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山形置賜の湯巡り byやませみ


【第2回】 米沢市近郊の温泉


小野川温泉のシンボル「尼湯」共同浴場



小野川温泉「うめや旅館」

 AA/ 熱交換の威力絶大。豊かな浴感で名湯を再認識。活気のある宿。
 
http://onsentamago.com
 米沢市小野川町2498 TEL/0238-32-2911 400円 8-10・15-20時 不定休
<DATA> 脱衣所に掲示
 小野川温泉・協組4号源泉 H5.3分析
 S-Na・Ca-Cl 82.3℃ pH=7.3 蒸発残留物=5831mg/kg
 HS=2.4 H
2S=2.4 HSiO3=185.6

滝の湯共同湯の前に立つ鉄筋3階の狭い間口の小型旅館。外観はまったく冴えないが、内部は新装されて小ぎれい。2食付き8000〜12000円で、米沢牛を中心とした地元の食材を、気取らない料理でいっぱい食べられる。全館にやる気の満ちた活気ある宿。

小野川温泉の源泉は高温で、温泉玉子には適温だが人間様が浸かるのにはいささか扱いがやっかい。「うめや」は源泉を冷水との熱交換で冷却し、同時に温水を暖房に使用するという先進的な方法でこの問題を解決している。前回尼湯に入ったときには激熱ながら大量加水で「薄いな〜」と感じたが、熱交換の威力は絶大で、源泉の良さを再認識できた。

男女別の小振りの内湯と、内鍵式の家族風呂があるだけでシンプルな浴室構成。6人前くらいのタイル浴槽に44℃くらいの湯が6L/minほどトロトロと投入され適温。湯面に接したパイプから排出される静かな掛け流し。無色透明な湯に白い湯花がちらほらと舞う。軽い苦味をともなう適度な塩味にほんのり硫黄味で、ゆで玉子に海塩をまぶしたような美味しい湯。湯口から何度もがぶがぶ飲んでしまった。ここの硫黄臭は炊き立てのご飯みたいな少し焦げっぽい良い香り。柔らかく包まれるような浴感がとても心地良く、ほわほわした程良い温もりが長時間持続する。味・香り・浴感とも強烈ではないが、中庸の名湯といったところ。(2001.10.28-29 宿泊)


あまりぱっとしない「うめや」の外観

さりげない浴槽に名湯が満たされている

滝の湯共同浴場 左わきは玉子さん用の浴槽

温泉街でひときわ目を引く「扇屋旅館」


岡原温泉「岡原荘」

 AA/ 美しい緑色の滑らか重曹湯。甘い硫黄臭が芳ばしい。自然たっぷり。
 米沢市簗沢笹口1-5670 TEL/0238-32-2424 300円 7-22時 不定休
<DATA> 脱衣所に掲示
 岡原温泉・岡原1号源泉 H4.9分析
 S-Na-HCO
3 28.5℃ pH=8.4 蒸発残留物=1446mg/kg
 HCO
3=1007 CO3=19.2 HS=31.6 H2S=1.4

米沢市街から小野川温泉に向かう途中、綱木方面に入る県道に分かれて進む。角々に看板が立っているのを見逃さずに行けば、市内からも結構近い。山林に囲まれた三角屋根の大きな山小屋風施設を、これも山男然とした親父が一人で管理している。玄関を開けたとたんに芳ばしい硫黄臭が漂ってきて思わずニンマリ。

小旅館サイズの質素な浴室に、わりと大きな古びた4人前ほどの木製浴槽がはめ込まれている。2つの蛇口から投入されるのは、冷たい源泉(灰色透明)と加熱湯。合計で7L/minくらいの掛け流し。黒く変色した木肌でわかりにくいが、若葉色の美しい魅惑的な湯色だ。白木浴槽ならさぞきれいだろう。黒い湯花も大量に舞い、ときには真っ白に濁ることもあるそうだ。わずかな塩味をともなうまろやかな濃い重曹味。軽いつるすべ感(2)もある良い感触。ふくよかな甘めの硫黄臭も飽きることがなく、浴後はサラサラで涼やか。視覚・嗅覚・触覚の総身で楽しめる大満足の湯。

宿泊は自炊が基本だが、少人数なら親父手造りの食事も用意できるそうである。あまりひろめない方が良いかと聞いたら、「どんどん宣伝してくれ」と言う。自然たっぷりの環境で、朴訥な親父と飲み語るのも楽しそう。じっくり滞在してみたい。(2001.10.28)

【追加情報】2002年1月30日夜の火災で焼失(2002.7.25やませみ情報)

ロッジ風の「岡原荘」 浴室は左端にある

浴室(男性用) 木が黒いので湯色がわかりにくい


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