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霧島周辺と人吉の湯巡り byやませみ

 

【霧島山上の温泉】

 

■丸尾温泉「さつま荘」

  鹿児島県姶良郡牧園町高千穂3878 TEL/0995-78-2019 無休 随時 300円

<掲示> 簡単な説明文のみ
  弱食塩泉 詳細不明
  文献によれば4源泉で Na-Cl 74.5〜97.5℃ 成分量は約2.5 g/kg

丸尾のT字交差点からちょっと裏手に隠れた鄙びた民宿です。宿の横は源泉地帯で、いくつもの噴気塔から湯煙がごうごうと上がる様子は壮観。ブロック建ての浴場はそのすぐ脇にあり、源泉溜めに加水調整してから浴槽へ導入されています。

浴室は男女内湯と家族風呂で、男湯は岩風呂ふう。1.3x3.5mの細長い深め浴槽で、バルブつきパイプから47℃の湯が25 L/min投入の掛け流しで熱め43℃。ごく淡い緑色に澄んだ湯は、微弱なタマゴ風味のみでほとんど無味無臭。

ごく淡白ながらとても柔らかく、サラサラ感のある爽快な湯です。これという特徴はないのですが、湯に力があるな〜という気分になるのは窓外の光景がそうさせるのかも。 (2004.02.17)


源泉地帯のまじかに建つ鄙び宿

湯溜めを経て浴場に導かれている

薄いけど爽快な湯です
 



■丸尾温泉「前田温泉」

  鹿児島県姶良郡牧園町高千穂3914 TEL/0995-78-2711 無休 9-22時 200円

<掲示> 脱衣所に古い分析表
  源泉名なし S48.12 高千穂3914-22
  単純温泉(Na・Ca−SO4・HCO3) 72℃ pH=6.95 
  ER=562.8 溶存計=714.5 総計=755.1
  Na=70.7(41.7) K=6.7 Mg=6.0 Ca=599.2(40.0)
  Cl=33.3 SO4=166.6(50.0) HCO3=153.3(36.3) HS=0.16
  H2SiO3=206.1 CO2=40.6 H2S=0.19 mg/kg (mval%)

大型ホテルの林立する丸尾温泉にもこんな鄙び自炊宿があるんですね〜。旅館というよりアパートの造りで各部屋に別個の出入口がついてます。長期滞在には便利です。浴場は外湯になり、宿の裏手にジモセン風のモルタル湯小屋がひっそり隠れています。手前の喫茶店脇の小窓に「受付」と小さく書かれており、料金はそちらへどうぞ。

簡素な浴室には1.5x3mのタイル浴槽があるだけ。熱い源泉と水が20 L/minずつの調整で熱め43℃。わずかにささ濁って見える無色の湯は、淡い焦げイオウ臭があるのみでとくに個性はありませんが、柔らかい肌触りとさっぱり感がホッとさせてくれます。(2004.02.14)


アパート形式の湯治宿です

加水しなくちゃ入れないもんね



■湯之谷温泉「湯の谷山荘」

  鹿児島県姶良郡牧園町高千穂4970 TEL/0995-78-2852 無休 8-16時 300円

<掲示> 脱衣所に古い分析表
  霧島温泉 S45.12
  単純硫化水素泉(Na・Ca−HCO3・SO4) 45℃ pH=5.6 
  ER=443.4 溶存計=539.9 総計=1077
  Na=55.555(43.1) K=15.3 Mg=6.4 Ca=44.6(39.7) Fe(II)=0.09 Al=0.31
  Cl=2.8 SO4=99.6(37.0) HCO3=173.1(50.6) S2O3=18.9 HS=0.52
  H2SiO3=426.6 CO2=522.4 H2S=14.69 mg/kg (mval%)
  源泉地は谷の奥1.2kmほど、浅い掘削自噴が3本でうち2カ所を引湯
  S50年記録では馬場1号が46℃で125 L/min、馬場3号が39.5℃で40 L/min

どこか東北の秘湯的な雰囲気をもっている一軒宿です。宿泊してゆっくり楽しんでみました。昔ながらの本館は日射が森に遮られてやや陰鬱な印象ですが、通された客室は裏手奥のこぎれいに改装された湯治棟でした。部屋は6畳に板縁がついた簡素な民宿ふうで、明るい雰囲気でけっこう快適。共同の台所と洗濯場もあり自炊逗留もできます。日帰りが終わる16時に湯を抜いて清掃するので、宿泊者は夕刻一番で新鮮湯を堪能することができる嬉しい配慮です。

木造湯小屋の真ん中にある0.7m角の小浴槽が「炭酸泉」で、パイプから35℃くらいのぬる湯が大量投入されています。バルブ開放にすると最大80 L/minくらいですが、さすがに勿体ないので絞り加減で遠慮。上から垂れ下がるパイプは打たせ湯で、浴槽投入とはバルブで切り替わるようになっています。これは湯が暴れてせっかくの炭酸が抜けるのでほんとは具合悪いですが、頭から浴びると気持ちいいですね。

ごく淡く緑がかった澄明な湯に細かい湯花が舞う。濃厚なから嫌みのないイオウ臭に炭酸の清涼感がついて芳しいです。浴感はわりと淡白で、きしきしサラサラと軽やか。大きな気泡がいっぱい付き、背中をツーっと上がっていくときのこちょばゆさで思わず「へへ」と弛んでしまいます。はたで見てるとずいぶん気味悪いでしょうね。(^.^)

奥のほうの木製浴槽は「硫黄泉」ですが、湯は「炭酸泉」と同質で泉温がやや高いぶん炭酸がやや少ないものという印象。1.3x2.3mほどの深め木製浴槽に、こちらも太いパイプから41℃の源泉が80 L/minもどんどこ投入される大量掛け流しです。

戸外にちょっと離れて露天風呂が設けられていました。平滑な大岩を組み合わせて、自然な岩風呂としか見えない巧みな造りです。岩の隙間から自然湧出のごとく湯が出ていますが、いささか投入量が少なすぎて超ぬるく、なまり気味なのは残念。(2004.02.14宿泊)


みちのく風情の木造浴舎 温冷の交互浴が楽しめる

炭酸泉の湯坪はぬる湯の逸品



■えびの高原露天風呂

  宮崎県えびの市末永1208 TEL/0984-33-0800 無休 9-17時 300円

<掲示> 受付前に分析表
  えびの市露天風呂混合源泉 H09.12 末永1206
  酸性・含S−Ca・Al−SO4 42.4℃ pH=2.7 
  溶存計=1349 総計=1750
  H=2.0 Na=44.3 K=28.6 Mg=40.6 Ca=122.5(32..7) Al=37.77(27.4) Fe(II)=10.4
  Cl=73.4 SO4=772.55(85.8) HSO4=51.9 S2O3=2.7
  H2SiO3=145.0 HBO2=15.0 CO2=392.7 H2S=8.2 mg/kg (mval%)

春とはいえど山上の高原はまだ氷点下、キリリと澄んだ朝の空気は爽快です。ロッジふうの受付から石段を上がった沢筋に男女別の露天が離れてあります。女湯までの通路から男湯がまる見えなので、混雑する夏場はキャーキャーいうんだろうな、きっと。(^.^;

男性用露天は径5mほどの石囲いのコンクリ浴槽で浅め。すぐ上の分配槽から来るパイプ湯口が2本あり、太いほうからは50℃の熱い湯が45 L/minほど投入。弱いイオウ臭のみで造成を思わせる薄さ。細いほうは酸味と収斂味があり、こちらが本来のえびの温泉らしいのだけど、冷たいのが少量出ているだけ。青白く輝くような濁り湯は美しくて見惚れてしまいますが、さらさらした浴感はごく淡白な薄いものです。

熱いほうの湯は大量に余って川に捨てられているので、ともかく湯量だけは充分に確保されているのが結構でした。北向きに大きく開けた見晴らしは、小林の盆地の遠くに深い山並みが連なりたいへん雄大です。(2004.02.15)


湯口部分 青白の湯色が美しい
 


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