byやませみ


3 火山性温泉の地球科学

火山の周囲にはたくさんの温泉が出ます。日本に温泉が多いのは火山が多いから、というのはもはや常識です。地球科学では、温泉のできかたに火山が関係していると思われるものを、成因的な観点から「火山性温泉」とよんでいます。関東周辺では箱根、草津・万座、那須などが代表的なものです。しかし、富士山や浅間山では堂々とした山容の活火山なのに温泉があんまり出ていません。いったいどうしたことでしょう? 火山性温泉のできかたをとおしてかんがえてみましょう。

温泉は地球のスープです。スープを作るには、コンロに火を付けて、お鍋に水を入れて、野菜や肉を長い時間煮込まなくてはなりません。温泉ができるためには、1)熱源 2)水源 3)成分源という三要因が必要です。これはすべてのタイプの温泉に共通していえることです。火山性温泉は三つの要因が効果的に組み合わさった結果として、高温泉が多く、湧出量が豊富、泉質が多様、といった温泉ファンにはうれしい特性が成立しています。これから三つの要因について詳しく掘り下げてみます。


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