NO.015 石 堂 山( 石堂山:1,547m ) 1993.12.5登山


 六合目付近から見た石堂山( 1993.12.5 )
【石堂山について】

【石堂山登山データ】


石堂山について

石堂山は市房山、天包山とともに米良三山と呼ばれ、 一ツ瀬川を挟んで市房山と対峙しており、付近では市房山と並んで一際目を引く存在である。
また、市房山から見る石堂山は頂角がなだらかではあるものの美しい三角形を見せており、またそのボリュームある山容に些か驚かされるであろう。
ただ、山の真ん中付近まで林道が通っているのが見え、少々興醒めではある。しかし、やはり一度は登りたいと思わせる魅力的な山である。

この山には、車でかなり高度のある井戸内峠まで行って登ることや、 あるいはその井戸内峠で車を降りず、更に先に進んでから登ることもできるのだが、やはり麓の上米良から登るのが本来の姿であろう。
市房山の宮崎側登山口である槙之口ダムの近く、一ツ瀬川沿いの上米良のバス停が登山口であるが、 そこまでのアプローチが結構大変なのでやはり車で行くのがよいであろう。
宮崎からは国道10号線を北上し、新名爪の二股路で道を左にとって国道219号線に入り、西都市を抜けてひたすら西米良を目指して進むことになるが、 途中 一ツ瀬ダムなどがあってドライブも結構楽しい。
やがて西米良村役場のある村所の信号を右折し、一ツ瀬川沿いに265号線を約 7km北上すると、上米良のバス停がある。
駐車場所は道路際に結構スペースがあるので、問題ないと思われる。

登山口はバス停前の民家の横を入っていくことになるが、所々に小さな道標があるので見落とさないようにしたい。
いくつかの民家の横を抜け、最後の民家の庭先を通るようにして進んでいくと、段々畑からやがて山に取り付くことになるが、 ここからは結構 急登となってあっという間に高度を稼ぐことになる。
振り返れば、山間に流れる一ツ瀬川とその周りに建ついくつかの民家を眼下に見ることができる。
暫く樹林の中を進むと林道に飛び出るが、当時林道は工事中のようだったので、今はまた様相が変わっているかもしれない。

林道を進んでいくと、送電線の鉄塔が右手に見えてくるので、右に登って鉄塔の下を進むことになる。
鉄塔付近からは市房山も見ることができるようになり、また道も直線の緩やかな道となって気持ちよく歩けるようになる。
続いて、杉の植林帯に入ると登りもややきつくなるが、やがてカヤの原に飛び出し、傾斜もほとんどない道となって、 左側の植林して間もない杉の向こうに石堂山も認められるようになる。
カヤの原を過ぎるとアカマツなどの自然林の中の道に変わり、やがて 6合目となるが、ここからは右には井戸内峠、 左に槙之口へ通じる道が延びている。

やがて、再び杉の植林帯の中の急登となり、7合目の標識を見て、さらに急登を続けると、 8合目の手前で不意に目の前に林道が現れるのでビックリする。しかし、この道は麓とはつながっていないようである。
林道を横切るように進むと、また尾根に取り付く道があり、急坂を登りきると尾根上にでる。
ここからは小さなピークの連続となり、もう頂上かと思うと裏切られるといった具合で、露岩混じりのやせた尾根道を登下降しながら進むことになる。
そして、4つ目のピークが頂上である (実際はどうだったか覚えていないが、ガイドブックには 4つ目のピークとなっている)。

頂上には二等三角点 (実は二か三か読めない) があり、その傍らには石堂山と白い文字で書かれた標識と、 「大正八年奉寄進 霧島六社権現 云々」 と彫られた石碑があり、その周囲には丸い石、さびた鉄製の小さな鳥居、 剣などが置かれている。
展望は、北側が樹林で覆われているが、その他は遮る物なく良く見え、特に西側に見える市房山の堂々とした姿には目を奪われる。
私が登ったのは 12月であったことから、市房山の頂上はうっすらと冠雪が認められ、雪化粧をして一段と魅力を増していたのが印象的であった。
天気が良ければ、霧島連山や日向灘も見ることができるようであるが、 残念ながら私が登った時には見ることができなかった。

この石堂山は、途中に 2回ほど林道があってやや白けることになるが、登山口からの距離が長く、 また高さも麓から頂上まで 1,200m以上の高低差があり、登りがいのある山である。
また、その山頂の風情は質素でなかなか好感の持てる山であり、俗化した山に慣れた者には新鮮に映るであろう。
下山は往路を戻ることになるが、私が登った時は、往きも帰りも誰とも会わず、静かな山旅が楽しめた (真冬だったからかもしれない)。
こういうあまり荒らされていない頂上はなかなか良いモノであり、是非とも登っていただきたい山である。
登山時間は往復で、7時間40分前後とガイドブックには出ているが、健脚の方なら 6時間もあれば十分かもしれない。


石 堂 山 登 山 デ ー タ
上記登山のデータ 登山日:1993.12.5 天候:曇り時々晴れ 単独行 日帰り
登山路:上米良−863m三角点−六合目(井戸内峠) −七合目−林道−八合目−九合目−石堂山−九合目−八合目−林道−七合目 −六合目−三角点−上米良
交通往路:宮崎−佐土原−西都−一ツ瀬ダム−西米良−上米良(車にて)
交通復路:上米良−西米良−一ツ瀬ダム−西都−佐土原−宮崎(車にて)

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