みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報

南会津・新潟の湯巡り [5] byうつぼ


ついに悲願の月岡(http://www.tsukiokaonsen.gr.jp/)です。
大正初期開湯の比較的新しい温泉地ですが、新潟にほど近い立地とお湯のよさで急速に発展。新潟の奥座敷としての歓楽温泉(月岡の芸妓は有名)と、お湯のよさが育んだ湯治場のふたつの顔をもっています。みしゅらんに共同浴場美人の泉あり。


■月岡温泉「高橋館」−泊

(新潟県豊浦町、時間要問合せ、800円、0254-32-1500)
http://www.takahashikan.co.jp/

豪華絢爛な大型旅館と湯治宿に二分される月岡ですが、湯治系は連れが猛烈に抵抗したのでイサイズじゃらんの「ほっこり温泉案内所」で予約。やませみさんの宿泊レポもある、純和風25室の落ち着いた中規模旅館です。

とかく高いイメージのある月岡ですが、限定ながら予想外に安いプランがあってびっくり。
 A.温泉名人育成プラン:\2,980〜(驚愕!) (食事なし / 2泊以上)
 B.大浴場オープン5周年記念平日限定特別割引プラン:\8,999〜 (2食付) 
 C.ISIZE限定空室バーゲン:\10,900〜 (2食(夕食11品)付)
料理も良さげな宿なのでCにしました。(いずれも4月平日1泊、1室大人2名利用時)

2階にある奥まった部屋は、眺めはよくないものの約12畳WC・バス付で、部屋出しころか隣の部屋が食事部屋として別に用意されたのにはおどろき。料理は質量ともに満足できるもので、接客もよく驚異のコストパフォーマンスでした。(月岡もたいへんなのかな〜?)

浴場は、畳廊下を渡る小粋なアプローチ。石風の「つきあかり」、檜風の「ゆきあかり」の2つの浴室(構成はほぼ同じ)があり深夜に男女交替。別の場所に貸切にしては広いハーブ風呂(貸切・無料・予約不要)もあります。

「つきあかり」は、ジャグジー付大浴槽(たぶん真湯)、源泉浴槽(1.2人)、温泉露天風呂(20人以上)とサウナがありますが、やはり源泉浴槽が出色です。巨大なつくばい?の底から湧き出した熱湯源泉が流れ落ちる湯口と、反対側にぬるめのお湯を注ぐ石の湯口があり、石の湯口は味が薄めでたぶん加水温調。側溝排湯の加水かけ流しかと。

源泉湯口と加水湯口の量は時間により変動し、夜遅くにはどちらの湯口も絞り気味で、相対的に源泉比率が高くなるような感じがしました。やませみさんご指摘のとおり、源泉つくばいには、表面にふわふわと油分が浮いてきて油膜をつくり、黒い湯の花も。柄杓がおかれ飲泉可ですがまずいです。

かなり熱めの源泉浴槽のお湯は、きれいなエメラルドグリーンに黒灰色の湯の花が浮いて透明(ときおり油膜出現)。塩味+強苦味+エグ味。しぶ焦げイオウ臭+アブラ臭。ぬめりとツルすべ感のあるお湯は、美人の湯の面目躍如。温まりも浴感も相当に強いです。露天のお湯もこれに準じますが、ややぬるくなまった感じで緑味が濃いです。

やませみさんより肌荒れのご忠告がありましたが、やはりきました。(乾燥肌ではないのに) 入浴中からぴりぴりきてましたが、皮膚の弱いところが赤くかぶれてしまいました。(万座ほどではないですが...) 人によっては、美人の湯ではなくなるのでご注意 (^^; でも、力のある名湯をじっくり落ち着いて味わえるとてもいい宿でした。

含硫黄-Na-塩化物・硫酸塩泉 50.0℃、弱アルカリ性、湧出量・成分総計不明、Na^+=1109mg/kg (88.57mval%)、F^-=3.1、Cl^-=1275 (63.69)、HS^-=88.4、チオ硫酸イオン=0.5、SO_4^2-=552.3 (20.38)、HCO_3^-=372.0 (10.81)、陽イオン計=1225 (54.45mval)、陰イオン計=2293 (56.44mval)、非解離・溶存ガス成分不明 <H元.3.30分析>


月岡温泉「高橋館」の外観

「高橋館」つきあかりの源泉槽

「高橋館」ゆきあかりの源泉槽

「高橋館」ゆきあかりの露天



■西方の湯温泉「西方の湯」

月岡から五十公野経由で中条へ。途中、新発田の「あやめの湯」の前を通ったので、玄関前の足湯のみチェック。塩味金気味に金気臭の茶色のにごり湯は鉄分が強そうです。無料の温泉スタンドもあり。村松浜で日本海に出ました。ここからしばらく総計30g/kgオーバーのアブラ臭強食塩泉が続きます。

(新潟県中条町、9〜21時、500円、0254-45-2550)

巨大な親鸞聖人像の足元にある、宗教法人越後の里親鸞聖人が運営する異色の温泉施設。10時すぎなのに200台収容のだだっ広い駐車場に2台! 超さびしげ。館内には屋台村、売店やカルチャー?教室などもありますが、閑散としています。宗教施設らしく、壁には親鸞聖人の仏教画がたくさん掛かり独特の雰囲気。低価格で宿泊もできますが、夜はちょっと怖いかも(笑)

廊下の奥にある男女別の浴室はけっこう広く、大浴槽(石造20人以上)、中浴槽(同7.8人)、水風呂、露天に岩造10人の円形浴槽×2。ですが、中浴槽と露天の2つの浴槽はお湯が張られておらず、温泉浴槽は大浴槽のみ。

大浴槽は岩の湯口から源泉を投入(投入量は調節可)で、オーバーフローはなく排湯不明ですが、源泉かけ流しとのこと。(露天は5月かららしい) カラン10、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。平日10時で独占〜2人。

かなり熱めのお湯は、緑褐色にごり湯(透明度40p)で細かな茶色の浮遊物。まったりとした重い感じの色味は、埼玉の東鷲宮百観音温泉を濃くした感じでしょうか? 味は滅茶苦茶塩辛く、ゴムのような個性的なアブラ臭があります。体内の水分を根こそぎもっていかれるような攻撃的なほてほて湯で疲れますが、ツルすべもあり、浴後は意外にお湯の切れがよくさっぱりとします。

”異臭”で名を馳せるお湯ですが、それほどすさまじい臭いではありませんでした。脱衣所に貼り出されていた郡司さんのレポ記事には、「2本の源泉があり、これらをほぼ3ケ月ごとに変えている。ひとつは黒い色でヨード臭が強く、もう一方は粘土色のような色で臭いは弱い」とありましたので、今回のお湯は残念ながら後者のような気がします。

確かに、ご一緒した地元の方は「もっとすごい色と臭いのときがある」と云い、源泉地も2ヶ所あります。(大字中村浜字漁場と字上畑) 今回も個性的なお湯でしたが、ここは”黒い湯”のときに是非再訪したいです。

Na-塩化物強塩温泉 中性、泉温・湧出量不明、成分総計=31880mg/kg、Li^+=4.3mg/kg、Na^+=10960mg/kg (91.34mval%)、NH^4+=129.2、Ca^2+=514.1 (4.91)、Ba^2+=22.8、Fe^2+=2.5、Cl^-=18890 (98.00)、Br^-=67.8、I^-=93.7、HCO_3^-=560.5、陽イオン計=11910 (521.9mval)、陰イオン計=19620 (543.7mval)、メタけい酸=122.7、メタほう酸=179.1、遊離炭酸=47.1 <分析日不明>
*NH^4+(アンモニウムイオン)=129.2はすごすぎ! ”異臭”の犯人か?

 


「西方の湯」の玄関

「西方の湯」の男湯内湯

「西方の湯」の男湯内湯の湯口

「西方の湯」の男湯露天(お湯なしです)



■塩の湯温泉「サンセット中条・ふれあい館」

西方の湯からR113を日本海沿いに南下。右に松林、左にヨード工場などが続く荒涼とした景色。そのうち左手に立派な建物が見えてきます。

(新潟県中条町、10:30〜21時、350円、0254-45-3070)
http://www.town.nakajo.niigata.jp/spot/spt/spt03.html

海風と北向を避けるように国道に背を向けてトレーニングセンター、ふれあい館、サンセット中条の3棟の建物が並んでいます。以前は、トレセンとサンセット中条が離れて建っており、おのおの浴場がありましたが、真ん中にふれあい館ができて、3館が連絡通路でつながりトレセンの浴場が廃止になって現在の形に落ち着いたようです。

かつては村松浜温泉とも中条温泉ともいわれていたようですが、現在は3館を総称して塩の湯温泉と呼んでいます。公共系らしく館内はやや無味乾燥とした雰囲気ながら、お年寄りを中心に賑わっていました。350円で両方入れるとはお得!。源泉は同じですが当然両方入りました。

サンセット中条>(中条勤労者総合福祉センター)

男女別で内湯(石造4.5人)と水風呂にサウナ(別料金100円)。冷却用の貯湯槽?から、相当に熱い源泉を20L/minほど投入で槽内排湯なしのオーバーフローはおそらくかけ流し。浴槽が狭いのでかなりの熱湯。成分もたいへんに濃いのでプロ仕様。その旨の表示もあり、水風呂で冷まさないと辛いくらいです。カラン5。

ふれあい館>(中条町高齢者健康増進ふれあい施設)

男女別で大浴槽(石造20人以上)のみ。窓が広く明るくきれいな浴室。ここも冷却用の貯湯槽?から、熱湯の源泉を40L/minほど投入で窓側側溝への排湯でオーバーフローなしですが、「循環していない」との館内表示あり。カラン10。湯温はサンセット中条よりきもち低いですが、それでもかなりの熱湯。

お湯は、青味がかった緑褐色の複雑な色味のにごり湯(透明度40p)で、黒い湯の花あり。強烈な塩辛味(西方より強い)で西方に似たゴム系アブラ臭+弱金気臭+微かなイオウ臭ですが、ふれあい館の湯口そばでは石油臭がありました。つるすべ感あり。強烈な濃度感のある攻撃力の高いお湯で、発汗が半端じゃなくほてほてからからになり長湯不可です。

たぶん加水なしと思われ、濃度感や凶暴度 (^^; は、今回20湯中トップかと思います。浴室は空いていて平日12時でサンセット中条は独占。ふれあい館は3〜6人でした。

とにかく濃い温泉で、松之山の「ナステビュウ湯の山」と並ぶ2大凶暴系センター施設? ^^;)

中条町のHPに「(原油は)、全国の約80%の生産量を誇っています。そのうちの約55%が中条町で生産されたもので日本一の石油産出地です。」「かん水(註:塩分を含む水)は温泉として利用される場合とヨードの原料として利用される場合があり、温泉としては中条町の施設「中条勤労者総合福祉センター」「農林漁業者トレーニングセンター」「中条町高齢者健康増進ふれあい施設」(3つ合わせて「塩の湯温泉」)に利用されています。ヨードとしてはジャパンエナジーが採取し、海外へ輸出しています。」とあり、やはりただものでないエリアのようです。

<N22-2源泉> Na-塩化物強塩温泉 75.3℃、pH・湧出量不明、成分総計=32.54g/kg、Li^+=4.1mg/kg、Na^+=11150.0mg/kg (93.70mval%)、NH^4+=83.7、Ca^2+=350.1 (3.38)、Sr^2+=11.4、Ba^2+=15.6、総鉄イオン=2.0、Cl^-=19720.0 (98.25)、Br^-=38.7、I^-=2.9、HCO_3^-=562.4、陽イオン計=11830.0 (517.60mval)、陰イオン計=20330.0 (566.1mval)、メタほう酸=328.0、遊離炭酸=11.9 <S63.9.12分析>
*陽イオン・陰イオンのmval値にえらく差がありますが、分析表記載のとおりです。

 


「ふれあい館」の外観

塩の湯温泉「サンセット中条」の外観

「ふれあい館」の男湯

「サンセット中条」の男湯

もどる目次すすむ