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特集No06 幻の囲碁通信対局ソフト


これ以外の特集はこちら

No01「幻のメガドライブソフト」

No02「非公認18禁メガドライブソフト」

No03「嗚呼、、テトリス」

No04「MEGA-CDを極めし者」

No05「比較!鋼鉄帝国 vs STEEL EMPIRE」


ここでは、毎回メガドライブに関するちょっとしたことを特集していたはずの場所ですw

今回は、メガドライブでひっそりと提供されていた、メガモデムを利用した囲碁通信対局専用ソフトをご紹介します。


サンサン〜囲碁通信対局ネットワーク〜

現在でもインターネットを通じて通信囲碁対局システムを提供している株式会社サンサンがメガドライブの通信機能であるメガアダプタを利用して囲碁対局通信サービスを行うソフトが「メガドライブ専用 サンサン」です。

元々通信対局を前提としたネットワークゲームで、パソコン通信を利用した対局システムでした。これに、1994年から家庭でも手軽に遊べるように、と通信機能を持った家庭用ハードウェアということでメガドライブで発売されたのがこのサンサンになります。当時は専門店や雑誌による通信販売など、限られた範囲で申し込み受付が行われたようで、その発売本数も不明です。

このサンサンの特徴は、メガモデムを利用した「DDX-TP」というNTTのパケット通信網を利用したソフトで、メガドライブ版サンサンを申し込みするとこの申請手続き書類も送られてきたそうです。また、説明書によるとメガドライブ用ターミナルアダプタ「メガターミナル」も対応となっていて、当時普及し始めたばかりのISDN回線を使った「INS-P]方式にも対応しており、当時の申込書にはこのメガターミナルの申し込み書類もついていたそうです。
サンサンは、後記するGO-NETと各種ホームバンキングソフトとあわせて数少ないメガターミナル対応ソフトだったようですね。

ちなみにソフトには対局囲碁の機能だけでなく、通信を利用したメール機能や対局を保存する機能、他の方の対局を閲覧する機能、囲碁の打ち手を学べるモードもついています。

実は現在でもサービス自体は継続中のようですが、インターネット社会の昨今では家庭用ゲーム機での使用メリットは何もない状況ですので、当たり前ですが販売自体は終了しています。今から申し込みをしてもメガドライブ版サンサンのソフトは入手できませんのであしからず。このソフト自体を知っている方も少ないようです。また、利用料金も、現在は入会費1000円、年会費20000円で対局料はなしという定額制ですが、パケット通信代がかかった当時は1局あたりどのくらいかかったのでしょうね?

   


これがサンサンのパッケージです。正式なセガのライセンス商品ですので、「T-147013」の品番もかかれていますし、誇らしげに「メガモデム専用」というマークも入っています。


パッケージを開いたところ。サンサンのホームページに掲載されている絵そのままです。絵の作者は画家の「峰丘」さん。


パッケージの中身はシンプルですが、これ以外に別途申込用紙などが付属しています。また、このマニュアルには、メガモデムによる接続方式のほかに、メガターミナルを利用した通信方法が記載されています。


申し込み書類には、通信対戦の諸設定や、囲碁の基礎ルールが書かれているそうです。(某オクより申し込み書類画像。問題ありの場合はご指摘ください。)
プレイ内容については、MD STORM様をご覧下さい(^^;



GO-NET 遠くの人と碁が打てる!アイ・システム

こちらも現在もインターネットを通じて通信囲碁対局システムを提供している株式会社アイ・システムの「GO-NET」が、サンサン同様メガアダプタを利用して囲碁対局通信サービスを行う為のソフト「GO-NET」です。GO-NET自体は、国内で最初にパソコン通信によるネット囲碁を開始したことで有名です。

発売元はセガ、ソフト開発はGO-NETを運営するアイ・システムで、通信対戦の為のメガモデム、メガターミナルの開発はサン電子がかかわっています。
アイ・システムの社歴には昭和63年2月にメガドライブでの開発・販売を開始、とありますが、ソフトのパッケージにも「アイ・システム1992」と記載されていることから、おそらく発売は1992年以後であったと推測されます。

通信対戦の仕組みや内容については、ほぼサンサンと同じで「DDX-TP」と「INS-P」を利用したパケット通信対戦です。GO-NETの場合、ソフトの申し込み時に既にGO-NETの会員である必要があり、非会員さんの場合は同時に入会する必要があったようです。今でも利用料金として1ヶ月3900円、対局料262円がかかっているので、当時はさらにパケット通信料(さらに対戦中の接続料)がかかりましたから、正直なところよほど囲碁好きな方でも無い限り手が出しにくかったように思います。

先のとおり、こちらも説明書によるとメガドライブ用ターミナルアダプタ「メガターミナル」も対応となっています。ISDNが爆発的に普及したのは1995年のNTT-MEのTA,「INS128」が発売されてからになりますので、それ以前からINSを使ったネットワークを活用していたセガは流石というか、先取りしすぎというかw

ちなみに、このソフトは通信対戦以外にもGO-NET事務局からのおしらせが送られてきたり、対局者同士でメールのやり取り(全文字ひらがなですが・・)ができたり、
専用掲示板へのアクセスが出来たりと対局囲碁ソフトとしても基本機能をしっかりと備えています。この内容はサンサンもほぼ同等で、家庭用ゲーム機であることと、通信料を気にしなければ当時としてはかなり良いシステムだったのではないでしょうか。

ちなみに、現在はGO-NETのメガドライブ版による通信対局は行われておりません。
ですので、他の通信系専用ソフトと同様に完全にコレクターアイテムとなってしまいますw
   


GO-NETのパッケージです。こちらも正式なセガ発売商品ですので、「G-4533」の品番もかかれています。サンサン同様「メガモデム専用」という記載、マークも入っています。


パッケージを開いたところ。92年以降発売のパッケージにあるカートリッジ押さえのツメとケース上部にフック穴がついています。これが当時の正式なケースであるかは微妙です。


パッケージ裏面も含めて全部。ネットでもこのパッケージ画像を見る機会はほとんどありませんでした。


※上記ソフトは現在メーカー在庫はございません。サンサン事務局、GO-NETに問い合わせされることはお控えください。


終わりに

実に3年ぶりの更新になりますw
昨年GO-NETのソフトをある方から譲っていただいたあと、ずっとレビューをしようと思っていながら一年半も経過してしまいました(^^;;;;;;
ずっとお待ちいただいていたNさん申し訳ないですm(__)m

囲碁ソフトについてはその存在を知ったのも5年位前ですし、そこから運よく入手できるまで4年の歳月がかかりました。今でも某オクではサンサンは時折出品されることがありますが、GO-NETについては全くといっていいほど見かけません。セガ純正テトリスを筆頭に、ホームバンキング系ソフトとあわせて非常に手に入りにくい1本になっているとは思います。

こういったソフトが出てくると、他にも通信機能を使った、知られざるソフトがあるのではないかと思ってしまうんですが・・・どうでしょう??

それでは!


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