長流川沿いに細長く散在する静かで鄙びた湯治場。蟠岳荘はまんなかへんにある昭和25年創業の旅館。近所の伊藤温泉旅館は日帰り客が多いが、こちらはひっそり空いていたので寄ってみた。外装はときどき新しくしているそうだが内部はまったくの古いまま。歴史を感じるというほどではないけれど、なんだかほっとする雰囲気。

浴室のみ改装してきれいになっており、大きな前面ガラスのすぐ前を長流川が流れる。3x2mの深めタイル浴槽にホースで70℃の源泉が18 L/min導入され、ほかに蛇口から源泉3 L/minとうめ水2 L/minの投入。湯温は熱め43℃になっており、洗い場へしずしずと溢れている。

無色に澄んだきれいな湯で、弱塩味とほ甘苦いような微妙なボウ硝味。微キシキシのみで特徴ない浴感だが、くせのない柔らかさをもっており湯治向きだろうと思う。雨降りでちょっと肌寒かったので、首まで浸かってぬくぬくと温まったのでありました。(2003.9.19)

壮瞥町の公営３施設のひとつ。弁景温泉は久保内よりオロフレ峠方面に2kmほど入ったところの源泉で、おもに地熱利用のハウス園芸に利用されており、一般入浴できるのはここだけ。

町営公衆にふさわしい小じんまりした清潔な建物で、内湯浴室と休憩広間があるだけ。受付の母ちゃんがなかなか気さくで、雨降り休みで次々やってくる常連さんに話しかけては笑わせている。とってもほのぼのした雰囲気。

浴室は狭いがタイル張りでたいへん清潔。2.5四方の深め浴槽に湯口から46℃の湯が25 L/min投入の掛け流し。無色に澄んだ湯で臭味はほとんどない。数値はけっこうイオウも含んでいるが、これも引湯中に失われたのだろう。これという浴感もないのだが、湯は柔らかくてよく暖まる。銭湯代わりに毎日使うには結構なものだと思った。(2003.9.19)

昭和新山の表側(?)、北の湖記念館の隣にある。壮瞥町の公営３施設ではいちばん大きい本格的日帰り仕様で観光客むけ。浴室にくらべて休憩スペースや土産物売場がむやみに広い。

大型の内湯のみで、7x3mの深めタイル浴槽に湯口から大量投入で熱め適温42℃。溢れた湯はとなりの気泡湯槽に流入していく。投入湯は湯口内部で50℃超の温泉と水が半々に混ぜられていた。

黄緑を帯びた淡褐色で60cmくらいの半濁湯。湯口では弱だし塩味に新鮮な金気もついてけっこうなお味。土類重曹泉に特有のキシキシ・さらさらした浴感でなかなか良いが、暖まらない泉質なので北海道では喜ばれないか。加水量を減らしてやや高温に調整したほうが良いように思う。(2003.9.19)