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南紀熊野古道の湯巡り byやませみ


【第1回】 那智勝浦町の温泉(1)

那智勝浦町には174箇所もの泉源があり、そのうち78箇所が利用されている一大温泉町です(平成12年の資料)。高温の泉源は勝浦湾付近に集中し、まとめて勝浦温泉と呼ばれていますが、源泉の汲み上げ過剰で海水が侵入して、本来は単純硫黄泉であったものが塩化物泉に変化してきています。ただし、忘帰洞などの古くからある一部の泉源はもともと塩化物泉だったようです。

勝浦温泉の周辺には、比較的低温で湧出量が多い泉源がたくさんあり、ぬる湯好きにはたまらない地域となっています。未利用で垂れ流しの温泉があちこちに見られるほか、一般公開されていない個人利用の温泉もたくさんあるようです。今回は代表的施設のみの訪問でしたが、じっくり街中の秘湯を探索してみたい町です。

那智勝浦町のホームページ 「かんこう」のページに外湯案内があります
http://www.town.nachikatsuura.wakayama.jp/

勝浦温泉組合総合案内所 旅館・ホテルの立ち寄り情報があります
http://www3.ocn.ne.jp/~nk-onsen/



勝浦シティプラザリゾートホテル「勝の湯」 B/

http://www.cypress.ne.jp/okuwa/?
  那智勝浦町朝日3-7-1 TEL/0735-52-6600 無休 6-9・16-24時 500円
  勝浦温泉・玉乃湯 S.31.3分析 脱衣所に分析表を掲示
  単純硫黄泉(S-Na・Ca-Cl・HCO3) 31.5℃ pH=8.5 144.5L/min
  溶存計=281mg/kg Cl=73.23 HCO3=55.58 CO3=6.6 HS=2.25

勝浦駅すぐ裏にある小ざっぱりした中規模ホテル。街中のビジホという印象でやや名前負けだが、ルームチャージ6000円だけで宿泊できるので使い勝手の良いホテルでもある。 浴場は中型の内湯があるだけ。湯口から加熱湯が15L/min投入されるほか、浴槽内にぬるい源泉注入がある半循環仕様で熱めに調整。弱いつるすべ(0.5)とたまご味の抜け殻のみであまり特徴はない。特に悪いというわけではないが、これ以降の温泉に比べると見劣りするのは否めない。(2002.2.23)

写真はありません


ホテル浦島

http://www.cypress.ne.jp/urashima/
  那智勝浦町勝浦1165-2 TEL/0735-52-1011 無休 9-19時 1000円

勝浦湾を塞ぐ半島全体が一つの巨大ホテルになっていて壮観な光景である。桟橋から無料 渡船で送迎があるのも楽しい。9時すぎのフロントは大勢の団体客でごった返しているが、 館内はわりと閑散とし、お風呂も独占状態になる。 浴場が6箇所に分散してあり、立ち 寄りでもすべて入浴できるのでたいへんお得。 ただし以下の時間に清掃があり、昼前後にはほとんど入浴できないことになるので注意。

  <本館> 忘帰洞:10-12時 ハマユウの湯(女)・滝の湯(男):12-14時
  <日の出亭> 玄武洞:12-14時 磯の湯:22-12時
  <山上館> 山上露天風呂:12-14時
  <ごんど館> ごんど浴場:13-15時

ホテル浦島「忘帰洞」 A/

  S-Na・Ca-Cl(含食塩硫黄泉) 簡易掲示のみ

朝湯は左側が男性用であった。前回の記憶は薄いがだいぶ手直しされている感じだ。 床は石板がきれいに敷かれ、壁面は人工石で崩落防止がなされている。

大小5箇所の浴槽があり、それぞれに丸石くり貫きの湯口からは熱くて硫黄臭ぷんぷんの えぐ塩味の源泉が注がれ、これとは別に石組みの湯口から弱塩味のぬるめ調整湯が投入さ れる。両者の混合比で温度調節しているわけだが、調整湯のほうが量的に優っているので 全体に薄い浴感。海側左手の浴槽が源泉比率が最も多く、緑灰色に濃く濁っている。

濁りの薄い浴槽では吸入口が認められ、半循環の様式になっているようだ。 もっと野性的な浴感の湯を期待していたので、いささかはぐらかされたような気分になる。 とはいえ、海を望む洞窟湯はやはり得難いので、A/をおまけした。(2002.2.23)


手前側の湯 湯口が2カ所ある

海側の湯 緑に濁っている

ホテル浦島「滝の湯」 A/

  犬戻りの湯 S.37.9分析 ハマユウの湯前廊下に掲示
  S-Na・Ca-Cl(含食塩硫黄泉) 59℃ pH=8.2 110L/min
  イオン計=3461mg/kg Na=870.4 Ca=330.2 Mg=42.29 Cl=1911 HS=47.76

ロビーを入ってすぐの所にあるので景観もないし不人気のようだ。誰も入った形跡がない。 内風呂はけっこう広く、天井までそびえ立つ岩のてっぺんのパイプから60L/minあまり の湯がドードーと滝になって投入されている。なるほど滝の湯で、ちょっとよい光景。ただしあまり特徴のない湯でしかも半循環である。これは忘帰洞の調整湯と同じものかと思 う。

外には径一間くらいの樽風呂があって、熱い源泉のみ5L/minちょろちょろ注がれる掛 け流し。緑灰色にとろりと濃く濁って、重量感のある硫黄臭をぷんぷん放っている。この 樽風呂を忘帰洞の中にずらりと並べてみたらエイリアンの巣みたいで面白かろうと思う。 (2002.2.23)

内風呂の湯滝が豪快

気に入った樽風呂 濃い源泉が投入される


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