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5 温泉の化学 5-5 炭酸泉と炭酸水素塩泉 温泉の泉質名には「二酸化炭素泉(炭酸泉)」と「炭酸水素塩泉」があります。まぎらわしいこと にどっちにも「炭酸」という字がはいってますが、これってどう違うんでしょうね? 温泉のガイ ド誌でもときどき混同されているのを見かけます。 まずはじめに、それぞれの泉質の定義をおさらいしておきましょう。なお、以下の文中ではおもに ()内の旧泉質名を使用します。 <二酸化炭素泉(炭酸泉) 略記:CO2泉> <炭酸水素塩泉(重曹泉または重炭酸土類泉) 略記:HCO3泉> 炭酸泉は低温の入浴でも浴後ポカポカと暖かい「温もりの湯」で、体表に気泡が付着する「泡つき 」が見られます。(註:CO2泉でなくても泡付きがみられることもあります)。炭酸水素塩泉は肌
触りの良い浴後さわやかな「冷の湯」で、このうち、アルカリ性の重曹泉は皮脂の洗浄効果に優れ たいわゆる「美肌の湯」で女性ファンを魅了します。重炭酸土類泉は炭酸カルシウム(CaCO3)の沈
殿による「濁り湯」や「石灰華」などができやすく、温泉通にはこたえられない景観をつくる泉質 でもあります。 |