初出 98-11-15

フィールドの観察 - 1/4

オニグルミ、シイの殻とエビフライ

[写真:上手に割れたクルミの殻]

成獣の食べたクルミの殻

リス研が定期的にオニグルミを給餌している給餌台の周囲には、このようにきれいに2つに割れたオニグルミの殻がたくさん見られる。オニグルミを食べることに慣れたニホンリスの成獣は、このように殻を上手に2つに割ることができる。この殻がどのように散らばっているかを観察することにより、ニホンリスの挙動をうかがい知ることができる。ニホンリスには、「お気に入りの木の枝」のような場所があり、給餌台からその場所までクルミを運んで食べることが多いようだ。


[写真:マツボックリの食痕(通称「エビフライ」)]

エビフライ

ニホンリスは、マツボックリの鱗片をひとつずつ剥いてはその奥にある小さな「マツの実」を食べる。全部鱗片が剥かれたマツボックリの芯は、このようにエビフライによく似た形で残り、観察者にニホンリスの存在を知らせる手がかりとなる。東谷山のニホンリスは、マツの実を主に食べてきたと考えられるが、現在の東谷山は松枯れが進んでおり、クルミなど代替の主食となる木の実がなければ、個体数の維持は困難となろう。


[写真:上手に割れていないクルミの殻]

幼獣の食痕

給餌したクルミの殻の中には、このようにきれいに2つに割れていないものが見られることがある。リスの幼獣によるものと思われる。顎の力が不十分であるか、クルミの殻を割るコツをつかんでいないために、うまく2つに割れないのであろう。このほか、クルミの殻に小さな丸い穴があけられているのが見られることがある。リスではなくネズミの食痕と考えられる。


[写真:シイとクルミの食痕]

シイ(左の円)とクルミの殻がすぐ近くに落ちていた。同じ個体が食べたのだろうか



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