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みちのくの温泉めぐり byONKEN21


第4章 新庄周辺の温泉

(帰り:国道13号線沿線/山形県北部の温泉)


5/4、みちのくの温泉めぐりは5日目/6日間に入ります。日程と自宅からの走行距離は以下の通りです。

道の駅中仙7:45(自宅より1180.8km)→<R105・13>→六郷湧水9:00〜32 (1203.1km)→<R13>→湯沢力水10:30〜55(1236.9km)→道の駅雄勝11:15〜12:20(1252.0km)→<山形県道35号>→羽根沢温泉13:25〜14:25(1315.5km)→<R458>→肘折温泉・石 抱温泉15:30〜16:30(1360.0km)→肘折上の湯〜18:00(1364.0km)→黄金温泉カルデラ館18:05〜19:15→<R458・県道30・R13>→道の駅村山20:20〜35(1416.1km) →<R13>→山形夕食21:20〜22:20→米沢23:15〜30(1490.7km)→<R121>→道の駅田沢23:45(1497.0km) 


◎六郷湧水群と力水(みちのくの“名水”めぐり)  

この日の午前中は秋田の温泉めぐりならぬ名水めぐりに。青森県平賀町の「渾神の清水」に次ぐ名水汲みです。八九郎温泉でも汲みましたし、ポリタンが足りない〜。でも何とか満タンにしました。 

道の駅中仙は秋田県内では雄勝に次ぐ大規模な道の駅。連休とあって駐車場所に困るくらい車中泊の人がいました。今日は羽根沢まで玉川温泉の肌に残る硫黄臭を温存しておきます(^^)

朝は遅めに出発、かねてから秋田の名水処として憧れていた六郷町へ向います。中仙町から大曲市へ出て牛丼屋で朝食。R13を南下するとすぐに六郷町の「六郷湧水群」です。名水の看板に誘われ六郷町北部の「大工清水」「馬洗清水」「神清水」「沼清水」へ。いずれも汲めるほどきれいではないですが、朝から田園地帯の水のせせらぎを目にすると心が和みますね。 

次に市街地の湧水群を見ます。一部涸れている湧水もあり、季節限定の湧水もあるようです。さらに観光情報センター「清水の里」へ。中には気さくなガイドさんがおり、水汲みだったら、 晴れの日は「御台所清水」、雨だったら「清水の里」内の水を汲むといいとのこと。この日は気持ちいいくらいの晴天だったので御台所清水でペットボトル5本10Lほど汲 みました。

上記の名水百選リンク<5>にある通り大きな池になるほど大量に湧き出しています。雨の日は濁るんでしょうか。なおこの水は「鷹狩にいらした佐竹の殿様が料理用にここの水を 使われた」六郷でも最も由緒ある湧水です。とてもおいしい水です。六郷町は湧水が60ヵ所以上あるまさに湧水の町です。至るところから豊富に湧き出る水に驚き ました。もしこれが温泉だったら、玉川・八幡平や乳頭級ですね(^^)。

六郷からR13を快調に南下(GWでも混みません)、“かまくら”で有名な横手を経て湯沢市に出ます。湯沢と言えば、昨年秋に通りかかった泥湯などの温泉や稲庭うどんも有名ですが、市街地に名水百選の「力水」があるので汲んでいきます。

力水は市役所にそばの市街地にあり、汲む人が引きもきらないです。六郷が大量に湧く名水とするなら、湯沢は1ヶ所だけど地元に愛された名水といった感じです。実際に飲んでみると六郷以上に清冽でおいしい水に感じました。ここでは8L汲み、すべてのポリタンが満タンになりました。

湯沢の次は秋田県の最南端、雄勝町へ。この日も25℃近くまで上がって暑いです。 道の駅おがちは24時間営業の畳敷きの休憩所があり(山形の道の駅村山にもありましたよ)、できればここで仮眠したかったですね。この日は祝日とあって満車状態でした。さすが「道の駅グラ ンプリ2000」優秀賞の駅だけあります。

道の駅には雄勝町ラーメンマップが置いてあります。ラーメン店がたくさんあり、密かにラーメンの町なんですね。道の駅にパンフを置いてあった「全国たべあるき100選」の店、 ラーメン藤へ行ってみます。道の駅からは鳴子・秋ノ宮方面へ車で8分。ねぎみそラーメン700円を食べますが、うーん、休日のお昼にしては客の入り悪いし、味も特別おいしいと言うほどのもので もなかった。今後の“雄勝ラーメン”の味の向上をお祈りしましょう。

R13の雄勝峠を越えると秋田県から山形県へ入ります。かっきーさんの地元、新庄地区へ突入です。




15.羽根沢温泉共同浴場

5/4午後、R13の雄勝峠を越え山形県へ入ります。ふもとへ下りたら、県道35号(真室川鮭川線)をJR奥羽本線に沿って南下します。鮭川村のR458に突き当たったら、右折。だんだん 山あいに入ります。約7KM行った道のどんずまり手前に羽根沢温泉があります。

羽根沢温泉には結構大きなホテルが4軒あり、昔は歓楽的な温泉街として栄えてい たようです。ところが昨今のバブル崩壊でかなりうらぶれて、寂しい雰囲気が漂っています。でも、それが幸いして落ち着いた感じになり、味が出てきた気もします。私はそういう温泉も旅情を感 じて好きなのであります。駐車中の車には大阪ナンバーもあり、ずいぶん遠くから訪れる方もいるんですね。

温泉街を通り抜けると民家があり、その先は行き止まり。戻ってすぐのところ(温 泉街一番奥)の川沿いに大きな共同駐車場があります。駐車場の川下側に祠と2階建ての大きな集会所があり、その1階が「羽根沢共同浴場」です。共同浴場へは川沿いの道から入っていきます。 屋外の入口前に以下のような分析書と料金箱があり、200円入れます。

中へ入ると脱衣所があり、扉を開けると5人くらい入れる浴槽があります。浴室は窓が小さく かなり薄暗いです。お湯は少し熱めで硫黄臭とアブラ臭が少しします。暗くてよくわからなかったけど無色透明かな?

驚いたのはその浴感。今まででも最高レベルの肌のツルツル感。 その肌ざわりの良さに何度も肌をさすったほどです。これは噂通りのすばらしいお湯です。さらに浴後のホカホカ感も強く、あまり長くはお湯に入っていられないです。休み休みゆっくりと肌触 りなめらかなお湯を堪能させていただきました。

湯上り後は川辺を散策。暑くて半そでだったのですが、肌がサラサラして実に気持ち良かったです。美人湯好きには絶対オススメの一湯ですね。

温泉利用の注意(浴用)
温泉地名:羽根沢温泉 利用施設名:羽根沢共同浴場
採水位置:山形県最上郡鮭川村大字中渡1321
泉質:ナトリウム・炭酸水素塩-塩化物温泉(旧泉質名:含食塩重曹泉)
含有成分
温度:47.2℃(分析時の温度)、蒸発残留物:2930mg/kg、pH=8.4
Li=0.1Na=1170K=3.6Mg=0.7Ca=3.8 陽計=1178
F=2.8 Cl=868.6 Br=3.9 I=0.7 硫化水素=1.9 硫酸=5.3
リン酸水素=0.1 炭酸水素=1630 炭酸=30.7 陰計=2544
メタケイ酸=33.8 メタホウ酸=9.9 非解離計=43.7 溶存物質計=3766
遊離CO2=10.9 成分総計=3777 (微量成分)鉄=0.02
分析年月日:昭和63年10月17日
分析機関:山形県衛生研究所
使用源泉名:羽根沢源泉
適応症:きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔 疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進
参考HP:鮭 川村HPみしゅらんレポ、かっきーさん「日帰り温泉倶楽部」、熊谷さん、NHK「ふだん着の温泉」の各HP及びおかざきさんレポ(2002.9.11)

※「山形の公共温泉」20を一目見てビックりしました。後から書き加えたと思われる、ページ全体に赤く太いバッテンがしてあって、一般には開放されていないとの注が。マズイと思って、すぐに発行年月日を確認しましたら、2000年とのこと。当時はジモ 専で、最近再び一般開放が復活したようです。ここは外来者の入浴マナーが問われているようです。共同浴場が再びジモ専にならないよう、気を付けて利用して下さい。よろしくお願い します。

この後はR458まで通った道を戻り、右折。R458を南下して山形の名湯、大蔵村の肘折温泉へ向います。



16.肘折温泉郷「石抱温泉」

肘折温泉へは山形県新庄市からR47を酒田・鶴岡方面に向かい、R458で左折。R458を24KM走った山中の谷に肘折温泉があります。肘折温泉手前から雪が見えてきて、近くのスキー場 には巨大な雪象が見えてきました。GWでも雪が残るとは相当な豪雪地帯なんでしょうね。

R458の肘折温泉から先、寒河江・十部一峠方面はGWでも冬季通行止で大きな雪の壁 が立ちはだかっていました。開通は6月中旬と言いますから、驚き。当初、肘折温泉へ行った後、寒河江経由で山形市へ抜けようと思ったのですが、断念しました。  

R458の冬季閉鎖地点から細い道となり、谷底にある温泉街へ下りていきます。温泉街へ入ると道が大変狭く人通りも激しいので運転には注意が必要です。石抱温泉・黄金温泉へは そのまま直進して銅山川の橋を渡り、温泉街の対岸に出てしまった方が走りやすいです。 

その肘折温泉近くにその名も「石抱温泉」と言う名の野湯があり、数年前にテレビ の深夜放送でその姿を見たことがあり、いつか行きたいと思っていました。数ヶ月前、すなっちさんから紹介いただいた大原利雄さんの「命からがら」という本にその石抱温泉が紹介されて いたのを発見。是非、これは行ってみようと決心しました。GWだと雪が心配ですが… 

場所は肘折温泉街の銅山川対岸(西側)を上流に向った林道沿いです。対岸道路を 南下、途中砂防ダムの方向へ左折し、砂利道を進みます。1〜2分走ると道路に突如雪が現れ、車の通行は無理です。やっぱダメかと思ったのですが、そこに車を置いて歩きで行くことにしま す。 

雪の踏み跡に従って道路を奥へ進みます。途中で橋を渡ったら、銅山川本流と分かれ、右の山を道なりに登っていきます。もう1本橋を渡ると再び銅山川の広い河原に出ます。雪で 靴は濡れてしまいましたが、踏み跡に沿って雪が融けていたので歩くことができました。車を置いた場所から歩いて約15分、ついに「石抱温泉30m」の標識を見つけました。そこには駐車場もあ り、雪がなければすぐ近くまで行けます。 

標識から右手の山を少し登るとついにありました、石抱温泉!露天風呂は上と下の2ヵ所あり、上は4人位は入れる小さなもの、下は池みたいに大きく冷たいです。上の露天風呂で は岩から湧き出す湯が注がれ、流れた跡は茶色く析出しています。お湯の色は茶緑色で鉄分が多そうです。お湯の味は鉄味+炭酸味が強いです。脱衣籠のみあり。 

しかし、上の風呂も今年になってまだ入られた方はいないのでしょう。湯の表面に 藻が4/3くらい覆われています。しかし、折角の機会なので藻の生えていない4/1のところへ半ば強引に入りました。ゴミが浮き上がって、汚い。さすが今の時期はぬる過ぎて寒いくらいですが、入って いるうちにホカホカしてくるのが感じられました。 

石抱温泉の名の由来は「炭酸泉のため体が浮かぶのを防ぐために石を抱いて入ったこと」から来ているそうですが、さすがに実際に浮いてしまうことはないです。気泡の出る勢い は秋田の八九郎の方が強いですから。ただし、入浴していたら肌に気泡がビッシリ付くではないですか!その泡立ちの良さはやはりタダモノではなかったです。これ程泡立ちのいい湯は山梨 山口、群馬平治、福島マルナカクラスです。日本でも有数のアワアワ湯でした。 

浴後は炭酸成分のせいか、ヒャッとして出る時は震えそうなほどでした。この日は半そででも 大丈夫なくらい暑い日なので何とか入れましたが、夏以外は厳しいかも知れません。ブヨはすでにたくさんいましたので、虫刺されに注意。すでに八九郎で大変なかゆみに苛まれてい ました。 

なお石抱温泉は肘折温泉の「ゑびす屋旅館」が管理・所有しています。昔は石抱温泉に ゑびす屋旅館があったらしいです。なるべくゑびす屋旅館に断わってから入った方がいいと思われます。ご主人が石抱温泉まで案内してくださることもあるらしいです。 いずれにせよ個人所有ですから、マナーに気を付けてご利用下さい。

泉質:含重曹・食塩・土類芒硝泉 pH=6.3 温度45℃(昭和27年)現在30℃(かっきーさん情報)
炭酸泉・二酸化炭素泉、湧出温度 39.2度
効能:高血圧、心臓病、胃腸病、慢性消化器病など(「山形温泉案内」のHPより)
参考HP:大蔵村 HPかっきーさんのHP他、yahoo!検索にて147件あり(7/24現在)
↓私のアルバム@羽根沢・肘折編
http://www.imagestation.jp/ja/pc/viewimagelist.jsp?album_id=717fbb18d4ed&pag e=7



17.肘折温泉「源泉公園」と「上の湯共同浴場」

肘折温泉街対岸に路上駐車して銅山川の上流の方の橋を歩いて渡ります。

肘折源泉公園 

橋を渡ってすぐ右手にあります。温泉街上流部。雪解け水で銅山川の発電用ダムの川の流れがすさまじい。まず入口に以下のような石碑があります。  

肘折温泉 源泉景観

山形県は日本独特の宗教・修験道の拠点であった。その中心は出羽三山で、原型は葉山・月山・羽黒山であり、その総奥の院が「湯殿」であった。  

肘折温泉の源泉は、出羽三山の一山で薬師如来を祠る葉山を源とする稜川鳥川が合流する河畔に湧き出ている。この源泉には、「葉山の薬師如来が賜った神湯で大地の恵みを蔵する地蔵菩薩により地蔵盛山を経て導かれた」 との伝説がある。 

源泉景観の中核は、出羽三山の湯殿の巨岩を原型とし、下部を両手合掌の十本の指で支える形とした。その廻りは、縄文時代の信仰遺跡であった環状 列石を配した。湯殿と環状列石とは密教世界の陰と陽を表現し、豊饒を願うものである。 

更に外周には八本の丸太柱を建て巡らし、空間の広がりと共に、湯殿空間の凝縮を図った。この柱は、日本人が原始より考えていた天上界と地上界を担ぎ結ぶ橋であり、魂の永遠の回櫓を願うものである。 

飲泉所の球体は地球を表し、裂目より温泉が湧出し、背景には宇宙を表現する曲面をもつ石塊を配した。 

源泉景観は、先人が天与の神湯に寄せた篤い信仰心を形にすることを基本 とした。これを鑑賞・礼拝される現世の方々に、温泉が生理的に人間の生命を癒してくれることへの感謝と、失われつつある日本人の豊かな精神世界への誘いを願って創られたものである。
                             
大蔵村
(私のレポ) 
さらに奥へ歩くと東屋のかかった飲泉所があり、石造りの玉の裂け目から鉄分で茶 褐色の湯が出ています。飲むと鉄味+炭酸味が強くて伊香保飲泉所に似た味でした。 

さらに奥には合掌の形をした源泉湧出所があり、掌の中を覗くとすさまじい勢いで 青緑色をした源泉が大きな気泡とともに噴き出しています。これを見て肘折の湧出量の凄まじさを実感しました。勢いは八九郎の湯の数倍はあるでしょうか。 

一番奥にも井戸がありましたが、湯は出ておらず石の蓋の間から湯気が上がってい ます。きっと温泉を冷ますための井戸でしょうね。



上の湯共 同浴場

源泉公園を出て中心へ向って数分歩くと、上の湯共同浴場があります。入口屋外に番台があり、200円を払って中へ入ります。番台横に昨年発行の分析書あり。  

浴室へ入ると浴槽は大変広く、お湯は右手の地蔵と正面の2ヵ所から注がれています。地蔵は析出なしの透明なお湯、一方正面は茶褐色の析出ある2種類の源泉が注がれていま す。

湯は透明で鉄味+炭酸味で石抱ほどの泡立ちはなく、ものすごく熱いお湯です。奥左手にはかけ湯用の湯溜があり、茶褐色の析出があります。 

湯に入るとアブラ臭や硫黄臭の熱湯ようなダウンするほどのインパクトはなく、意 外と抵抗なく入れます。さすがに出た後は暑くて汗が出るのですが、汗が引いて外へ出るとヒャッとする清涼感、寒いくらいです。これぞまさに、冷えの湯ですね。  

長年憧れていた肘折の名湯ついに入ることができました。感激です!
温泉利用の注意(浴用)
温泉地名:肘折温泉 利用施設名:上の湯共同浴場
採水位置:大蔵村大字南山字湯の倉山2244の6
泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(旧泉質名:含重曹-食塩泉)
含有成分
温度:50.0℃(分析時の温度)、蒸発残留物:2177mg/kg、pH=6.4
Li=1.7 Na=642.5 K=48.9 Mg=21.6 Ca=83.6 Mn=0.4 陽計=798.7
F=0.2 Cl=688.8 Br=1.4 I=0.1 硫酸=144.8 リン酸水素=1.1 炭酸水素=702.0 炭酸=0.1 陰計=1538.5
メタケイ酸=160.9 メタホウ酸=24.6 メタ亜ヒ酸=0.9 非解離計=186.4 溶存物質計 =2523.6
遊離CO2=468.8 成分総計=2992.4
分析年月日:平成14年3月6日
分析機関:山形県衛生研究所
使用源泉名:上の湯1号源泉適応症:(羽根沢温泉と同じ)
参考HP:みしゅらんかっきーさん熊谷さん、NHKふだん 着の温泉大蔵村  
↓肘折温泉郷の公式
HPhttp://vill-okura.com/hijiori/

この後、足湯もある温泉街を散策しながら共同浴場の「下の湯(疝気湯)」「河原湯」の建物だけ見ました。



18.黄金温泉「カルデラ温泉館」

山形県肘折温泉郷3湯目は黄金温泉です。肘折でも唯一炭酸泉が味わえるというので行ってみることに。一郷一会のtakayamaさんらも少し前に行ったらしいです(^^)。肘折温泉街か らは銅山川を渡って徒歩20分くらい。車では数分、駐車場もたくさんあります。肘折温泉の盆地(カルデラ)の縁の山あいにあります。 

銅山川に流れ込む苦水川上流にあった大蔵鉱山の共同浴場「黄金湯」が前身。昭和 56年新たな源泉掘削により現在の豊富な湯量を確保、平成6年4月に「カルデラ館」がオープン。

若者定住促進等緊 急プロジェクト」という名目の補助金で作られたみたいです。確かに受付では若いお姉さんが応対していて雇用の場になってるし、利用客の中には若い方も見受けられ ました。 

まず、浴場につながった東屋を覗きます。そこは露天風呂でまだ湯が張っておらず、残念。露天風呂は6〜10月のみ、1時間おきの男女交代制で開設されているそうです。(利用時間表)カルデラ温泉館の外観は黒っぽい木材を多用し校舎のような雰囲気。中はレトロチッ クですが、洋館風のハイカラな感じも醸し出しています。飲泉にちなんで、ヨーロッパの温泉場のイメージも狙っているでしょうか。 

玄関の券売機で300円と言う格安な入浴券を買い、ホールで受付に渡します。 受付右手の休憩室とめいそう室は500円の別料金ですが、私が入館した18時頃には閉鎖されていました。 ホール左手に入り、談話室を通り、掲示物(下記投稿参照)を読みながら渡り廊下 を渡ると、温泉棟に入ります。

入口には炭酸泉の飲泉所があるので、飲んでみます。こういった炭酸泉を飲むのは兵庫県有馬以来ですが、味は甘みの抜けた、苦くてサ ビ味のするサイダーという感じ。飲むと胸や胃がスーとします。入浴前と入浴後に飲んで、その不思議な味を堪能しました。 

脱衣所から浴場へ。まず目に入ったのが冷泉(炭酸泉)の部分浴槽。あの不思議な 味の炭酸泉に浸かれるのか思うとウキウキしてきます(^^) 

まずは熱い黄金温泉組合5号源泉を満たした20人くらい入れそうな大浴槽で温まります。大浴槽はお湯の色は茶緑色でパイプから直に注がれ、そのまま捨てられる掛け流し。 豪華公共温泉系で循環も懸念していましたが、さすがは名湯肘折近くでは循環などできるはずもありません。

お湯は肘折や石抱と同系統の鉄分と炭酸が多いみたいですが、肘折同様に炭酸成分は 熱で抜けてしまい肌への泡付きはありません。お湯はかなりヌルメで投入口のそばでもなかなか温まりません。ここは上の湯以上の「冷えの湯」で、長湯には良さそうです。ただし、炭酸泉が冷た いだけにもっと熱ければ炭酸泉との相性がいいのになと思いました。 

さて、そんなお湯で少し涼しい感じですが、目当ての炭酸泉に浸かってみます。炭酸泉の浴槽は 足と腕の2ヶ所だけ浸かれるようになっています。7℃と非常に冷たいので(大分の寒ノ地獄並?)全身に浸かるのは難しいし、心臓にも良くないかも知れません。本当にヒリヒリする ような冷たさです。

何事も経験だ!と思い切って桶に炭酸泉を汲んで2〜3杯頭からかぶって見ました。心臓が止まりそうな冷たさです(^_^;)この後、急いで温かい大浴槽に直行するのでし た。湯に浸かると、ヒリヒリする肌がだんだん柔らかにほぐされていくようで気持ちいいです♪

参考HP:かっきー さん郡司さんなっちゃんの各HP

分析書は渡り廊下と脱衣所の2ヶ所に、熱い湯と炭酸泉の2種ありました。
 

温泉利用の注意(熱い湯)
温泉地名:黄金温泉 利用施設名:カルデラ温泉館
採水位置:大蔵村大字南山字ニグ水662番5
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉(旧泉質名:含食塩-重曹泉)
含有成分
温度:59.0℃(分析時の温度)、蒸発残留物:1818mg/kg、pH=7.0
Li=1.1 Na=469.2 K=49.4 Mg=35.9 Ca=87.8 Mn=3.0 鉄2=1.8 陽計=648.2
F=0.2 Cl=449.9 Br=0.9  I=0.1 硫酸=118.4 リン酸水素=1.0 炭酸水素=887.8 炭酸=0.7 陰計=1459
メタケイ酸=163.5 メタホウ酸=24.8 メタ亜ヒ酸=0.7 非解離計=189.0 溶存物質計 =2296.2
遊離CO2=1541 成分総計=3837.2 鉛=0.01
分析年月日:昭和62年11月17日
分析機関:山形県衛生研究所
使用源泉名:組合5号源泉 適応症:(羽根沢温泉と同じ) 

温泉利用の注意(炭酸泉)
温泉地名:黄金温泉 利用施設名:カルデラ温泉館
採水位置:大蔵村大字南山字金山661の1
泉質:単純二酸化炭素冷鉱泉(旧泉質名:単純炭酸泉)
含有成分
温度:7.8℃(分析時の温度)、蒸発残留物:72.0mg/kg、pH=4.5
Na=7.8 K=1.9 Mg=2.5 Ca=2.5 Al=0.4 陽計=15.1
F=0.4 Cl=6.1 硫酸=13.5 炭酸水素=18.9 陰計=38.9
メタケイ酸=24.7 メタホウ酸=0.6 非解離計=25.3 溶存物質計=79.3
遊離CO2=1016 成分総計=1095.3 (微量成分)銅=0.03 Mn=0.02 亜鉛=0.08
分析年月日:平成元年12月28日
分析機関:山形県衛生研究所
使用源泉名:炭酸泉

(炭酸泉・飲用)
適応症(飲用すると効果がある疾患及び症状):慢性消化器病、慢性便秘
禁忌症(飲用を控えた方がよい疾患及び症状):下痢の時
飲用限度量(1日の量)
大人(16歳以上) 2000ml
15〜8歳(大人の量の1/2) 1000ml
7〜5歳(大人の量の1/3) 600ml
4〜3歳(大人の量の1/6) 0ml
2歳以下(大人の量の1/10) 0ml
(フッ素が含まれているため乳幼児の飲用は避けること)
※炭酸泉飲用の注意(飲泉所にて)
泉質は単純二酸化炭素冷鉱泉(単純炭酸泉)で飲用時には次の事項に注意して下さい。
1.飲泉療法の際には、温泉にいて専門的知識を有する医師の指導を受けることが望ましい。
2.1回の飲用量は、大体コップ半分から1杯位で一気に飲まず1口ずつゆっくり時間をかけて飲むこと。
3.飲用した直後は、お茶やコーヒー、紅茶は飲まないで下さい。胃壁を痛めることがあります。
4.一般的には、食後30分ないし1時間前に飲用すると効果があります。
5.食後から就寝前の飲用はなるべく避けることが望ましい。
6.乳幼児には飲用させないで下さい。
※カルデラ温泉館脱衣所にて
(炭酸泉・浴用)
適応症(温泉が効く疾患及び症状)高血圧症、動脈硬化症、きりきず、やけど、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき慢性消化器病、痔疾、冷え性、 病後回復期、疲労回復、健康増進
※カルデラ温泉館の廊下の掲示より
肘折カルデラと炭酸泉

肘折カルデラの由来について肘折温泉郷は、周囲の山々からはぽっかりと100メートル ほど落ち込んだ盆地に位置しています。この穴は月のクレーターのように球円形でその周囲は約2キロに及びます。この穴ができた要因は、かつてこの地に大噴火があ り大量のマグマを噴出したために地下に空洞ができて大地が陥没したものです。
 
このような陥没地形をカルデラと呼びますが、我が国には九州の阿蘇、東北の十和田や田沢などの大規模なもの があります。 肘折カルデラは約1万年前に噴火し、カルデラが形成された直後は十和田湖のように水がたまっておりましたが、銅山川の浸食によって現在の地形になっています。  
カルデラの外側の小高いところに登ればどこからでもカルデラの地形を見ることができます。

肘折の炭酸泉とは

炭酸泉はこのようなカルデラ地形の金山源泉の西方約400メートルの段丘地下から わき出ます。炭酸ガス(二酸化炭素)を多く含み、温度が8度ときわめて低い天然炭酸泉がわき出ています。 
炭酸泉というのは水に炭酸ガスが多く溶け込んでいる泉水のことです。冷泉が多い のが特徴で末期的火山地帯の地層深部からわき出しますので、火山国日本には数が少ない温泉なのです。 
肘折温泉の源泉のような高温泉のすぐそばに、このような低温で純粋に近い炭酸泉 がわき出しているのは日本では他に例がありません。

肘折でサイダーを飲んだ斉藤茂吉
 
歌人斉藤茂吉は、昭和22年9月17日から19日に肘折温泉(松井旅館) に門弟とともに滞在し、数々の歌を詠んでいます。肘折温泉を散策し、大蔵鉱山跡を誘われた帰り道に道端でわき出している炭酸水を案内されて、斉藤茂吉翁は備え付けてあった茶碗でニ〜三杯 も飲み子供のように驚き、喜んだということです。
そのときに詠んだ歌は…
「泡立ちて湧きくる泉の場?を好しと稔?むすびしつけふの日和に」

炭酸泉の効能は?

炭酸泉は、炭酸ガスが無数の細かい泡になって皮膚に刺激を与えて毛細血管を拡張させますので、心臓に負担をかけずに血行をよくします。このため高血圧症の人でも自然に 血圧がさがり心臓病にも効くといわれます。また炭酸ガスの作用でサイダーのように清涼飲料水の代わりにもなり、むかしは炭酸水を原料にしてサイダーを作っていました。飲用すれば 胃腸粘膜の働きをよくするほか利尿作用もあって便秘にも効果的であるといわれています。
↓カルデラ温泉館のHP
http://www.vill.ohkura.yamagata.jp/spa/05_karudera.html  

肘折温泉を後にし、来た道を戻って、村山でR13に。東根・天童・山形・上山・南陽・米沢と夜の山形路を南下。24:00「道の駅田沢」で仮眠しました。


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