東伊豆の湯巡り [7] byうつぼ |
■熱海温泉「福島屋旅館」 熱海のほぼ中心部にある年季入った温泉旅館で、ここも温泉好きの評価が高いです。すぐよこに熱海七湯のひとつ”風呂の湯”の泉源があります。 脱衣所は総木造りで、橙白色の丸い照明の下、タイル貼の洗面台に鏡、木製ベンチに籐の脱衣籠・・・、なにもかにもが絵になっていて文句のつけようがありません。先客が4人いましたが、ちょうど出るところで独占できました。出がけに地元風の人がつづけて3人ほど入ってきたので、昼間から銭湯がわりに使われているのでしょう。たしかに4ケタ相場の熱海の日帰り湯で300円は破格です。 半地下のような暗めの浴室に一段低く石造7.8人の浴槽と、そのよこに3人くらいの空の小浴槽。カラン2、アメニティ類なし。 バルブのついたパイプから無造作に熱湯を投入。オーバーフローはないので槽内のどこからか排湯しているハズですが、どうしても見つからず。かすかに懸濁したやや熱めのお湯には、灰白色の湯の花がただよい、明瞭な塩味+苦味でほぼ無臭。弱いキシキシととろみがあって、ほどよい重さのあるあとを曳くようないいお湯です。分析書は掲示も帳場にもありませんでしたが、味と浴感からみてかなりの濃度があるかと思います。 ここは気にいりました。とにかく館内の雰囲気が抜群にいいのと、それに負けず劣らずすばらしいお湯。熱海の底力をかいま見たような気がしました。
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![]() 「福島屋旅館」の外観 |
![]() 趣ある脱衣所 |
![]() 男湯 |
![]() 「風呂の湯」 |