このサイトができるまで まえがき
第1章 「監督」
第2章 「美味礼讃」
第3章 直木賞
第4章 パソコン
第5章 サイト開設
第6章 その後
あとがき

ヒサ―1963年(うさぎ年)生まれ。東京都中野区出身。牡牛座。O型。左利き。172センチ。68キロ。

ウキウキしてくる食べ物 「ドゥリエール」のミルクレープ、セルリアンタワー東急ホテルのパリ・ブレスト
好きなテレビドラマ 国内 「俺たちの旅」「池中玄田80キロ」「北の国から」「王様のレストラン」
海外 「刑事コロンボ」「大草原の小さな家」
好きな漫画 「12の三四郎」「ジョジョの奇妙な冒険(第三部、丈太郎まで)」
趣  味 以下のとおり
 映 画 約3300本観た(実数)。観る基準は主に監督。
 演 劇 三谷幸喜さんの大ファン
 落 語 春風亭昇太さんの大ファン。立川志の輔さん、立川藤志楼さん、三遊亭円丈さんも大好き。
 アウトドア 春から秋にかけては登山、釣りを楽しむ。1998年6月14日、北海道の道東、斜里川で30センチのアメマスを釣り、知り合いに魚拓をとってもらった。
 読 書 海老沢泰久以外の好きな作家−源氏鶏太さん、星新一さん、村上春樹さん、清水義範さん 他

雑 記
2024年4月1日
 海老沢氏は著書『星と月の夜』の巻末「解説にかえて」でこう言っている。
「長編ばかり書いていると短編が描きたくなり、短編ばかり書いていると長編が書きたくなる」
 そしてこう続いている。
「ある期間、二十本なら二十本の短編を書き尽くすと、もう書くことがなくなっちゃう。じゃあなぜまた書くのかというと、一定の時間がたつと、ぼく自身の人間に対する考え方とか思想とか哲学とかが変化したり深まったりするわけです。それを書く」
 ぼくは、それは例えば、どんなものでもいったん表に出してしまえばあとは消えてしまうものだという話が多い初期の作品群から、喪失から再生に向かう物語が多くなる後期の作品群への変化が一つの具体例だと思う。
「イヴニング・ライズ」は「結婚した男」の続編のような作品。「結婚した男」の主人公は渓流釣りが大好きな男で、相棒の男とよく出かけるが、ある日相棒が結婚すると言ったことから二人の関係がギクシャクするという物語。そして「イヴニング・ライズ」は、相棒を失った男が一人で渓流釣りに出かける物語である。ここに海老沢氏の「深くなったり変化したり」した部分が垣間見える気がする。
2024年3月11日
女の子を手に入れるまではワクワクして楽しいが、手に入れてしまうとその高揚は消えてしまう、という物語がいくつかある。「虚栗」(『帰郷』収録)、「イヴニング・ライズ」(『帰郷』収録)、「熱い氷」(『星と月の夜』収録)、「週末の釣り」(『夏の休暇』収録)、「夏の休暇」(『夏の休暇』収録)、「あしたの約束」(『夏の休暇』収録)、「結婚記念日」(『夏の休暇』収録)、「服を着て、そして帰って」(『サルビアの記憶』収録)である。
2024年2月2日
海老沢氏は学生時代の一時期、築地で軽子のアルバイトをしていた。その経験がそのまま出てくる作品が三作ある。「朝の笑い」(『二重唱』収録)、「森の生活」(『男ともだち』収録)、「魚河岸の空気」(『快適な日々』収録)である。
2024年1月5日
海老沢氏は十九歳という大人になり切っていない不安定な年齢に非常に興味があったようだ。十九歳の青年をたびたび小説に登場させている。以下がそれに該当する。
「フィレ・ミニヨンの夜」(『夏の休暇』収録)、「夢からはじまる」(『さびしい恋人』収録)、「十九歳」(『廃墟』収録)、「夜の色」(『彼女の哲学』収録)、「スヌーク」(『孤立無援の名誉』収録)、「最高の時」(『さびしい恋人』収録)。
2023年12月2日
「愛すべき、ゴルファーという人種」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。これで『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』『さびしい恋人』『夏の休暇』『二重唱《デュエット》』『スーパースター』『みんなジャイアンツを愛していた』『ヴェテラン』『快適な日々』『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』『巨人がプロ野球をダメにした』『「読売巨人軍」の大罪』に続いて『ぼくの好きなゴルフ』を丸々書写したことになった。トータル二十冊。
2023年11月27日
「遠くには海が視界から去らぬ」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年11月23日
「あらゆるものを受け容れられる日は」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年11月19日
「想像以上に壮大だったオープンの概念」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年11月15日
「永遠なるボビー・ジョーンズ」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年11月11日
「世界で最も美しいトーナメント」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年11月7日
「これを買う、ぼくはその場で宣言した」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年11月3日
「ごまかさない、が前提のゲームなのに」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年10月29日
「グリップどころの話じゃなかった」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年10月23日
「いつだって、毎日だって行きたい」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年10月22日
九月二十八日放送の『無用庵隠居修行7』を観た。原作から離れてオリジナル作品になっている点については大変良いことだと思うが、一つでもグッとくる場面がほしい。そして、どうか来年以降も続いていってほしい。
2023年10月19日
「とんでもない。あきらめるものか」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年10月14日
「さして役立つとは思えないが」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年10月9日
「最高のゴルファーになるために」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年10月5日
「グリップ変わればスイングも変わる」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年10月1日
「こんな簡単なゴルフをしていたんですか」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年9月26日
「ハンディキャップなんか知らない」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年9月21日
「それぞれの冬の黄昏」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年9月17日
「やると決めたらすぐにやりたい」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年9月12日
「クラブたちの故事来歴」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年9月8日
「同人誌とカレー屋の青春時代」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年9月3日
「何といってもすばらしかったのは」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年8月29日
「アマチュアゴルファーの都合、不都合」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年8月25日
「手腕も名声もないけれど」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年8月20日
「韮餃子とエコヒイキの関係」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年8月16日
「ぼくは最後の救いを求めた」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年8月11日
「いま、ぼくはためされている」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年8月6日
「楽しい騒々しさに満ちていた」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年8月2日
「期待はつねに裏切られる」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年7月24日
「ゴルフには極上の楽しみがある」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年7月19日
「ボールの進化とスコアの変化」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年7月14日
「ゴルファーを笑ってはいけない」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年7月9日
「道具を変えてスコアアップすれば」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年7月4日
「『分かった。さあ、行こう』」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年6月22日
「地理音痴の“快挙”伝えた悲劇」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年6月17日
「ぼくはようやく奮い立った」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年6月12日
「ライバルがいないことの不幸」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年6月7日
「『確信』を自分で証明する」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年6月2日
「あの夏の心躍りも消えうせて」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年5月28日
「控えの間からメインルームへ」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年5月19日
「頭をかかえる日が続いた」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年5月14日
「高くて険しい90の壁」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年5月9日
「何度裏切られてきただろう」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年5月4日
「『天啓』がぼくの頭におりてきた」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年4月27日
「いずれ劣らぬゴルフ好きの文士」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年4月20日
「友がまた、友を呼ぶよろこび」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年4月13日
「青空すら憎らしくなるとき」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年4月5日
「ファンサービスの『苦痛』」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年3月29日
「長靴は持っていないけれど」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年3月22日
「想像力は悲観的にはたらく」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年3月14日
「空中の『夢』、地上の『不安』」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年3月6日
「沈黙を呼ぶ『悲劇』」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年2月24日
「そんなパーはパーではない」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年2月16日
「ゴルフは審判のいないゲーム」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年2月8日
「ラフをティーにしてしまう」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年2月2日
「あるがまま、がゴルフの命」(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2023年1月25日
「あとがき」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。これで『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』『さびしい恋人』『夏の休暇』『二重唱《デュエット》』『スーパースター』『みんなジャイアンツを愛していた』『ヴェテラン』『快適な日々』『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』『巨人がプロ野球をダメにした』に続いて『「読売巨人軍」の大罪』を丸々書写したことになった。
2023年1月19日
「勝利数と勝率」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2023年1月17日
「清原の純情」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2023年1月4日
「勘違いでバカバカしい『演出』」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年12月21日
「『低視聴率』が本当に意味すること」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年12月14日
「哀れなテレビ局」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年12月6日
「さらば、『プロ野球ニュース』」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年11月18日
「野球人のレベルが問われる事件」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年11月9日
「スポーツの本質」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年11月1日
「裏金を合法化するだけのドラフト改革」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年10月26日
 九月二十日放送の「無用庵隠居修行6」をやっと観た。
 年に一度のテレビ放映もついに六年目を迎えた。じつに良いことだ。前回あたりから、海老沢さんの原作から離れ、番組オリジナル作品の傾向が強まっている。これもじつに良いことだ。
 しかし今回が興味深い作品に仕上がっていたかどうかとなると、首を傾げざるをえなかい。これなら二時間の枠は必要ないとさえ思えた。海老沢作品独特の凝縮感とは反対のスカスカ感しか湧かなかった。
 とはいえ、来年も新作が制作されることを誰よりも楽しみにしている。
2022年10月25日
「世界への挑戦を歓迎するサッカー、いやがる野球」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年10月17日
「NHKにジャイアンツ戦を売って何がどう変わるのか」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年10月6日
「だからこそ、彼らは海を渡る」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年9月28日
「開いた口がふさがらない」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年9月20日
「『契約』が球界のうさん臭さを助長する」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年9月9日
「選手会よ、おおいに闘え」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年9月2日
「無様な結末」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年8月25日
「鳥肌が立ったワールドシリーズ」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年8月16日
「『55本』の価値」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年8月8日
「同時多発テロに己の存在意義を問うた大リーガー」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年7月21日
「なくならない審判問題は誰のせい?」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年7月8日
「サイン盗みは終わらない」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年7月1日
「首位に不思議の首位あり」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年6月23日
「ドラフト下位選手の活躍がうれしい」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年6月16日
「『ミーティング』がニュースになる愚」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年6月9日
「『いいこと』は強いチームで起こる」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年6月2日
「二人の『英雄』がいた」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年5月2日
「そして、ファンには無力感だけが残った」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年4月21日
「長嶋茂雄二度目の監督就任が意味するもの」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年4月15日
「プライド」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年3月29日
「『ジャイアンツファン』であることの絶望」(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2022年3月17日
「あとがき」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。これで『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』『さびしい恋人』『夏の休暇』『二重唱《デュエット》』『スーパースター』『みんなジャイアンツを愛していた』『ヴェテラン』『快適な日々』『暗黙のルール』ぼくらのスコットランド紀行に続いて『巨人がプロ野球をダメにした』を丸々書写したことになった。
2022年3月11日
「ルールをつくろう」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年3月3日
「ドラフトは球団でなく『命運』を決める」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年2月22日
「『飼い殺し』で若者の未来を奪うな」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年2月15日
「大リーグに見習いたい日程の妙」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年2月10日
「最低のチームを常勝にしたNBAのアイザイア・トーマス」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年2月8日
「ドラフト制度は欠陥だらけ」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年2月4日
「スポーツにおける「敬意」」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年1月31日
新人の楽しみ』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年1月27日
『最適の登板間隔』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年1月21日
『治外法権のプロ野球』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年1月19日
『しゃべりすぎのテレビにうんざり』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年1月17日
『三十三年前の新人投手』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年1月13日
『イチローの最速1000安打の意味』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年1月11日
『失われた栄光のジャイアンツ』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2022年1月6日
『フェアな勝負が見たい』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年12月27日
『ルールを無視する責任者』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年12月23日
『ファンをバカにあうる「顔見せ興行」』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年12月15日
『ONシリーズ』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年12月8日
『野球選手の夢』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年11月30日
『孤独な選手たち』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年11月22日
『選手交代と自尊心』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年11月15日
『松井秀喜、進化した「怪物」の憂愁』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年11月12日
『無用庵隠居修行5』を、放送から一カ月半も経ってやっと見た。
 海老沢さんが亡くなってから十二年も経つというのに、年に一度ドラマ化され続けているのは大ファンとしては嬉しい限りだ。正直言って、こんなに続くとは思わなかった。
 今回の作品を見て思ったのは、人物設定だけ残して、ほぼ完全に原作から離れたオリジナル作品になっているということだ。それも、これなら続編も期待できそうだと思える痛快時代劇の形になっている。
 それならぼくが出る幕ではない(最初から出る幕なんてないのだが)。こうなったら、BSだろうがWOWOWだろうが、とにかく海老沢泰久の名前が登場するドラマが続いていくことを願うばかりだ。
 何しろ、放送があった9月21日前後のぼくのサイトの訪問者数はほとんど伸びなくなっているのだ。サイトがつまらないから伸びないのなら構わない。自分でも面白味のないサイトだと自覚しているぐらいなのだから。しかしもし伸びの低さが、海老沢さんが世間から忘れ去られている徴候なのだとしたら、それはとても悲しいことだ。ドラマがとにかく続いてほしいという願いはかなり切実なのだ。ちなみに放送日前後のサイト訪問者数は以下のとおり。
 9月16日 46029
 9月17日 46030
 9月18日 46036
 9月19日 46037
 9月20日 46038
 9月21日 46041
 9月22日 46044
 9月23日 46051
 9月24日 46055
 9月25日 46058
 9月26日 46061
 22日から23日にかけてのプラス7が最高値とは嘆かわしい。来年「6」が作られることを心の底から祈る。
2021年11月5日
『オールスターは誰のもの?』(『巨人がプロ野球をダメにした』『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2021年10月28日
『投げさせてもらえる喜び』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年10月20日
『見えない疲労』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年10月13日
『審判の自覚』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年10月6日
『ジャイアンツが抱える長嶋茂雄という矛盾』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年9月10日
『勝利数と勝率』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年9月9日
『ベイスターズ身売り事件』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年9月7日
『すばらしい記録をおとしめるな!』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年9月3日
『間の抜けた日程』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年9月1日
『うつろい行くときの流れに思う』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年8月25日
『プレーする「喜び」』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年8月23日
『プロ野球記録をつくった『三十八番目の男・金本知憲』』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年8月20日
『「非常識」より恥ずかしい「非礼」』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年8月18日
『驚異のバファローズ』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年8月16日
『清原とオーナー』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年8月13日
『入来と橋本、「存在証明」をかけた闘い』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年8月11日
『イチローに知った「意味あるプレー」と「無意味なプレー」』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年8月6日
『野茂英雄に送られたスタンディングオベーションにグッときた』(『「読売巨人軍」の大罪』)の書写終了。
2021年8月4日
『黒木知宏、エースの心意気』(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2021年8月2日
『星野監督の苦言』(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2021年7月29日
『タイガースの不孝、マリーンズの希望』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年7月28日
『コミッショナーの権限』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年7月21日
『日本らしい事件だった「サイン盗み疑惑」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年7月20日
『スカウトの死(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年7月15日
『「ルールを守れ」と教えるアメリカ、抜け道を教える日本(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年7月13日
『FA制度は尻すぼみ(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年7月9日
『選手が別の高みに昇る瞬間(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年7月6日
『監督の「スタイル」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年7月2日
『村山実、戦後唯一の防御率0点台の男(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年6月30日
『みにくい勝利』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年6月28日
『東京ドームの謎(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年6月24日
『「あたりまえ」ではつまらない』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年6月21日
フェアプレーとエゴイズム』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年6月17日
松井稼頭央の走らぬ理由』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年6月15日
『リーグ処罰に疑問』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年6月11日
『野球における「言葉」』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年6月8日
『「日本野球はただの喧嘩になりつつある』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年6月4日
『カル・リプケンJrと衣笠祥雄』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年6月2日
本当の野球の見方とは何か』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年5月31日
『原辰徳のいないジャイアンツ(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年5月27日
『おかしな査定(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年5月25日
『星野監督(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年5月21日
『バカバカしい問題(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年5月19日
『一億円プレイヤーの条件(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年5月17日
『「ドラフトの悲劇」の原因(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年5月13日
『敗者の日本シリーズ(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年5月10日
『日本シリーズ経験者』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年5月6日
『野球らしい野球とは何か(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年4月27日
『有利だと沈黙、不利だと『殴る』のが審判問題の真実だ(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年4月21日
『功労者に冷たい球界への疑問(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年4月14日
『金儲けの前にすべきこと(『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2021年4月12日
『二度死んだ桑田真澄(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年4月8日
『ホークスナインの「純情」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年4月6日
『いやな予感(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年4月2日
「記録」にはさまざまな顔がある』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月31日
秋山登の七十二試合登板記録の重み』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月30日
『いってはいけない一言』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月25日
『野球選手が走ってケガする愚かしさ』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月24日
『「球音」を楽しむ日(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月22日
『清原の「傷み」(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月18日
『ドラゴンズの失敗』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月17日
『「広島東洋カープ」という球団(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月15日
『「才能を使いきる」ということ(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月11日
『「背番号3」という名の亡霊』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月10日
『見えない未来(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月8日
金よりも故郷を選んだ大リーガー』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年3月4日
『ずいぶん軽く打ちましたね』(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2021年2月25日
西口文也のエースの矜持』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年2月22日
『悪夢のテレビ中継(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年2月18日
そこがブエノスアイレスでも』(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2021年2月10日
「偉大」であるということは』(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2021年2月2日
『人間は成長するのである』(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2021年1月26日
『「成果」をためす春は近し』(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2021年1月19日
『不可解な伊良部問題(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2021年1月15日
冬ゴルフ、しないこともなし』(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2021年1月5日
『ルールを骨抜きにするのが日本流(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2020年12月24日
やっぱりイチローはすごかった』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2020年12月21日
ぼくらのスコットランド紀行の「あとがき」の書写終了。これで『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』『さびしい恋人』『夏の休暇』『二重唱《デュエット》』『スーパースター』『みんなジャイアンツを愛していた』『ヴェテラン』『快適な日々』『暗黙のルール』に続いて『ぼくらのスコットランド紀行』を丸々書写したことになった。
2020年12月17日
『暗黙のルール』の「あとがき」の書写終了。
これで『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』『さびしい恋人』『夏の休暇』『二重唱《デュエット》』『スーパースター』『みんなジャイアンツを愛していた』『ヴェテラン』『快適な日々』に続いて『暗黙のルール』を丸々書写したことになった。
2020年12月14日
『函館 海の見える坂道『暗黙のルール』収録)の書写終了。
2020年11月17日
『イギリス再訪』(『暗黙のルール』収録)の書写終了。
2020年10月12日
 録画しておいた『無用庵隠居修行4』をやっと観た。先月テレビ放送された番組である。
 今回中心になっているのは「辻斬り」である。そこに「松屋の銀煙管」をおりまぜ、「無用庵隠居修行」を軽くまぶしたという構成になっていた。「松屋の銀煙管」は銀煙管を浮世絵にアレンジしていたが、これは二年前の『無用庵隠居修行2』で一度描いているからだろう。
 ドラマの出来としては、やはり少し軽いと感じた。小説では辻斬りの犯人が誰であるかが中盤まで伏せられているが、ドラマではそういう描かれ方はしていない。こいつが犯人だなとはっきり示唆されている。
 監督の意図かもしれない。謎解きを楽しむ物語ではないのだという考えなのかも。
 しかしぼくは、このドラマでは犯人が判明したときのショックがあった方が絶望に深みを与えられたのではないかと思う。
 とはいうものの、来年「5」が放送されることを期待して止まない。
2020年10月8日
『愚か者の舟』には架空の企業として瑞穂銀行が登場する。面白いことに、作品が書かれてから二年後にみずほ銀行が現実に誕生する。
2020年10月6日
『青い空』はキリシタン類族のことを深く扱っている長編小説だが、「聖天の藤兵衛」(『無用庵隠居修行』収録)でも「隠れ念仏」(『追っかけ屋愛蔵』収録)でも触れている。ほかにも「追っかけ屋愛蔵」(『追っかけ屋愛蔵』収録)の中で、キリスト教禁止令という事実があったという紹介だけしている件がある。
2020年10月2日
「イヴニング・ライズ」(『帰郷』収録)は「週末の釣り」(『夏の休暇』収録)の続編のような作品。「週末の釣り」の主人公は渓流釣りが大好きな男で、相棒の男とよく出かけるが、ある日相棒が結婚すると言ったことから二人の関係がギクシャクするという物語。「イヴニング・ライズ」は、相棒を失った男が一人で渓流釣りに出かける物語である。
2020年10月1日
 海老沢氏は大学時代に築地でしばらくのあいだ軽子のアルバイトをしていた。その経験を小説に反映させたりエッセイで書いたりしている。
 軽子が出てくる作品は以下のとおりである。
「朝の笑い」(『二重唱』収録)
「森の生活」(『男ともだち』収録)
「魚河岸の空気」(『快適な日々』収録)
2020年9月30日
 9月22日にBS朝日で「無用庵隠居修行4」が放送された。没後10年以上経っても作品が映像化されるとはファンとして嬉しいことこの上ない。
 毎回のことだが、この不人気サイトの訪問者数が番組放送前後でどの程度増加するものなのか、記録してみた。
 9月16日 45415
 9月17日 45418
 9月18日 45420
 9月20日 45421
 9月21日 45424
 9月22日 45426
 9月23日 45432
 9月24日 45438
 9月25日 45442
 9月26日 45446
 9月27日 45448
 9月28日 45450
 9月29日 45454
 絶句してしまうほどに増えていない。まあ、これだけ地味なサイトなのだから仕方がないのだが。
2020年8月20日
『「行きつけの店」に行く(『暗黙のルール』収録)の書写終了。
2020年7月30日
『短歌の不思議』(『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2020年7月22日
『なぜ四寸なのか』(『暗黙のルール』ぼくらのスコットランド紀行収録)の書写終了。
2020年7月16日
『おもいでの味 百九十円のカレー』(『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2020年7月1日
『パソコンが動かぬわけ(『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2020年5月21日
『わが師・岡野弘彦先生』(『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2020年5月18日
『接待論争(『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2020年5月13日
『リアリストになる(『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2020年5月11日
『ビッグバンとウィンブルドン』(『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2020年4月28日
『TVのスポーツ中継への疑問』(『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2020年4月13日
『棄民』(『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2020年4月1日
『イギリス人とルール(『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2020年3月23日
人が死ぬのはいやなものだ』(『暗黙のルール』収録)の書写終了。
2020年3月13日
『セナが抜かれた日』(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2020年3月6日
『セナ 極限の速さに死す』(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2020年2月19日
あるサッカーチームの消滅』(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2020年2月17
われらキャンディーズ』(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2020年2月7日
『熟年サッカーの魅力(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2020年2月3日
『新しいスポーツ観(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2020年1月28日
『伊良部投手の幸福(『暗黙のルール』『ふたりのプロフェッショナル』収録)の書写終了。
2020年1月22
舞踏会の孤独』(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2020年1月15日
『何もしなければ何も起こらない(『暗黙のルール』収録)の書写終了。
2019年12月25日
辻つまがあわない』『暗黙のルール』ふたりのプロフェッショナル収録)の書写終了。
2019年12月19日
『いじめの野球』(『暗黙のルール』ふたりのプロフェッショナル収録)の書写終了。
2019年12月17日
ディミュロ審判はあきれるだろう』(『暗黙のルール』ふたりのプロフェッショナル収録)の書写終了。
2019年12月13日
『アメリカ人の審判』(『暗黙のルール』ふたりのプロフェッショナル収録)の書写終了。
2019年12月10日
野球二十年史』暗黙のルール』『ふたりのプロフェッショナル』収録)の書写終了。
2019年12月5日
『パーフェクトな一日』(『暗黙のルール』『ふたりのプロフェッショナル』収録)の書写終了。
2019年11月28日
『スポーツ小説について』(『暗黙のルール』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2019年11月15日
『天才の孤独と歓び』(『暗黙のルール』『ふたりのプロフェッショナル』収録)の書写終了。
2019年10月31日
『他人のスコア』(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2019年10月29日
 9月13日にBS朝日で放送された「無用庵隠居修行3」、録画しておいたものをやっと観た。短編シリーズのドラマ化で、今回は「会津からの客」を中心に描かれていた。
 前二作に比べてずいぶん脚色されているが、ぼくとしては今までで一番楽しめた。原作に近いと、どうしても自分の思い入れが強い分、こまかくチェックしてしまうが、オリジナリティが強いとそういうことから解放されて単純に楽しめる。今後もこの方向性で続いてほしい。
 今回も放送前後のこのサイトの訪問者数の伸び具合を記録してみた。
 9月11日 44922
 9月12日 44924
 9月15日 44938
 9月17日 44942
 9月19日 44945
 たいして伸びていない。がっかりしてしまうほどだ。
2019年10月28日
『高いボール(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2019年10月24日
高すぎる昼食』(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2019年10月18日
『自分のことしか考えない』(暗黙のルール収録)の書写終了。
2019年10月16日
『チッパーの甘い誘惑(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2019年10月4
ドライバー開眼!?』(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2019年9月25日
道具を替えずに絶対100を切る』(『暗黙のルール』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2019年8月22日
『友よ、ゴルフ場で会おう』『暗黙のルール』人はなぜスポーツするのか収録)の書写終了。
2019年8月9日
ミスショット』(『暗黙のルール』人はなぜスポーツするのか収録)の書写終了。
2019年8月8日
『6インチ・ルールの怪』(『暗黙のルール』人はなぜスポーツするのか収録)の書写終了。
2019年8月1日
『快適な日々』の「あとがきにかえて」の書写終了。
これで『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』『さびしい恋人』『夏の休暇』『二重唱《デュエット》』『スーパースター』『みんなジャイアンツを愛していた』『ヴェテラン』に続いて『快適な日々』を丸々書写したことになった。
2019年7月26日
『セナの日本グランプリ』(『快適な日々』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2019年7月4日
ホンダの国のフェラーリ』(『快適な日々』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2019年6月6日
『F1ドライバーの精神力』(『快適な日々』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。

 もしかしたら誤植であるかもしれない箇所を発見した。156ページ11行目に「十分な道幅がないとは」と書いてあるが、「充分な道幅がないことは」の間違いかもしれない。
2019年5月21日
『ポール・ポジションの男』(『快適な日々』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2019年5月14日
『行ってみなければ分らないこと』(『快適な日々』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2019年5月7日
 海老沢泰久さんの大ファンとして、一度も墓参できていないことをずっと気に病んでいた。それがやっと五月二日にかなった。今年だけのゴールデンウイーク十連休を利用したのだ。
 海老沢さんが眠るのは静岡県にある冨士霊園の一角にある「文學者之墓」。これは公益社団法人日本文藝家協会が管理している一角で、会員だった多くの作家が眠っている。
 家から一番近い入間インターチェンジから圏央道、中央道、東富士五湖道路を使って終点の須走まで渋滞しなければ二時間かからない(五月二日は一時間三十分ばかり渋滞したけど)。そこから富士霊園までは十五分ほどで着く。この程度の距離ならどうしてもっと早く行かなかったんだと自戒した。
 ざっと四百人ほどが眠る文學者之墓の一帯をぶらぶら散策したところ、ちょっと意外だったのは、花が飾られている作家は三人ほどしかおられなかったことである。司馬遼太郎さんのところにもなかった。ファンが全国に何万人もおられるような国民的作家だから花が絶えることなどなさそうなものだが、そういうことでもないらしい。
 海老沢さんが小説新潮新人賞を受賞したときの審査員のお一人だった源氏鶏太さんの名前を発見できたのは嬉しかった。
 四百人ほどのうちに、一割弱は名前が赤く掘られている。最初は意味が分らなかったのだが、散策しているうちに気づいた。存命の作家は赤いのだ。存命のうちにそういう手続きを済ませているということなのだろう。
 何はともあれ、没後十年の今年、ついに墓参できたことは何よりである。
 心を落ち着かせて、ゆっくりと参拝した。
2019年4月26日
『おしゃべり』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2019年4月22日
『書くことのよろこび』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2019年4月12日
『魚河岸の空気(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2019年4月5
一九六九年六月二十七日』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2019年4月3日
『男と女の描き方』(『快適な日々』収録)の書写終了。
2019年3月7日
『ぼくたちのスコットランド旅行』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2019年3月5日
「駐車場にて」(『快適な日々』収録)に、奥さんと二人でロンドンで暮らしていたときの体験が綴られている。
 ある日、公共の駐車場に車をとめ、自動券売機で一時間分の駐車券を買って車のドアに貼りつけて買い物に出かけた。一時間では足りないかもしれないと思ったが、細かいコインが一時間分しかなかったからだった。もし時間を超過したらその分は出口で払うつもりだった。超過せずに戻って来られたが、駐車場を出てから驚いた。出口に料金所がなかったからだ。それはつまり、一人ひとりが自分の判断で駐車券を買い、その判断にそれぞれが責任を持つという前提で運営されている駐車場だということで、超過せずに戻って来られたことに救われた気がした。同時に、イギリスという国は何と成熟した国なのだろうとあらためて思った。
 そういうエピソードである。
 これは海老沢氏にとってとても大きな体験だったようで、「女の気持」(『廃墟』収録)の登場人物の女性にそのまま語らせている。
2019年2月7日
『順番を守りなさい!』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2019年2月1日
『駐車場にて』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2019年1月25日
『汗を流す仕事』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2019年1月21日
知識という道具』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2019年1月16日
『スポーツで何を教えるか』(『快適な日々』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2018年12月27日
『こころおどり』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2018年12月18日
『リッチモンド・パークのベンチ』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2018年12月10日
『一人で行くな』(『快適な日々』収録)の書写終了。
ここでも「十カ月」と書かずに「十ヵ月」と書いている。
2018年12月3日
『サッカーの1/7』(『快適な日々収録)の書写終了。

海老沢氏は期間を表すとき、基本的には「三カ月」にように「カ」大きく表記しているが、ここでは「三ヵ月」と書いている。
2018年11月9日
『ディミュロ審判の嘆き』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年11月6日
『ルールをよく読め』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年11月2日
『「らしさ」を受け入れるのに十四年かかった落合博満』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年10月12日
 日本ハムファイターズの矢野謙次選手が引退する。
 ぼくは矢野選手のことをプロ入りからずっと気にかけていた。というのも、矢野選手がドラフトでジャイアンツに入ることが決まった二〇〇二年の秋は、ぼくが國學院大學で海老沢さんの授業を聴講させていただいたタイミングと同じで、学内に「矢野君、ジャイアンツ入団おめでとう!」という横断幕が掲げられていたことを鮮明に覚えているからだ。そのとき、これも何かの縁だと思い、ずっと活躍を期待し続けていたのだ。
 ジャイアンツでは完全にレギュラーを勝ち取ったという形にはならなかったが、テレビで見る限り、常に溌剌としたプレーぶりは気持がよかった。それはファイターズに移ってからも変わらなかった。というより、さらに溌剌としたプレーぶりでファンを魅了した。
 十六年の現役生活を終えるのだそうだが、ぼくは海老沢さんの授業を受けてから十六年経ったのだなあと感慨深かった。
2018年10月10日
 先日テレビ放送された『無用庵隠居修行2』。録画しておいたものをようやく鑑賞できた。
 一作目同様、連作短編集である原作からあちこちのエピソードを集めた脚本になっていた。中心になっていたのは「女の櫛」と「松屋の銀煙管」。そこに「聖天の藤兵衛」をからめていた。
 感想としては、やはりぼくの海老沢作品への思い入れが強いせいだろう、物足りなかった。原作のここ一番の決めセリフが軽く流されている気がした。
 とは言うものの、また映像化されることがあれば、ぼくに見ないという選択はない。
2018年10月4日
『大リーグは管理野球だからおもしろい』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年10月2日
『国立競技場の芝』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年10月1日
「もっと静かにつつましく」(『快適な日々』収録)というエッセイで、曽野綾子さんの『夜明けの新聞の匂い』というエッセイ集の一編を取り上げている。ある新聞記事についての話で、その記事はこういう内容だった。

 練馬区在住の暴力団組長が身分を隠して、長年練馬に住まわせてもらっているお礼にと五十万円を寄付したところ、区は領収証と感謝状を渡した。ところがのちに金の出所が暴力団組長だと分ると、区は金は返すから領収証と感謝状も返してほしいと申し入れたという。

 その記事に対して、曽野さんはエッセイの中で、暴力団員からは寄付を受けてはならないという法はどこにもなく、個人がもらうのではないのだから、暴力団員からの金でも堂々ともらって社会に役立てるべきだと、練馬区の定見のなさをいましめている。
 そして海老沢さんは「もっと静かにつつましく」の中で、「ぼくもまったく同じことを感じた」 と書いている。
「もっと静かにつつましく」は一九九三年に書かれたエッセイだが、曽野さんのこの考え方は海老沢さんとまさにぴったり同じだったのだろう、五年後の一九九八年に書かれた『愚か者の舟』に、海老沢さんはこのエピソードを持ち込んでいる。
『愚か者の舟』は海老沢さん唯一の犯罪長編小説なのだが、主人公の刑事加納竜一が伊豆のゴルフ場のレストランで顔見知りの島村敏子という女流作家を見かける場面がある。彼女は小説家であるばかりでなく、海外の貧困地域で働く日本人神父と修道女を援助する活動をしている。彼女はそこで地元の暴力団の組長と一緒に食事をしている。
 加納竜一が二人のテーブルに行き事情を聞くと、島村敏子がこの組長は毎年自分の活動に寄付してくれているのだと説明する。そして組長は、彼女の活動に寄付するときれいな気持になるので、きれいな気持にさせてくれるお礼を言おうとゴルフに誘ったのだと言う。

 ちなみにぼくは、「もっと静かにつつましく」を読んだことから曽野綾子さんの『夜明けの新聞の匂い』に興味を持ち、すぐに書店で買い求めた。以来今日にいたるまで、曽野さんのエッセイも小説も愛読し、勉強させていただいている。
2018年9月11日
 昨年の9月に海老沢さん原作の『無用庵隠居修行』がBS朝日でドラマ化されたとき、このサイトの訪問者数がずいぶん伸びたという話を書いた(2017年10月2日参照)。
 それから一年経ったこの9月8日、今度は
『無用庵隠居修行2』が放送された。
 今回も訪問数の動きを追ってみようと、放送日の前後数日のカウント数を調べたところ、以下のようになった。
 9月6日  44329
 9月7日  44337
 9月8日  44338
 9月9日  44354
 9月10日 44357
 9月11日 44364
 昨年と違って、テレビの影響力を思い知らされたという結果にはならなった。
2018年9月6日
『たった一回でも自分の実力』(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。

 どうやらこの本では「わかる」を「分る」ではなく「分かる」、「いっかげつ」を「一カ月」ではなく「一ヵ月」と表記しているようだ。
2018年9月4日
『激闘日本シリーズ』(『快適な日々』『「読売巨人軍」の大罪』『ふたりのプロフェッショナル』収録)の書写終了。
2018年9月3日
「何も書かない小説」(『暗黙のルール』収録)というエッセイには、海老沢氏が永井龍男の短編小説「密柑」が好きで、もう三十年も机にコピーを入れており、今でもときどき見返しているということが書かれている。
「密柑」は主人公の男が愛人と箱根に旅行し、別れを決意する物語である。帰りのタクシーの中の描写で、こう書かれているところがある。
「その靴の先きが、私の脚を小突いた。初めは偶然だったが、二度目は意識して突いた」
 心理描写も理屈も何も書いていないのに二人の関係性を能弁に語っている名文だが、海老沢氏はこれを自作の小説に取り入れた。「幸福の第三期」(『さびしい恋人』収録)で、男と女がレコードをかけてダンスしている場面で、こう書かれているところがある(「幸福の第三期」は男が妻と二人で、妻の友人夫婦の家に遊びに行き、相手の妻と関係を持つ物語である)。
「昼間みどりと二度体をぶつけ合った。はじめは偶然だったが、二度目は二人とも意識していた」

 とても興味深い。
2018年8月31日
 一般的に、単行本が文庫化されたとき、巻末に、
「文庫化にあたり、一部内容を加筆修正いたしました」
 という趣旨の文章を見かけることがある。ぼくはそれを、その文章がない場合は加筆修正はまったくされていないものと理解していた。しかしあるとき村上春樹さんのエッセイを読んでいて、必ずしもそうではないことを知った。村上さんは作品が最初に雑誌に掲載されたときから単行本に収録されるとき、さらに文庫化されるときにその都度チェックし、修正していると書いていた。気になって本を調べてみると、加筆修正したとの文章があるとは限らなかったのだ。
 以来、そういうことは海老沢作品についても当てはまることだと考え、機会を見つけてチェックしなきゃと思っていた。だが読むべき本が常に山積みされているぼくにとって、それは容易なことではなかった。
 だがざっとでもやってみようと、まずは手はじめに短編集の単行本『さびしい東京』と、改題した文庫本『さびしい恋人』を読みくらべてみた。その結果、やはり加筆修正したとの文章がなくても、そういう箇所はあった。

「何もしないで」の終盤、『さびしい東京』ではこう書かれている部分がある。
「『嘘をいっちゃダメ』
 こんどは彼女がわたしのほうに顔をよせてきた。『おっぱいだけでしょう』」
 ここが『さびしい恋人』ではこう修正されている。
「彼女はなつかしいことを思い出すように笑った。」
 また、同作品のラストは『さびしい東京』ではこう書かれている。
「わたし、いそいでいるのよ。男が待っているの。」
 それが『さびしい恋人』ではこう修正されている。
「わたし、いそいでいるのよ。行かなくちゃならないところがあるの。」
「幸福の第三期」では、結びの文章が『さびしい東京』ではこうなっている。
「これから辛抱づよく妻の肌を急きたてていくつもりだった。」
 それが『さびしい東京』ではこう修正されている。
「何とかなるさと思った。」

 実に興味深く、ぼくは新しい楽しみを発見した気持になっている。
2018年8月17日
『野球は記録のスポーツ』『秋山の本当の「凄さ」』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年8月10日
『サッカーに見る、よりよい方向を目指す姿勢』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年8月1日
『不可解な伊良部問題』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年7月26日
『ぼくのゴルフ病はますます高じ』(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2018年7月18日
『バットの折れる『音』』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年7月6日
『長い試合』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年6月14日
『FA移籍のプレッシャーをはねのけた江藤智』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年6月8日
『ドラゴンズの失敗』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年6月7日
『「広島東洋カープ」という球団』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年5月16日
『動機なぞ、もうどうでもよろしい』(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。

 先日も触れたことだが、ここでも海老沢さんは「わかる」を「分る」ではなく「分かる」と表記している。「いっかげつ」を長いあいだ「一カ月」と書いてきたが、ここでは「一ヵ月」と書いている。
 なんだか重箱の隅をつついているようで心苦しいのだが、書写していて気づいたことは取りあえずここに記そうと思う。
2018年5月8日
『「才能を使いきる」ということ』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年5月2日
『人生の至福を感じたこともある』(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
 昨年の6月6日の項でも触れたことだが、
海老沢さんは「わかる」をずっと「分る」と表記してきたが、後年、「分かる」と表記することもあった。このエッセイでも「分かる」と書いている。
2018年4月16日
『キャンプの醍醐味』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年4月5日
『「背番号3」という名の亡霊』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年4月4日
『二軍選手の希望』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年3月16日
『自由であることが犯罪的ですらある』(『ぼくの好きなゴルフ』収録)の書写終了。
2018年3月8日
『金よりも故郷を選んだ大リーガー』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年3月6日
『一分間の悲劇』(『快適な日々』『人はなぜスポーツするのか』収録)の書写終了。
2018年2月20日
『ホークスを優勝させた意外な要因』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年2月13日
『二人のプロフェッショナル』(『快適な日々』『「読売巨人軍」の大罪』収録)の書写終了。
2018年2月1日
 先日の1月22日に、元西武ライオンズの片平晋作氏が所沢の自宅で亡くなった。
 ライオンズ時代の片平といえば、ぼくの脳裏に焼きついた二本のバントがある。
 一本目について、海老沢さんはエッセイでこう書いている。
「昭和57年5月18日。この日こそ、ライオンズがそれまでのライオンズとはまったくちがったチームに変身したことを最初に示した記念すべき日といわなければならない」
 当時浪人生だったぼくはその試合をテレビ埼玉で見ていたが、まさに海老沢さんのいったとおりだった。
 その時点でライオンズは首位を走っていたが、2位に2ゲーム、3位に2.5ゲーム差をつけただけの際どい首位だった。そしてその日に所沢に迎える相手は2位のファイターズだった。
 試合は5回までファイターズが3対0でリードし、敗色濃厚だった。しかし5回裏にソロホームラン3本で一気に追いついた(ぼくは、3本のうち1本でもソロじゃなかったら逆転だったのにと大きく落胆したことを覚えている)。
 そして8回裏、1死満塁で片平がバッターボックスに入る。マウンドには絶対的エースの江夏。ぼくはどうなるのかとハラハラドキドキしていた。勝負の行方を決めるその場面、なんと片平は初球で決勝の満塁スクイズを決めた。ライオンズベンチの喜びは爆発し、テレビ画面には片平が満面の笑みで踊るようにベンチに帰っていく姿が映し出された。ぼくの興奮も頂点に達した。
 二本目は昭和57年10月9日、前期優勝のライオンズと後期優勝のファイターズによるプレーオフ第1戦。
 0対0で迎えた8回裏、無死1塁でバッター片平。マウンドにはまたしても江夏。ライオンズは絶対にランナーを2塁に送りたいし、反対にファイターズは送らせたくない場面。ファイターズが極端なバントシフトを敷いてくるのは確実で、じっさい投球と同時に江夏とサードの古谷がダッシュしてきた。
 そのしびれる状況のなか、片平は江夏と古谷のあいだを抜けるプッシュバントを決める。江夏と古谷は呆然と立ちすくすしかなかった。ボールがはずんだ地点は、ライオンズの監督広岡が「ここにバントしろ」と白いテープで印をつけて選手全員に練習させた、まさにその場所だった。
 この機をものにして、ライオンズはこの試合どころかプレーオフの行方すら決定づける6点をもぎ取るのだが、それを可能にしたのが片平のバントだったのは明らかだった。
 今書写している海老沢作品がちょうどそのプレーオフを書いたもので、しかも奇遇なことに、亡くなったニュースを聞いたのは、片平がバントを決めたちょうどその場面に差しかかるときだった。
 享年68歳。深く冥福を祈る。
 ちなみに1月22日は、海老沢さんの誕生日である。
2018年1月12日
『大リーグを破壊しかけたヤンキース化するジャイアンツ』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2018年1月11日
 ミスプリ発見。
「二度目の恋」(『夏の休暇』収録)。文庫70ページ、うしろから3行目のときどきこえたときどききこえた
「柔らかい孤独(『夏の休暇』収録)。文庫216ページ6行目の誘われままに誘われるままに
 別にあげあしを取っているわけではなく、いつか再発売になるときのために記しているのである。編集者に参考にしていただくために。
2018年1月4日
 海老沢さんは一時、伊豆に別荘を借りていた。あるエッセイによると植物の名前を覚えるためのようで、じっさいずいぶん覚えたようだ。「春の日のヘレンド」(『サルビアの記憶』収録)では照葉樹についての記述がある(P107)。
 作中で語られる照葉樹の話は、国学院大学での授業のとき、そのまま生徒に向かって語られた。
 ぼくは植物に詳しくないが、照葉樹のことはそのときに覚えた。
2017年12月27日
『権利は闘って勝ちとるもの』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年12月15日
『人気の不思議』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年12月13日
『ヴェテラン』(『ヴェテラン』収録)の書写終了。
誤植を発見した。単行本167ページのうしろから3行目に「翌十四日」と記述されているが、「十五日」の間違い。
 それはともかく、これで『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』『さびしい恋人』『夏の休暇』『二重唱《デュエット》』『スーパースター』みんなジャイアンツを愛していた』に続いて『ヴェテラン』を丸々書写したことになった。
2017年12月6日
 エッセイ集『暗黙のルール』に収録されている「正常な文学―吉田健一」には、要約するとこういうことが書かれている。
「吉田健一は『英国の文学の横道』で、今日の日本では文学そのものがどこか異常なものに見られ、それゆえにその仕事をするものにも異常であることが求められているようだが、それは文学が異常なものであるという前提があってのことで、そのような前提を認めるわけにはいかない。
(中略)
 これを読んだとき、ぼくは長年のモヤモヤが晴れた気がした。というのも、ぼくが学生のころ、小説を書く者は貧乏と病気と女で苦労しなければならないといわれていた。当時のぼくはその三原則をひとつも満たしていなかった。それでぼくには小説が書けないのではないかと不安になっていたのだ。
 しかし『英国の文学の横道』のおかげでぼくは小説を書くためにわざわざ不健康な生活をするというバカげたことをしないですんでいる」
 ここで語られていることには、海老沢さんの文学観がクッキリと表れているといってよい。何しろ『女の気持』(『廃墟』収録)には、登場する女が、そのことを吉田健一のことまで含めて語る場面があるのである。『一年ののち』(『サルビアの記憶』収録)の中では、登場人物が「私小説作家は自分の私生活のことを書いて、だから真実だといっているが、それは裏返せば書くために実生活の中で生活を演技しているのと同じこと」と話す場面もある。

 ちなみに海老沢さんの吉田健一の文章への信用は厚いようで、朝日新聞でも「何といっても吉田健一」というエッセイで絶賛している。
2017年11月6日
 国学院大学の授業で、海老沢さんは「書くことは自己表現だと思っている人が多いが、言葉は鍋ややかんと同じで、道具である」とおっしゃっていた。
先日、クーリエ・ジャポンの2009年7月号に掲載された村上春樹氏へのインタビュー記事を読んでいたら、村上さんはこう発言していた。
「僕は言葉を道具として使う。とても効果的に使える純粋な道具として。その道具を使って物語を書く」
 とてもクリアな文章を書くお二人の考え方は同じなんだなとうれしく、同時に、ぼくが惹かれる文体が再認識された瞬間でもあった。
 ぼくは海老沢さんの文章と村上さんの文章には共通の明度を感じている。それを説明するのは難しいのだが、村上春樹さんの『シドニー! (コアラ純情篇) 』の最初の二編「1996年7月28日 アトランタ」と「2000年6月18日 広島 オリンピック開会式まであと89日」を読んでいただければある程度納得していただけると思う。気になる人は是非。
2017年11月2日
『タモリと戦後ニッポン』(近藤正高著)で、海老沢さんはタモリ、井上陽水とともに「携帯電話を持たない会」を結成していたことが記されている。現代において携帯電話を持たないですむというのは、幸せな境遇にあるという趣旨らしい。
2017年11月1日
 ファンになって三十周年を迎えたことを勝手に記念して、短編小説集十四冊を読破してみた。すなわち、読んだ順番に『星と月の夜』『夏の休暇』『廃墟』『サルビアの記憶』『男ともだち』『彼女の哲学』『二重唱』『さびしい恋人』『無用庵隠居修行』『孤立無援の名誉』『スーパースター』『帰郷』『オーケイ。』『追っかけ屋愛蔵』を次々に読んで行ったということである。こんなに立て続けに読んだのは初めてだ。
 普段は本を読むのは遅いのだが、すでに何度か読み返している本であることと久しぶりに味わう凝縮感にあふれた文体に酔い、三日に一冊ぐらいのペースで読み進めることができた。ひと月半ほど“海老沢漬け”になったわけだ。
 実に爽快な気分に浸れた日々だった。
2017年10月13日
 先日テレビ放送された『無用庵隠居修行』。録画しておいたものをやっと見た。じっくり鑑賞できるタイミングを待っていたのだ。
 連作短編集である原作からあちこちのエピソードを集めた脚本になっていた。中心になっていたのは「尾ける子」と「千両鶯」。テレビ番組製作にはテレビ番組製作の事情があるのだろうから、原作から物語をふくらませることに異論はない。重要なのは出来上がった作品の完成度である。
 ぼくの感想としては、原作への思い入れが強すぎるのか、やはり物足りなかったと言わざるを得ない。原作における、短い言葉で書かれているけどとても大切なことが映像表現されていないと感じた。
 ただ思うのは、この作品に限らず、もしかしたら海老沢作品というのは映像に向いていないのかもしれないということだ。
 これまでに映像化された作品は『F2グランプリ』と『空を飛んだオッチ』。二作とも劇場公開された映画だが、どちらもまったく面白くなかった。文章を読んで想像が大いにかきたてられていた分、落胆も大きかった。まあこれは、思い入れのある小説が映画化されたときにファンが一様に経験する落胆と同種のものだろうが。
2017年10月5日
『広沢の過ち』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年10月4日
『スマートな采配』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年10月2日
 ぼく自身がこのサイトを訪れるのは、ぼく自身が海老沢さんの作品で何か思い出せないことがあったり、新たな更新をしたときぐらいである。存命中は東京中日スポーツでの週に一度の連載エッセイもあって更新頻度も高かった。訪問者数は一日平均8カウントほど伸びた。しかし亡くなって八年も経った今では一日平均1.3程度。風前の灯でる。まあ、新作も発表されなくなったのだから無理もない。
 ところが先月の9月15日、海老沢さんの『無用庵隠居修行』がドラマ化されてBS朝日で放送されたおかげで、放送日の数日前からカウントがうなぎのぼり。放送後も余波があった。こんな感じである。
 9月7日  43364
 9月11日 43390
 9月16日 43485
 9月17日 43522
 9月18日 43531
 9月19日 43548
 9月20日 43561
 9月21日 43572
 9月22日 43579
 9月23日 43591
 新刊が発表されたときのようなカウントの伸び方である。改めて、テレビの力を思い知らされた。ちなみに9月24日以降は一日平均1.3程度に戻った。
2017年9月28日
『秋の憂鬱−高橋慶彦』(『ヴェテラン』収録)の書写終了。
2017年9月7日
 先日ふと気づいた。海老沢さんのファンになって今年でちょうど三十年経ったのだと。
 一九八七年の夏から秋にかけての時期に友人に『監督』をもらったのがきっかけである。
 そして人生の舵が切られた。夢のような素晴らしい世界への転換だった。
 三十年。なかなか感慨深い。
2017年9月4日
『ジャイアンツのオーナー』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年8月8日
『悪しき打点記録161』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年8月4日
『「手腕」というもの』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。

 デビュー以来ずっと、「わかる」を「分る」と表記してきたが、このエッセイでは「分かる」と表記している。
2017年8月2日
『二軍選手の希望』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年7月10日
『「将」の「将」たるゆえん』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年7月6日
『「打てるものなら打ってみろ」』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年7月5日
『審判の責任』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。

  海老沢さんは自分のことを常に「ぼく」と表記してきたが、ここで一度だけ「僕」と表記している。まあ、ただそれだけのことなのだが、ちょっとビックリした。
2017年7月3日
『十年の夢−牛島和彦』(『ヴェテラン』収録)の書写終了。
2017年6月7日
『審判は過酷な職業』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年6月6日
 海老沢さんはデビュー以来ずっと、「わかる」を「分る」と表記してきた。パソコンで漢字変換すると「分かる」がもっとも一般的なようだが、ぼくは文章を書くとき、海老沢さんを真似てずっと「分る」と書いてきた。
 しかし後年、海老沢さんも「分かる」と書くこともあったようだ。一九九九年五月から翌年四月まで読売新聞で連載した「名文句を読む」シリーズでは「分かる」と表記している。
 もっとも一九九九年六月二十二日、東京中日スポーツでのエッセイ「日本野球協会がない」では「分る」と書いているところを見ると、はっきりと「これからは『分かる』と書く」と決意したわけではなさそうに思える。もしかしたら「名文句を読む」シリーズでは海老沢さんは「分る」と書いたが編集者が変えたのかもしれないし、海老沢さん自身が無意識に「分かる」と書いたのかもしれない。しかしいずれにせよ、こんな些細なことでも大ファンとしては見逃せない。
 そういう違いに気づけたのも、日々書写を続けていればこそである。ペン字練習としてはじめたわりには一向に文字は美しくならないが、それでもやめる気にならないのは、ときどきこういう発見にぶつかるからである。
2017年6月5日
『どうした清原?』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年6月2日
『「日本野球協会」が存在しないことの意味』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年5月10日
『イチローと四球』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年5月9日
『ピッチャーの究極の目標』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年4月7日
『根本さんとスカウト』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年4月5日
『指名打者−石嶺和彦』(『ヴェテラン』収録)の書写終了。

 文中に間違いを発見した。単行本94ページ5行目。
 昭和五十三年日本シリーズの第七戦、球史の汚点として名高い一時間十九分の抗議の原因となったヤクルト大杉のホームランが「六回表」と書かれているが、「六回裏」の間違い。編集者も気づかなかったのだろう、文庫化されても訂正されることもなかった。
2017年3月16日
 二〇〇二年秋の国学院大学での授業のとき、話しの流れで、ある女子生徒が村上春樹氏の小説が好きだと言ったときだった。
 海老沢さんは、
「村上春樹、文章いいねえ」
 と勢いよく言い切った。「内容云々より、あれは文章がいいんだ」
 ぼくは今でこそ村上春樹さんの大ファンだが、そのころは苦手にしていた。だからそのとき、自分が愛してやまない文章を書く海老沢さんが手放しで賞賛する作家を苦手にするなんて、面白いものだなと思った。
2017年3月9日
『はかない喜び』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年3月8日
『「なる」ことと「であり続ける」こと』(『巨人がプロ野球をダメにした』収録)の書写終了。
2017年2月10日
『伝記−ロバート・クリーマー』(『暗黙のルール』収録)の書写終了。
2017年2月7日
『何も書かない小説−永井龍男』(『暗黙のルール』収録)の書写終了。
2017年1月16日
 二〇〇二年秋、国学院大学で授業を持つことになった第一回目の授業のとき、海老沢さんはカメラマンを伴って現れた。海老沢さんは、文藝春秋の取材だと説明した。カメラマンは授業の邪魔にならないように気をつけながら教室の後方から写真を撮っていた。ぼくは、いつ記事になるのだろうと文藝春秋社が発行する雑誌を何カ月かのあいだ、書店でチェックし続けた。
 しかし記事にはならなかった。少なくともぼくの知る限りでは。おそらく、教室が満員でもなく(受講生は二十人ぐらいだった)、とても地味な授業だったので記事にしにくかったのではないかと想像しているのだが、どうなのだろう?
2017年1月13日
『言葉の発達−アル・カンパニス』(『暗黙のルール』収録)の書写終了。
2017年1月10日
『あきらめの年齢−吉行淳之介』(『暗黙のルール』収録)の書写終了。
2016年12月20日
『正常な文学−吉田健一』(『暗黙のルール』収録)の書写終了。
以下、書写終了:2016年11月7日『トイレのシート−パトリシア・コーンウェル』(『暗黙のルール』収録)、11月10日『絶望−折口信夫』(『暗黙のルール』収録)、12月5日『嫌われた男』(『ヴェテラン』収録)、12月15日『きみはやりたいのか?−アーネスト・ヘミングウェイ』(『暗黙のルール』収録)、12月20日『正常な文学−吉田健一』(『暗黙のルール』収録)、、、、、、、
2016年10月31日
 ワープロで書くことが当たり前になっている現代。今や文字は「書く」というより「打つ」時代である。
 海老沢さんは小説というものは原稿用紙に万年筆で書くという哲学を持っていて、国学院大学での授業でもそのように教えていた。だからテーマを決めて書かせた原稿用紙二枚の宿題も、生徒たちには手書きを要求した。
「普段はパソコンを使って書いているのだろうが、原稿用紙に万年筆で書くといつもと違った気分で書ける」
 そうアドバイスしていた。
 ぼくもワープロで書くことが多いが、毎朝の書写をやめないのは、海老沢さんの教えを忘れないためである。
2016年10月13日
『世界の真実−H・D・ソロー』(『暗黙のルール』収録)の書写終了。
2016年10月6日
『文体−大岡昇平』(『暗黙のルール』収録)の書写終了。
2016年9月21日
 ハガキや封筒に縦書きで宛名を書くとき、まず郵便番号を書き、続いて住所、氏名と進めていくのが一般的だろう。しかしぼくは郵便番号を書いたあと、中央に相手の氏名を書き、そのあと右側に住所を書き始める。
 これは、この順番で書くと文字が擦れるのを防げるからなのだが、自分で思いついて始めたわけではない。海老沢さんのやり方をマネしただけである。
 二〇〇二年秋、海老沢さんは母校の国学院大学で授業を持った。社会人も受講可能な授業だったのでぼくも申し込んだ。
 二回目の授業終了後、ぼくはまだ教室内にいた海老沢さんをつかまえて、持参した『監督』と『美味礼讃』にサインをお願いした。応じてくれた海老沢さんは本を開き、ぼくの万年筆を使って、見開きの中央より左側に「海老沢泰久」と書き、中央より右側に「〜(ぼくの氏名)さんへ」と書いた。その過程を見ていたぼくは、「そうか、その順番ならインクが擦れなくて便利なんだ」と理解した。
 ぼくがその順序で宛名を書くようになってから、十四年が経つ。
以下、書写終了:2016年8月12日『管理野球を考える』(『暗黙のルール』『ふたりのプロフェッショナル』収録)、8月17日『6インチプレースなんていらない』(『暗黙のルール』収録)、9月1日『海の恐怖−三島由紀夫』(『暗黙のルール』収録)、9月7日『不機嫌の理由−平野謙』(『暗黙のルール』収録)
2016年7月25日
『はじめに』(『みんなジャイアンツを愛していた』の序文)の書写終了。
 これで『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』『さびしい恋人』『夏の休暇』『二重唱《デュエット》』『スーパースター』に続いて『みんなジャイアンツを愛していた』を丸々書写したことになった。
以下、書写終了:2015年1月6日『モミの木ほしい』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)、1月23日『文化のはじまり』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)、3月10日『故郷の山』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)、4月1日『ジャイアンツが敗れた』(『みんなジャイアンツを愛していた』収録)、4月6日『桜の木の下には』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)、4月14日『同窓会名簿』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)、5月26日『もの書き』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)、5月29日『建築家の心』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)、7月3日『成功者』(『ヴェテラン』収録)、7月13日『悪太郎のパームボール』(『快適な日々』収録)、8月3日『長島茂雄という謎』(『快適な日々』『ふたりのプロフェッショナル』収録)、9月3日『プロ野球をつまらなくしたのは何か』(『快適な日々』『「読売巨人軍」の大罪』『ふたりのプロフェッショナル』収録)、9月11日『プロ野球衰亡論』(『快適な日々』、『ふたりのプロフェッショナル』収録)、10月22日『ルールが生む悲喜劇』(『暗黙のルール』、『人はなぜスポーツするのか』収録)、10月26日『なぜ人間はスポーツをするのか?』(『暗黙のルール』、『人はなぜスポーツするのか』収録)、2016年2月16日『肉体の裏切り』(『暗黙のルール』、『人はなぜスポーツするのか』収録)、2月22日『広岡達朗の七九〇日』(『みんなジャイアンツを愛していた』収録)、3月10日『非紳士的スポーツ』(『暗黙のルール』、『人はなぜスポーツするのか』収録)、4月1日『四年に一度という絶妙』(『暗黙のルール』、『人はなぜスポーツするのか』収録)、4月27日『巨人を愛した巨人キラーたち』(『みんなジャイアンツを愛していた』収録)、5月6日『ノーキャディ』(『暗黙のルール』、『人はなぜスポーツするのか』収録)、6月8日『コンペ前夜』(『暗黙のルール』、『人はなぜスポーツするのか』収録)、6月27日『死にものぐるいのジャイアンツ(『快適な日々』『ふたりのプロフェッショナル』収録)、6月30日『十四本のクラブ』(『暗黙のルール』、『人はなぜスポーツするのか』収録)、7月5日『マリーンズ熱』(『暗黙のルール』、『ふたりのプロフェッショナル』収録)、7月5日『マリーンズ熱』(『暗黙のルール』、『ふたりのプロフェッショナル』収録)、7月7日『ルールがあるから面白い』(『暗黙のルール』収録)、7月19日『野球の都を離れて』『みんなジャイアンツを愛していた』収録)
2014年12月25日
『眼下のゲーム』(『スーパースター』収録)の書写終了。
 これで『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』『さびしい恋人』『夏の休暇』『二重唱《デュエット》』に続いて『スーパースター』を丸々書写したことになった。
2014年12月2日
『もっと静かにつつましく』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)の書写終了。
2014年11月27日
『もっとも愛するもの』(『スーパースター』収録)の書写終了。

 いつも短編ばかり書写しているが、これは文庫本で六十九ページにも及ぶ中編で、今まででもっとも長い小説だった。当然ながらずいぶんと時間もかかった。三カ月近くかかったのではないだろうか。
 この小説は誘拐事件や野球賭博を扱っているサスペンスなのだが、これだけサスペンス色が強い海老沢作品は、他には殺人事件を扱った『愚か者の舟』だけだ。完全に異色作である。
 しかしおそらくそのスリリングなドラマ性が理由なのだろうが、この作品は1987年にはTBS文芸図書館シリーズのラインナップに加えられ、カセットテープで発売された。ぼくとしては他に音声化してほしい海老沢作品はいくつもあるので、正直言って違和感を抱いている。

 以前にもあるのだが、今回、書写していて間違いを発見した。
 主人公のプロ野球チームのエースが七イニングを無失点に抑える場面がある。『一回から七回まできれいに0を並べてやった』と書かれている。しかし五行あとで、妻を誘拐され、犯人から八百長を強要されている彼は二点リードの場面でこう考える。
『おれはこれからの三回で、すくなくとも三点は与えなければならないのだ』
 この『三回』は明らかに『二回』と書かれなければならない。

 ただこれも以前に書いたことだが、ぼくはこういう間違いを怒っているわけでもなければ、間違いを発見して優越感に浸っているわけでもない。単純に、こういうこともあるんだな、と思っているだけである。

 他には『外野手はノックのボールを全力で追いかけた』という文章が、『広岡達朗1982』(『みんなジャイアンツを愛していた』に収録)にある『守備についてはゴロやフライを狂ったように追いかけた』という文章に似ていて興味深かった。
2014年10月20日
 五月二十七日から桜川市で開催されていた「海老沢泰久展〜直木賞作家の横顔〜」も九月二十八日に終わった。四カ月の長期にわたる没後五周年イベントがついに閉じたわけだ。
 開催期間中、ぼくは二度足を運んだ。
 展示会場自体はさして広くなかった。ファンでもなければ、おそらく五分程度で飽きてしまうだろう。しかしぼくには宝の山だった。直筆原稿、中学・高校時代のアルバム、母校の国学院大学から借りたという資料の数々を丹念に見てまわり、六月に行った一度目のときは二時間も堪能した。
八月には海老沢さんの代表作『帰郷』をテーマにした読書会にも参加させていただいた。それが二度目のときだ。

 ここ五年ほどはこのサイトの訪問者数も一日あたり1.5程度しか増えていかなかったが、展示会開催期間中は文字通り倍増した。展示会のために製作されたパンフレットには、ぼくが受けたインタビューの回答も記載されていた。
 まったく、ファン冥利に尽きる一連の出来事だった。
2014年9月17日
 海老沢泰久氏の恩師と言えば、これはもう、現在國學院大学名誉教授で歌人の岡野弘彦氏をおいて他にいない。
 エッセイによれば、海老沢泰久氏が一九六八年に國學院大学に入学したとき、そのころはまだ助教授だった岡野弘彦氏と知り合ったようだ。以降、四十年以上の長きにわたって親交が続いた。
 海老沢泰久氏ゆかりの人物なら、いつか講演を拝聴したいものだ。二十年ばかり、ぼくはずっとそれを願っていた。
 実現したのは一昨年の春。早稲田大学で開催された講義だった。
 テーマは「『古事記』と小泉八雲から日本の原風景をたどる」というもので、話は実に機知に富んだ魅力あふれるものだった。古事記を語りながら、何度もそこから脱線して知性の旅に誘っていただいた。
「歌というものは黙読しているだけでは本当の意味の三分の一ぐらいしか理解できない。声に出して読むことで、その情景や心情を理解できる」
 という話が印象的だった。
2014年7月24日
『ライバル』(『スーパースター』収録)の書写終了。
2014年6月30日
『イン・ザ・ホール』(『スーパースター』収録)の書写終了。
2014年5月27日
 前回、「今も、未読作品がないかをインターネットで調べている」と書いたが、先週、ゾクゾクと身震いするような作品を見つけた。
 一九八一年にプレジデント社から発行されたムック「プロ野球 不滅のスーパースター」に収録された『打倒沢村の執念−松木、景浦ら豪華タイガース打線の秘密特訓』というドキュメントである。海老沢氏の長編デビュー作『監督』の発行が一九七九年だから、まだ駆け出しだったころの貴重な作品である。
 最初にこのムックをインターネットで見つけたとき、期待感は薄かった。詳しく調べてみるとすでに本に収録されている作品だったという経験を何度もしているので、今回も同じじゃないかと疑ったのだ。北海道の古書店が取り扱っていることが分っても、価格が千円だからダメ元で購入することに決めたものの、期待はずれに終わるだろうと思っていた。もっと高かったら買わなかったかもしれないくらいだ。
 それが、数日後に送られてきたそのムックを開いて驚いた。久しぶりに一瞬にして体温が上がる興奮に震え、満足感に満たされた。
 今日から9月28日まで、茨城県桜川市にある真壁伝承館歴史資料館で海老沢泰久氏の展示会が開催されるらしいが、それを祝うような掘り出しものだった。
2014年5月19日
 海老沢泰久氏が急逝してから今年の夏で五年になるが、ぼくは今でもときどきインターネットで未読作品がないかチェックしている。
 一年ほど前だっただろうか、グーグルで検索していたところ、「ラジオ文芸館」というNHKのラジオ番組がヒットした。
 詳しく見てみると、それは短編小説を朗読する番組で、一月十二日に海老沢氏の『小田原まで』が放送されていたことが分った。
 その情報によって番組の存在を知ったぐらいだから、当然、その放送を聞いているはずはない。
 ぼくは番組宛てにハガキを書いた。番組で募集していたのは「感想」だったが、ぼくはそれを無視して『小田原まで』の再放送をリクエストした。番組が求めているものとは違う内容のハガキだが、どうしても聞き入れてもらいたいリクエストなので、自分の簡単なプロフィールや、いかに海老沢泰久氏のファンであるかを綴った。ファンサイトのURLも添えた。
 それから四カ月ばかり経った九月二十八日、『小田原まで』は再放送された。
 こんどはちゃんと録音もした。
 その音源は、ぼくの宝物である。
2014年5月7日
 かれこれ十六年ほど前、毎週月曜日にラジオ日本で「広岡達朗のスポーツアイランド」というラジオ番組があった。主に、パーソナリティの高山栄さんが前週のプロ野球の勝敗結果を紹介しつつ、途中で広岡氏にコメントを求めるという進行だった。
 あるとき、広岡氏が不幸なかたちでジャイアンツを退団したときのエピソードに話が及んだのだが、高山氏はそのことをよく知らない様子だった。
 熱心なリスナーだったぼくは、番組宛てに海老沢氏の『みんなジャイアンツを愛していた』を送って高山氏にプレゼントした。「この本が参考になります」という手紙を添えて。
 するとそれから三週間ぐらい経ったころ、番組で高山氏が「ありがたいことに、こんな本をいただきました」と紹介した。ぼくは驚き、そしてもちろんうれしかったのだが、高山氏は著者名を「エビサワ タイキュウ」と読んだ。
 ぼくはすぐに「著者名は『エビサワ ヤスヒサ』と発音します。訂正とともに、広岡氏に海老沢氏との関わりについてお尋ねいただければ幸いです」という手紙を書いて、番組宛てにファックスを送った。
 ファックスは一時間後ぐらいに紹介された。高山氏は「実は『ヤスヒサ』と読むことは知っていたのですが、うっかり業界の言い回しをしてしまいました」と訂正したあと、広岡氏に海老沢氏とのつき合いについて訊いてくれた。広岡氏は言った。
「ぼくがヤクルトの監督をしていたときに彼が取材で来たのが最初。とても無口な男で、ぼくがいろいろ話すことに『ふん、ふん』と大人しく聞いているだけだった。心配になったので、話し終わったあと、『これで記事が書けるのか?』と訊いたら『書けない』と言う。『じゃあ明日も来るか?』と訊いたら『来ます』と言う。それでたしかあのときは三日ぐらい来たかな。そのあとはつき合ってなかった。でもしばらくして『ゲラができたので見てください』と原稿を持ってきた。それが『監督』という作品で、これはもう、大笑いしながら読んだ」
 それから高山氏は「ヒサさん、そういうことだそうです」と言って、次の話題に移った。
以下、書写終了:2013年11月26日『スーパースター』(『スーパースター』収録)、12月18日『再会』(『暗黙のルール』、『人はなぜスポーツするのか』収録)、12月24日『父の葬式』(『暗黙のルール』、『ぼくらのスコットランド紀行』収録)、2014年1月15日『新たな楽しみ』(『暗黙のルール』収録)、2月6日『ふたりのランナー』(『スーパースター』収録)、2月25日『記録』(『スーパースター』収録)、3月13日『いつも何かに怒っていた』(『快適な日々』収録)、4月1日『プロ野球選手の引退』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)、4月8日『川のある景観』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)、4月10日『微妙な香り』(『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)、4月17日『「美味礼讃」について』((『快適な日々』『ぼくらのスコットランド紀行』収録)
2013年9月30日
『輪唱曲』の書写を終えた。
 これで『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』『さびしい恋人』『夏の休暇』に続いて『二重唱《デュエット》』を丸々書写したことになった。
以下、書写終了:2013年4月10日『ひと月』、5月15日『友だちの恋人』、6月4日『二重唱《デュエット》』、6月28日『うそ替え』、7月23日『夜のタクシー』、8月13日『ウサギ』、9月10日『傷』(以上『二重唱《デュエット》』収録)
2013年3月14日
『季節』の書写を終えた。
 これで『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』『さびしい恋人』『夏の休暇』を丸々一冊書写したことになった。
2013年3月7日
『柔らかい孤独』書写終了。
 本というものは書きおろしでない限り、初出は雑誌である(今の時代ならネットというのもあるのだろうが)。
 作家は本にするとき、初出の原稿をチャックして手直しするものだが、ぼくは海老沢作品に関しては初出のほうも熱心に読んでいるので、海老沢氏がほとんど手直ししないことを知っていた。それは三年前にたまたま知り合った元サントリークォータリー編集者で海老沢氏の担当だった方の話とも一致していた。
 しかし例外もある。『柔らかい孤独』はぼくが知る限りもっとも多く手直しされた作品である。この作品を本で読んだ数年後に図書館で初出を読んだときには、別の作品ではないかと思ったほどだ。だからこの機会に、どこをどう改稿したのかをたどりながら書写してみた。
 すると、最後の三十行ほどは丸々改稿されていることは分っていたが、「ウィスキー」を「ウイスキー」と表記を変えていたり、話し言葉の中での「寝ている」を「寝てる」に変えていたりと、細部にわたって変更していることが分った。
 しかし一方、物語上のつじつまの合わないところが直っていなかった。
 この物語は三組の夫婦が旅先でそれぞれ別の組み合わせになって寝てしまう話なのだが、中盤、酔った木下貞二と組み合わせになった相手は羽田美也子で、そのことは妻の陽子も見ていたのに、後半、陽子は自分の夫が寝た相手は河野リサだと思っているのだ。
 たぶん海老沢氏の見落としなのだろう。木下貞二がそのあと相手を変えたのだという解釈も成り立たないわけではないが、そういう描写がない以上、やはり作者のチェック漏れだと思う。
 だがもちろん、ぼくはこのことを残念に思っているわけでもなければ批判的にとらえているわけでもない。こういうことがとても興味深いと言っているだけである。
以下、書写終了:2012年9月28日『鳥籠』、10月23日『あしたの約束』、11月14日『フィレ・ミニヨンの夜』、12月13日『遠い時間』、2013年1月10日『結婚記念日』(以上『夏の休暇』収録)
2012年7月9日
『川を渡る』の書写を終えた。これにより、『彼女の哲学』『サルビアの記憶』『オーケイ。』『男ともだち』『星と月の夜』『廃墟』『帰郷』『孤立無援の名誉』に続いて、『さびしい恋人』を丸々一冊書写したことになった。
2012年6月7日
 毎朝三十分、ペン字の練習をしている。万年筆で原稿用紙に書いている。
 最初の十分は練習帳のお手本をなぞる。「包」とか「曲」を一文字ずつ。あとの二十分は海老沢泰久の短編を書写している。毎日少しずつしか進まないが、まったくかまわない。目的は早く書写することではなく、可能な限りきれいに書くことだから。納得できなかったら同じ文字を何度も書くことだってある。
 それでも一カ月ほど経つと、一つの短編を書写し終える。
 今朝、『幸福の定義』(『さびしい東京』収録)を終えた。
2012年4月30日
 毎朝、出勤前にコーヒー・ショップでペン字練習をしているのだが、最初の十分はウォーミング・アップがてら、練習帳の文字をなぞり、そのあとの二十分を海老沢泰久の短編小説を書写している。
 先日は『二つの世界』(『さびしい恋人』収録)を書き終えた。
 ええと、ただそれだけのことです。
2012年3月10日
 ときどき、そう、月に一回ぐらいの頻度でグーグルでの検索を中心に海老沢作品の発掘作業をしているが、発見できずにいる。
 発見できないとサイトを更新できない。
 更新できないと、最終更新日がそのままである。
 最終更新日がそのままだと、来訪者から「もうこのサイトはこのままかな」と見放されるかもしれない。
 そうならないために、何もなくても、ときどきこうしてつぶやこうと思う。
2011年8月6日
 筑波に行く用事があったので、足を伸ばして下妻に寄った。そこには下妻市立図書館があって、五年ほど前に海老沢泰久氏が講演会を行った。その辺りが海老沢氏が生まれ育った土地なのだ。
 更新頻度がすっかり低くなったこのサイトにとって、じつにふさわしい話題と言えよう。
 図書館は開館してからまだ十年しか経っていないので新品同様である。読書コーナーの一角には八畳ほどの“和室”もあって面白い。
 ぼくは「本の案内」にいた五十ぐらいのおばさんに、
「五年前に講演した海老沢泰久さんを偲ぶような、何かしらの展示物はありますか?」
 と尋ねた。
 おばさんはそのときの様子を思い出しながら、ゆっくりとした口調で言った。
「講演会を開催したときに、入口周辺に著書を並べたコーナーを設けましたが、常設の展示物はないですねえ」
 ぼくは、もしおばさんがこの図書館で働き始めたのが最近で、しかもあまり本を読まない人だったら海老沢泰久氏を知らないのではないかと心配していたのだが、そんなことはなく、五年前の講演会のことを知っている人だった。そういう人から「常設の展示物はない」と教えてもらったのだ。展示物があればもちろん見たいが、ないことが分っただけでもぼくは満足だった。あるのかないのか分らないのが一番ストレスが溜まる。それだけは避けられたのだ。
 ぼくは館内をゆっくりと一周して図書館をあとにした。
2010年9月15日
 ペン字練習をはじめて六年ほどたつ。しかしいまだに「きれいな字」というレベルには達しない。映画『男はつらいよ』シリーズのエピローグで、旅先の寅さんから届いたハガキの文字がきたなくて笑える場面があるが、それと変わらない程度だ。手紙は直筆で書くようにしているが、受け取った人物が文字にうっとりすることはあり得ないと断言できる。子供のころにサボっていたツケなのだろう。そのツケが三十年以上の長きにわたり大きな利子を生んだのだ。簡単に返済できるものじゃない。だが、やらないよりはいいだろうと思って続けている。
 毎朝、出勤前のコーヒーショップで三十分程度の練習をする。その分早起きして時差通勤しているのだ。ウォーターマンの黒の万年筆で書いている。インクはブルー・ブラック。最初の十分はウォーミング・アップとして練習帳のひらがなや「土」とか「手」といった文字をなぞる。あとの二十分は海老沢泰久氏の短編を原稿用紙に書写することにしている。好きな作品であり、お手本にしたい文章を書いているのだからとても楽しい。
 ランダムに『走る理由』や『春の風邪』や『広岡達朗1982』など、特に好きな作品から始めたのだが、今やその数八十二作。六年も続けているとはいえ、先日数えてみて我ながらおどろいた。『帰郷』『廃墟』『男ともだち』『オーケイ』『サルビアの記憶』『彼女の哲学』『星と月の夜』は一冊まるごと書いた。
 だがむろん、これだけ書写したからといって、ぼくも海老沢泰久氏のような、すぐれた文体を持つ密度の高い作品が書けるようになるわけではない。むしろ書写したことで、簡単に真似のできる作品ではないことを実感として理解した。
 目的はあくまでも文字を少しでもきれいに書くことなので、ひらがなだろうが漢字だろうが、「これはちょっとひどいな」と思ったときはその文字を二回でも三回でも納得するまで書きなおす。そういうことはしょっちゅうある。
 しかし一度、短編『帰郷』に取り組むとき、「これは原稿用紙で何枚の作品なんだろう」と興味を持ち、作品どおりに書いてみた。ひどい字になっても書き直すことなく。それでこれが五十四枚の作品であることが分った。分ったから何だということはないのだが。
 ところで万年筆というものはあまり筆圧をかけなくても書けるし、鉛筆のようにときどき削る手間もない。シャープペンのようにカチカチと芯を出す必要もない。インクがなくなるまでぶっ通しで使える。学生時代には万年筆なんて使わなかったが、今になって万年筆のそうした面をとても便利に感じる。
 ぼくが使っている万年筆はウォーターマンの中でも特別高価なものではないのだが、宝物である。何たって、海老沢泰久氏も使った万年筆なのだ。
 国学院大学で講義を受けていた二〇〇二年秋のときだ。講義終了後、アパートから持参した『監督』と『美味礼讃』を持ってつかつかと寄って行き、サインを頼んだ。そのとき海老沢泰久氏が使ったのがぼくの万年筆だったのだ。
 そういうわけで、ぼくは毎朝、宝物の万年筆を使って好きな作品を書いているのである。そのせいだろう、早起きをつらいと思ったことはない。
2010年8月13日
「このサイトができるまで」に意図的に書かなかったことがある。そのことを一周忌の節目に公開することにする。
 第6章「その後」に、
「(海老沢泰久氏に)どうしても会いたいという気持はなかった。会う理由がなかったからだ。会ったところで、ぼくはあなたのファンですという以外、何もなかった」
 と書いた。
 たしかに初めて会ったのは国学院大学での講義のときだ。しかし実は、手紙で「ぼくはあなたのファンです」という気持は伝えていた。つまり、ファンレターを出したことがあるのだ。『美味礼讃』に圧倒され、「この人の作品を全部読む」と心に決めた一九九二年の春のことである。
 どんなに熱烈なファンかということを便せん三枚ぐらいに書き綴った。最初に読んだのが『監督』であること、最初の数ページで虜になったこと、以来、著書を愛読していること。読んだ著書のタイトルを全部書き、さらに、
「もし他に私の知らない著書があるなら教えてほしい。また、今後発売予定のある作品があるならそれも知りたい」
 とお願いまでして返信用のハガキを同封した。
 一週間ほどして返事がきた。ぼくは驚いた。多忙な作家が得体の知れない一ファンに返事をくれることなどないだろうと高をくくっていたからだ。返事には『ヴェテラン』と『快適な日々』の発売予定が書かれていた。そして別便で『二重唱』のサイン本が送られてきた。
 むろん感激した。だが一方、なぜ送ってくれたのが『二重唱』なのか分らなかった。ファンレターに特に好きな作品として挙げたわけではないのだ。ぼくはノートに残っていたファンレターの下書きを見てみた。それで分った。読んだ著書に『二重唱』を書き落としていたのだ。海老沢泰久氏は、熱心なファンが『二重唱』だけ未読だと思って送ってくれたに違いない。ぼくのミスから起こったことだが、予想もしなかった宝物を得てしまった。
 それから六年ばかり経ってこのサイトを作ったとき、今度は全ページのコピーを送って承諾を得ることにした。
「ファンサイトを作りました。著作権の侵害には細心の注意を払います。それでも予期しなかった面倒が起きたときには、当然ながら私が全責任を負います」
 添えた手紙にそう書いた。
 数日後、「かまいませんよ」という内容の返事が届いた。
 海老沢泰久氏は『これならわかる パソコンが動く』というマニュアルを書きながら、最後まで自分ではパソコンを持たなかった。それでぼくは、毎年秋になるとサイトのコピーを送って年に一度の報告をしていた。
 このことを「このサイトができるまで」に敢えて書かなかったのは、ぼくと同じことをするファンがたくさん現れたら海老沢泰久氏に迷惑がかかるのではないかと心配したからだ。すべてのファンレターに返事を書くのは無理だろうし、中にはファンレターとはいえない内容の手紙も含まれるかもしれない。考えすぎかもしれないが。
 全国に海老沢泰久ファンは大勢いるだろうが、ここまでやるファンはあまりいなかったのだろう、ぼくは覚えられた。
 それが分ったのは二〇〇二年秋に国学院大学で講義を受けたときだ。講義の第一回目、海老沢泰久氏が出欠をとった。ぼくも名前を呼ばれて「はい」と返事をした。すると海老沢泰久氏はゆっくりとぼくのほうを振り向いて、こう言ったのだ。
「君なのか?」
 ぼくは心臓が飛び出してしまいそうなほど緊張し、
「はい」
 と言った。
 それから海老沢泰久氏は、喜んでいる様子でもなければ迷惑がっている様子でもないニュートラルな口調で、他の生徒たちにぼくのことを説明した。
「彼は、ぼくのファンなんだ。何年か前にはホームページを作りましたと言ってコピーを送ってきたんだ」
 そしてぼくのほうを見て、
「君のホームページはすごい。みんな驚いている」
 と続け、出席とりの続きに戻った。「みんな」というのは仕事でつき合いのある編集者のことだろう。
 ぼくはフワフワと宙に浮いたような気分になり、自分を取り戻すのにとても苦労した。