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読み切り小説
「繋いだ手」
カミラ&アスカル
(作者:むーむー)

●目次

〇カミラ・マーモの姫君
〇二人の出会い
〇コッツィ
〇あずまやの秘め事
〇セラフィム
〇サキュバスの夢
〇愛の言葉
〇アスカル・責任と決意
〇ライトネス
〇ウェルスガルド
〇舞踏会
〇繋いだ手

〇あずまやの秘め事

あずまやでカミラとアスカルと会うようになってから3か月が過ぎていた。
カミラはコッツィが本当にさぼっているのを確信してから、
ちょっとしたいたずらをアスカルにする事にした。
普段から生意気なアスカルの手を軽く触れるなどして、
ほんのちょっとだけ誘惑してみようかと思ったのだ。
自分の力を使えば、男を言うなりに出来るはずだった。
相手は小さい子供だ。サキュバスの女王の力を持つ自分なら当然出来るはずだ。
もしやりすぎてしまったとしても相手は子供だ。
いきなり襲い掛かられることも無いだろうし、もしそうなってもはねのけられるだろう。
何より、普段の生意気な態度を少し改めさせたくて、軽いお仕置きをしたかったのだ。
あと、ちょっとだけ、男の精気をすするということが、どういうことなのか、
試してみたい気持ちもあった。

いつものあずまやでアスカルと会って話している時、
うっかりを装って、軽く手を触れてみる。
生意気な口調で話していたアスカルは、触った瞬間からとろんとした顔になって、
何も言えなくなっていた。
ほんの少し触れられただけで、アスカルは心地良さに支配された。
快楽や歓喜というよりは「心地良さ」に近かった。
温かさに包まれながら昼寝をするような心地良さ、
安らかで清らかな気持ちになってしまうような、そんな心地良さだった。
残念ながら、これはアスカルの受けた印象であって、カミラにはそれが伝わらない。

カミラの方には、ほんの少しだけ若々しいエネルギーが流れ込んできた。
それは甘美なエネルギーだった。
エネルギーを味に例えるとするなら、花の蜜のような、淡い甘さのエネルギーだった。

――これは……美味しい……。

カミラはうっとりした。
ほんの少しの量しかエネルギーを吸い取れなかったが、彼女が生まれて初めて味わう味だった。
男の精気をすすることを体感した。その甘美な喜びを知ってしまったのだ。

――これを、教えてくれないのは、ズルい。

セラフィムや、自分の周りで世話を焼いてくれていたサキュバスたちにちょっとした嫉妬と苛立ちを覚える。
彼女たちはこの味を味わい尽くしているのに、自分だけ教えてもらえなかった。
本当に……ズルい……。
カミラにちょっとだけ、黒い感情が生まれる。
教えてくれないのなら、自分で試してじっくり味わってやる……。

とはいえ、どのくらいの量を取っても大丈夫なのか正直分からなかった。
取り過ぎて殺してしまったら大問題だ。
自分はサキュバスの女王だ。
うっかり力を入れ過ぎたら、子供の生命力などあっという間に吸い取ってしまうかもしれない。
ちょっと怖かったので、今日はこのくらいにしておこうと思った。

アスカルはうっとりとした顔をしていた。
カミラはその表情をみて、自分が女として虜にしたのだと勘違いしていた。
ちょっといたずらっぽく、それとなく誘惑しにかかる。

「手が当たっちゃって、ごめんね?
 もしかして、気持ち良かったり、したかな……?」
「はい……安らかな気持ちになりました……」
「安らか……? そうなんだ……。
 つい、うっかり触っちゃったけど……気持ち良かったなら、
 また、今度してあげても良いんだけどなぁ……」

アスカルがごくりと唾を呑む。
カミラは内心、やった、と思った。
男を手玉に取っているという実感が湧く。

「……でも……アスカル、生意気な口利くからなぁ……。
 ああいうこと言われちゃうと、私、元気無くなっちゃうんだよなぁ……。
 そしたら、力が弱くなっちゃう……」
「……言い方をちゃんとしたら、またしてくれますか……?」
「……うーん。そうしてくれるんだったら、また、しよっかなぁ……」
「ちゃんと、言うこと聞きます」

アスカルが凄く素直な子になっていた。
カミラは心の中でにやりと笑う。
薄暗い欲望が目覚め始める。
カミラの中の女のプライドが満たされる。
彼女がこんな気持ちになったのは生れて初めてだ。
これが、セラフィム従姉様の持つ力の源なのだと理解した。
男を言いなりに出来たのだと、この時は勘違いしていた。

「良いよ……。じゃぁ、また来週ね」

カミラは嬉しくなって、いたずらっぽく笑いながら約束をする。
絶世の美少女のその笑顔は、アスカルが見ていても色っぽかった。
アスカルはドキドキしながら、頷いていた。
カミラとアスカルの逢瀬が、ほんの少し、大人の領域に近づいたのだった。

二人はその後しばらくじゃれ合うような会話を楽しんで、その日は大人しく帰った。
カミラはアスカルを見送ると、コッツィが戻ってくるのをしばらく待っていたが、
なかなか来ないので先に帰宅した。

コッツィがつやつやした顔で1時間ほど遅れて屋敷に帰ってきた。
バレてしまう危険を顧みてないのか、堂々としたものだった。
カミラの私室で二人きりだ。
ついつい昔のように話してしまう。

「お帰りコッツィ。他の子にバレちゃうんじゃないの?大丈夫なの……?」
「ふふふ。こういうのはオドオドしてたらバレちゃうのよ。
 カミラは気を付けてね?
 カミラはびびりだから、すぐ分かるからね?w」
「気を付ける……」
「ちゃんといちゃつけた?w」
「……うん。初めて、精気を吸えたと思う……」
「ほうほう。美味しかった?」
「甘い蜜みたいなエネルギーだった……」
「それは何よりw」
「一つ確認したいのだけど……吸い取れる量が良く分からないの……」
「あぁ……。うまく言えないなぁ。
 ごくごくごくごくー、追加でごくごくー、くらいかな?
 コップ一杯半くらい?」

なるほど…。
カミラが吸い取ったのは、そういう表現で言えば、樹の樹液がしたたり落ちるのを待って、
舐め取ってる程度だったかもしれない。
全然量が違いそうだった。
もっと行けるということか……。
もう少し取っておけば良かった……。
ちょっと悔しかった。
子供だから、ごくごくごくー、くらいでいっぱいいっぱいかもしれないことを考えると、
最初のうちは、ごくりと飲み干すくらいから試すと良いかもしれない。

この時、コッツィは大事なことを確認していなかった。
カミラがどのように吸い取ったのか聞かなかったのだ。
本来なら夢を見させて、そこで吸い取らないといけない。
その方がどんな状況でも再現しやすいし、思い通りに相手の欲望を掻き立てられるし、
自分たちには肉体的なリスクは無いし、夢だからその場限りで終わるのも簡単だし、
効率が良い方法なのだった。
当然そうしたのだと思い込んでいた。
自らの体を使って誘惑をするなどしてはいけないことなのだ。
そんなことをしたら、その男は一生そのサキュバスしか愛せなくなる。
後の始末が大変になるのだ。
特に殺してはいけない相手だったり、重要人物を相手にしたら、大問題になるのが当たり前なのだった。

それからひと月ほど、カミラはアスカルと会ってはじゃれ合う会話をした後、
ちょっとお互いが照れながら、肌を触れるような感じで、スキンシップを楽しんでいた。
ちょっとイケナイことをしているのは二人とも十分、分かっていた。
でも、お互いに興味がある少年少女で、そういうことを止めるのは無理な相談だった。
アスカルは心地良い癒しを得て、カミラは僅かながらの精気を得た。

カミラはちょっとだけ気にしていることがあった。
アスカルが全く寝なかったのだ。
カミラは夢魔とも呼ばれるサキュバスだ。
男に夢を見させて、その時に精気を吸う生き物だ。
むしろ眠らせていないのに精気を吸ってること自体が問題なのだが、カミラはその危険性を知らなかった。
夢の見させ方を教えてもらっていなかったが、自分が触れれば勝手に寝るものだと思っていたのだ。

それよりもカミラが気になっていたのは、精気の量だった。
ごくごくー、なんていう量に全くならないのだ。
だいぶ不満に思っていた。
もっと自分は精気を吸えるはずだ。
何かが足りてないに違いない。

冷静に考えたらセラフィム従姉様のような色気を出して迫っていなかった。
子供相手でもある程度はそうしないといけなかったかもしれない。
そうだ、男の精気をすするのだ。
子供でなく男にしていく必要があるはずだ。
理論上はそうなはずだが、なにしろカミラは経験がない。
男にする方法など知らない。
本来なら、宮廷付きの女官などが房中術として教えてくれるはずのものなのだが、
セラフィムがそれを許さなかったのだ。
だいぶ過保護に育てられてしまった。
セラフィムがマーモを先に発った後もその影響が残っていて、誰も教えてくれなかったのだ。

カミラは12歳だが、体付きはとうに大人と同じだった。
セラフィムやライトネスにもう少しで届こうか、というくらいに成長していた。
だいぶ早熟な体だったのだ。
男に夢を見させてないから子供扱いなだけで、それが出来れば大人と見なされる体なのだ。
子供を産むのにも全く問題が無いくらいだった。

セラフィム従姉様ほどではないが、自分の体は十分に男を誘う魅力と能力があるはずだ。
そうか。そういう使い方をしていなかったのがいけなかったのか。

カミラは過ちを犯していた。
本当なら、この時、素直にコッツィにやり方を聞くべきだった。
変なプライドが邪魔をしたのと、教えてくれなかったことをちょっと根に持ってしまっていて、
自力でやって見返してやろうと思ってしまったのだ。

次の週からはカミラはちょっとずつアスカルをいやらしく誘惑するような、
ちょっぴりえっちな仕草や態度を取るようになった。
ある時は、内側に着る服を胸の谷間辺りが大きく見えるようにして、敢えて屈んで見せた。
ある時は、アスカルに必要以上にくっついて体の色々な所が柔らかいことを分からせた。
ある時は、雨が降りそうなことを知りながら薄っすらと体が透けて見えそうな服を着て行ってみた。
ある時は、耳元で囁くフリをして甘い息を吹きかけてみた。
恐らくは、大人の男にしたなら即座に襲われるであろうことを、子供のアスカルに平気で試してしまっていた。
次第にアスカルから吸い取れるエネルギーの量が増えてきて、それも濃密な甘さに変わっていった。
ごくり、とまではいかないが、まぁ、だいぶ出るようになったとは思う。
この頃から、アスカルがカミラを見る目がだいぶ変わってきた。
子供の目から男の目になった。
カミラの女のプライドはだいぶ満たされていた。
自分が本気になれば子供だって男になるのだと思い込んでいた。

アスカルの方はといえば、もう寝ても覚めてもカミラのことしか考えられないというほど、
カミラを好きになってしまっていた。
子供の目から男の目に変わったのは、子供ながらに真剣に愛しているからなのだ。
確かに虜にはなっている。が、カミラが思っている虜とはだいぶ違っていたのだった。

いまのアスカルの状況は、他のサキュバスの催淫の効果とはだいぶ様子が異なっている。
アスカルは色欲に狂っている訳では無かった。
カミラほどの魅力をもってしても、カミラが直接肌に触れても、
かなり頑張って誘惑をしたりいたずらをしても、
アスカルは温かい陽だまりの中にいるような幸せな気持ちになるだけで、
欲望に身をたぎらせるようなそういう狂い方をしなかった。

サキュバスが、自らの体を使って誘惑したなら、男は絶対に逆らえない。
永遠にそのサキュバスしか愛せなくなる。
夢を見させ、その場限りのことと思わせるのとは訳が違うのだ。
体を使う方法で男を虜にする場合、力の弱いサキュバスであれば、
男女としての営みを実際にするか、それに近しいことをしないとならない。
だがカミラはサキュバスの女王だ。
手で軽く触れるだけで十分過ぎる妖力なのだ。
カミラはそこを全く理解していなかった。

出会ってから半年くらい経った頃、二人は遠巻きに見れば恋仲にしか見えない状況だった。
毎週決まった時間、いつものあずまやでぴったりくっつきあいながら、だいぶ良い雰囲気で語り合っている。
普通の人間が見たら、カップルがいちゃついてるようにしか見えないはずだ。
一週間も待てずに、ずっと会いたいとカミラは思ってしまっていた。
寝ても覚めても相手のことを考えているのは、カミラも同じだったのだ。

カミラがだいぶ精気をすすったためなのか、アスカルは男として急速に成長をしていた。
一気に背が伸びていて、このままでいけば数年もかからずカミラの背を追い抜くだろう。
急成長したせいで、アスカルは体中がきしむように痛かった。
アスカルがもうじき8歳になろうかという頃だったが、11、2歳くらいの少年に見えた。
驚きの成長だった。
アスカルはそれを自慢げに胸を反らせてアピールするので、カミラはそれが生意気に思えてしょうがなかった。

精気の蜜の味があまりにも美味しく、カミラはそれにどっぷりと依存していた。
蜜を奪い取ることこそがサキュバスとしての特権なのだとちょっと天狗になっていた。
愛しているからでなく、精気が欲しいから吸い取ってあげているのだ、くらいの傲慢さだった。
逢瀬の時も、ついさっきまで仲良く話していたのに、精気をすする段階になると
ちょっと偉そうな物言いになってしまっていた。
アスカルはカミラを愛してしまっているから、そんな傲慢さすら可愛くて愛しくて仕方なかった。

「アスカル。今日もちゃんと良い子にするのよ?」
「分かってます……」
「なら、いっぱい、幸せにしてあげる」
「お願い、します……」

カミラはアスカルに膝枕をしてあげる。
これだけでも極上の癒しだ。

「ねぇ? アスカル?」
「はい……?」
「何で、眠らないの?」
「何ででしょうね……?」
「私が命令したら、めろめろになって、何でも言うこと聞く癖に、寝ないよね?」
「……そんなになってますか……?」
「なってるでしょ? 好き好きぃ、カミラ様ぁって、そういう顔してるよ?」

さすがのアスカルもむっとする。

「いや、してないです」
「アスカルのくせに生意気……! してるでしょ!?」
「好き好きぃとか、絶対言わないです」
「あ、なんか、私、怒ったかも……。命令して、好きって言わせようかな……」
「絶対、言わないです」

お互いムキになっている。
でも、アスカルはカミラに嫌われたくないので、少し考える。

「じゃぁ……賭けをしましょうよ」
「賭け……?」
「僕が好きって言ったら僕の負け。カミラさんが好きって言ったらカミラさんの負けです。
 賭けのご褒美は、好きって言った方が何でも一つ言うことを聞く、でどうですか?」
「……」

カミラも少し考えた。
自分はアスカルをとうに虜にしている。
こんな賭け成立する訳が無い。
勝つことが分かっている賭けはさすがにどうかと思ったので断ってあげようとする。

「それって、私が勝つに決まっているでしょ?」
「あれ、物凄い言いようですね?! 僕、絶対言いませんよ?」
「……私のこと……嫌いってこと……?」
「え?! いや、その……。す……おっと危ない!
 その手には乗りませんよ?w」
「……好きじゃないんだ……」

カミラが泣きそうな顔になっていた。
アスカルは狼狽する。

「……そのやり方はズルいですよ……そういう表情で言わせようとするのは、ズルい」
「分かった……じゃぁ、その賭けに乗っても良いよ?
 その代わり、私は今のでだいぶ怒ってるからね?」
「う……」
「サキュバスの力を全部使ってでも言わせちゃうけど、良いよね?」
「……絶対、耐えて見せますよ?」
「……ほんとに生意気!」

カミラは膝枕しているアスカルに覆い被さるように、体をぴったりとくっつける。
そのまま強引に精気を吸い取り始めた。
今日は手加減してやらない。
ちょうど良いからどれだけ吸い取れるか限界を見てやる。
好きって言うまで絶対許してやらない。
ごくごくー、位のエネルギーを吸い取ってから、アスカルの様子を見る。
アスカルは既に半分意識を失ったような、恍惚の表情になっている。

「ほら見なさい。もう、言うなりになる顔になってるよ?
 好きって言いなさい!」
「言わない……です……」

頭に来たのですかさず、またごくーっと吸い取る。
オーラのようなエネルギーが目に見える形で吸い取られる。
何だろう、美味しいけど、イライラしてるから、幸せな気がしない。
アスカルは癒され過ぎて惚けている。
話しかけても上の空だ。
返事が返ってこなくなった。

そうやって、しばらくの間カミラはしつこく精気を吸い取り続けた、
ふと気付けば、コッツィの言っていたコップ一杯半などはるかに通り越して、
コップ何杯吸った?というくらいのエネルギーを子供相手に吸い取ってしまっていた。

――アスカルが好きって言ってくれないのが悪いんだ……。

さすがにこれ以上は死んでしまうかもしれない。
悔しいけど、今日は止めることにした。
今日は好きと言ってもらえなかったのが悔しくてしょうがなかったので、
これから会う度に、限界まで吸い取ってやることにした。

私のことを好きと言わないなど、絶対許せない。
あんな生意気な態度は、本当に許さない。
私のしもべなんだから、ちゃんと言うことを聞かせないとならない。
とはいえ、今日は相当な量の精気を吸い取れた。体中に力がみなぎる。
女のプライドが満たされ、自信に満ちてくる。
何でも出来る気がしてきた。

カミラは自分が自由に精気を吸い取れるようになったことで、完全に天狗になってしまっていた、
そう考えているカミラの顔は、彼女の本来の清楚な表情とは全く変わっていて、邪悪な妖魔の顔をしていた。
本当は愛しているだけだったのに、サキュバスとしての女のプライドが、間違った形で目覚めてしまったのだ。

この一部始終を遠くで見ていたコッツィは愕然としていた。
今日は遊びに誘った男どもがみんな多忙で、誰も相手してくれなかった。
無理に誘惑するのは、恋愛を楽しみたいコッツィのお楽しみポイントが減るので、
仕方なく真面目に監視の仕事をしていたのだ。
だが、今までさぼったツケを、今日、一気に払わされることとなった。
さぼってる場合じゃなかった。
一回くらいはちゃんと見ておくべきだったのだ。

カミラがやってはいけないことを限界までやってしまっていた。
それも、あの様子だと、今日が特別じゃない。
多分、最初から、ずーっとやり続けてるに違いない……。
あれではもうあの少年……もはや男になってきてしまっているが、あの男はカミラ以外愛せない……。
急に成長したなとは思ってはいたが、こういうことだったのか……。
夢を見させていないのに、男に抱かれてる訳でも無いのに、
自らの妖力や魔力だけで強引に精気を吸い取っていた。
下手すれば命を奪いかねない。
あんな強引な方法は殺す気の時にしかやらない。

カミラの女としての教育はセラフィムに一任されていたことだったので、コッツィは手出しをしていなかった。
ちゃんとした夢の見せ方を教えられていなかったのだろう彼女を、焚きつけてしまったのは自分の責任だ。
これをセラフィムに知られたら、下手したら殺されかねない……。
が、言わなければ、もっと酷いことが起きそうな予感しかしない……。

それに、いつものカミラなら必ず相談してくれたはずだ。
何かするなら必ず相談する約束になっていた。それは子供の頃からの固い約束だ。
相談しないのに、ここまでしたのは、あたしに対する裏切りだ。
告げ口のコッツィとして、仕事をしなくてはならない……。

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●本コンテンツについて

・本コンテンツは同好者の間で楽しむために作られた非公式リプレイ内のショートストーリーです。
・個人の趣味で行っておりますので、のんびり製作しております。気長にお待ちいただきながらお楽しみください。

・原作の設定とは無関係の設定が出て来たりしております。あくまでこちらのコンテンツは別次元のお話と思ってください。
・本コンテンツの制作にあたり、原作者様、出版社様とは一切関係がございません。
・TRPGを行うにあたり、皆が一様に分かる世界観、共通認識を生んでくださった原作者様と、
 楽しいゲームシステムを販売してくださった関係者の方々に、深く感謝申し上げます。

●本コンテンツの著作権等について

・本コンテンツのリプレイ・ショートストーリーの著作権はむーむー/むーどす島戦記TRPG会にあります。
・本コンテンツのキャラクターイラスト、一部のモンスターイラスト、サイトイメージイラスト等の著作権は、
 むーむー/マーコットPさん/アールグレイさんにあります。
・その他、原作、世界観、製作用素材については以下の権利者のものとなります。

●使用素材について

・本コンテンツは以下の製作者、原作者、製作素材等の著作物を使用して製作されています。

【プレイヤー】

・トゥナ・P
・マーコットP
・ヤトリシノP
・むーむー(GM)

【挿絵・イラスト】

・マーコットP
・むーむー

【キャラクター(エモーション・表情差分)】

・マーコットP
・むーむー

【使用ルール・世界観】

・ロードス島戦記
 (C)KADOKAWA CORPORATION
 (C)水野良・グループSNE
・ロードス島戦記コンパニオン①~③
 原案:安田均、水野良、著者:高山浩とグループSNE
 出版社:角川書店

【Web製作ツール】

・ホームページデザイナー22
 (ジャストシステム)

【シナリオ・脚本】
【リプレイ製作】

・むーむー

【ショートストーリー・小説製作】

・トゥナ・P
・マーコットP
・ヤトリシノP
・むーむー
 (むーどす島戦記TRPG会)

【製作】

・むーむー/むーどす島戦記TRPG会

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