吹けば飛ぶよな男だが

〜1996年〜



96年は”だらしな元年”
96年も色々な事があったが、私はこの年を”だらしな元年”と位置づけている。 すぐに座り込む「ジベタリアン」に売春目的の「援助交際」。適当で無責任な 「チョベリグ」のような略語。”だらしな元年”に相応しい若者のだらしのない ファッション。髭面で長髪の若者がズボンを思いっきり下げて穿いて歩く光景は 目に余るものがあった。平和の度合いはファッションに現れるというが、 この時の状況は極度の平和ボケ。そして叱れない大人が増えてきたのもこの年 ぐらいからだった。このような風潮は人間が変化したのではなく、元凶は メディアによる影響だと考えている。注目されればその後の影響なんか知った 事ではないという考え方のメディアの功罪は実に大きい。 インターネットの情報を含め、この年を境に一気にだらしのない世の中に なってしまったような気がする。

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日本橋浜町にて
私は前年からの数年間を日本橋浜町で過ごした。ここは味わい深い町だ。 近くに人形町があり、老舗のお店などが建ち並ぶ。この場所で週に一度は必ず行く 天丼のお店があった。カウンターしかないお店だが、フランチャイズ店ではなく 独自の味と店舗で商売をしているお店だ。作りたての天ぷらと程よい甘さのタレ。 値段も600円しなかったように記憶している。しょっちゅう食べても飽きる事なく 満足できる天丼はそうめったにあるものではないだろう。あとは変な構造の中華料理店に 夜は居酒屋になる定食屋さん。このお店も美味しかった。ちなみに2008年 現在、天丼のお店も中華料理店も定食屋さんもまだ健在である。良いものはいつまでも なくならない証拠だね。

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いつも心にこのタイトル
この年、私は久しぶりに中国に行った。2年ぶりの海外で中国は約6年ぶり。 私は中国に行く年かその前後に何故か人生の大きな節目がやってくる。 いつも自分にとって良い結果となるが、しかし必ず苦労が伴う。 人生とはそんなものなのかもしれない。そしてこの年も同じパターンだった。 (中国での詳細な出来事はこちら)
しかし久しぶりの中国には驚くばかりだった。上海などはどこへ行っても ビルディングの建設ラッシュ。近代化の礎を肌で感じ、中国の激変を体感した。

”吹けば飛ぶよな男だが”。これはなべおさみさん主演のヤクザ映画だ。 もちろん私はソレ系とは無縁の男だ。しかし自分の無力さを痛感した時、この映画の タイトルを思い出す。でも絶対にヘコタレたくないし挫けない。自分がこの映画の 主人公ならタイトルはこうなる。”吹けば飛ぶよな男だが、俺しかできない事がある”。

いつまでもこういう気持ちでいたいものだ。



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