったところであろうか・・・。

山の雑記帳にも書いたようにやや遠回りをしたことと、若干の寝坊もあって、 一ノ瀬にある民宿の駐車場に車を止めたのが 7時40分、その後駐車料金の支払いやトイレなどで、 駐車場を出発したのが 7時52分であった。
駐車場から車道を暫く登ると、右手の民家の庭先に 「将監峠」 と書かれた標識が見え、 そこから右へと林道がつけられているのが目に入った。 ここが本日の登山口である。
やや暗い林の中の林道歩きは暫く続き、意外と急な傾斜に息を切らせながら登っていくと、やがて明るい尾根に出て、 その少し先で道が2つに分かれていた。
地図を見ると、右の林道をそのまま行くのは将監峠への道であり、左の山道の方は、 牛王院平 (ごおういんだいら)を経てそのまま唐松尾山に通ずる道である (七ツ石尾根)
無論、やや遠回りにはなるが将監峠経由にても唐松尾山へは登れるのであるが、林道歩きとは早くおさらばしたかったこともあり、 左の山道を行くことにした。

いきなり一直線の急登が始まり、やっと緩やかになってきたと思ったら、 また登りが現れるといった状況が暫く続き、ふくらはぎがつぱったままの状態となって結構苦しかった。
最初、カラ松などの木々に囲まれ、さらに背の高いクマザサも周囲を囲んでいたので、視界はほとんど利かなかったのであるが、 高度を上げるにつれて周囲の景色も見えるようになり、振り向けば 富士山がその頂の雪を朝日に光らせているのが見えた。
道は、大変良く整備されており、ササはきれいに刈られていて、全く迷うこともない。
やがて、将監峠と笠取山方面の分岐となる牛王院平に着いたが (9時5分)、 右手にササがきれいに刈られた斜面が見えたので行ってみると、小さなピークがあり、そこから 富士山大菩薩嶺方面を良く見ることができた。
また、進行方向を振り向けば、これから登る唐松尾山の姿が見え、その大きな山容は今日の登山に期待を抱かせてくれるものであった。

牛王院平から、暫く平坦な道を進むと、一面がササハラの山ノ神土と言われる場所に着いた。
ここは、林の中にぽっかり空いた日溜まりの場所で、なかなか気持ちがよい。
ここで道は 3つに別れ、一つは和名倉山へと向かう道、もう一つは目的の唐松尾山へ登る道、 そしてもう一つはこの唐松尾山の尾根を避けて唐松尾山の南斜面の下を進み、笠取山の直下へ至る道である。
しかし、最後の笠取山直下へ至る道は、途中に架けられている橋が流出したため、不通である旨の案内板が表示されていた。
唐松尾山への登りは、事前に調べた 1997年版の昭文社の地図 「奥秩父 1:雲取山・両神山」 によれば、 破線表示となっていて難路であることを示しており、ややおっかなびっくり足を踏み入れたのであるが、道は明瞭に踏まれていて、 下草もしっかり刈られた大変良い道であった。拍子抜けである。

道の多くが南斜面側であることから、日溜まりの中を気持ちよく歩くことができ、 またキツイと思われる登りもなかったので順調に足を進めていくと、先ほどの山ノ神土から約20分程で、 右手斜面に小さな標識と脇道がある場所についた。
小さな茶色い標識には、西御殿岩 15分と書かれている。
ここまでのあまりの歩みの快調さに、早く登り終えてしまうのではないかという危惧を抱き始めたばかりだったので、 早速そこから西御殿岩を目指した。
西御殿岩への道は、これまでの登りよりも急傾斜となっており、霜が融けだした道は滑りやすく、また途中ガレ場もあって、 本当に 15分程かかってしまった。
樹林帯を抜け、最後の岩場をよじ登ると西御殿岩頂上で (9時51分着)、 狭いながらもそこには 360度遮るもの無しの大展望が広がっていた。
しかし、残念ながら、周囲の山の中で私が山名を同定できる山は 富士山、大菩薩嶺くらいしかなく、 どうも奥秩父の山はあまり見慣れていないせいか、いつもこのように悔しい思いをさせられるのである。
本来は南アルプスなどの山々も見えるのであろうが、上空は雲一つなかったものの、南アルプス方面は雲でおおわれており、 一つとして確認することはできなかった。
東の方を見やれば、斜面のササハラを緑に輝かせている山が印象的で、その周囲には 雲取山なども見えたのかもしれなかったのだが、 どれがどれだか全く分からなかいというテイタラクであった。
また、西方にはこれから登る唐松尾山らしきピークが見えたが、結構近い距離であるという印象で、 その後ろに見えるはずの笠らしき形をした笠取山の姿は認めることができなかった。

山の名前は分からずとも、いつまで眺めていても飽きない景色ではあったが、強い風が吹く中、 寒さのためあまり長居はできず、10分ほど居て先ほどの分岐まで戻ることにした。
分岐に戻って緩やかな登りを進んでいくと、やがて小さなピークにたどり着いたが、そこが唐松尾山の頂上であった。
頂上は猫の額のような場所に三角点があるだけで、周囲は樹林に囲まれていて展望は全くなく、 木にぶら下げられた小さな表札が辛うじて唐松尾山であることを示している寂しい所であった。
休む場所もなく、ほとんど日の光も当たらないので、セルフタイマーで写真を撮った後、直ぐさま下りにかかった。
かなり下った後、目の前にまたピークが現れたので登り返すと、後は歩きやすい尾根道が続き、途中、黒槐 (くろえんじゅ) の頭 と書かれた表札が木にぶら下げられていた。

ササハラの中の道を進んで行くと、やがて、水干尾根 (みずひおね) と書かれた場所に到達したが、 ここは中島川橋登山口への道と水神社への道、そして笠取山への取り付きとの分岐であった。
当然、笠取山への道を進むと、いきなり急登が始まって久々に息を切らされることになったが、この登りはそれ程長くはなく、 一旦ピークに立つと下りが待っていて、その後再び登り返すといったようになっており、それぞれ距離が短いことからそれ程苦痛ではなかった。
そして、小さなピークに立つ度に笠取山の姿を探したのであるが、どうも私のイメージにある笠の形をした山は見あたらない。
遙か先の山がそれらしい形をしていたので、まだまだ距離があるな、などと思っていたら、小さなピークを登り切ると、 ヒョイと笠取山の山頂に飛び出してしまった (11時48分)
写真で見た笠取山は、見事なまでの笠の形、というよりはむしろベル型をしていたため、 てっきり笠取山は独立峰だと思い込んでしまっていたのだが、これは先週の編笠山の影響もあるかもしれない。
しかし実際は、唐松尾山から尾根続きであるために、尾根側からは笠の形を求めるのはできない状況だったようである。

笠取山の頂上はあまり広くなかったが、立派な標識が置かれており、また南面が開けていて、 そこから見る富士山は見事であった。
頂上で食事をとった後、笠取小屋方面へ少し下ると、突然樹林が切れて明るく開けた場所となり、そこには例の山梨百名山と書かれた標識が置かれていた。
そして、そこからの草つきの下り斜面は大変急ではあるが、見事にササを刈って手入れされており、 草やササの絨毯が下まで敷かれているようであった。
えぐれて溝となっている所を使って慎重に下ったが、これを登るのは結構しんどい気がする。
下り終えて振り返ると、写真で見たままの笠の形、というよりはベルのような形をした笠取山の姿が大変見事であった。

下り着いた所が笠取山西という所で、笠取小屋への道と、水源を横切る道、そして途中に水神社の置かれている、 先ほど笠取山に取り付いた水干尾根へと続く道が分かれていた。
ここまで来たのであるから多摩川の最初の一滴を見るべく、水神社への道を辿り、ほぼ平らな道を進んで行くと、 多摩川の源流、水神社と思しき場所に着いたのであるが、残念ながら水はほとんど出ておらず、水を満たしたお猪口が置かれていただけであった。
この時、この場所ではビデオの撮影が行われており、水源について語っている登山姿の方を 3、4人のビデオクルーが取り囲んでいたのであるが、 何かの紀行番組か、あるいは教育番組の撮影だったのかもしれない。
その登山姿の方と話をする機会があったのだが、聞けばここから出る水はすぐに伏流水となってしまい、下の沢で表面に出てくるとのことであった。
私が水神社のことを聞くと、お猪口の置いてあった場所の横にある岩の上に水神社と書かれた看板 ? が置いてあることを教えてくれ、 その話を聞かなかったら私はその看板を見過ごしてしまうところであった。 ラッキーであった (私とは逆の方向から来た人ならこの看板に気づくことができる)

水神社を後にして暫く進んでいくと、先ほどの笠取山への取り付きに戻ることとなり、 そこから中島川橋を目指してあとはひたすら下るだけであった。
但し、傾斜はそれほどでもなくて道も広く、これなら笠取山登山は最後の一登りを除いて大変楽なものであろう。
林道脇の中島川橋登山口に着いたのが 13時31分、そこから少し林道を歩いて、 中島川橋の所から流れに沿って再び山道を下った。
やがて民家が見えるようになり、舗装道路に入ると着いたのが一ノ瀬キャンプ場で、そこから登り返すと、今朝ほどの民宿であり、 車の所へたどり着くことができた (13時51分)
帰りは、国道411号線 (青梅街道) に出てから青梅の方へ向かい、 まだ紅葉が美しい渓谷沿いのドライブを楽しんだ次第である。


唐松尾山・笠取山登山データ

上記登山のデータ登山日:1998.11.21 天候:快晴単独行日帰り
登山路:一ノ瀬キャンプ場入口−牛王院下−牛王院平−山ノ神土−西御殿岩分岐−西御殿岩−西御殿岩分岐−唐松尾山− 水干尾根分岐−笠取山−笠取山西−水神社−水干尾根分岐−中島川橋登山口−一ノ瀬キャンプ場−一ノ瀬キャンプ場入口
交通往路:瀬谷−八王子IC−(中央自動車道)−勝沼IC−一ノ瀬キャンプ場入口(車にて)
交通復路:一ノ瀬キャンプ場入口−奥多摩湖−八王子−瀬谷(車にて)
その他の
笠取山登山
新地平−雁峠登山口(林道分岐)−雁峠−小さな分水嶺−笠取山−小さな分水嶺−雁峠− 燕山−古礼山−水晶山− 雁坂峠−雁坂嶺−雁坂峠−ナメラ沢入口−雁坂トンネル南側駐車場−新地平 (2001年12月29日 : 曇り時々雪)
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白沢橋−白沢峠登山口−白沢峠−鳥小屋分岐−ヤブ沢峠−笠取小屋− 雁峠分岐−小さな分水嶺−笠取山−水干尾根−水干(水神社)− 小さな分水嶺−雁峠−林道終点−(亀田林業林道)−新地平−道の駅みとみ (2016年12月29日 : 曇りのち晴れ)
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