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南会津・新潟の湯巡り [4] byうつぼ


その後、道の駅三川の脇にある「まいたけ庵」で天ざるそばを食べました。そばも天ぷらも逸品。食後、すぐそばにある重文の平等寺薬師堂と将軍杉へ(「樹齢約1,400年、幹周り19.31m、高さ約40mという大杉でその大きさは日本一で、国の天然記念物に指定されています。」(村HP))。将軍杉には圧倒されました。


■三川温泉「湯元館」

(新潟県三川村、時間要問合せ、500円、02549-9-2015)
http://www.vill.mikawa.niigata.jp/

阿賀野川支流の新谷川沿いを2qほど北に入った小盆地にある、湯宿10軒ほどの温泉地。何となく活気がない感じ。(まあ、昼間の温泉地はどこも閑散としてますが...) 6室のこぢんまりとした和風旅館で、男湯と女湯は離れておりそれぞれ内湯のみ。

浴室の扉を開けると好ましい温泉臭。共同浴場のようなさびた雰囲気が優れものです。明るい浴室には、石枠タイル貼4.5人の浴槽。傍らにコップのおかれた鯉の湯口から15L/minほどをしずかに投入し、浴槽縁から滔々とオーバーフロー。槽内排湯はなく、源泉かけ流しでしょう。

適温のお湯は、無色透明で茶色の浮遊物。金気味石膏味に弱塩味が加わり、金気臭石膏臭ただようデリケートなお湯で鮮度感は抜群。キシキシ感がありカラダの内側から温まるような硫酸塩泉の浴感は、群馬の法師や上牧などに似たイメージですが、金気がより表に出ている感じ。

地味な温泉地の地味な旅館ですがお湯は一級品。人なつこいしましまのネコもいます ^^) なお、温泉街の手前に、「YOU&湯ホテルみかわ」という温泉リゾートがありますが、別源泉(新三川温泉)です。

<三川温泉組合1号・2号>
Na-硫酸塩・塩化物温泉、46℃、pH7.4、湧出量不明、成分総計=2061mg/kg、Na^+=539.0mg/kg (79.75mval%)、Ca^2+=102.8 (17.45)、F^-=2.5、Cl^-=462.0 (41.88)、SO_4^2-=780.8 (52.27)、HCO_3^-=101.5 (5.34)、陽イオン計=662.3 (29.39mval)、陰イオン計=1348 (31.11mval)、メタほう酸=5.2 <H2.6.20分析>


「湯元館」の外観

「湯元館」の男湯

三川温泉「湯元館」の女湯



■咲花温泉「柳水園」

(新潟県五泉市、時間要問合せ、400円、0250-47-2121)
http://www.xyj.co.jp/sakihana/spa/

阿賀野河畔にある咲花温泉は、10軒にも満たないこぢんまりとした温泉場です。R49を津川方面から来ると阿賀野川の対岸に温泉宿が見えますが、橋がなく6qほども回り道してのアプローチ。通り抜ける道もないので喧噪とは無縁。そばをJR磐越西線が走り、温泉街のすぐ横にある咲花駅も風景にとけこんでいます。のどかでほのぼのとした風情の温泉地で、このまま泊まりたい衝動にかられました。

しっとりと落ち着いた感じの旅館が多く、寂れた旅館が少なくて温泉地としてまとまりのある雰囲気は、ロケーションは異なりますがなんとなく松之山に似ています。良質なお湯をバックボーンに地道に固定客を集客している感じ。どこもかけ流しということで迷いましたが、やませみさん宿泊の柳水園にしました。安いし。(^^; 駐車場まで行った一水荘も赤い橋に柳の木、和風情緒溢れる佇まいが素敵で、泊まるならこちらもいいかも。

外観、館内とも地味な感じの旅館ですが、何となく落ち着きます。駐車場でイオウ臭がただよい早くも期待が高まります。詳細は、やませみさんのレポを。

廊下のどんづまりにある男女別の浴室は狭く、石枠タイル貼3.4人の内湯のみ。陶製のつぼの湯口から熱湯を30L/minほども大量投入ですが、しっかりコップが置いてあります。(女湯は小便小僧を乗せた鯉の湯口から、こちらも大量投入のかけ流し)槽内排湯はなく、湯船フチ全面からの潔いまでの源泉かけ流し量に感動。
カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。平日15時で2人。

かなり熱めのお湯は、やや緑がかった透明で黒い浮遊物。明瞭なたまご味苦味にしぶ焦げイオウ臭が強いです。ツルすべともヌルすべともちがう、やませみさんの”スルスル”という表現がぴったりの浴感。浴後、指先が黒くなりました。

温泉地の風情といい鮮度感あふれる硫黄泉系のお湯といいとても気に入りました。とくに硫黄泉好きの連れは、今回のベスト賞にあげています。泊まりで再訪したい温泉です。「大人の〜」なんぞの雑誌で、「自分を見つめなおす越後の隠れ湯」などとコピーつけられ紹介されたらブレイクするかも(笑)

廊下にある古い成分表は、化合物表示で硫黄成分関連の記載もないので割愛します。(塩化ナトリウムと硫酸カルシウムが多いようです。)
旅館共同組合のHPによると、「単純硫黄物泉、54℃」となっています。


「柳水園」の外観


「柳水園」の男湯

「柳水園」の女湯



■新津温泉

(新潟県新津市、7〜19時、300円、0250-22-0842)

咲花のあと月岡方向にある出湯の華報寺共同浴場か、遠回りになるが新津かの苦渋の選択。でも、アブラ臭の総本家新津にはどうしても入りたかったので、安田IC〜新津ICと高速利用で新津に突入しました。やませみさんとめがねさん(4/9)のレポあり。

長崎屋そば五泉市寄りという情報だけで、市内の詳細地図もなかったので、とにかくよく目立つ長崎屋の屋上サインを目標にアプローチ。(ナビがない悲しさ... ^^;) 五泉方面から行って長崎屋の手前の細い路地が怪しかったので右折し突入すると、正面に廃材が積み上がった一画があり、奥の民家風の建物に新津温泉の看板があってビンゴ。駅方面(県道)からだと長崎屋の次のせまい路地(白い小さな看板あり)を左折です。

母屋と浴場があって繋がっており、母屋で300円を払い廊下づたいに浴場へ。なかは生活感あふれる民家そのもの。別に浴場脇の入口があり地元の人はここから出入りしてますが、どこで金払ってんだろう?

広くてこざっぱりした気持ちのよい脱衣所から、小判型タイル貼3.4人の浴槽が見えてなんともそそります。扉をあけると、おぉっ! やはり噂どおりの石油(下手するとガソリン)臭が...。パイプから10L/min程度を投入で混雑につき排湯不明でしたが、たぶん非循環かと。カラン3、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。平日16時で4〜5人と盛況。

きもちぬるめのお湯は、うすい緑白濁で強塩味に強烈なアブラ臭。石油系の純度が高そうなもので喜連川早乙女に似ていますが、硫化水素臭がない分ピュアな感じ。よく発汗するほてほて系のお湯ですが、肌にからみつく独特の(油っぽい?)とろみが強く、いつまでも入っていたくなります。浴後もあとを引きまくりで、一度脱衣所に上がった後、思わず再突入してしまいました。でも、浴後は肌が少しパサつきますので、美人の湯系ではないです。

浴場の風情といいお湯の質といい文句なく名湯。今回のベスト賞かと(B級ファンです ^^;)。とくにアブラ臭は極上で、月岡に向かう車内は石油系アブラ臭でプンプン。肌に残った残り香をかぎまくり(やはり病気か ^^; )。ここは再訪必至でしょう。

新津はかつて石油の町で、「この地域には、古くからの石油が地表ににじみ出ているところがあり、くそうず(草水)と呼ばれ、越後七不思議の一つにも数えられていました。」「1917(大正6)年には年産12万キロリットルで、産油量日本一となり、第二次の全盛時を迎えました。その後は減少し、平成8年で採掘が終了しました。」とのこと(市HP)やはりこの石油系アブラ臭は筋金入り?

含重曹食塩泉* 47℃、pH不明、19.8L/min(733m)、総計=13709.7mg/kg、Na^+=4602.3mg/kg (92.17mval%)、NH^4+=15.9、Fe^2+=0.4、Mn^2+=3.2、Cl^-=6461.2 (83.92)、HCO_3^-=2076.1 (15.67)、陽イオン計=5025.0 (217.13122mval)、陰イオン計=8579.7 (217.13122mval)、メタけい酸=105.00 <S49(S29?).9.4分析>
*)どうして”含重曹”になるのかな??


新津温泉浴室棟

新津温泉男湯(脱衣所から)

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