■湯之谷温泉「湯の谷山荘」
鹿児島県姶良郡牧園町高千穂4970 TEL/0995-78-2852 無休 8-16時 300円
<掲示> 脱衣所に古い分析表
霧島温泉 S45.12
単純硫化水素泉(Na・Ca−HCO3・SO4) 45℃ pH=5.6
ER=443.4 溶存計=539.9 総計=1077
Na=55.555(43.1) K=15.3 Mg=6.4 Ca=44.6(39.7) Fe(II)=0.09 Al=0.31
Cl=2.8 SO4=99.6(37.0) HCO3=173.1(50.6) S2O3=18.9 HS=0.52
H2SiO3=426.6 CO2=522.4 H2S=14.69 mg/kg (mval%)
源泉地は谷の奥1.2kmほど、浅い掘削自噴が3本でうち2カ所を引湯
S50年記録では馬場1号が46℃で125 L/min、馬場3号が39.5℃で40 L/min
どこか東北の秘湯的な雰囲気をもっている一軒宿です。宿泊してゆっくり楽しんでみました。昔ながらの本館は日射が森に遮られてやや陰鬱な印象ですが、通された客室は裏手奥のこぎれいに改装された湯治棟でした。部屋は6畳に板縁がついた簡素な民宿ふうで、明るい雰囲気でけっこう快適。共同の台所と洗濯場もあり自炊逗留もできます。日帰りが終わる16時に湯を抜いて清掃するので、宿泊者は夕刻一番で新鮮湯を堪能することができる嬉しい配慮です。
木造湯小屋の真ん中にある0.7m角の小浴槽が「炭酸泉」で、パイプから35℃くらいのぬる湯が大量投入されています。バルブ開放にすると最大80
L/minくらいですが、さすがに勿体ないので絞り加減で遠慮。上から垂れ下がるパイプは打たせ湯で、浴槽投入とはバルブで切り替わるようになっています。これは湯が暴れてせっかくの炭酸が抜けるのでほんとは具合悪いですが、頭から浴びると気持ちいいですね。
ごく淡く緑がかった澄明な湯に細かい湯花が舞う。濃厚なから嫌みのないイオウ臭に炭酸の清涼感がついて芳しいです。浴感はわりと淡白で、きしきしサラサラと軽やか。大きな気泡がいっぱい付き、背中をツーっと上がっていくときのこちょばゆさで思わず「へへ」と弛んでしまいます。はたで見てるとずいぶん気味悪いでしょうね。(^.^)
奥のほうの木製浴槽は「硫黄泉」ですが、湯は「炭酸泉」と同質で泉温がやや高いぶん炭酸がやや少ないものという印象。1.3x2.3mほどの深め木製浴槽に、こちらも太いパイプから41℃の源泉が80
L/minもどんどこ投入される大量掛け流しです。
戸外にちょっと離れて露天風呂が設けられていました。平滑な大岩を組み合わせて、自然な岩風呂としか見えない巧みな造りです。岩の隙間から自然湧出のごとく湯が出ていますが、いささか投入量が少なすぎて超ぬるく、なまり気味なのは残念。(2004.02.14宿泊)
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