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むーどす島戦記リプレイ ⇒ 「繋いだ手」
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読み切り小説
「繋いだ手」
カミラ&アスカル
(作者:むーむー)
●目次
〇カミラ・マーモの姫君
〇二人の出会い
〇コッツィ
〇あずまやの秘め事
〇セラフィム
〇サキュバスの夢
〇愛の言葉
〇アスカル・責任と決意
〇ライトネス
〇ウェルスガルド
〇舞踏会
〇繋いだ手
今日も会話を終えてカミラは気分良く帰宅した。
簡単な仕事を終え、お茶の時間になる。
メイドのコッツィが用意をしてくれていた。
コッツィは、既に成人になっている、歳が3つほど離れたサキュバスだ。
日に焼けた健康的な感じのするメイドだった。
コッツィはカミラと一番仲が良い子だった。
生まれた時からカミラと一緒にいてくれた。
色んないたずらをして一緒に怒られたことも多い。
たいていはコッツィがいたずらを言い出すのだが、何故かカミラまで一緒にいたずらをすることになってしまい、
バレれば一緒に怒られてしまっていた。
カミラはコッツィには何でも相談出来た。
この子には隠し事をしたことが無い。
一番信じられる子だった。
コッツィは数年前からカミラの側付きメイドとして働いてくれている。
姿形は似ていないが、カミラの影武者をやっていたこともある。
最近ではコッツィが成長し過ぎてしまったし、似てもいないので影武者の仕事はなくなっていた。
「今日もお出かけでしたね?」
「うん。楽しかった……w」
「またあの子ですか?」
「まぁ、ね…ちょっと生意気だけど、可愛いのw」
「なるほど……生意気ですか」
「だいぶイメージが違ったって言われちゃった……」
「お姫様かと思ってたは言い過ぎですよね……」
「……?」
「……」
しばらく沈黙が流れる。
コッツィはしまったと思いながら、何食わぬ顔で部屋を出ようとする。
カミラの顔が険しくなる。
「待ちなさい」
「あー……ちょっとお仕事が……」
「コッツィ……私たちの話を聞いてたの?」
「えっと……これには訳が……ですね」
「私、いま、凄く怒ってる」
「あー……、全部言います、はい……」
コッツィはサキュバスのメイドが交代で離れたところから監視していること、
暗黒騎士が付いて来なくなったのはそれが条件だったことを洗いざらい話した。
カミラはショックを受けた。
とはいえ、それはそれで無理もないことかとも思った。
自分に何か起きたらと思って心配してくれているのだ。
やめろという訳にもいかないだろうと思った。
だが、そうすると、あの楽しい会話をもう楽しめなくなってしまう。
誰かに聞かれているのだと思うと、する気にならなくなっていた。
「そう……しょうがないよね……」
「……あー……。一つ素敵な提案があるんだけど、聞く?」
コッツィの口調が変わる。
コッツィがこういう言い方をする時は、大抵、いたずらをする時だ。
カミラはちょっと期待した目でコッツィを見てしまう。
「監視してるのが、バレた。監視を嫌がられている。
もうみんなを信用できないと言われた。
コッツィが監視するだけなら許すと約束できた。
だから今後は私だけが監視になる……。
で、一旦手を打たない?」
「……でもそれだと……」
「ハイ、第2弾いくよー」
「……?」
「あたしは、あずまやまではちゃんと監視しに行く。あの子と会うまでは見届ける。
その後、あたしは2、3時間ほど、あたしの男とデートしに行く。
で、カミラはあたしが監視に戻って来るまでは、そこに必ず居ること。どう?」
「……実際には居ないってこと?」
「……まぁ、ぶっちゃけ、さぼりたいのよ」
出た。さすがいたずらとさぼり魔のコッツィだ。
カミラはこういう案を待っていたのだ。
「あたしは色んな男とたっぷり遊べるし、カミラもあの子と内緒でいちゃいちゃ出来る、
最高のプランのご提案となりますが、如何いたしましょう?w」
「分かった……それに乗るわw」
「カミラは、散策について誰かに問われるようなことがもしあったら、
ちゃんとあたしがしっかり監視の仕事をしていて安心できたとか、上手いこと言うのよ?
裏切ったら、セラフィム様に、年端もいかない子といちゃついてること、全部チクるからね?」
告げ口のコッツィまで出てきた。これに裏切られて何度一人で怒られたか数え切れない……。
「いちゃついてなんか、無いじゃない……」
「そう?いちゃつきたいのかと思ってたけど、違うならこのプランをやることも無いんだけど……?」
「待って……ちょっと待って……」
「……」
「とにかく、そのプランには乗る……お願い」
コッツィは、カミラがもっと素直になれば良いのになぁ、と思いながらも、これで手を打った。
何しろ、コッツィ自身は遊び人なので、たくさんの男といちゃつきたいのだ。
このチャンスを利用しない手は無い。
こうして翌週から、さっそくコッツィはカミラの監視役を一人で引き受けるフリをして、
ひたすらさぼって遊び続けることになるのだった。
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●本コンテンツについて
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・本コンテンツの制作にあたり、原作者様、出版社様とは一切関係がございません。
・TRPGを行うにあたり、皆が一様に分かる世界観、共通認識を生んでくださった原作者様と、
楽しいゲームシステムを販売してくださった関係者の方々に、深く感謝申し上げます。
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・本コンテンツのリプレイ・ショートストーリーの著作権はむーむー/むーどす島戦記TRPG会にあります。
・本コンテンツのキャラクターイラスト、一部のモンスターイラスト、サイトイメージイラスト等の著作権は、
むーむー/マーコットPさん/アールグレイさんにあります。
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・ヤトリシノP
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【挿絵・イラスト】
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【キャラクター(エモーション・表情差分)】
・マーコットP
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【使用ルール・世界観】
・ロードス島戦記
(C)KADOKAWA CORPORATION
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原案:安田均、水野良、著者:高山浩とグループSNE
出版社:角川書店
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【リプレイ製作】
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【製作】
・むーむー/むーどす島戦記TRPG会