名称 | 投壺(とうこ) |
概要 |
つぼうちとも呼ばれる。投扇興のルーツと言われる二人対戦の遊び。
中国・朝鮮の投壺
周の時代には既にあり、四書五経の一つ「礼記(らいき)」には、紀元前500年頃に遊ばれたことが記載されている。
三国、晋の時代にも投壺の記録があり、宋代には司馬光が「投壺格」「投壺新格」「投壺儀節」を著した。明代にも書籍が出されたようだが、
現在ではほとんど見られない。 日本の投壺
奈良時代に日本に伝来したといわれ、正倉院の宝物の一つとして収蔵されており、正倉院展に出展されることがある。
信西が12世紀中頃に編纂したと言われる「本朝世紀」には、天皇が正倉院の投壺具についてこれは何かと聞いたので信西が投壺と答えたことが記載されている。「和名類聚抄」に”つぼうち”と表記があるほか、江戸時代中期まで記録がなく、ほとんど遊ばれなかったと考えられる。 遊び方
中央に壺を置き投者は向き合って座り、矢を持って投げる。
矢の落ちた位置で点数が決まり、勝敗を競った。 遊び方(「礼記」による)
1.道具は矢と壷を用いる。壷の大きさは。矢は室、堂、庭によって長さが異なり、室は2尺(約60cm)、堂は2尺8寸(約84cm)、庭は3尺6寸(約1m8cm)である。
2.対戦者2人は壷を中央に置いて向かい合う。対戦者と壷の間は矢2本半空ける。
|
販売状況 | 国内では入手不可。韓国で販売している。当会斡旋可。 |
投壺の道具
中国の漢の遺跡・石に描かれた投壺
「雅遊漫録」挿絵
「和漢三才図絵」挿絵
「投壺式」挿絵
市販の「投壺」