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南会津・新潟の湯巡り [7] byうつぼ


聖籠から新潟(西)バイパス経由で岩室へ。片側2車線の高規格国道でほとんど信号がなく流れも速くて快適。これで無料。高速よりもこういう道路を整備して欲しいですが.. ~~;)
多宝山の麓にある岩室温泉は、もともと弥彦神社の参詣客で栄えた温泉地だけに、しっとり落ち着いたなかにもどこか華やいだ雰囲気があります。「霊雁の湯」と呼ばれる昔からの源泉は冷鉱泉ですが、近年掘削された57度の新源泉が多くの旅館に配湯されているようです。


■岩室温泉「富士屋」−泊

(新潟県岩室村、入浴のみ不可、0256-82-4151)
http://www.hotel-fujiya.co.jp/fujiya/

高級旅館が多く敷居が高いイメージの岩室ですが、ここも「ほっこり温泉案内所」で格安プラン(1泊2食、1室大人2名利用で10,000円(オール込))があったので予約。客室数66のやや大型の純和風旅館ですが、設備と接客がとても良く女性に人気があるそう。

若い女性メインのスタッフの応対もきびきびとして気持ちいいです。夕食は別の部屋(個室)だったし、部屋は日本庭園に面した約10畳WC・バス付で、料理も美味しくこれで10,000円は安い!

最上階にある浴場はさすがに豪華でした。大浴槽(石造15人以上)、サウナ、水風呂に庭園を配した檜の露天(7.8人)。アメニティ類完備。でも、お湯が...。詳細レポはパスしておきますが、優れものの源泉スペックは浴槽のお湯からは感じられませんでした。

建物・施設・環境演出・料理・接客、どれもがよく吟味された素晴らしい旅館ですが、お湯に満足できなかったことだけは何とも残念です。でも、お湯にさほどこだわらないなら、とても満足度の高いお宿かと思います。

含硫黄-Na・Ca-塩化物温泉 57℃、弱アルカリ性、湧出量不明、成分総計=13300mg/kg、Na^+=3540mg/kg (67.66mval%)、Ca^2+=1419 (31.11)、Sr^2+=16.6、Ba^2+=5.8、Fe^2+=1.1、Cl^-=7977 (98.76)、Br^-=27.0、I^-=2.6、HS^-=26.0、陽イオン計=5045 (227.6mval)、陰イオン計=8126 (227.8mval)、メタほう酸=75.3、硫化水素=2.9 <H8.2.8分析>
*かなりと良さげなスペックですが...。


「富士屋」の外観

「富士屋」の男湯内湯

「富士屋」の男湯露天

岩室温泉「霊雁の湯」



■多宝温泉「だいろの湯」

(新潟県岩室村、10〜22時、800円タオル付(平日19時〜 500円)、0256-82-1126)

温泉街から徒歩で15〜20分、車で2〜3分、新たに掘削自噴した別源泉の日帰り施設です。やませみさん、めがねさんのレポ(4/10)あり。源泉櫓がライトアップされ、駐車場はギッシリ。館内も活気にあふれています。
平日21時前に行ったので、夜間料金タオル付500円、これは安い!(こればっかし ^^;) 3月27日にリニューアルしたてでピカピカ。以前は狭くてごった返しだった脱衣所が広くなったようで、常連さんは口々に「こりゃいいわ」と絶賛。

浴場は、内湯と庭園露天の2ゾーンにわかれています。内湯ゾーンは狭く、かけ湯、内湯(石造7.8人)、サウナ、水風呂に洗い場(セパレート型17)。メインは少し離れた(ハダカ移動可)庭園露天ゾーンで、大浴槽(石造50人以上?)、打たせ湯、ぬる湯岩露天(7.8人)をゆったりと配置。

大浴槽は巨大な湯小屋のなかにあるので厳密には露天ではないですが、サッシュが開放され風通しよくほとんど露天状態。撹拌しているらしく浴槽底でもお湯に動きがあります。内湯と大浴槽は源泉かけ流しですが、こんな巨大なかけ流し浴槽は宝川以来。大浴槽は大きな岩から泉のように熱湯源泉が湧き上がり圧巻。飲泉用の柄杓もあります。シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。平日21時で20人以上と盛況。

内湯と大露天では源泉が違います。大露天は55.2℃の自噴泉(本泉)、内湯には本泉脇地下300mから約200L/min湧出の源泉を使用。両者で約8℃の熱交換を行いともに適温供給しているそう。水風呂も井水使用です。

<内湯>
やや緑がかった透明のお湯には、弱たまご味+塩味に微イオウ臭+微石膏臭。とても入り心地のいいやわらかなお湯です。岩露天も同じ源泉を循環で使用とのこと。本泉のイオウに当てられた客が、時折入りにきてはなごんでいます。

<大浴槽(本泉)>
色不明、甘さを伴ったしぶ焦げイオウ臭が強く、たまご味に強い苦味のあるツルすべ湯。とても総計1875mg/kgとは思えない力感あふれるお湯で長湯できません。あたたまり感も半端じゃなく、浴槽の縁にトドが大量発生。浴後は肌に甘いイオウ臭が残り、皮膚のアブラ分が抜けたようにパサついて指先が黒くなりました。どことなく、信州小県の千古温泉に似たお湯ですが、もっと濃い感じ。

噂どおりの素晴らしいお湯で、人気が高いのもうなづけます。これが岩室の中心に湧いていたら、温泉街の目玉になること間違いなしか?

<だいろの湯露天風呂> 含硫黄-Na-塩化物温泉 55.2℃、弱アルカリ性、162L/min自噴、成分総計=1875mg/kg、Na^+=561.9mg/kg (82.82mval%)、Ca^2+=93.6 (15.83)、Sr^2+=1.8、Fe^2+=0.4、F^-=4.2、Cl^-=863.9 (82.21)、HS^-=71.6 (7.32)、HCO_3^-=161.7 (8.94)、陽イオン計=668.2 (29.51mval)、陰イオン計=1114 (29.64mval)、メタけい酸=61.6、メタほう酸=9.5、硫化水素=12.8 <H6.4.5分析>

*総硫黄なんと84.4mg/kg、月岡に迫るすさまじい硫黄泉です。施設ができる前からイオウ臭をまき散らし、スゴかったそうです。


「だいろの湯」の外観

「だいろの湯」の玄関.

「だいろの湯」の男湯内湯

「だいろの湯」の男湯露天の湯口



■寺泊温泉「北新館」

(新潟県寺泊町、時間要問合せ、600円、0258-75-2172)
http://www.niigata-inet.or.jp/teradomari/hotel/hokushinkan/

寺泊から和島方面に抜ける県道169に面した大正12年創業の老舗の一軒宿で、きれいな外観、こざっぱりとした館内は居心地がよさそうです。海岸沿いの寺泊海岸温泉とは別源泉で、道路寄りの貯湯槽?から、かすかに湯けむりが上がってました。

奥の棟にある浴室は男女別。浴室入口に自動ドアがあるのが珍しいです。大きな窓の明るい浴室は意外に広く、手前に岩造り7.8人、奥には石枠タイル貼10人以上の2つの浴槽。カラン7、シャワー・シャンプーあり・ドライヤーなし。土曜10時で独占〜2人。女湯は、石枠タイル貼4.5人と6.7人の浴槽2つで男湯よりは狭そうです。

岩風呂とタイル浴槽では源泉が違います。

<岩風呂>
岩の湯口から10L/min程度のかなり熱いお湯(加熱源泉?)を投入で槽内排湯は不明ですが、オーバーフローがありひょっとしてかけ流しかも? 適温の緑褐色ささ濁りのお湯には、黄土色の浮遊物がたくさん。塩味+だし味に膏薬系の弱いアブラ臭。浴槽まわりは析出で見事に赤茶けており、分析表より鉄分が多い感じ。
まとわりつくようなとろみのあるお湯で入り心地はいいですが、強食塩泉の濃度感と力強い浴感も併せ持っているので、長湯するとのぼせます。浴後は適度な爽快感が出るいいお湯です。

<タイル浴槽>
石の湯口からの大量投入でオーバーフローがありますが、側面吸湯もあって一部循環かと...。ぬるめのお湯は、無色でやや濁りがあり、大ぶりの茶色の浮遊物がたくさん。弱塩味で海の香あり。硫黄泉系とのことですが、イオウ臭は感じらず。ツルすべ感のある浴感やわらかなお湯ですが、鮮度感はやや弱いように感じました。

ここは予想以上にいいお湯でした。2つの源泉を楽しめるのもお得だし、接客もよさげだし、美味しい魚料理を食べてゆっくりするにはいい旅館かと。なお、日帰り入浴可能時間が短いようなので要注意です。

<年友1号井>(たぶんタイル浴槽)
泉質不明 14℃、pH=8.1、1.5L/min掘削自噴、成分総計不明、Na^+=95.5mg/kg (69.86mval%)、Mg^2+=7.5 (10.44)、Ca^2+=21.9 (18.35)、Cl^-=55.3 (27.66)、HS^-=1.1、HCO_3^-=235.4 (68.44)、CO_3^2-=2.2、陽イオン計=127.5 (5.94mval)、陰イオン計=299.5 (5.64mval)、非解離成分・溶存ガス成分不明 <H元.9.14分析>

<年友2号井>(たぶん岩風呂)
Na-塩化物強塩温泉 36.6℃、pH=7.8、32.0L/min掘削自噴、成分総計=18700mg/kg、Li^+=16.8mg/kg、Na^+=6304mg/kg (93.19mval%)、NH^4+=44.7、Mg^2+=91.4 (2.56)、Ca^2+=112.6 (1.91)、Sr^2+=43.2、Ba^2+=7.2、Fe^2+=0.9、Cl^-=9474 (87.26)、Br^-=12.1、I^-=6.0、HCO_3^-=2342 (12.54)、CO_3^2-=11.2、陽イオン計=6657 (294.3mval)、陰イオン計=11850 (306.2mval)、メタほう酸=117.8、遊離炭酸=62.3 <H元.8.31分析>

「年友1号井」のデータは非解離成分・溶存ガス成分欠落につき泉質不明です。HS^-=1.1なので非解離成分・溶存ガス成分がゼロでも総硫黄の項で温泉に該当(規定泉)しますが、パンフなどには単純硫黄泉とあるので、硫化水素が0.9以上(総硫黄で2.0以上)あるのかもしれません。


「北新館」の外観

「北新館」の源泉槽?

「北新館」の岩風呂

「北新館」のタイル浴槽

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