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GMおまけセクション
NPC誕生秘話(パーティ外NPC)
●目次
●NPC誕生秘話(パーティ外NPC)
〇オーランジュ/タンジェリン
〇チェリー
〇セラフィ(セラフィム)⇒マーモ人はセラフィムと呼ぶ
〇カミラ(/クリス)
ここからはパーティ外のNPCの話です。
全部書いてるときりがないので、書いておきたいキャラ6人分だけ書きます。
また、パーティ外NPCなので、上のキャラクターたちほど細かい設定は特に用意はありません。
あくまで雑感です。
こちらは、マーコットのお父さん、お母さんとなります。
最初にもらった設定は名前やら種族やらでした。
ハーフエルフなので、父が人間、母がエルフと聞いていました。
どちらかが邪悪な設定にしたいようでした。
アイデアが2つ提示されました。
- 父親が悪玉で、母親が善玉。
その場合は父親はダークマジシャン。
母親は巫女姫。
- 父親が善玉で、母親が悪玉。
その場合は父親は善良なマジシャン。
母親は巫女姫。ちょっと邪悪風。でも実はいい人っぽい。
そのためのフレーバーテキストはいただいていました。
プレイヤーのなかでは思っていることがあり、それをGMがどう料理するのか見たい、というような話でした。
これ通りにやらなくてもよくて、マスターにお任せする、とは言われていました。
正直なところ、プレイヤーの中の正解を引き当てるために、
シナリオを作るというようなつもりは全くありませんでした。
それを望まれてるとも思いませんでしたし、要するにどういう「化学反応が起きるか見たい」んだろうな、
と受け止めていました。
いずれにせよ、世界設定や背景設定はGMが構築、決定するものです。
プレイヤーの中のイメージはあるのは窺えましたが、意識せず、自由にやらせてもらうことにしました。
もし違っていて、こう直してほしいと言われても基本的には受け付けない予定でした。
お任せされたものは、基本はそのまま受け入れていただく予定だったのです。
私の中で、マーコットの「ビジュアルイメージ」が優先順位として高いのだろうなと考えました。
へその目や木の角などのビジュアル設定を実現したいのだと受け止めました。
その他、どんどん設定案が追加されてきたので、基本的にはいったん全部受け止めました。
それを全部やりたいのだろう、と思ったのです。
どちらかといえば、マーコットというキャラクターへの設定案が多かったので、
マーコットというキャラクター自体には私は手を付けず、その周りの、父や母や
それを取り巻く環境について外堀を埋めるように設定を構築しました。
ですので、それを満たすために、悪魔の呪いの設定や秘密結社の設定や魔術書のくだりなどを
すべて作り込みました。
ロードス島戦記はやや硬めのファンタジーです。
本来なら、へその目とか木の角、などは却下してもいいくらいの話です。
ギャグTRPGなら、おっけー!ありあり!ですが、ロードスでこれを実現するには、
私には呪いくらいしか思いつきませんでした。
後々聞いたら、全部却下してくれても良かったんですよ?といわれ、
うぇっ!?っと変な声が出そうになりましたが、その時にはとうにシナリオの作り込みなど
終わっていたので、そのまますべてイキで進めることにしました。
結果として、相当濃密なシナリオになったと思います。
マーコットさん、本当にありがとうございました。w
さて、そうして案が出てきた、オーランジュとタンジェリンですが。
今年はロードス30周年とともに、エヴァンゲリオン25周年ですべてが終わった年でした。
映画でもってようやく完結したのです。
好きな作品でしたし、なんか使いたいな、と思いました。
その時、オーランジュとタンジェリンのビジュアルイメージが決まりました。
オーランジュはゲンドウ。タンジェリンはユイです。
そうなったときに、オーランジュは暗黒魔術師になってもらい、愛する嫁を取り戻すために、
他の何もかもをかなぐりすてて目的を果たそうとするイメージができました。
目的の為なら生贄など何人捧げても構わない。なりふり構わない姿がイメージできたのです。
一方、碇ユイというキャラクターは分かり辛いキャラです。
母親で、人造人間になり、その体内に子供を宿したまま戦う道を選びます。
子供に対する愛情は当然ありますが、一方で達観した人生観を持っています。
宇宙が終わろうとも、人類が生きた証を残し、一人寂しくても、
それを受け入れて生き続ける道を選択する女性です。
そのために永遠の命を持つエヴァンゲリオンになる女性なのです。
マーコットはへそに目がある、となったとき、その目は単に呪いのパーツだとするのでなく、
母親と体を数割共有しているという設定にしました。
なので、あの目は母親の目だ、としたのです。
エヴァンゲリオンぽいなと思いました。
また、すべてのプレイヤーキャラがささやきを聞くという、ウィスパーズ設定を満たしそうでしたので、
しめしめ、と思っていました。
父親が悪玉で、母親が善玉。その場合、父親はダークマジシャン。
母親は巫女姫、という話を一応使う方向にしました。
そのままではなく、母はエルフの英雄でかつての巫女姫で今はマーコットの体内にいる。
巫女姫はとうに代替わりしていて、実は森では問題が起きている、としました。
ただ、最初からそれを全開で出す必要はないと思いましたので、小出しに出していく方針にしました。
すでにお任せされたことだったので、プレイヤーにその後の設定の合意を取る気はありませんでした。
そのため、情報の開示はプレイ後に呪文書の手記で追々分かるようにすることにしました。
確定した情報として提示するようにしたのです。
ここらへんはシナリオの面白さにつながるところだと思いました。
事前にすべて相談してしまうと、そのキャラクターにだけネタバラしをしてるのと同じになってしまいます。
この段階になったら、事前に相談して同意を取るべきではないと判断したのです。
そういう意味では、だいぶたくさんの情報が後から後から出てくるのでプレイヤーは大変だったと思います。
最初の1回目からすでに、呪文書から手記から、ショートストーリーすら作り込みが全部終わっていましたので、
GMとしては時がきたらそれを開示するだけでした。
奇数レベルの際にマーコットプレイヤーに情報が襲い掛かるのは本キャンペーンの定例行事となりました…。
オーランジュとタンジェリンについてはそういう意味では、初期設定を元にGMがどんどん勝手に進めていったものです。
そういう意味ではGMの趣味全開で全部決めてしまったといってもいいでしょう。
マーコットプレイヤーの目線でないところで、父親、母親世代の目線で世界をとらえる。
プレイヤーが作る世界観とは、別の見方ができたのではないかなと思っています。
最後に、タンジェリンが再誕しました。
父オーランジュの悲願が達成されシナリオは終わりました。
可能性として、マーコットはタンジェリンと分離したくないと、プレイ中に言われる可能性も考えていました。
まぁ、そうなったらそうなっただなぁ、と思っていましたが、一応、分離、再誕し、ロリ母が誕生しました。
もし仮に再誕がされる場合、マーコットのビジュアルイメージが変更される可能性がありました。
具体的に言えば、再誕の素材に「目」を選ぶと、マーコットのへそから目が取られます。
つまりマーコットのビジュアルから「目が取れる」ということを意味します。
設定をもらったときに、へそ目や木の角、魔術書の分厚さや大きさ、フードをすっぽりかぶった
眼鏡幼女というビジュアルに並々ならぬこだわりを持っているところを見ていましたので、
ビジュアルの変更を勝手には進められないなと感じ、これについてだけは、
プレイヤーに事前確認をしました。
その結果、タンジェリンが再誕するというストーリーの場合には、
「マーコットはさらに小さい幼女になり、へその目は残り、角は非対称となり(GM都合)、
タンジェリンはボンキュッボンでなく、ロリ母になる」という、マーコットプレイヤーの考える、
よりおいしい設定になって、再誕ができたのではないかなと思っております。
なお、そういう指定がなかったら、タンジェリンはGM好みでボンキュッボンになっていたため、
話はだいぶ変わったと思います。
今回は他のプレイヤーがそれぞれの視点でショートストーリーを書いてくれています。
GMとしてはどうしても直してほしいところのみ手を入れて、あとは放置しようと思っていました。
(設定間違いや口調の変更など、小変更にとどめるつもりです)
もともとショートストーリーの類はキャラ愛からくるものですし、
あんまりあれこれ言われるのも嫌だろうなと思うので。
オーランジュ/タンジェリンのショートストーリーを書いたGMとしては、
オーランジュにある程度語らせた後、オーランジュの死後はタンジェリンが引き継いで、
タンジェリン側の語り口として進めることを元より想定していました。
そういう意味ではマーコット自身のストーリーはマーコットプレイヤーが書き、
親世代は私が書く気でいました。
設定で食い違いが出てくることもあろうと思いましたが、そこの整合性はとりませんでした。
違った場合はアンソロジーみたいなもんだ、と割り切りました。
オーランジュは面白可笑しく。そしてオーランジュの人としての移り変わりを書きました。
黒魔術師⇒男⇒夫⇒父という、その流れの中で、大事なものを見つけます。
そして愛する娘に、妻の再誕を託し、死んでいきます。
エルフであるタンジェリンは再誕後、数百年先まで世界を見届ける道を選ぶだろうと思いました。
そして、円環の中で永遠を見据え、いつまでも愛する男と一緒にいることを夢見る。
これは私の中の碇ユイのイメージが強く反映されているものです。
まぁ、私がやると、エルフはこうなる、という、そういう感じです。
親世代の二人の物語を語ることができて、私は満足です。
チェリーは、偶然の産物といえます。
何しろアドリブシナリオ中に苦し紛れに出てきたキャラクターです。
出した直後は相当あっぷあっぷでプレイをしながら、どういう性格にしようか慌てて考えました。
当然ビジュアルイメージなどあるわけもありませんし、仕込んでないので、適当です。
脳内はこんな感じでした。(シナリオ6終盤)
奴隷、結局買うんかーい!後々出てくるじゃねーか!⊂⌒~⊃。Д。)⊃
えーい、まず何から言うか!( ;∀;)
まぁ、なんか適当な挨拶すりゃいいや!まずは話をすすめな!(; ・`д・´)
あと1時間くらいしかプレイ時間ないのに新キャラ登場って…!( ゚Д゚)
髪の毛?!ピンクだよ! 顔!? んー…あー…ほどほどに可愛い!(>_<)
体つき?! …パーティが爆乳ばっかだから、エルフの普通で小柄、つつましい美乳!(+_+)
年齢?!…成人だよ!とりあえず120!人間だと16くらい!まだ若い!( ゚Д゚)
え?名前?! あー…植物…ピンクぅ…チェリー!これでいいや!(/・ω・)/
童貞ちゃうわ?!女やぞ!あ、トゥ・ナの話か!その設定、詳しく!( ゚Д゚)
おっといけねぇ。今はそれどころじゃねぇ!⊂⌒~⊃。Д。)⊃
ちょっと落ち着こうぜ…?
まぁ、成人してないで売られてるってのはなんとか法で別の意味でダメ―!
だから成人は絶対!
でも若くて経験もなくて体つきが控えめの愛玩奴隷だから、
いくら可愛くても売れ残ったんだろうな。
でもトゥ・ナに話しかけられてちゃんと受け答えできるのだから、性格はいい子にしよう。
性格は控えめ! 幸も薄め! 言葉数も少なめ! おっと、このまんまじゃ性格がルーシア2だよ!
相違点…差別化を、どうするか…?
奴隷になっちゃってるくらいだから、精霊使いでも戦士でもない一般民にしよう。
能力がないから奴隷にされちゃった。
集落皆殺しで家族もいない、一応幸せな家庭育ちだった、家族の愛は知っている。
ここ違うポイント!分かり辛いな…。
村ごと無くなってるから戻る場所がない、なのでパーティに雇ってもらいたい。
できることは多くない、とりあえずこの後はメイドにするか。
じゃぁ、性格はメイド向きが都合いいな。
恩義に感じやすい性格、頭はそんなにいくない。
でも誠実とか忠実とかこつこつやり続けるタイプ。
気が利いて細かいことによく気付く。
慣れてきたら主の言うことを先回りして準備しておく子にしよう。
うーん。だいぶルーシア2のままだな…でも時間ないし細かいのは後でいいや!(+_+)
まぁ、そんな感じでした。
正直なところ、NPCでぽっと出。このあと活用されるかもわかりません。
あまり細かくは考えなかったのでした。
一応なんとかプレイをし、キャラクターたちと一緒にブラスに移住することになります。
メイドとして雇う流れになりました。
せっかく作ったし、メイドとして接するなら、多少は登場させようと、プレイの都度、
数分程度、ちまちま出しました。
その後、プレイヤーにちょっとずつ絡みが増え、プレイヤーのショートストーリーにも
登場するようになりました。
アドリブでできたNPCに命が少しずつ、吹き込まれていきます。
当初はルーシアとの差別化をだいぶ気にしていました。
とはいえ、あまりそこの差別化にこだわっていてもしょうがないのと、
ルーシアはチェリーよりは悲惨な境遇なので、この後どんどん悲惨な設定が出てきます。
シナリオが深く、きつくなっていくところでしたので、チェリーと同一視をされている感じはしませんでした。
性格は似ていても、役割が分かれていたのです。
ここは無理して変な特徴をチェリーに持たせる必要はないなと思い、
当初思い付きで建てたキャラクターの性格で最後まで行くことにしました。
今回、エルフ女性はダークエルフを含めると4人も登場しており、
だいぶエルフへの考察が進んだキャンペーンとなったかなと思っています。
1000年以上生きるという、最も寿命の長い種族ですし、
人生観は人間やドワーフやハーフエルフと異なります。
ここはきちんと表現しようと思いました。
- マーモの軍人にして最終的にはブラスに世界樹をおき、森の管理者となっていく海の黒ギャル、
ダークエルフ・アンスリューム。
- カノンの伝説の英雄、パストールの森の管理者・元巫女姫にして最高位の精霊使い、
エルフ・タンジェリン。
- パストールの森の現巫女姫で、森の浄化のため掟を破ってでも役目を果たす高位の若き精霊使い、
エルフ・クリス。
- ごく普通の家庭に育ち、集落を焼かれたのち奴隷として扱われ、何の夢も希望も持てていなかった、
エルフ・チェリー。
それぞれのエルフの人生観、終末観を考えたときにこう思いました。
- アンスリュームはダークエルフとして異端。
愛する男がすべてで、森と海を等しく愛する女。
永遠は求めない、今がすべて。
- タンジェリンはもっともエルフらしいエルフ。
ちゃんと円環に組み込まれ、世界へと還っていき永遠を得る。
- クリスはこれからのエルフ。
パストールの希望の光でエルフの王。
未来を語るにはまだ経験が足りない。その物語はこれから。
- チェリーは…?
そう思ったとき、この子はどういう未来がいいのだろう。と色々悩みました。
シナリオ展開上の都合で、彼女にはつらい目に合ってもらいました。
戦場で非道が行われたツケを彼女が払わされた形です。
虐待を受け、体は穢されませんでしたが、心は穢されてしまいました。
その悲しみは同じ目にあったルーシアしか分かりません。
そのためルーシアはずっとそばにいるのです。
ルーシアは決してしつこく話しかけません。
ただ側にいるのです。
それが一番大事な事だからです。
チェリーを救いに来たローランドを見た時、チェリーはローランドを英雄のように感じたことでしょう。
その時の気持ちはちゃんと表わしたいと思いました。
ですが、その後、ローランドはダイスの神の裁きにより、コールゴッドをすることが決定します。
巨悪と周辺の敵すべてを倒す必要なアクションのうち、最も成功率が高い選択肢が選ばれました。
他に道がないわけではなかったのですが、後味が悪かったり、プレイヤーキャラクターが犠牲になったり、
成功率が低かったりでした。
フランページの研究施設側に行くシナリオをやる時間を捻出することができなかったために、
巨悪に対する決定的な手段がないまま、対決することになっていました。
その場合、巨悪のドラゴンとヒュドラを分離する手段の選択肢は、何かに犠牲になってもらう、
というのがプロットで決めていたことでした。
GM個人の感想としては、ローランドが犠牲になってくれたら、一番楽でした。
プレイ中はローランドがコールゴッドをする流れになったので、ほっと胸をなでおろしたのです。
全プレイが終わった後。
エルフの人生観を4人並べて考えたときに、あまりにもチェリーが不憫に思えてきました。
そして、相手役として一番いて欲しい人物を、私はシナリオの都合で消滅させてしまっていたのです。
コールゴッドは魂が消失します。
体が一部残っていようが、何しようが、復活できないのです。
やってしまったことは覆りません。
その中でチェリーの未来を妄想しました。
それが、今回のアンソロジーのチェリーストーリーです。
それについては、のちほど、書きます。
シナリオの偶然で生まれ、みんなにちょっとずつ愛されたNPCを、どうにかして、
少しでも、好きな人を想う形で幸せにしたい。その想いで書きました。
そのため、チェリーは円環から解き放たれ、愛する者のいる世界へ旅立ちます。
こういう悲劇的な話が好きでない人もいるでしょう。
ですが、私にはこのくらいしかしてあげられませんでした。
ごめんね。チェリー。せめてその世界で、彼の元で、とこしえの幸せを…。
GMがキャンペーンを組む場合、男性プレイヤーしかいない場合には、大抵サキュバスの話を1話入れます。
サキュバスは男に取り入って精気をすする妖魔です。
ビジュアルも美しく、男性受けが良く、話の幅がそこそこ広くなるので便利なのです。
悲しい物語にすることもできるし、明るく楽しい話にすらできます。
キャンペーンの話として入れる気満々でしたので、
そういう意味ではどこでサキュバス入れようか、という感じでした。
アンスリュームのところでも書きましたが、ダークエルフを仲間に入れるために、
観測気球を飛ばす必要がありましたので、プレイ初回セッション、
第2話でさっそく登場してもらうことにしました。
後々のため、マーモの出身で高貴な身であることを匂わせ、きっちりカルスとの仲を見せつけました。
種族を超えて愛し合う二人として、後に今回のキャンペーンのテーマとなる
異種族の共生の可能性を最初に示してくれました。
このキャラクターが登場しなければ、マーコットがパーティに早く打ち解けることはなかったかもしれません。
いつハーフエルフや木の角もちであることを開示するか。
GMとしては結構大事な問題でしたので、このシナリオの後、次のセッションで
速やかに開示されることとなって、GMとしては胸をなでおろしたものでした。
第6話の段階でセラフィの素性を明らかにしました。
のちにマーモに渡るための接点となりそうなイメージを出しておいたのです。
その後、第9話で、シャーロットに話をつないでくれるようになります。
また、第10話以降、彼女の指導者としての力が見えます。
マーモの騎士に的確に指示を出し、きちんとラーダ神殿を守り抜いてくれます。
ショートストーリーでは、彼女の性癖(ルーシアのリサーチ大作戦)や、
王者としての風格(アスカル・カミラ編)を漂わせてみました。
今回、ストーリーを動かしてくれたNPCは数え切れませんが、
セラフィはだいぶ大きい役割を果たしてくれたのです。
なんだかんだ、ビジュアルを決めたNPCは活躍させたくなるよなぁ。
なんて思ってしまいました。
NPCの話の最後に、カミラとクリスについて書きます。
カミラとクリスのポジションは、いわゆる、ピーチ姫、でした。
何故か、毎度さらわれる姫様です。
グレーターデーモンであるプゥの暗黒組織が、悪魔の王を復活させるために、
上質の処女の生贄を探し求め、行きついたところにいるのがこの二人だったのです。
上質の魔力を持ち、その容姿、能力が最上の清らかな乙女。
悪魔の王復活の生贄にふさわしい設定です。
クリスについては、もともと追加シナリオの方(シナリオ12)で活躍してもらう予定でした。
生贄として活躍してもらうのでなく、森の管理者としての活躍をさせる予定でした。
ですので、クリスの生贄としての役割は、私の中ではカミラの当て馬でした。
そういう意味で言うと、クリスが生贄にされても悪魔の王は復活できません。
クリスは森を正常化させるために、掟を破ってでもパーティを森に引き入れ、
死罪を言い渡される覚悟で目的を達成します。
未来のために自らをも犠牲にする覚悟をもった、真の森の管理者です。
名前はクリサンセマム・オーブリー。Chrysanthemum:クリサンセマム(キク)。
Aubrey:オーブリー(エルフの支配者)です。
Alberic(アルベリック)」と同一で"alf"と"ric"で「エルフの王」を意味します。
生まれは細かく言いませんが、要するに未来のエルフの女王となる設定のエルフです。
そして年齢は80歳。未成年です。人間で言うと13歳、14歳です。
この子の未来が楽しみでなりません。
ということでクリスについてはここまでです。
本キャンペーンシナリオのキーキャラクターとして、最初に作成された生贄の本命はカミラでした。
カミラは邪神復活シナリオの主役だったのです。
ところが、トゥ・ナとパーティ内キャラクターの仲間意識を高めたいというGMの思惑を達成するために、
プゥをはじめとする盗賊団のキャラクターたちの登場がずるずるーっと遅れることにより、
邪神復活シナリオを発射させるタイミングがどんどん後半にずれ込んでいきました。
8話くらいになってから終盤戦に入るタイミングで、邪神復活シナリオの全容をやり切るには
残りの回数では無理と判断し、そのシナリオは大幅にカットしました。
GMとしてはセッション回数をいたずらに延ばさず、12話で終わらせる、という意志を込めたのです。
とはいえ、敵として、なんとしてでもプゥは出しておきたかった。
でないとトゥ・ナの話が終わりません。
なので、プゥたちにカミラを取り戻させようとしました。(シナリオ11)
そうすることで、プゥを引きずり出し、最後の敵として倒すことで、
トゥ・ナのシナリオを終わらせられる、という狙いでした。
ですが、正直なところ、そこら辺の話をじっくりプレイすることはできませんでした。
シナリオ11の巨悪との戦闘が大幅に長引いてしまい、1時間半押しくらいとなっていたため、
昼食を摂りながらでも話を進めざるを得ない状況となっていました。
残念ながら、邪神復活シナリオの肝の部分をプレイしている時間が取れなかったのです。
ですので、プレイ中、そこらへんはささっと流しました。
結局プゥは単なる魔神として死に、誰をどのように復活させたかったかを語ることもなく、
死んでいきます。
状況が状況ですので、それでいいやと思っています。
この部分をショートストーリで語ろうかな、とも思いましたが、敵側の話をしつこく書くとか
悪魔だの邪神の話を延々と書いても、結局プレイしてない話ですし、
他の話ほど面白いと感じなかったので書くのはやめることにしました。
すべては謎となりました。
とはいえ、GMとしては、カミラの話はちゃんとしたいな、と思っていました。
彼女こそがピーチ姫です。その理由くらいは書きたいなと。
プレイヤーから見たらぽっと出のさらわれの姫君でしかないとは思いますが、
一応、ショートストーリーの最後の話として書くことにしたのです。
GMにはサキュバスという種族への思いがあります。
サキュバスは男を虜にする存在です。基本的には淫らな妖魔です。
プレイヤーとしての男性に都合の良い存在です。えっちな感じがしていいですね!
が、ゲーム世界の中にいるキャラクターにとっては、精気を吸ってくる存在です。
夢見心地でいる間に憑りついて下手したら殺してくるわけです。
おっかない存在です。
そのおっかない存在としてのサキュバスの力は、エロスが基本となる、というのが一般的です。
妖艶な姿で男に迫ってきて強制的に精気をすすっていきます。
その姿はセラフィのイメージそのものです。
サキュバスとして旧マーモの侯爵となるくらいの実力のある家柄で、生まれながらにしての指導者。
気位の高さと、生まれからくる高い妖力、魔力、魅力というものは、サキュバスの中でも屈指でしょう。
それに加えて、多くの男に夢を見させ続けた経験の豊富さ、男を虜にする手管の確かさという、
経験に裏付けされた実力があります。
セラフィが持つ力の強さは、エロスの力そのものです。王者の風格すらある力です。
ですがカミラはそれとは異なります。
女の園で暮らし、男を遠ざけられていたため、その力に彼女自身が今まで気づくことはありませんでした。
そもそも使う機会がなかったのです。
そしてまだ成人になっているわけでもありません。
当然のことながら、セラフィはサキュバスの力はエロスの力と信じています。
実体験としてそうでしかあり得ないのです。
カミラがその力を発揮するのは、成長し女の経験を積んでからだと思い込んでいます。
カミラが持つ本当の力の意味に気づいていなかったのです。
ですので、カミラが逆らった時、成長していないお前など自分の敵ではない、
と言い切ることができたのです。
セラフィに面倒を見てもらっているカミラも、サキュバスの力とは、当然そういうものだと思い込んでいました。
ではカミラはどういった力を持つのか。
古代ギリシャの世界では愛を4種類に分けていました。
エロスは男女の間の恋愛。欲望の愛。奪う力。
フィリアは友人の間の友愛。親しみの愛。共に在る力。
ストルゲーは親子や兄弟の間の愛。家族の愛。強い絆の力。
アガペーは神が人間を愛するが如く無限に与える愛。無償の愛。与える力。
私の思うサキュバスの力の源は、愛の力と考えていました。
そのために、過去の様々なキャンペーン、セッションのプレイで、私が出すサキュバス達は、
いやらしく男をたぶらかすだけの存在だったり、健気で尽くす存在たったり、
明るく楽しく友のように接する存在であったり、生きていくために相手の男にお願いをして
精気をすすらせてもらって養ってもらう存在であったり、いろんなパターンで出てきたのです。
今回登場するカミラの力の源は、アガペーです。無償の献身の心です。
サキュバスであるのにも関わらず、神の如く無償の愛を捧げることができる、特別な存在。
その力を常に出せるわけではありません。普段は子供の様にかわいい子です。
ちょっと背伸びをしてみたかっただけの、意外と意地悪だったり、可愛く拗ねてみたり、
小さい子相手に張り合ってみたりするような、どこにでもいそうな少女。
その子の心が持つ穢れのない清らかさや眩しさ、神々しさが、邪な神の目に止まるのです。
そう。邪な妖魔であるはずのサキュバスなのに、聖なる属性がある。これがカミラの力なのでした。
カミラについては読み切り小説を作りましたので、この後書きます。これでNPCの話はおしまいです。
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●本コンテンツについて
・本コンテンツは同好者の間で楽しむために作られた非公式リプレイ内のショートストーリーです。
・個人の趣味で行っておりますので、のんびり製作しております。気長にお待ちいただきながらお楽しみください。
・原作の設定とは無関係の設定が出て来たりしております。あくまでこちらのコンテンツは別次元のお話と思ってください。
・本コンテンツの制作にあたり、原作者様、出版社様とは一切関係がございません。
・TRPGを行うにあたり、皆が一様に分かる世界観、共通認識を生んでくださった原作者様と、
楽しいゲームシステムを販売してくださった関係者の方々に、深く感謝申し上げます。
●本コンテンツの著作権等について
・本コンテンツのリプレイ・ショートストーリーの著作権はむーむー/むーどす島戦記TRPG会にあります。
・本コンテンツのキャラクターイラスト、一部のモンスターイラスト、サイトイメージイラスト等の著作権は、
むーむー/マーコットPさん/アールグレイさんにあります。
・その他、原作、世界観、製作用素材については以下の権利者のものとなります。
●使用素材について
・本コンテンツは以下の製作者、原作者、製作素材等の著作物を使用して製作されています。
【プレイヤー】
・トゥナ・P
・マーコットP
・ヤトリシノP
・むーむー(GM)
【挿絵・イラスト】
・マーコットP
・むーむー
【キャラクター(エモーション・表情差分)】
・マーコットP
・むーむー
【使用ルール・世界観】
・ロードス島戦記
(C)KADOKAWA CORPORATION
(C)水野良・グループSNE
・ロードス島戦記コンパニオン①~③
原案:安田均、水野良、著者:高山浩とグループSNE
出版社:角川書店
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【シナリオ・脚本】
【リプレイ製作】
・むーむー
【ショートストーリー・小説製作】
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・マーコットP
・ヤトリシノP
・むーむー
(むーどす島戦記TRPG会)
【製作】
・むーむー/むーどす島戦記TRPG会