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私と柴田君からルアーの師匠呼ばわりされた健ちゃん。イワナ、ニジマスの大物を次々と釣り上げた。さすがというほかない。ダブルフックは、魚へのダメージが大きいと全てシングルフックに付け替えている。釣った渓魚は、ほとんどリリース。もともと釣った魚は食べず、我が会に入るまでは全てキャッチ&リリースだった。昨年、新冠川の源流でイワナ料理を食べてから、渓魚の美味さを知る。「イワナは山で食べてこそ美味い」の格言どおり、食べる分だけはキープに変わった。釣り最終日は、大好きなスピナーではなく、やや大きめのミノー。やっぱり大物はミノーか・・・。
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4日目は、熊の沢上流部まで一気に歩き、釣り上がった。昨日、会長が岩に滑って前に転び、デジタルビデオを濡らしてしまった。何とデジカメ2台とデジタルビデオが作動しなくなったのだ。記録できるのは、私の一眼レフと健ちゃんのデジカメのみとなった。いかに今回の山釣りが壮絶であったか、いや渓魚のファイトに心がかき乱された結果とでも言った方が正しいかも知れない。この感動のシーンを記録すべく、私は竿を一切出さず、一日中カメラを持って、谷を歩き回った。熊の沢上流部は、獣の匂いも強かったが、渓魚のサイズもアップ。美しい渓魚の姿態にミノーは良く似合っていた。 |
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健師匠から、これ以上ない実践の釣り場で指導を受ける俄かルアーマン柴田君。 |
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左がニジマス、右がイワナだ。昨日まで釣れないテンカラを振り続け、苦虫を噛み潰したような渋い顔だったが、一転この笑顔。ルアーを正確に飛ばせない、遠くにも飛ばせない、ライントラブル続発・・・そんな幼稚園にも何故か35cm前後のイワナ、ニジマスが掛かった。ということは、誰でも釣れる、ということなのか。これでは、師匠のプライドも傷つくというものではないか・・・。そんなことは露知らず、得意満面の柴田君。もはや釣る前からポーズを考えていたかのように、カメラを構えるとすぐさまこのポーズ。しかしシュンベツ川は凄い、の一言だ。
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真夏でも水温は12度前後と冷たく、しばらく腰まで浸かっていると寒さで身体が震えるほどだ。この透き通るような冷水と、釣り人を容易に寄せ付けない険悪な自然の要塞、圧倒する水量、ヒグマが悠然と歩く原始性に富んだ日高の森と渓があればこその楽園である。チャワンナイ沢上流部から源流部まで延びた林道は、度重なる災害や国道建設工事のために通行止めだ。コイポクが静内と札内を結ぶ国道工事でズタズタにされている。せめて、日高最後の楽園・シュンベツ川だけでも、林道を閉鎖したままそっとしてほしいものだ。
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熊の沢上流部。巨岩が広い渓に点在、深く抉られた大きな瀬や廊下、大淵が連続している。ルアーマンにとっては、涎が出そうなおいしいポイントが続く。 |
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余りにもルアーに釣れるものだから、健ちゃんからルアー一式と釣り上げたニジマスまで横取りにしてポーズをとる中村会長。すぐに偽者だとわかりますよ、会長!。それほど、我々年配者の常識を覆すほど、ルアーの威力は凄かった。ホント! |
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底まで透き通るように流れの透明度もすこぶる高い。どんな小さな瀬にも渓魚はいるが、大きなポイントのみを釣って先を急ぐ。右は、ルアーにヒットした魚が釣り人の手前で暴れ、大きな水しぶきを上げている瞬間である。 |
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チャワンナイ沢近くにあった横穴ボーリングの跡。かつて、ここに発電用のダムを造る計画があったらしく、地質調査のために横穴ボーリングをしたらしい。後にこのダム計画は頓挫している。もし完成していたら、こんな釣りも夢物語と化していただろう。 |
チャワンナイ沢上流部。広々とした穏やかな河原が続いている。残念ながら、ここで時間切れとなった。まだ見果てぬ源流部をじっと見つめるルアー幼稚園・柴田君の寂しげな後姿が印象的だった。秋田に帰って、ルアーをやるだろうが、スレたイワナにまたまた悪戦苦闘・極度のスランプに陥った姿が重なって見えるから不思議だ。 |