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霧島周辺と人吉の湯巡り byやませみ

 

【人吉の温泉-1】


■人吉温泉元湯

 熊本県人吉市麓町9-4 TEL/0966-22-3054 2火休 6-12/15-22時 200円

<掲示> 脱衣所の高いところに分析表
  源泉名なし H12.12 麓町9-4
  Na−HCO3・Cl 48.1℃ pH=8.0
  ER=- 溶存計=1081 総計=1085
  Na=287.3(90.2) K=34.0 Mg=1.0 Ca=7.8 Fe(II)=0.6
  Cl=171.1(36.3) SO4=90.8 HCO3=396.3(48.9) HS=0.7
  H2SiO3=75.6 HBO2=14.9 CO2=4.4 mg/kg (mval%)

市役所の至近にある正統派の銭湯で、瓦葺きの大きな入母屋建築が堂々とした見栄え。昼間から大勢の浴客でずいぶん活気があり、ご主人夫婦が交互に表に出て挨拶しています。

浴場は広大なたたきの真ん中に浴槽がある関西式です。湯気抜きがやや不良で蒸します。2畳ほどの浴槽には、樋状の湯口から47℃の源泉が30 L/min投入できりり熱め43℃。きもち淡緑色に澄んだ湯は無味無臭で、弱いつるすべ(1)のほか特徴は薄いですが、少しの泡付きもある新鮮で、滑らかに柔らかい浴感が心地よいです。(2004.2.16)


堂々たる外観です
 



■人吉旅館

  熊本県人吉市上青井町160 TEL/0966-22-3141 無休 13-15時 500円
  http://www.hitoyoshiryokan.co.jp/

<掲示> 簡易掲示のみ
  微弱アルカリ性炭酸泉(単純温泉(Na-HCO3) 47℃ 詳細不明

川沿いに建つ風情がすばらしい老舗旅館で、中庭を囲む総木造2階建ての建築はこれぞ日本の宿という趣。部屋のつくりや調度品、朝夕の部屋食、仲居さんの振るまいなど、今時珍しいほどの伝統的スタイルです。和服の似合う女将さんは意外にも韓国の方で、そういえば館内のあちこちにハングルの説明が貼られ、お客さんも韓国系の家族連れが多いようでした。

浴場は新しい建築で風情は感じられません。窓が少なく暗めで、天井が低く湯気がこもり気味。1.5x3mの石貼り浴槽は深さが80cmもあり、木製のベンチが沈められて座り湯になるのは面白い工夫です。湯口からは47℃の源泉が20 L/minの投入で熱め42℃の掛け流し。ウーロン茶色の澄んだモール泉ながら匂いは微弱、淡いイオウ臭もちょっと感じます。渋みのきいた薄い重曹味で、微つるすべ(0.5)のほか浴感は淡白なもの。平凡な湯に感じてしまいます。(2004.2.16泊)


つるぴかに磨かれた廊下

ベンチが沈められています



■御用蔵・しらさぎの湯

  熊本県人吉市下林町2647-3 TEL/0966-22-3420 2・4火休 9-23時 200円

<掲示> 脱衣所に分析表
  源泉名なし H03.12 下林町九の木2819
  Na−HCO3・Cl 41.5℃ pH=7.76
  ER=- 溶存計=1778 総計=1800
  Na=446.9(85.9) K=89.9 Mg=3.9 Ca=11.6
  Cl=393.5(49.2) SO4=0.6 HCO3=695.8(50.5)
  H2SiO3=112.2 HBO2=22.8 CO2=22.0 mg/kg (mval%)

市街から西にはずれ、田園の中にある「御用蔵」という川魚料理処に付属する温泉です。温泉だけの利用もできますが、雰囲気が良さげなので昼食もとりました。個室に通されて鮎づくしなど頼むと、柄にもなくちょっとしたお大尽気分でゆったり。窓外には鯉のたくさん泳ぐ大きな池があり、池端にはカワセミなどの野鳥も多く来て楽しめました。

浴場は敷地のはじにあり、木造白壁でちょっと民芸調。休み処やビアガーデンなんぞも付いていました。窓の大きい明るい浴室に、1.4x4.5mの大きく深めのヒノキ縁タイル浴槽がどーんあります。木枠湯口からは42℃の源泉が25 L/minの投入でぬるめ38℃前後。浴槽端には一対の吸・注入口があるので寒い日は加温調整もあるようですが、今日は暖かなので作動なし。

淡黄緑色の清澄な湯が、春のうららかな陽光にきらめく様子が美しいです。微かに緑茶のようなモール臭。微塩味+まろやかな重曹味で、淡白ながら柔らかく繊細な湯。湯口の近くでは気泡が漂い、薄く身体について滑らかさも感じます。(2004.2.16)


蔵造りの湯小屋です

清澄な湯が輝いています



■たから湯

  熊本県人吉市温泉町湯ノ元2482-1 TEL/0966-23-4951 無休 8-22時 300円

<掲示> 脱衣所に分析表
  源泉名なし H12.01 温泉町湯の本2503-1
  Na−HCO3・Cl 46.0℃ pH=7.83
  ER=- 溶存計=1175 総計=1197
  Na=303.3(88.1) K=7.2 Mg=2.8 Ca=9.2 Fe(II)=0.6
  Cl=157.3(29.7) SO4=113.3 HCO3=494.2(54.1) HS=0.6
  H2SiO3=36.4 HBO2=14.8 CO2=22.0 H2S=0.1 mg/kg (mval%)

町名から連想する温泉街ではなく、川沿いの住宅地に囲まれた閑静な雰囲気でした。たから湯は老舗で存続が危ぶまれたところ、思い切ってリニューアルし素敵な宿に変貌しています。古い木造2階建ての外観を残し、内部は上等の木材をたっぷり使って清楚に造り変えられており、変にごてごてとした民芸調やデザイナーズ風にならず、小粋な風情があって好ましく思います。オヤジの小生にはまったく不似合いですが、セレブな女性客に支持されているのはよくわかります。

ここの浴場のつくりは素晴らしく、名作の美術品に接するするような感慨を覚えました。浴場の建坪じたいは小旅館サイズなのに、ちっとも狭さを感じさせない快適な浴室になっています。掘り下げの床から屋根まで吹き抜けで、脱衣所がその中層にあるせいで上下空間がたいへん広大に見えます。脱衣所と浴室が一体なのに湿気を感じないのは、煙突状の構造のため湯気抜きがよく効いているからで、木造の浴場を長持ちさせるためにも重要なことだと思います。木組みの仕上げも丁寧で、細かい切り子ガラスを透けてくる柔らかい光をうけて荘厳な雰囲気さえ感じます。

2槽に仕切られた1.5x2.5mの木枠タイル浴槽に、湯口から47℃の源泉が40 L/min投入で熱め42℃。ほぼ無色澄明で、微かに緑茶ふうの匂いとタマゴ風味。薄い重曹湯で柔らかく淡白な浴感。いささか平凡な泉質ですが、この浴室にはアクの強い湯は似合わないのでこれで良いと思います。(2004.2.16)


外観は古い宿のまま

みごとな浴場建築に見惚れます

湯気抜き部分

脱衣所が一体なのは伝統の形式


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