■ 触媒付きセンターパイプに関する考察 ■ |
触媒付きセンターパイプを装着した「顛末記」です。純正パイプとの
排気ガス濃度比較結果(低温始動時)や使用感などをレポートします。
You are the 'th person that will be interested in the facts
described below.
Please read carefully, and you can understand what the author is trying to show. Thank
you.
●2001-03-02:作成&仮公開 →
事実確認のため即削除、●2001-03-18:全面改定&公開、
●2001-03-19:完成(誤記訂正)、●2002-02-20:レイアウト変更&書式統一
【図1】 触媒付きセンターパイプを装着した状態
このページは以下の八つの章で構成されています。 全体ではかなりのボリュームになりますが、本邦初公開事項
も含まれていますので、最後まで目を通してやって下さい。
データについてはなるべく数字で定量的な結果を出す
よう心がけていますが、それに対する考察や結論は、筆者の個人的判断によるものであることをご承知置き下さい。
第一章 まえがき | (1-1) センターパイプの購入理由 |
第二章 PRS製センターパイプの特徴 |
(2-1) 外観チェック (2-2) 安さへの疑問 (2-3) 触媒サイズの確認・その1 (2-4) 触媒サイズの確認・その2 (2-5) 触媒サイズの確認・その3 |
第三章 コーヒーブレイク(豆知識) | (3-1) 通称名について |
第四章 センターパイプの装着作業 | (4-1) 注意点と雑感 |
第五章 低温始動時の排気ガス濃度比較(純正vsPRS) |
(5-1) 計測条件などについて (5-2) CO濃度についての比較結果 (5-3) HC濃度についての比較結果 (5-4) 考察の落とし穴 |
第六章 中間加速タイムの比較(純正vsPRS) |
(6-1) 計測手法と注意点について (6-2) 計測時のコンディションについて (6-3) 中間加速タイムの比較結果 |
第七章 排気音の変化について |
(7-1) 始動時の排気音変化 (7-2) 暖機後の排気音変化 (7-3) 高回転時の排気音変化 |
第八章 私的なまとめ |
(8-1) 静的評価 (8-2) 動的評価 〜低温始動時の排気ガス濃度〜 〜完全暖機後の排気ガス濃度〜 〜中間加速タイムの比較〜 〜排気音などの変化〜 (8-3) まとめ |
1. ま え が き |
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■購入理由について アフターマーケット (←変な日本語英語ですね) では、実に様々な排気系パーツが販売されています。例えば、すでに生産中止になったBGレガシィを挙げてみても、各社からエキマニ/フロントパイプ(通称名)/センターパイプ(通称名)/リヤマフラーが発売されています。ターボ車では排気系の構成すべてを社外品で固めることも出来るほどです。今回、センターパイプ(通称名)をPRS(プレジャー・レーシング・サービス)製の 「触媒付き」 に交換した理由は、ズバリ、アフターマーケット品の実力に 「興味(疑問)があったから」 に他なりません。
レガシィ乗りに限らず、いわゆるクルマ好きの人々の間では、「メタル触媒」 が 「スポーツ触媒」 としてモテはやされる傾向があると思います。確かに ”抜けの良さを確保したまま触媒も付いている” となると、(買い手側だけでなく) 売り手側にとってもセールスポイントになるでしょう。ただ、これは私は以前から疑問に思っていたことなのですが、果たして 「メタル触媒」 は世間で騒がれるほどの万能選手なのか? 世の中のクルマ好きは単に 「メタル触媒」 という表面上の言葉のみに惑わされていないのか? 触媒が「メタル」に変わるだけで性能が上がるものなのか? パイプ形状の変更で性能が変わるのではないか? いや、そもそも 「性能」 って一体何のことだ・・・? 「触媒」 であるからには、排気ガス浄化能力も立派な 「性能」 の一つであるハズです。私から見ると、世間では 「触媒としての基本性能が純正触媒と較べてどうなっているのか」 についての論議が皆無であるように感じられます。もっと暴言(>失礼!)を吐くなら、売り手は 「メタル触媒」 という言葉の響きが持っている力でセールスし、買い手も排気ガス浄化能力の良し悪しなんてことまで気が回らずに、単に 「メタル触媒」 という言葉にありがたがって飛びつく (購入する) 風潮があるのでは・・・? という疑問を拭い(ぬぐい)切れずにいたのです。 こうした疑問を持っていたときに、ちょうどPRSから 「触媒付き(→注1)」 センターパイプがリリースされました。もうこれは実際に購入して自分で試してみるしかありません。PRS製を選んだ理由は、ちょうどこの時期にタイムリーに新発売されたこと、メタル触媒付きとして前評判が良かったこと(→注2)、たまたま私がPRSのある岐阜方面に足を運ぶ機会があったこと、価格が他社製パイプよりも安かったこと、などが挙げられます。・・・安いとは言っても、疑問を晴らすためにわざわざ6万円強(税込み61950円)もの自腹を切って自分で実験をしようとする者は、数あるレガシィ乗りの中でも私くらいしかいないかも知れません。 (注1) |
2.PRS製センターパイプの特徴 |
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ここでは、PRS製センターパイプの特徴
(と、販売価格の安さ)
について私見を述べてみます。実は製造時期の違いにより、PRS製センターパイプにはいくつかのバージョンが存在します。初期ロットにはパイプの中央部に膨張管があったようですが、私が購入したものはストレート構造で膨張管は付いておらず、第二期ロット品と思われます。また、前述のごとく、結果として触媒はメタル担体ではなくセラミック担体を採用したロットでした
(現在販売中のものはメタル担体採用だそうです)。 ■外観チェック
■安さへの疑問 もちろん、PRSでは独自の企業努力によって流通コストを引き下げた結果を、販売価格に反映してくれただけなのかも知れません。後からリリース (市場へ参入) するためには、同様な先発他社商品よりも価格面での競争力が無いと、ユーザーに受け入れられないとの思惑も働いて価格設定したのでしょう。いや、きっとそうしてくれたに違いありません。・・・しかし、私のような (少々ヒネた?) 素人ユーザーには、触媒そのものの仕様がやっぱり気になったのです。 ■触媒サイズの確認(その1)
実はこのセンターパイプ、当初は PRS掲示板 にて 「メタルキャタライザー付きでこの値段は安い」 という内容でにぎわっていました。私も購入に際しては、当然それらの情報を参考にしていました。実際に 「メタルCAT.付きセンターパイプ」 というタイトルで、スペックに関する事前質問をしたほどです。 しかし今、こうして実際に装着する際に、購入したパイプの触媒をフランジから注意深く観察すると、セル配列が 「格子状に上下左右に規則正しく並んでいる」 生産ロットであることが判りました(図5および下の画像01〜06)。また、触媒とパイプ内壁との間には何やらクッションのようなものも見えました(下の画像03)。通常、メタル担体では中心から外周に向かって渦巻き状にセルが並ぶこと、また 「マット」 や 「緩衝剤」 と呼ばれるクッションが不要であることが特徴であると言われています(→例:カルソニックのWEB)。 当初から私の頭の中には、「PRSの触媒付きセンターパイプは”メタル触媒”であることが商品上のセールスポイント」 のように思えましたから、これらの(セラミック的な)画像を前にしながらも 「これは新型?のメタル触媒なのだろうか?」 との疑問をなかなか拭えずにいたのです(痛タタタ・・・)。そこで、触媒関係の仕事に従事している知人に打診してみたところ、図5(または画像01〜06)のようなメタル触媒は過去に見たことが無いという答えが返ってきました。 結局、その疑問は 「触媒の仕様に関し、販売者側と複数の顧客側との間で誤解が生じていた」 というトラブルから起こったものでした。PRS掲示板での論議の末、『発売開始してから、何度かの仕様変更の末、セラミック触媒の物、メタル触媒の物が存在』 すること、『セラミック触媒のタイプの触媒付センターパイプをお使いで、メタル触媒である事にこだわりをお持ちのお客様に関しましては、触媒をメタル触媒に取り替える事で対応』 するとの公式アナウンス(原文のまま)が発表されて、一応の決着をみた形になりました。
■触媒サイズの確認(その2) ただ、外見チェックからはどうしても分からないことがあります。それはズバリ、触媒の長さ (パイプ前後方向での長さ、奥行き) です。果たしてパイプの容積室 (膨らんだところ) すべてにギッチリと触媒が埋まっているのでしょうか? 製品になってしまうと、外からは触媒の実際の奥行き寸法は分からなくなります。こんなことを考えるのは私だけかも知れませんが、メタルであろうとセラミックであろうと、スポーツ志向であること (と販売価格) を考え合わせると、PRSさんには大変失礼ながら、外筒 (前述・図4の寸法D) に対して実際に内蔵されている触媒は短縮 (サイズダウン) されているかも? という懸念が頭をよぎります。もちろんそれはウラを返せば、そのぶん排気の通路抵抗減少に力を入れているとも取れます。が、本当に通路抵抗が気になるようなユーザーは、最初からPRSで併売されている触媒レスタイプのパイプを選択するハズです。わざわざ触媒付きのパイプをリリースするなら、ユーザー側としてはそれなりの触媒性能も期待したいところです。 ■触媒サイズの確認(その3)
仮に間違うことがあるとすれば、それは 「長さの短い触媒」 がタンデム状に (=パイプ内に直列に2個並んで) 内蔵されている可能性が考えられますが、もしそうであると仮定したなら、図7の過程(3)にて、1個めの触媒部分を貫通した際に 「トラップ」 は2個めの触媒の入り口で突き当たってしまい、そこから先へは進まないハズです。セルの位置がズレるからであり、またそういう太さの針金を使っているからです。 ところが実際には、1個めの触媒を貫通したあとのトラップはスルスルと何の抵抗感も無く触媒収納スペース(図4のC部分)をくぐり抜け、メインパイプ(図4のE部分)にまで達してしまうのです。何度やっても、です。図6のトラップ作成上の注釈で 「充分長い針金を用意する」 と書いたのは、これを確認する狙いがあってのことです。さらに現品を注意深く観察すると、これまで遮熱板(ガード板?)のカゲに隠れて分かりにくかったのですが、触媒収納スペースのほぼ中央部には 「くびれ」 というか 「スジ」 が全周に渡って設けられており、そこだけ径が一段細くなっていることが判りました (図5の左端画像、および図8のイラスト参照)。この 「くびれ(スジ)」 は、長さの短い触媒をパイプ内で固定設置するための”ストッパー”であると解釈すると、(価格を含めて)私のすべての疑問に対し説明がつくことになります。 ・・・そう、ここに至って、私は 「実際に内蔵されている触媒は、見た目の半分の大きさしか無い。」 という見解にたどり着くわけです。ただし、性能がちゃんと確保されているのであれば (あるいはオリジナル製品として狙い通りの性能のバランス点が新たに取れているのであれば)、コストメリットばかりか軽量化にもつながるわけですから、その事実が悪いとは一言も言うつもりはありません。その点をくれぐれも誤解の無きようお願いします>ALL。 もしかすると、こういったこと
(=触媒の大きさが見た目の半分しか無いということ)
は単に私が知らなかっただけで、実は他社製センターパイプなどでも同様に見受けられる常套手段なのでしょうか・・・? というのも、失礼ながらショップやガレージがパイプに合わせてセラミック触媒
(当然メタル触媒も)
を自社生産しているとは到底思えず、したがってPRSがセンターパイプに採用している触媒も、触媒メーカーから卸された単なる汎用品である可能性が高いと考えるからです。ということで、残念ながら私が購入したロットはメタル触媒内蔵タイプではありませんでしたが、第5章では実際の排ガス浄化性能、特に、エンジンを暖機する前の、排気ガス温度が充分低い状態での触媒性能について検証します。このような小さなサイズで、果たして排ガス浄化性能は確保されているのでしょうか? 非常に興味のあるところです。 |
3.コーヒーブレイク(豆知識) |
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余談ですが、先ほどから
「(通称名)」
と並記している理由は、スバルの整備解説書に書かれているパイプの名称は、実際に私たちが使っている名称と異なるからです。例えば、アフターマーケットで市販されている
「フロントパイプ」 は、整備解説書では 「センターパイプ」
と記載されています。より正確には
「エキゾースト パイプ センター レフト/ライト」
となります。市販の 「センターパイプ」
は、「エキゾースト パイプ リヤ」 となっています。
そのため、私たちが会話の中で普通に
”センターパイプ”
と言うと、それはディーラーのメカニックさんなどにとっては
”いわゆるフロントパイプ”
と認識されてしまうかも知れません。センターパイプ(通称名)の装着にあたり、ガスケットなどの小物部品をディーラーに注文するときには、センターパイプ用を注文したつもりがフロントパイプ用が来たりする恐れもありますから、要注意です。 |
4.センターパイプの装着作業 |
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前章までの考察で誌面(画面?)の多くを使ったので、装着についての説明は簡単に流します。自分でマフラー交換出来る人にとっては、センターパイプ(通称名)交換作業も難しいものではないでしょう。ただ、リフトや地下ピットが無い場合、ウマを車両の前後左右に4脚当てての作業となるでしょうから、個人で実施するには十分な安全面への配慮が必要な作業、ということは言えるでしょう。
注意点としては、排気系部品の締め付けボルト&ナット類は、熱硬化していたり錆び付いていたりするため、取り外しの際には思いのほか力を込めないとゆるまないことがあります。反動でケガをしないように (あるいは車両がウマから落ちないように・・・おぉ怖ぃ・・・)、十分な注意が必要です。 実は私のクルマも、スキーに行ったり北海道に帰省したりするため (融雪剤の影響?) か、走行4万km台 (登録4年半経過) ながらサビが結構キツかったです。恥ずかしながら 「オレのクルマの排気系って、こんなに錆びていたのか?」 と自分で驚いたくらいです。クルマを長く維持させ続けるためには、よく言われる油脂類、ダンパーやブッシュなどのリフレッシュのみならず、実は使用条件として最も厳しい環境(の一つ)にさらされている排気系のボルト&ナット、ガスケット類の交換もメニューとして必要なのではないか・・・? と、改めて思い直した次第です。
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5.低温始動時の排ガス濃度比較(純正VS.PRS) |
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前述の第二章では、PRS製・触媒付きセンターパイプの概略スペックについて述べました。ここでは、その「触媒」としての性能を、純正触媒と比較した結果についてお伝えします。特に、触媒が活性化する前の状態、すなわち低温始動時からの排気ガス濃度の推移について、詳しく述べることにします。 通常、触媒には適正な作動温度範囲というものがあり、ある温度以下では活性化しないために浄化機能が十分に働かない・・・という性質を持っています。これは、自動車メーカーに純正採用されている触媒にとっても、避けることのできない性質のようです。例えば良く冷えた冬の日には、朝イチバンの始動直後の排気ガスが臭うのは、このためです。エンジン始動後、いかに早期に触媒を活性化させ、排気ガスをクリーンなものとさせるか。内外の主要な自動車メーカーはクリーン触媒やクリーンシステムの開発にしのぎを削っているはずです。環境にうるさい欧州や米国では、触媒の活性化を促進させるための「触媒ヒーター」なる装置まで純正採用するメーカーもあるほどだ、と聞きます。二輪の世界でも、メーカーが触媒をバイクに純正採用するケースも増えているようです。 そこで今回、純正パイプとPRS製・触媒付きセンターパイプについても、低温始動時からの排ガス濃度を時間を追って連続計測することにしました。低温から測定を開始する理由は、条件がより厳しい方が両者の差が出やすいと思ったからです(逆に言うと、完全暖機してしまった後では、両者でほとんど差が出ないかも知れない・・・という「読み」もあります)。ただし、条件が厳しいとは言っても、日常生活の中で実際に起こりうるシチュエーションから逸脱しない範囲内での計測であることには変わりない、と考えています。
結果をまとめると、図11のようになります。図中、赤い線 (−■−) はPRS製センターパイプ装着時のデータを、青い線 (−■−) 純正パイプ装着時のデータを示します。なお、計測には第三者としてディーラーのメカニックさんにも特別に立ち会っていただき、データに間違いの無いことを同時確認していただきました。 【図11】 純正パイプとPRSセンターパイプでの排ガス濃度比較結果 ■CO濃度についての比較(図11の左側) その後は両者ともに0.6〜0.7(%)前後で安定する。経過時間t=14〜25(min)の区間では、純正のCO濃度の方が「やや」低いようにも感じられるが、計測誤差範囲ではないかと考える。なお、計測開始から40分経過後(ラジエーターファンの作動を確認)、車両を走らせて十分に暖機させたあとの濃度についても両者で差は無く、ともに0.05(%)であった。ちなみに、車検を受ける際は(必然的に)暖機後となるから、この値で全然問題は無いでしょう。 ■HC濃度についての比較(図11の右側) ■考察の落とし穴 しかしながら、それはあくまで前提条件付きでの結果であり、上記の結果のみをもってすべての場合において 「ノーマルパイプとPRS製パイプとでは、排気ガス濃度に大差は無い」 とは断言できないことが解ります。その理由は、私の購入ロットがセラミック触媒で現在販売中のロットがメタル触媒だから・・・だけではありません。今回の供試車両(つまり私のクルマ)は、フロントパイプ(通称名)がノーマルのまま、つまり第一触媒が純正触媒のまま・・・であるからです。ここに考察の落とし穴があります。 要するに、今回注目している第二触媒よりも上流に位置する純正第一触媒 (=フロントパイプに内蔵) の浄化性能が良ければ、たとえ下流の社外品第二触媒 (=センターパイプに内蔵) の機能が大したことはなくても、実は全体としては良い結果になってしまうのではないか? ということです(※)。極論すると、「アイドリング時はたとえ下流側が触媒レスであっても同じような結果になったのでは?」 という説も否定できません。それはさすがに言い過ぎかもしれませんが、今回のようにアイドリング放置状態での計測では第二触媒があまり温まっていないと考えられることから、ECUで ち密に電子制御された現代のインジェクション車では、あながち当たらずとも遠からじ・・・のような気もします。 (※)シーケンシャルツインターボシステムである(=パラツインではない) 確かにフロントパイプ(通称名)=触媒レス、センターパイプ(通称名)=PRS製・触媒付きパイプ、という組合せなら、結果はどうなっていたかちょっと解りません。あるいは、PRS製のセンターパイプには触媒無し仕様もラインナップされていますから、フロントパイプ(通称名)が純正のままでそれを装着し、今回と同様な計測を再度行えば、純粋に第二触媒有無でのデータは取れることになるでしょう。・・・でも私は、自腹を切って触媒無しセンターパイプ(通称名)を購入するつもりはサラサラありませんし、正直なところ、もうこりごりです。 |
6.中間加速タイムの比較(純正VS.PRS) |
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たいていのHP読者の興味はこのへんにあるかと思いますが、センターパイプ(通称名)を交換したからといっていつもいつもサーキットばかりを走るわけではないので、一般的な市街地での加速モードも重視しながら私なりに定量化を試みました。つまり、一定速度で走行中にスロットルペダルを全開とし、ある目標速度に到達するまでの所要時間を計測したわけです(→プローバのエキマニを付けたとき
と同様の計測手法です)。
街中で多用すると思われる速度域(60km/h以下)では、装着後の方が加速タイムがやや悪化してしまうという結果に終わりました。低いギヤ段(3速)では悪化量はほどんどありませんが、高いギヤ段(4速、5速)をホールドさせたままの加速では、加速時間は純正パイプ装着時よりも悪化してしまいました。したがって、車速が低い領域でクルマを加速させる場合は、センターパイプ変更による変化をカバーするために積極的にシフトダウンさせた方が良いかも知れません。ただし、たとえ高いギヤ段(4速、5速)をホールドさせたまま加速しても、(数字ではなく)体感上はノーマルプパイプ装着時とほぼ同様なフィーリングであり、違和感(加速の間延びなど)は特に感じられなかったことを付け加えておきます。 次に中速域(60〜80km/h前後)では悪化量が縮小し、各ギヤ段とも純正パイプ装着時とほぼ同等の加速タイムにまで持ち直しました(仮に差があっても、測定誤差のバラツキ範囲内と考えます)。そしていよいよ高速域(ここでは便宜上、80km/h以上を指す)になると、ようやく「純正と差がある」と言えるような改善効果が現れ始めました。特に高めのギヤ段で負荷(ブースト)が大きな運転モードで、その効果が現れやすいようです。・・・その後、このPRS製・触媒付きセンターパイプを装着した状態で筑波サーキットを走る機会に恵まれました。筑波サーキットとは言っても、ショートコースで平均車速の低い「筑波1000」の方でしたが、エンジン高回転時でのアクセルレスポンスは若干アップしているような印象を持ちました。 以上をひとことでまとめると、ごく当たり前の結論ですが、PRS製のセンターパイプは「排気ガスの流量・流速が大きい運転領域でこそ、初めて持ち前のポテンシャルを発揮できる」ようなセンターパイプである、と言えるでしょう。それは換言すると、街中を流れに沿ってごく普通に走るだけの用途では「宝の持ち腐れ(orマッチング不適)になる」と考えます。 |
7.排気音の変化について |
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アイドリング時や高回転時の排気音の変化について、感想を述べます。ただし「音」については計測器を用いた定量的な測定を行っていませんので、今回はあくまでも主観的な要素(フィーリング)が入っていることをお含み置き下さい。・・・変化の有無で言うと、「変わりました」となります。具体的なフィーリングを述べると、以下の通りです。 ■始動時の排気音変化 ■暖機後の排気音変化 ■高回転時の排気音変化 |
8.私 的 な 「ま と め」 |
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私が購入したPRS製・触媒付きセンターパイプについて、これまでの理論的考察および定量的実験データなどから得られた結果を列挙すると、次のようになります。 ■静的評価 ■動的評価/低温始動時の排気ガス濃度 ■動的評価/完全暖機後の排気ガス濃度 ■動的評価/中間加速タイムの比較 ■動的評価/排気音などの変化 ■ま と め ・・・「スポーツ志向のオリジナル製品として、その仕上がり具合や品質は充分納得できるものである。しかしながら全域で性能アップするわけではなく、スポーツと引き替えに失われる部分が存在するのは残念である。この製品は、バランス点をスポーツに振った(用途を割り切った)ことを十分に納得できる者には「真価を発揮する福音」となり得るが、単にタウンユースに用いるだけでは「宝の持ち腐れ」あるいは「デチューン」にもなり兼ねないと考える。」・・・ やっぱり排気系のチューニングは難しいですね。皆さんはどうお考えですか? |
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(BHレガシィ用・HIDの移植) (syms
メタル触媒付きフロントパイプの装着)