東伊豆の湯巡り [5] byうつぼ |
■伊豆山温泉「般若院浴場」 伊豆山の山側、真言宗の古刹、般若院のよこにひっそりとある共同浴場。前の道は細くPは近くにありません。一軒おいた山側に櫓が建っているのでここが泉源かも。般若院を挟んで反対側の海側にも櫓が建っているので、このあたりは泉源地帯のようです。 営業時間は通常14時くらいからですが、正月3ケ日のみ10:00〜になるので、当日は10時すぎに突入。初湯狙いで混むかな〜?と思いきや空いていて、2人から独占となりゆったりとお湯を堪能できました。 共同浴場にありがちな無骨なコンクリ造の建物。入口から男女別に分かれる番台方式で、脱衣所には渋い木製ロッカーが据えられています。 浴室には楕円形水色タイル貼5.6人の浴槽と手前に扇形の小さな上り湯槽?。壁には子供が描いたとおぼしき富士山と忍者?の絵が掛けられていました。カラン4(たぶん温泉)、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。余計なものの一切ない浴室は清掃が行き届き、居ごこちがいいです。 浴槽は、ふたつのカランから温泉(熱いのでホース経由の注入、量はさほど多くない)と少量の水が差されていました。槽内注排湯は見当たらず全量オーバーフローは、おそらくかけ流しでしょう。 ほぼ適温のお湯は、無色透明で微塩味+弱渋味+αに焦げ明礬臭の奥ぶかい味臭。さほどの濃度感は感じられないですが、妙に勢いのあるお湯で印象に残ります。浴後はここちよい充実感とともに肌に焦げ臭が残り、「温泉に入ったな〜!」という感じ。北毛あたりの石膏泉とかなり印象がちがうのは、pH=4.4という微妙な液性が関係しているのかな? 同浴した地元の方によると、「伊豆山温泉は地元でも人気があって熱海から入りにくる人もいる。海側の浜浴場にもよく行くが、こことは全然違う塩っぽいお湯で温まるが石鹸が効かない。」とのこと。めがねさんも指摘されていましたが、たしかに海側の走り湯系とは全然違うキャラのお湯です。 渋い佇まいといい、含蓄のあるお湯といい、温泉好きには応えられない浴場かと。ただし、地元指数の高い共同浴場なので、入浴にはそれなりの気遣いが必要かと思います。 Ca・Na-硫酸塩・塩化物温泉 63.0℃、pH=4.4、総成分=1733.149mg/kg、Na^+=274.9mg/kg、Ca^2+=247.2、Fe^2+=0.8、Cl^-=293.7、SO_4^2-=831.2、メタほう酸=8.8 <H2.2.19分析> ※なお、当浴場は、平成17年春に閉鎖となった模様。
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![]() 「般若院浴場」の外観 |
![]() 「般若院浴場」の男湯 |