LAN の基礎

言葉の意味の整理と LAN でできることの紹介です

ネットワークとは

ネットワークの概念網という意味の英単語。複数の要素が互いに接続された網状の構造体。ネットワークを構成する各要素のことをノード、ノード間をつなぐ線のことをリンクと言う。「NW」、「N/W」 などの略号で示されることもある (IT 用語辞典から)。

ここで扱うネットワークは、コンピューターのネットワークです。

コンピューターネットワークは、コンピューターが何らかの形で他のコンピューターやプリンターなどの周辺機器とつながっていて、お互いに利用できることです。

LAN とは? それに対する WAN とは?

LAN とは、ケーブルや無線などを使って、同じ建物の中にあるコンピュータや通信機器、プリンタなどを接続し、データをやり取りするネットワーク。Local Area Network の略称で、狭い範囲内でのコンピューターネットワークのこと。「構内通信網」と訳されることもある(IT 用語辞典)。

LANとWANの概念図

範囲の定義はないですが、通常は一つの敷地の中と考えるとよいでしょう。大学や会社、工場などの大規模な LAN もあれば、家庭での LAN のような小さなものまであります。

撚線(よりせん)や同軸ケーブル、光ファイバーなどで配線するものを「有線LAN」、電波を用いるものを 「無線LAN」 という。

LAN に対して、LAN で接続しきれない遠隔地のコンピューター同士(どうし)を接続するネットワーク形態を WAN (Wide Area Network) と言います。

WAN では、距離の離れているコンピューターや LAN 同士(どうし)を、通信回線などを使って接続します。

インターネットは WAN の形態で接続されています。身近な WAN です。世界中のコンピューター同士を相互に接続して構成されています。

WAN には、支店・支社を持つ企業などが情報共有のために構築することが多く、限定されたユーザーだけが利用できる、閉じた (クローズド) のネットワークと、インターネットのように世界中のだれでも利用できるオープンなネットワークとがあります。。

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クラウドコンピュ-ティングとは

最近よく聞くクラウドコンピュ-ティング(略してクラウド)は、インターネットの利用形態の一種です。

クラウドは雲 (cloud) のことで、利用者はパソコンや携帯電話などの利用端末を通してインターネットに接続するだけで、その先がどうなっているかなどを意識することなく利用できる環境のことを言います。

従来のコンピューター利用は、利用者側 (企業、個人など) がコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを、自分自身のコンピューターで保有・管理していた.。

これに対し、クラウドコンピューティングでは、利用者が用意すべきものは最低限の接続環境 (パーソナルコンピュータや携帯情報端末などのクライアント、その上で動くブラウザ、インターネット接続環境など) のみとなった。

利用者はクラウドサービス利用料金を支払う。

実際に処理が実行されるコンピュータおよびコンピュータ間のネットワークは、サービスを提供する企業側に設置されており、それらのコンピュータ本体およびネットワークの購入・管理運営費用や蓄積されるデータの管理の利用者側の手間は軽減されるというメリットがある。

具体例としては、Google 社の提供する Gmail があります。Gmail はメールサービスですが、各自のパソコンにメールソフトなどは必要ありません。すべてインターネット上に用意したサーバでサービスが動いています。

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LAN でできること

パソコンが LAN で接続されていると、接続した複数のパソコン同士でさまざまなことが行えるようになります。どのようなことができるのかを簡単に見ておきます。

複数のパソコンからインターネットに同時接続する

インターネット概念図LAN を構築することのもっとも大きなメリットと言えば、複数のパソコンから同時にインターネット接続できることでしょう。

複数のパソコンから同時にインターネットへの接続を行うには、LAN で接続する以外に、ブロードバンドルーター (ルーター型モデムも含む) が必要になります。

ルーターを通して複数のパソコンで同時にインターネットに接続できます。

ルーターを使うことにより、インターネットとパソコンが直接つながることが無くなります。これにより、インターネット側からパソコンに対して直接行われる不正アクセスを防ぐことができます。

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ブロードバンドルーターとは

家庭などで ADSL や光ファイバーなど、高速回線でインターネットに接続する際に使うルータ。ルータとは、異なるネットワーク同士を相互接続する機器のことです。

ブロードバンドルータは、ルータの中でも ADSL などのブロードバンドによるインターネット接続を前提として販売されている機器です。実際に使用するときのイメージとしては 「インターネット」 と 「自宅や会社の LAN」 という2つのネットワークを接続するための機器と考えるとよいでしょう。

ルータを使用することにより、複数のパソコンでインターネットに接続することが可能になります。

また、ルータはパケットフィルタリングという機能を持っていて、インターネットからのアクセスのうち、特定の条件を満たすデータ(パケット)だけを LAN に通し、条件を満たさないデータは通さない機能です。インターネットを通じて直接パソコンに感染するコンピュータウイルスやワームなども、適切なパケットフィルタリングをすることにより防ぐことができます。

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ダイアルアップルーター

公衆回線網を使ってインターネットサービスプロバイダにアクセスする機能と、LAN に接続する機能をあわせ持った機器です。ダイアルアップルーターとパソコンは LAN ポートを経由して接続します。

ダイアルアップルーターを使うことで、複数パソコンからインターネットへの同時接続が可能です。

プリンターの共有

プリンター共有の図一台のパソコンにプリンターを接続しておき、LAN でパソコン同士を接続すると、プリンターを接続していない他のパソコンからもプリンターを利用できるようになります。

ただし、この場合はプリンターを接続しているパソコンの電源も入れておく必要があります。

印刷のためにだけ電源を入れ起動させたパソコンを用意する方法をとらない場合は、プリンターを直接 LAN に接続する方法があります。

その形式には次の2つがあります。

1.ネットワーク対応プリンターを使う

2.プリントサーバーを使う

ネットワーク対応プリンターで共有する

ネットワーク対応プリンターの図プリンターによっては、LAN ポート (または無線 LAN)を搭載している機種もあります。これらのプリンターでは、直接 LAN に接続することで、 LAN に接続したすべてのパソコンから印刷ができます。

ネットワーク対応プリンターを使用すれば、印刷のためにだけ電源を入れ起動させておかなければならないパソコンも必要なくなります。

ネットワーク対応プリンタでは、パソコンから直接プリンタへデータを送ります。

2台以上パソコンをお持ちの方には、ネットワーク対応プリンタがお勧めです。

プリントサーバーを使って共有する

プリントサーバーの図LAN ポートの無いプリンターを、LAN 接続するためのネットワーク機器がプリントサーバーです。

自身に接続されたプリンターを、ネットワーク上の他のコンピューターと共有し、外部から利用できるようにするコンピューター機器です。

他のコンピューターからの印刷要求を受け付け、自分の管理するプリンターを使って順次印刷していきます。

印刷を行いたいコンピューターは、プリントサーバーに印刷データを送信した時点で印刷作業から解放され、後はプリントサーバーがスプール(一時保管)したデータに従って処理を行います。

このため、直接プリンターを接続して印刷する場合に比べ、各コンピューターにかかる負担を軽減することができる。

ファイルサーバーと並んで企業内LANの基本的な機能であり、プリントサーバー機能だけを持った小型の専用機器も販売されています。

プリントサーバーを使えば、通常のプリンターも LAN 接続できます。

ファイル(データ)の共有

LAN に接続している他のパソコンのデータを、自分のパソコンのデータと同じように扱えます。

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