江戸料理百選タイトル   

林巻大風呂吹大根

          一是は秋の比。大こんのなき節にする料理也。但所によりて。 大根の名物ありといへども。ふときを好む料理なり。大こんを壱寸五分ほどに切皮をむき。 随分うすく。長剥にして。是を元のごとく。巻きしめるなり。但し酒を少しづゝ打ちかけまくなり。 其上を藁しへにてくゝり。せいろうに入候へば。さっそくに蒸り申候。 さて取出し。ひもをとき器にもりて。葛あん。みそかけしきみそ。何みそにてもよし。又は小口切にして。しゅんかん物せんばものなどのあしらいにもよろしく候。          

             三島俵形向付

江戸料理食べる人

『大根料理秘傳抄』


材料および概量
     
 大根 ┐     5B、4個 
 酒  ┘
 竹皮又はたこ糸
 ねり味噌
 ┌さくら味噌   30g
 │西京味噌    70g
 │みりん     大3
 │酒       大2
 └白当たりごま  大1
 ゆず
        

一、大根は、2ミリ位の厚さに桂むきし、酒を振って、ゆるめに巻き、
  竹皮(タコ糸・糸でもよい)で結ぶ。
二、鍋にさくら味噌、西京味噌、みりん、酒、白の当たりごまを入れ、
  よく混ぜ合わせてから、火にかけ、練り、とろっとさせる。
三、蒸気のよく立った蒸し器に一、の大根を入れ、強火で10〜15分蒸す。
  (大根の種類によって時間が異なる)。
四、器にねり味噌を敷き、竹皮を外して、大根を盛る。ゆずか、ねり辛子で。


 扉 【留意点】

*大根は、きつく巻き過ぎると、なかなか火が通らない。すき間のあるように
 巻く。
*ここでは、敷味噌とゆずを使用した。葛あんかけでもよい。
*ねり味噌は、普通のねり味噌でよいが、白の当たりごまを入れると大根の
 淡泊さを補い、よく合う。

【試作余話】

従来の風呂吹きのように、ゆでるのではなく、蒸すせいか、大根臭さがなく短時間で仕上がるのは利点です。 また、大根の太さによって大きさが固定されずに済むので、重宝です。つまり、大小好みの輪を作ることができるわけです。かつらむきにするといっても、刺身のつまを作るのではありませんから、思い切って包丁を進めて下さい。ただし、厚みは均一になるように気をつけて、途中で切れても巻いてしまえば大丈夫です。見た目の変化を楽しむための敷味噌ですが、輪巻が綺麗にできなかったら味噌を掛けてもよいでしょう。



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