燧ヶ岳( 燧ヶ岳:2,356m ) 2004.11.06 登山


  熊沢田代への下りから燧ヶ岳 ( 2004.11.06 )

【燧ヶ岳再登山記録】

【燧ヶ岳再登山データ】

フォト

初回登山


燧ヶ岳再登山記録

11月3日の 蓼科山 (いつものルートなので写真のみを こ こ に掲載) に続いて 燧ヶ岳 に登ってきた。
燧ヶ岳は 2回目の登山となるが、前回はあまり天候に恵まれない状況で頂上はガスの中、 下田代十字路へと下山してから天候が回復してきたという残念な登山であった。
従って、今回は 燧ヶ岳頂上からの尾瀬ヶ原 ・ 至仏山 へと続く眺めを見られることを期待しつつ、 再び檜枝岐経由御池へと向かったのであった。

しかし何と言うことであろう、あれほど天気予報で晴れを確認したにも拘わらず、天候は曇り、 檜枝岐村の集落を過ぎ、見えてきた 燧ヶ岳方面には雲がかかっているではないか。
このように何回トライしても天候に恵まれない山というのはあるもので (といっても、蓼科山くらいしか経験はないが・・・)、 今回も半ば怒りを感じつつ、半ばあきらめムードで御池の広い駐車場に車を乗り入れたのであった (8時25分)

今は 11月、御池ロッジは閉鎖されており、広い駐車場も数えるほどしか車はない。
コースは前回と全く同じ。ただ、今回は下田代に下ることはせずにピストンのつもりである。
駐車場を突っ切って登山道に入ると、記憶の通り、すぐに 燧ヶ岳への分岐を示す標識が現れたので、道を左にとる。
前回、ここからの登りはぬかるみの中であったが、今回も前回ほどではないものの、滑りやすく歩きにくい道が続く。
樹林の中をひたすら登り続けること 30数分、ようやく第一番目の湿原に到達した (9時3分)
広沢田代である。

この広沢田代は、前回 ガスの中で、ほとんど木道周囲の様子は分からなかったのであるが、 今回は左右に点在する池塘も、そして周囲の山々も何とか見ることができ、また少し登って振り返れば、うっすらとではあるが 会津駒ヶ岳の優美な姿さえ見ることができたのであった。これは嬉しい。
もしかしたら頂上からの景観も期待できるかもしれないと思えてきたものの、相変わらず前方はガスの中である。

広沢田代を過ぎると、再び樹林の中、ゴロゴロした岩の道の登りが待っていた。
頑張って高度を上げ振り返ると、下方には先ほど歩いたばかりの黄色く染まった広沢田代湿原が見え、鏡のような池塘群とその間を割るように敷かれた木道が見える。
ここで下山してきた親子連れ ? と擦れ違ったが、頂上はガスで視界が利かなかったとのこと。どうなることやら・・・、期待が萎む。

しかし、暫くするとありがたいことに前方のガスが晴れ、恐らく俎ー (マナイタグラ) であろう、 樹林の向こうにドーム型をした 燧ヶ岳の山容が見えてきたのであった。
そして、さらにその後ろには柴安ー (シバヤスグラ) と思われるピークも見ることができるではないか。 これは嬉しい。
再び天候が崩れないようにと祈りながら足を速める。

樹林を抜け、小ピークを登り越すと今度は下りとなり、熊沢田代湿原へと下降することとなる。
目の前の 燧ヶ岳の山容は大きく、山腹にはもうすでに雪が積もり白くなっている部分が見える。
やがて 燧ヶ岳の姿が正面に位置するようになると、 先ほどまで見えていた柴安ーの姿は俎ーの後ろに隠れてしまったものの、目の前には熊沢田代の広がりと、その中を木道が縦断して 燧ヶ岳へと続いている、という爽快感を覚える、素晴らしい景観が現れた。
こういう素晴らしい景色を前回は見ることができなかったのだから、やはり前回の登山は頂上を踏んだとは言え片手落ちということであろう。
登山は景色を得てこそ充実感を味わえるものである。

燧ヶ岳の裾にある樹林帯へと続く木道は、今いる所から一旦下り、 そしてまた上っていく形になっている。
この木道が下りついた最低鞍部には熊沢田代のアクセントとなっている 2つの大きな池塘が木道の左右に位置している。
前回はこの 2つの池塘を通過する頃が一番霧雨が強く、最悪の状態であった。しかし今日は曇り気味とはいえ、燧ヶ岳も池塘も、 そして湿原全体も見ることができ、大変幸せである (9時39分)
この 燧ヶ岳と尾瀬ヶ原を挟んで対峙している 至仏山の時も、 そして 燧ヶ岳のそばにある 平ヶ岳の時もそうだったが、 この尾瀬近辺の山々は 1回ではなかなかその美しい姿を見せてくれないようである 燧ヶ岳の北に位置する 会津駒ヶ岳だけは 1回目で素晴らしい景色を見ることができたが・・・)

熊沢田代を後にすると再び樹林帯が待っており、やがて道はササの中を進むようになった。 これは前回の記憶通りである。
やがて道は右に折れ、前回の記憶通りに両側が抉られた涸沢のようなところを登るようになると、もうここでは雪が岩の道を覆っており、 いきなり冬の世界であった。
そしてこれ以降、登山道を雪が覆っていることが多くなり、前回少々迷ったガレ場を横切る箇所などは完全に斜面は雪であった。
ただし、雪は数センチしか積もっておらず、また凍ってはいないので軽アイゼンなどは不要である。

雪のガレ場を横切ると、ササとハイマツの中の道へと変わり、やがて右手には柴安ーの姿が現れたのであった。
柴安ーはドーム状の形をしており、右下はかつて火口だったのではないかというような荒々しい岩場を見せ、 また緑のハイ松やササに覆われた斜面には所々白い雪化粧が施されている。
前回ガスの中で全く姿を見ることができなかっただけに、この柴安ーの姿を見ることができた瞬間、嬉しくて思わず 「やった」 と叫んでしまったほどであった。
やがてハイ松やシャクナゲも切れ始めると、上方に岩場と祠が見えてきた。俎ーの頂上である (10時43分)

前回もそうであったが、今回もあっさりと登ってきてしまった感がある。やや物足りない頂上到着であった。
しかし、今回は天候があまり良くないとは言え、左下には尾瀬沼の姿、右手にはうっすらとではあるが尾瀬ヶ原の黄色に染まった広がりが見え、 その先になだらかな三角形をした 至仏山を目にすることができたのだから良しとしたい。
さらに右手にはこれから登る柴安ーがハッキリと見え、その先には薄くではあるが青空が広がっていたのであった。
一旦は頂上からの展望をあきらめただけにこれは大変嬉しい。

柴安ーへは岩場を縫うようにして下り、小広いコルに下り立ってから登り返すということになる。
この登りも急斜面であるが、距離は短く、また頂上の展望を得られた嬉しさであまり苦痛は感じない。
やがて、柴安ーの頂上に立つと、ここでも素晴らしい展望が待っていた (11時5分)
特に、尾瀬ヶ原、至仏山方面の眺めは、俎ーよりこちらであろう。 コウモリが羽を広げているような形の 至仏山、その左手には小至仏山の高みが見え、 さらにその左奥には形の良い 笠ヶ岳の三角錐が見える。
至仏山の右手には形に特徴のある景鶴山、そしてさらに右手には頂上の一角に雪を抱いた 平ヶ岳の姿、その後ろにはうっすらとではあるが 中岳越後駒ヶ岳の姿も見ることができたのである。
天候の方も回復傾向にあるようで、この柴安ーでは太陽の光も時々差すようになり、ずっとこのままここで時間を過ごしたい気がしたのであった。
しかし、ここは遠く会津の地、帰りの行程を考えると早く引き上げる越したことはなく、再び俎ーへと戻ったのであった。

さあ、後は往路を一気に下るのみである。
天候がますます回復してきている中、復路のハイライトは熊沢田代の湿原とその向こうに見えた 会津駒ヶ岳の姿、 それと同じく熊沢田代の池塘越しに見えた 平ヶ岳、中岳、越後駒ヶ岳の姿である。
往路では見ることができなかっただけに大変得をした気分であった。


燧ヶ岳再登山データ

上記登山のデータ登山日:2004.11.06 天候:曇り時々晴れ単独行日帰り
登山路:尾瀬御池−広沢田代−熊沢田代−俎ー−柴安ー−俎ー−熊沢田代−広沢田代−尾瀬御池
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−用賀IC−(首都高速)−川口JCT−浦和IC−(東北自動車道)−西那須野塩原IC−塩原温泉−木賊温泉−檜枝岐村−尾瀬御池 (車にて)
交通復路:尾瀬御池−檜枝岐村−塩原温泉−西那須野塩原IC−(東北自動車道)−浦和IC−(首都高速)−用賀IC−(東名高速道)−瀬谷 (車にて)



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