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■ BG(4灯式)にBHレガシィのHIDを移植 ■

BGレガシィ(4灯式)に BHレガシィ用 純正HIDを移植する際の奮戦記。
( 「仮設置時の失敗談」2話付き。 )
 
 
●2000-08-20:新製、 ●2000-08-28:仮公開、 ●2000-09-18:後半部分を追加、
●2000-09-30:終末部分を追記、 ●2002-02-18:レイアウトなど微修正、再校正 


このページの目次は次のようになっています(7章構成です)。
       1. まえがき
       2. HID化への道・その1
       3. 失敗談(1)
       4. HID化への道・その2
       5. 失敗談(2)
       6. HID化への道・その3
       7. まとめ
(注1):長文ですが、ご了承下さい。 m(_ _)m  
(注2):他ページと異なり、文体が「ですます」調ではありませんが、気にしないで下さい。
 
■ まえがき
 
どちらかというと、HID化は急な決断だった。

2000年、夏、お盆休み・・・。飛行機のキップが取れず、レガシィで片道1000km以上の距離(調布→青森→(青函連絡船)→函館→札幌)を自走して帰省することになった私は、急きょ、ナイトランに備えてHID化を実行することにしたのであった。

実は、解体屋さんからBHレガシィの純正HIDパーツを仕入れたのは、もう、かれこれ1年近く前にさかのぼる。ではなぜ、それまでHID化をためらっていたかというと、自己改修による後付けHIDでは、光軸調整が困難ではないかと懸念していたからである。BHレガシィのように、運転席から(ダイヤルをグリグリ回すと)光軸調整できるような、リモコン的な(後付の)光軸調整方法は無いものかと思案していたのだ。HID化には、それほど対向車への配慮が必要だと考えていた。

【図1】 HIDバーナー
(発光部)とソケット
作業風景
(BG5B GT-B)
バーナー 作業風景

要するに(運転席から比較的容易に出来るような)光軸調整方法を発案するまで、HID化をためらっていたわけであるが、せっかく用意してあるパーツをこれ以上ムダに眠らせて置くわけにもいかず、今回の帰省を機会に、とりあえずのHID化を実行してみることにしたのである(問題点の克服は、初めの一歩を踏み出してから考えることにした)。
   

■ HID化への道・その1
 
帰省を翌々日に控え、とりあえずBHレガシィ用純正HIDを移植する(=点灯可能な状態にする。焦点合わせは無視する。)までを当初の目標に置き、改修を加えていった。まず初めにすることは、バーナー(=従来のバルブに相当する発光部)を既存のハウジングに挿入できるように、ハウジング挿入口の穴径を拡大することである。そう、BHレガシィ純正のHIDの場合、H1バルブよりもバーナーの方が、径方向のサイズが若干大きいのだ(台座の根本部分:図2参照)。
 
【図2】 HIDバーナーとH1バルブの比較
(BH用 純正バーナーの根本部分は、H1バルブよりも太め)
上:バーナー/下:H1 H1バルブはスリム バーナー根本は太め
HIDバーナーとH1バルブ H1バルブの根本は細め HIDバーナーの根本は太め

図3に、具体的な改修ポイントと加工前後のハウジングの様子を示す。なお、たとえ穴径を拡大しても、H1バルブ固定用のツメやミゾはほとんど残るので、もとのH1バルブはそのまま使うことができる(互換性は保たれる)。

【図3】

ハウジングの挿入口を BH用バーナーに合わせて改修する
(下図に示す部分を径方向に拡大する)
加工前 加工後 挿入するところ
ハウジングの挿入口を拡大する リューターで拡大したところ バーナーを入れるところ

加工にはリューター(電動回転やすり)を用いたが、ここで注意すべき点は、切り粉(削りカス)の処理である。ハウジング(ライトユニット)の中、つまりプロジェクターのレンズに切り粉が溜まらないように気を付ける必要がある。中に入ってしまうと、エアブローでもしない限り、切り粉の除去はなかなか難しい。「あらかじめガムテープなどでマスキング」 をしたり、あるいは 「ライトユニットを上に向けて、リューターを上向きにして削る(切り粉が穴の中に入らずに下に落ちてくる)」 ようにしたり、あるいは 「ほんの少し削るたびごとに、念入りに切り粉の除去を繰り返したり」 するなどの工夫が有効だと思う。

バーナー挿入口を拡大(図3参照)したあとは、最後に(※1)もう一ヶ所、加工を加えることになる。標準状態では、ノーマルH1バルブをハウジングに押しつけて固定させるための、針金のような固定具を引っかけるところ(止め金具)があるのだが、ここがHIDバーナーの縁 (ふち、へり、ツバ) と干渉するだ(図4参照)。対策としては、素直にこの 「止め金具」 を外してしまっても良いのだが、なるべくオリジナル部品はオリジナル状態を保ったままにしておきたかったので、今回は相手部品であるHIDの縁を削って対応させることにした。

(※1)実は、この加工が全然「最後」ではなく、その後にも加工が続くことになるのだが・・・(→後述)。

【図4】

「止め金具」 と HIDの縁 が干渉する
(対策自体は、金具を取ってしまっても良い)
「止め金具」が干渉 リューターで削る 削り終わったところ
干渉する「止め金具」部分 リューターで「縁」を削り加工する 「縁」の干渉部分を削り終わったところ

 

■ 失敗談(1)
 
タイトル:「うぎゃっ! 配光が全然ダメやんけ・・・」の巻

作業は順調に進み、一通りの加工が終了。バーナーをハウジングに仮組みしてライトユニットを車体に組み付け直し、試験点灯させてみた。ホッ。とりあえず左右とも無事に点灯している。ウィンカーやスモール(ポジション)ランプの結線忘れも無い。一応の目標は、これで達成できたことになる。・・・ということで初日の改修作業はここまでとし、夜を待って仮設置状態(※2)での光軸や配光、その他 問題点の有無をチェックをすることにした。・・・実は帰省準備をまだ何もしていないのだった(汗)。

(※2)図4の加工後に、バーナーの縁(ふち、へり、ツバ)をハウジングの”土手(円筒状のカベ)”
        に押し当てて設置した状態。図3を参照してイメージして下さい。

夜になり、クルマを水平な場所に止め、HID化されたロービームを点灯させてみると・・・。おお、青白い(第一印象)。ああ、明るい(第二印象)。あれ? 配光が変だぞ(第三印象)。真ん中が暗いやんけー(第四印象)。・・・この間、約20秒ほどの出来事である。点灯直後は青白く、しかしすぐに明るい白色へと安定化した光が照射されていることを確認できたが、同時にこの状態のままでは配光がおかしいことも確認できた。

この「仮設置状態」で点灯させた結果は、車両の手前側しか照らさず、しかも配光はV字型(助手席と運転席のすぐ前が明るく、それに較べてナンバープレートのすぐ前が暗い)で、予想以上に配光にムラが生じていることが判明した。まったく不適であり、これでは光軸調整をうんぬんする以前の問題のように思えた。・・・まあ、焦点が合っていないので当然なのだが、プロジェクター式ランプにごまかしは利かなかったということなのだろう。

試しにその状態で家の近所を走ってみたが、明るい部分はとても明るい反面、暗い部分は暗いままで、配光に均一性が無いために非常に走りづらいし、目が疲れる。やっぱりダメだこりゃ。・・・というわけで、単に光るだけのHID化では意味のないことを、身を持って経験した上で(爆)、次なる「焦点合わせ」へのステップと作業が続くことになるのであった。近代西洋哲学者の「ベーコン」や、その思想を受け継いだ「ホッブズ」、「ロック」、「ヒューム」も、”経験こそが重要である”と説いている(爆)。
 

■ HID化への道・その2
 
加工初日は”様子見”の意味合いもあり、単にバーナーをハウジング挿入口に入るよう、物理的に穴径を拡大させただけ・・・と言っても良い程度の仕様であった。つまり焦点距離は考慮に入れていない状態だ。そこで今さらながら(爆)、H1バルブとHIDバーナーとで、焦点距離の違いについて考慮してみた(>遅いって)。図5に示すように、まず単体状態では L1<L2 となっている。つまり、台座から発光点までの距離L(焦点)は、HIDバーナーの方が若干長くなっているのだ。よって、HIDバーナーはその焦点距離の差のぶんだけ、従来のランプユニットの設置基準面から外側に突き出た状態で固定させなければならない・・・(☆1)。

一方、前述の「仮設置状態」では、HIDバーナーには「縁(ふち、へり、ツバ)」があるために、バーナーの台座がランプユニットの設置基準面に当接する前に、縁の方が先にハウジングの”土手部分(=図5の右側画像で、黄色で表示された円筒形のカベ)” に接してしまう。つまり実際には、必要以上に焦点がランプユニットの外側に寄った状態(バーナーがハウジングに対して”浅く”刺さった状態)で仮設置されていたのだ・・・(☆2)。

【図5】 台座から発光点まで(焦点)の違い
(L1<L2)
焦点の違い 出っ張りが相殺
焦点距離の違い ハウジングの「土手」と「ドン付きの出っ張り」

(↓ ●2000-09-18 更新 : ここから先の後半部分を追加 ↓)

よって、対策としては
(1).バーナーをハウジング(ランプユニット)の設置基準面まで刺せるようにする。
(2).その上で、発光点が距離L1(H1バルブの焦点)と同等となるように設置する。

具体的には
(1)’ バーナー台座の縁(ふち、へり、ツバ;図5の左側画像でL3の部分)を細く削る。
(2)’ 上記(☆1)は、図5の右側画像に示される設置基準面からの出っ張り長さ
    (赤丸部分、3ヶ所)と偶然にもほぼ一致(相殺)する。

<解説>
まず上記(☆2)にあるように、バーナーがハウジングの設置基準面まで刺さることを物理的に阻害していた「縁」を削り、細身にした上で、一番奥まで突き当てる。ランプユニット側の「土手」については、バーナー挿入時のガイド役でもあり、H1互換性確保のためにも削らないでおく。本来は、その状態では上記(☆1)のぶんだけ、バーナーをランプユニットに差しすぎた状態となるハズである。

ところが実際にバーナーを突き当ててみると、設置基準面まで達する前に、設置基準面から手前方向(ランプユニットの外側)に浮き出た「出っ張り」部分にぶつかった位置で止まるのだ。しかし偶然にも、この「出っ張り」の長さは上記(☆1)で見積もった焦点差とほぼ一致(相殺)するので、要するにバーナーをハウジング挿入口の出っ張りまで突き当てると、ほぼそれで良いことになるのであった(注:厳密なものではありません)。

以上の考察を踏まえ、早速バーナー台座の加工に入った。「鍔(ツバ)」の部分を削る作業である。最初は「鍔(ツバ)」全体をリューターで少しずつ削り取っていこうかと考えたが、思いとどまった。なぜかって? ・・・それは、ツバ全体をリューターで加工していくと、非常に時間がかかる(30〜40分くらい)ことが予想されたからである。もしかすると、その作業中にバーナーに余計なキズを付けてしまう恐れも考えられる。今回の作業目的はツバの除去であるから、作業後にその形を残しておく必要も無い。・・・ということで、思い切ってペンチを使ってツバを「折る(!)」ことにした。リューターは、折ったあとの表面仕上げ加工のみに使えば良い。

【図5】

焦点距離 調整のための加工
(時には 「思い切り」 も必要)

鍔(ツバ)を折る! 加工前後の比較 加工部分の拡大図
鍔(ツバ)を折ったところ 加工前後の比較 加工部分の拡大図

ここで、鍔(ツバ)はヤミクモに折ってはいけない。強度上の弱い部分、つまり 「切り欠き」 のある部分から順に、あくまでも慎重に折っていく必要がある。一見大胆に見える作業ほど、実は細心の配慮が必要だったりするものである。ちなみにボクの好きな言葉の一つに、「天使のように大胆に、悪魔のように細心に」 というのがある。余談だが、これは、確かボクが小学校の卒業アルバムに書いた言葉だったと思う。今から20年以上前の話しである。

・・・ということで、図5がその様子である。画像左側が加工中(ペンチでパキパキ折り曲げ中)のもの、画像中央がリューターによる仕上げ作業後の台座を未加工品と較べたもの(ツバの有無に注目)である。画像右側は、加工後の台座部分を拡大したものである。これをランプユニットに刺した状態を図6に示す。

【図6】

バーナーの台座を加工したあとの装着具合
(これで”ほぼ”焦点が合っているはず)

挿入するところ 突き当てまで挿入 こんな感じ
バーナーを挿入するところ ハウジングの奥まで突き当てたところ 全体図

焦点はこれで”ほぼ”合っている(と思われる)ので、バーナーをハウジングに仮固定してランプユニットを車体に装着、スイッチONでの通電を確かめた後、配光に改善効果が見られるかどうかの確認のため夜を待つことにした(その間は帰省の準備である)。而してその結果は・・・。おお! なかなか良い感じ。路面が、より均一な状態になって照らし出されている。LOWビーム同志のつながり具合も良好で、車体前方の「左側〜中央〜右側」にかけて、気になる明暗の差は無く照射範囲は広い。成功だ。このままでも充分な状態であるが、さらに若干の光軸調整を加えるとバッチリだろう。これで、ようやくHID本来のポテンシャルを引き出せたような気がした。

配光の改善効果がもくろみ通り得られたので、本日(2日目)の作業はここまでとし、帰省準備の続きをすることにした。あと数時間後には、札幌へ向けて出発(自走)しなければならない。もっと時間があったらなぁ〜。・・・ということで、この時点ではバーナーの焦点距離こそ調整したことにはなるが、配線は仮接続状態(コネクターを介さずにギボシ同士を直接接続)であったり、バラストも(走行中に動かない程度に)ボディのスキマに突っ込んであるだけの状態であった(汗)・・・。
 

■ 失敗談(2)
 
タイトル:「うぎゃっ! 高速走行中に球切れか? 片目走行→両目つぶれに?」の巻

調布(東京都)→青森(青森県)は、片道約700km強 の道のりである。今年は渋滞を予想して、時間に十二分な余裕を持たせて出発した。外環自動車道から東北道へと進む。案の定、東北道は各地で渋滞。仙台(宮城県)を過ぎるころには、辺りも暗くなってきた。そろそろHIDの出番である。点灯させてみるか・・・。

おぉ! 走りやすい! 配光にムラが無い(と思われる)ので、走行していても目に疲れが感じにくい。唯一気になる点と言えば、BGレガシィのプロジェクターとの相性のせいか、闇夜ではHIDの光の一部がほんのりと上方に漏れる(?)ように感じられる点だけである。換言すると、水平ラインから上方向へは確かに照光がカットされており文句も無いのだが、その境界ラインが少しボケている(シャープではない)ような印象があるのだ。とは言っても、実際に対向車側から見て問題になるような漏光では無い(と思う)。ちなみに、これまでのところ一般道では対向車からパッシングされたことはない。

弘前(青森県)を過ぎたあたりだっただろうか。その現象は突然やってきた。何と、路面の継ぎ目の振動に合わせて、左側のヘッドライトが点いたり消えたり点灯を繰り返すようになってしまったのだ! 路面が平らなところではHIDが点灯したままであるが、ギャップを越えたりすると、その振動に歩調をあわせるかのように点滅する。うぎゃー、目がチカチカ疲れて走りにくい。それに、意味無くヘッドライトの点滅を繰り返すのは、前方を走っているクルマにとって迷惑だ(前後にほとんど他車がいなかったことが不幸中の幸いか)。

高速道路上なので、点検しようにも、次のサービスエリアかパーキングエリアまであと数十km走らなければならない。・・・そうこうしているうちに、とうとう左目の光は完全に消えてしまった・・・。バーナーが成仏したのだろうか? 解体屋さんで仕入れたとは言え、高価なお金を支払って手に入れたHIDを、こんな形で台無しにしてしまったのか? ううぅ〜・・・。ちなみに、ハイビームは左右とも正常点灯する。

次の小さなPAにクルマを止め、ボンネットを開けて配線を点検してみる。症状から推定すると、配線の接触不良がまっ先に考えられるが、左右のHIDとも配線はちゃんとギボシのオスメスで接続されている(コネクターは無いが)。ライトユニットをワザと揺すってみたが、特に変化は無い。やはりHIDバーナーが死んだ・・・のか?(ちなみに、バーナーは電球ではないので「球切れ」とは呼ばないようだ。)

青森発のフェリー(青函連絡船)の時間も迫っているので、仕方なくその場をあとにし、状況に応じてハイビームと純正フォグランプ(GT−B標準装備)とをアシストランプ代わりに使用して青森のフェリーターミナルに到着。時を同じくして、右目のHIDも切れてしまった・・・。うぐぐ・・・。船に乗り込んだのは、AM3:00ころ。航行時間は約4時間弱であるから、函館に着く頃にはすっかり(太陽が出て)明るくなっている。そこから札幌までの道のりでは(日中なので)HIDを点灯させる必要は無く、とりあえずホッとした。が、やはりパーツが仮設状態のままで走行することの危険性を、今回恥ずかしながら身を持って体験した次第である。大いに反省が必要だ>自分。
 

■ HID化への道・その3
 
その後の調べで、HIDが光らなくなった原因は”広義の”接触不良であった。つまり、ハーネスそのものの配線不良ではなく、「バーナー〜ソケット(台座)」間の接続不良であった。

(↓ ●2000-09-30 更新 : ここから先を追記 ↓)

BHレガシィ用の純正HIDバーナーは、いったんソケットに差し込んだあと、少し回転させてやる必要がある。ソケットの内部には、バーナーと同期して回転する導通板があり、単にバーナーを差し込んだだけでは、この導通板が機能しないようになっているのだ。図7にその外観を示す。

【図7】

バーナーは台座に差し込んで回転させる
(ロック状態で導通する)
差し込んで・・・ ・・・回転させる
まず、バーナーを台座にまっすぐに刺す ひねってロックする

HIDが不調になった原因は、ユニットが仮設置状態のままで長距離を走行したために、車体振動により少しずつこのロックが緩んでしまい、導通が解除されたためである(注:「ロック」とは言っても、もともと緊迫力は小さく緩めである)。そこで対策として、ロックが緩まない(戻り方向に回転しない)ように、つまようじを改修して物理的なストッパーピンを作り、これを「バーナー〜台座」間のガイドミゾの中に設置した。

また、暫定的につないだだけであった配線にも手を加えた。同時に、標準の防水カップはスペース的にジャマだったため(→特に左側ライト。右側ライトは、バラストを設置するだけの十分なスペースもあった)、取り外すことにした。図8にその様子を示す。なお、HID設置後の本格的な防水処理はまだ検討中である。現在は強化ビニールで本体を覆っている。

【図8】

サイズ的に使えない防水カップは分離させておく
(ただし、すぐにノーマルと同等状態に戻せるようにしておく)
カップを分離 用意したギボシ ノーマル状態に戻せる
ジャマなカップを分離させる 用意したギボシ いつでもノーマル同等状態に戻せる

今後の課題は、今述べた防水処理と、バラストの固定方法の改善である。特に左側ライトでは、ライトユニットの背後にはバッテリーが迫っており、その非常に狭い空間にバラストをむりやり押し込んだ形となっているのが現状である。非常に好ましくない状態だと認識しているので、何とか早急に改善したい。対策案としては、「バーナーのソケット〜バラスト」間の配線を延長させるか、バッテリーの小型化によるバラスト設置スペースの拡大が考えられる。今のところ、後者の方法を検討中である。・・・確か、自動車にも流用できる航空機用(?)の高性能MFタイプバッテリーがあると雑誌で見た記憶がある・・・のだが、もう数年以上も前のことなので(爆)、改めて情報収集中である。
 

■ まとめ
 
BH用HIDの移植に関して、感想をひとことコメントで列挙すると、次のようになろう。

 ・HIDはやっぱり明るかった。
 ・DIY加工は臨機応変に。
 ・漏電防止と防水にも工夫が必要。
 ・BHレガシィ用HIDバーナーをBGレガシィのプロジェクターレンズに
  組み合わせた場合、水平境界ラインのレンズカットがややボケ気味。
  上方にほんのりと光が漏れやすいような印象がある(注:私見です)。

なお、読者の中には「光軸設定ができないと変なトラブルや迷惑を掛けないか心配です」という方も多いかも知れないが、結論から書くと、次のような対処方法で大丈夫だと考えている。

 ・リヤが沈んだ積載状態を想定(基準に)して、光軸合わせをする。
 ・積載状態では、当然それでOK。
 ・空荷になって(リヤが上がったぶん)光軸が下がったとしても、
  HIDならば、実用上はそれでも十分に路面は明るいのである。

つまり、「積載〜空荷」といった状態変化による光軸の変化が問題なく感じられるほど、HIDの光量は十分にあると思うのだ。逆に言うと、空荷状態で光軸を合わせてしまうと、積載状態では若干上向きになる恐れがあるので、この点を最初に注意しておけば良いのではないか・・・、ということである。さらに細かいことを付け加えるならば、車両左側のライトは、路面中央よりもやや路肩寄りを照らすように調整しておけば、たとえ光軸が多少上下にズレたとしても、光は前車を直撃しない。もちろん、「自分一人でしか乗らず、荷物もほとんど載せない」ような場合には、その状態に的を絞ったピンポイント光軸調整でもOKだと思うが・・・。

ヘッドライトは自車の視界確保だけでなく、自車の存在を他車に認識させるための手段でもある。また、HIDのバラストには2万(V)もの高圧電圧が発生していると言われることから、今回のような改造に対しては、DIY派の読者の皆さんには事故を未然に防ぐための措置に留意し、私のような失敗(爆)を避けるようにして欲しいものである(わざわざ失敗を公開しているのだから、「自分のコトを棚に上げて」などとは思わないように・・・)。

なお、このように ”苦労してまでの装着” をためらってしまうような方々は、プローバなどから発売されている、車種別に専用設定された「後付けHIDキット」の装着をお勧めする。価格は安くはない(?)が、「ポン付け可能」が基本思想の一つだからである。

以上、自分なりの考えを織り交ぜながら、ポイントになると思われる点を述べてきたつもりである。今回の事例は、あくまでも私(KAZ)個人の判断によるものであるから、これをベースに皆さんの方でより良い方法を検討していただくか、あるいは単に 「読み物」 として楽しんでいただいて終わりにするかは、読者の皆さんのご自由である。

(P.S.)長文・乱文、失礼しました。
 

 
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