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南紀熊野古道の湯巡り byやませみ


【第2回】 那智勝浦町の温泉(2)



那智天然温泉 A/

  那智勝浦町川関1512 TEL/07355-2-6426 毎1・11・21休 13-19時(休日10-) 200円
  那智温泉第3号 S.39.10分析  掲示あるが成分数値は空欄
  単純硫黄泉 36.2℃ pH=? 600L/min(自然湧出)

県道43を熊野那智大社へ向かい、「杉の木」バス停近くに看板があるので左折して橋を渡ってすぐ。まったくのB級手作り温泉だが、浴室や露天風呂はなかなか立派なもの。本格的な温泉プールもある。11時半くらいに着いたら今湯を溜め始めたところだというのでしばらく待つ。以前は30分で溜まったのが最近は40分以上かかり、湯量が減っているらしいとのこと。

オレンジ色のテントが張られた浴室に入ると、無色透明に澄み切った湯が60L/minも大量に投入されている。硫黄臭はほとんどないが、飲むとタマゴ風味がたっぷりと鼻に抜けていく。弱いすべすべは僅かに付く泡によるもので、浴感といえるものはほとんどない。浴槽では36℃のまったくの不感温度で、加熱槽と出入りするのがたまらなく気持ち良い。

いつまでも浸かっていられる感じだが、全体がオレンジ色で眼の色彩感覚が狂うせいか、ちょっと頭が痛くなってくる、眼をつむってじっとしているのがよさそうだ。昼過ぎには農作業を終えた爺さん婆さんが三々五々やってきて、結構な賑わいになる。地元ではずいぶんと愛されている温泉なのだ。(2002.2.23)


裏側からの外観 オレンジ色の浴舎と右が露天風呂


超ぬる湯が爽快 内側が加熱槽


ゆりの山温泉 AA/

  那智勝浦町二河8 TEL/0735-52-5106 金休 9-22時 300円
  ゆりの山温泉 簡易掲示のみ
  単純硫黄泉 38.5℃ pH=? 126L/min(自噴)

ゆかし潟の岸辺の山陰にひっそりと建つ静かで簡素な公衆浴場。宿泊(素泊まり)もできる。国道42の二川小学校あたりに入口看板がある。二河バス停から徒歩10分ほど。喜代門湯前から湖岸をぐるりと廻っても行ける。

狭い浴室の大半を浴槽が占めていて、そこに大きく開いた湯口から間欠的にゴボッゴボッと70L/minほども大量に掛け流しているものだから浴室はまったく洪水状態となっている。洗い場のパイプからも湯が垂れ流しなので、全部合わさるとゴボゴボ・ジャージャーと大変に騒々しい。湯量の豊富さを耳でも楽しめてとても愉快な気持ちになる。

成分はごく薄く、ほぼ無味、明瞭なタマゴ風味。38℃くらいのぬる湯だが、短時間でも異常なほどよく温まる。遊離炭酸がけっこうあるのではないかと思うが、これは未確認。 (2002.2.23)


湖岸側は宿泊棟 茶色屋根が浴舎でこじんまり

奥の湯口から大量掛け流し


夏山(なっさ)温泉「もみじや旅館」(泊) A/

  那智勝浦町湯川夏山3830 TEL/07355-2-0409 無休 15-19 300円 宿泊8000円・10000円
  夏山温泉 年次不明の古い分析表を廊下に掲示
  単純硫黄泉 ?℃ pH=? ?L/min(動力)
  総計=251.6mg/kg 現代風に換算すると、Mg・Ca-Cl・SO4・HCO3型
  Fe(II)=5.25 HS=0.72 H2S=3.20

喜代門湯の横から海側へ坂道を登っていく。地図で見ると1kmほどだが山越えになるので歩くと結構しんどい。民家もほとんどない静かな海辺に、木造2階の古い旅館が1軒だけひっそりと建つ。宿の部屋は全部海側なので、とても眺めが良い。

全体に古いながら丁寧に使いこまれた結果、とても落ち着いた心地よさが出ており、なんだが懐かしいような気持ちになる。古き良き温泉宿の基本がしっかり守られているという印象。浴室は男女別にタイル張りの小さい内風呂があるきりでいたって簡素。しかし毎晩湯を抜いて掃除するので、ピカピカの清潔さは最近珍しいくらいだ。

湯口からは無色透明の40℃のぬる湯が45L/minも投入され、小さい浴槽から大量にあふれ出している。弱いタマゴ味があるほかは浴感も味もいたって薄いものながら、不思議な満足感が得られる。すぐ廊下の向こうで揚湯ポンプが唸っているので、湯の新鮮さがそうさせるのであろうか。

2食付き8000円で泊まれるのだが、応援の意味で10000円のほうをお願いした。魚がどれも美味しいのでご飯を食べ過ぎて、後でけっこう苦しい思いをした。(2002.2.23)

掛け流しで清澄な湯 女性用はこの半分ほど
 

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