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東伊豆の湯巡り [7] byうつぼ


■熱海温泉「福島屋旅館」

(静岡県熱海市、10:00〜19:00(要時間確認)、300円、0557-81-2105)

熱海のほぼ中心部にある年季入った温泉旅館で、ここも温泉好きの評価が高いです。すぐよこに熱海七湯のひとつ”風呂の湯”の泉源があります。

玄関の木枠のガラス戸に縦書きで書かれた「温泉旅館 福島屋」の屋号が渋い。館内に一歩入るといきなりタイムスリップしたような空間が展開します。黒光りする木の廊下がいい味を出しています。帳場で受付し、すぐ奥の男女別の浴室へ。

脱衣所は総木造りで、橙白色の丸い照明の下、タイル貼の洗面台に鏡、木製ベンチに籐の脱衣籠・・・、なにもかにもが絵になっていて文句のつけようがありません。先客が4人いましたが、ちょうど出るところで独占できました。出がけに地元風の人がつづけて3人ほど入ってきたので、昼間から銭湯がわりに使われているのでしょう。たしかに4ケタ相場の熱海の日帰り湯で300円は破格です。

半地下のような暗めの浴室に一段低く石造7.8人の浴槽と、そのよこに3人くらいの空の小浴槽。カラン2、アメニティ類なし。

バルブのついたパイプから無造作に熱湯を投入。オーバーフローはないので槽内のどこからか排湯しているハズですが、どうしても見つからず。かすかに懸濁したやや熱めのお湯には、灰白色の湯の花がただよい、明瞭な塩味+苦味でほぼ無臭。弱いキシキシととろみがあって、ほどよい重さのあるあとを曳くようないいお湯です。分析書は掲示も帳場にもありませんでしたが、味と浴感からみてかなりの濃度があるかと思います。

ここは気にいりました。とにかく館内の雰囲気が抜群にいいのと、それに負けず劣らずすばらしいお湯。熱海の底力をかいま見たような気がしました。

 


「福島屋旅館」の外観

趣ある脱衣所

男湯

「風呂の湯」


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