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東伊豆の湯巡り [伊豆山温泉] byうつぼ


■伊豆山温泉について


<プロフィール>
伊豆山温泉は、湯河原と熱海のあいだにある比較的地味な温泉地です。海側にある”走り湯”が有名ですが、山側にも多くの泉源があってバラエティ豊かな泉質が楽しめます。7件ほどある湯宿は海側に集まり、山側には保養施設や別荘地が点在して、歓楽的な色彩の少ない落ち着きのある佇まいをみせています。

伊豆山神社をはじめ、源頼朝と北条政子が初めて出逢ったといわれる逢初橋、真言宗の古刹、走り湯山般若院など歴史の香り高いみどころが点在しています。伊豆山神社あたりからのたおやかな相模湾の眺望は、源頼朝と北条政子がこれを眺めながら恋を語ったと伝えられるほどです。

統計などでは熱海温泉に含まれていることもありますが、熱海とは独立した観光協会・旅館組合があります。
泉質に定評のあるふたつの共同浴場は一般にも開放されていますが、えらくわかりにくくてマニア向き。(なお、山側にあった共同浴場「般若院浴場」は、平成17年春に閉鎖となった模様。)

<歴史>
伊豆山温泉の象徴”走り湯”は、約1200年前の奈良時代養老年間の発見と伝えられ、日本三大古泉(諸説あり、道後、有馬、さはこの湯(いわき湯本)、南紀白浜などがあげられる)のひとつとして数えられています。全国でも珍しい横穴式源泉で、山腹から湧き出たお湯が海へと走るように流れ落ちるさまから名づけられたといわれ、源頼朝が挙兵前に湯治した湯とも伝えられています。

古くから病を治し長寿に効験があるとされ、神格化されて信仰の対象となっていました。山側にある伊豆山神社は、修験道の霊場で、かつては走湯山走湯権現と呼ばれて歴代鎌倉将軍の信仰を集めました。鎌倉時代以降は、二所詣(走湯権現と箱根権現、のちに三島明神が加わる)が広まり、多くの参詣客で賑わいました。

源実朝は二所詣の折、この地で「はしりゆの神とはむへそいひけらしはやきしるしのあれはなりけり」など三首を詠み「金槐和歌集」に収められています。

江戸期以前は熱海の中心とされていたという文献もあり、江戸期にも熱海のなかに含まれていたようで、”走り湯”は”大湯”とともに熱海を代表する源泉とされ、湯治に来た大名は必ず見物したといわれています。また、明治期には皇室の御料温泉になっており、非常に格式の高い温泉であったことが窺われます。

<温泉>
平成15年の熱海温泉組合の調査によると伊豆山地区には実に106ケ所の温泉井(利用数は62ケ所)があって、平均湧出量は55.3L/min、温泉の平均温度は60.2℃となっています。往時は日約7千石(900L/min)もの湧出量を誇ったと伝えられる”走り湯”は、昭和39年に枯渇しましたが、昭和45年の増掘により復活し現在に至っています。

伊豆山の湯宿はすべて”走り湯”を使っているとするガイドもありますが、温泉組合HPによると自家源泉をもつ宿が多く、その多くは海沿いの走り湯系のお湯のようです。”走り湯”に確実に浸かれるのは「うみのホテル中田屋」(日帰り可、1,200円、めがねさんのレポあり)ですが、正月は日帰り受付しないので今回は残念ながらロスト。山側の源泉は、海側の土類食塩泉系に対して、おおむね硫酸塩泉系か単純温泉系のようです。


伊豆山神社

走り湯あたりからの相模湾

伊豆山の温泉櫓1

伊豆山の温泉櫓2


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