九州温泉紀行 by温検12号
第8回 黒川温泉記その4
私の九州の旅連載もいよいよクライマックスとなります。みしゅらんともリンクしておりますレモンレモン提供のHP「熊本レジャー情報」の露天風呂ランキングでダントツのNo.1は黒川温泉の山みず木の混浴露天風呂「幽谷の湯」となっております。
(以下「熊本レジャー情報」より)
黒川温泉露天風呂巡り人気投票
有効回答:67件
順位 |
項 目 |
得票数 |
割合 |
1 |
山みず木 混浴露天風呂 |
33 |
49.3% |
2 |
はなむら |
10 |
14.9% |
3 |
いこい旅館 |
8 |
11.9% |
■部屋専用露天風呂
山みず木では全22部屋中7部屋に専用露天風呂付きの部屋があるそうです。専用露天風呂は2人入るとせい一杯の大きさです。流入量はチョロチョロ程度ですが、かけ流しております。しかし、成分が老化しやすいのか、共同風呂では見られない湯の花らしき塊がたくさん見られました。白くてヌルヌルした塊です。(まさか掃除していないわけではあるまい)風呂に入ると木々の間から前方の山と渓流が見渡せ、せせらぎの音とともに最高でした。しかしもったいないことにこの風呂に入ったのは5人中男2人(私も含む)で残念でした。
(専用露天風呂は初めてでした。)
■内風呂(宿泊者専用)
古い造りの民芸調の建物の中にあり、雰囲気は抜群ですね。お湯は完全にかけ流しです。しかし高齢者の方からは「年寄りがはいるような風呂ではない」と大変不評した。内風呂といってもいったん寒い外へ出て歩くのですがデコボコしていて転ぶ恐れもあります。おまけに脱衣所から浴場の間が階段で足の弱い人には大変だったようです。私も感じたのですが、浴室が吹き抜けで非常に寒くて体を洗うのも震えながらであり、風呂からなかなか出られません。照明も暗すぎるし。これでは事故防止の観点からもマイナスですね。年寄りや障害者にとっては。雰囲気はそのままでいいですから、スロープ設置や吹き抜け撤去、暖房の設置などをお願いしたいところです。黒川は寒いところですから。
なお、高齢者の女性2人は露天風呂は怖くて面倒で嫌いだそうで、露天風呂のあのすばらしさを味あわすことができず、私としては非常に残念で、一生の不覚です。私には最高の風呂でも、その人にとっては風呂の評判が最悪でした。温泉好きでない人には黒川はおすすめできませんね。
■混浴露天風呂「幽谷の湯」
いや、何とも広い露天風呂で奥行き数十Mはありプールみたいです。周りは山と川しか見えず、川のせせらぎが心地よい。川のほとりなので夏など泳ぐ人がいるらしい。関東でいえば、水上の宝川や湯の小屋の龍洞みたいな感じです。奥には滝もあり夜はライトアップしています。昼間はこのお風呂は日帰り入浴で大変混雑するそうですが、夜中と朝は他に入浴客がなく、私一人で独占状態でした。
>もう温泉好きとして、これ以上の幸せはありません。
他に女性専用露天風呂の「森の湯」と「木もれびの湯」があるそうですが、我々男性は立ち入り禁止。朝夕交替制で入って「裸の散歩道」を歩いてみたかったなーと思いました。
こんな大自然の中、成分云々にこだわる気などなくなりそうですが、お湯自体は無味無臭で無色透明、温泉の注ぎ口は茶色で、辺りの新鮮なお湯は硫黄臭がします。鉄分、硫黄分もわずかながらあるようです。なお、期待した細かい成分表は山みず木にはありませんでしたが、「黒川温泉の正しい入り方」という掲示が内風呂あったので、別に紹介しておきます。
泉質:ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉 泉温:90.6℃(川で冷やして使用しているそうです)
■黒川温泉を後にして
最後は車まで従業員のお出迎えを受け出発しました。
宿を出ると「すずめ地獄」にも寄りましたが、草木の生えない川原に強い硫黄臭のする「冷泉」がすずめの鳴き声のような音をたてながら気泡となって湧いていました。この冷泉に手をいれると大変つるつるし、沸かして入浴すると皮膚病に特効があるそうです。なおこの地獄ではすずめが死ぬくらい強い毒ガスが出ていて、人間でも長く地獄内に留まらないよう注意書きがしてありました。
次に黒川の温泉街へ。温泉街は日帰り入浴の人で大混雑、黒川の人気の高さがわかりました。途中、山みず木の本館の「新明館」の前を通ったら変人と言われた例の社長さんが自ら宿泊客の見送りをしておりました。時間があれば新明館のお風呂にも是非、入りたかったです。よし、数十年後に今度は新明館に泊まって、山みず木の露天風呂に無料で入って、昔を懐かしむのもよかろうと思った次第です。黒川温泉は今まで入浴した温泉の中で一番心に残る温泉でした。
私の新たなBEST温泉です。
http://www.kurokawaonsen.or.jp/yamamizuki/yamami.htm
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