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東伊豆の湯巡り [16] byうつぼ


■伊豆山温泉「うみのホテル中田屋」


(静岡県熱海市、11:00〜18:00(要時間確認)、1,200円、0557-80-5111)
http://www.tabi-ru.co.jp/yado/atami/nakadaya/

”走り湯”洞窟のすぐ前、海沿いにあって”走り湯”源泉をつかう貴重な老舗宿。今回は旧道からアプローチしましたが、ビーチラインからもアプローチできるようです。鉄筋コンクリ造の箱形建築はさして風情はありませんが、館内、とくにリニューアルしたらしい上層階は綺麗な仕上がりをみせています。活魚料理や相模湾の眺望にも定評のある宿です。めがねさんのレポあり。

フロント左手奥に男女別の内湯、その横の階段をのぼると”走り湯”の脇にある”走り湯資料室”で、この内湯がいかに恵まれた位置にあるかがわかります。屋上に男女交替制の露天風呂があり、日帰りで入れるかは(?)ですが、フロントで断って見学しました。女湯の時間帯だったので連れが偵察してきましたが、相模湾を見渡せる露天には木造りの円形4.5人の浴槽とふたつの四角い1人用木桶風呂があるようです。(お湯はややカルキ臭がしてたらしい)

内湯は手前の”湯の香”と奥の”弘法の湯”があり、男女交替制かどうかは不明。この日の男湯は後者でした。老舗宿らしい飾り気のない浴室で展望もありませんが、清掃がいきとどき落ちついた雰囲気。

脱衣所から一段ひくくおかれた浴室に、黒みかげ石枠伊豆石貼15人位の浴槽がひとつとシンプル。カラン8、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。日曜13時で独占〜2人。

黄土色の析出と白い塩?の結晶のでた岩の湯口からあつ湯の少量投入+側面注入数ヶ所に底面吸湯も数ヶ所があるものの、かなりの量のオーバーフローもあります。脱衣所掲示には「加水・循環濾過有り」とありますが、湯口は湯温と味からみて、おそらく非加水の源泉かと思われ、日帰り客も多くはなさそうなので、お湯の鮮度は十分に保たれています。

お湯は浴槽両端でやや熱め、中央でややぬるめ。きもち青味がかって透明なお湯には強い苦味と強塩味。鶴巻温泉「ゆたか」十谷温泉「源氏荘」大室温泉「まきばの湯」など、苦味の強いお湯はほかにもありますが、ここまで苦味が表面に出てくるお湯も珍しいです。ほとんど湯の香はなく、”走り湯”泉源そばでもほとんど温泉臭はしないので、これは”走り湯”本来の性格なのだと思います。

透明の、ぱっと見おとなしそうなお湯ですが、高張性食塩泉特有の迫りくるような重厚な浴感&火照り感と肌に絡みつくような力強い湯ざわりがあり、あっという間に汗が噴き出し長湯不可。水シャワーがきもちいいです。からだ中の水分が入れ替わってしまうような”熱の湯”は夏場はきびしいかも・・・。

ベースは土類食塩泉のイメージ強い浴感ながら、SO_4^2-=814.2やメタけい酸=96.6が効いているためか、激しいながらもどことなく上品で奥行きが感じられます。そのあたりが”名湯”と讃えられてきた所以なのかもしれません。浴中はややペトつきますが、浴後は湯切れよくさっぱりとします。

料金1,200円はやや高いようにも思えますが、なんといっても名湯”走り湯”を泉源近くで味わえるのは貴重。温泉好きなら一度は入ってみてもいいかも。”走り湯”で茹でた”走り湯御玉”も売っています。
なお、隣にある食事処「漁火」を利用すると、料金1,200円が1,000円になるようです。

Ca・Na-塩化物温泉 71.6℃、pH=7.8、湧出量不明、総成分=10.18g/kg、Na^+=1098mg/kg 、Ca^2+=2525.0、Fe^2+=1.1、Cl^-=5524、SO_4^2-=814.2、メタけい酸=96.6、メタほう酸=11.4 <H16.2.27分析>
 (源泉名:第2走り湯(伊豆山7.8号源泉)

<温泉利用掲示>
男子浴槽/女子浴槽 加水有/加温なし/循環濾過有/塩素系薬剤使用有
露天各浴槽     加水有/加温有/循環濾過有/塩素系薬剤使用有


「うみのホテル中田屋」の外観

「うみのホテル中田屋」弘法の湯

「うみのホテル中田屋」の展望露天
 


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