晴耕庵の談話室

NO.85



標題:英国海峡を渡り、ノルマンの跡を訪ねて

REPORT

2003/7/15

ロンドン憶良様


 こんにちは、2000年の5月にお世話になったA.Iです。
先日、長年の念願がかない、ヘイスティングズ、ぺヴェンシー海岸、
バトルへと行って来ました。出発前に、ロンドン憶良さんのHPで勉強
させていただいたおかげで、実に有意義な旅となりました。

 今回は、シェルブールからフェリーでポーツマスに入りました(入国
管理官に今回もてこずりました)(英仏海峡を渡る経験をしたかった
のです)。シェルブール近郊のコタンタン半島にあるLA HAGUE(ラ・
アギュ)県には、本で見たようなアイルランドの石で囲まれたジャガイ
モ畑のような麦畑がたくさんあり、やはり英国およびアイルランドとバ
ス・ノルマンディー地方(アイルランドからやって来たヴァイキングが多
い)の共通点を感じました。

 地名もNORMANVILLEなど、ヴァイキングにちなんだ名前が多く、驚
きました。現地の人にいくつかの質問をしましたが、「この地方の人々
は、皆出身がヴァイキング」と言っていました。もちろん各地から人々
が来て住み着いているのですが、ヴァイキングの到来とともにそれま
でいた人たち(ケルト系、ローマ人系、ゲルマン系の人々など)を追い
やって(または殺して、または混血して)、文字通りの「ノルマン人の住
む地域」となったそうです。

 まだまだ驚きの調査結果がありますが、先ずはお礼まで。憶良さま
のHPで本当に勉強になりました。ありがとうございました。

                             A.I. 

THANKS

2003/7/17

A.I.様


お久しぶりですね。メール有難うございました。
私のHPや著書を読みなおして英国をゆっくり旅した人が数人います。
最近も友人が帰ってきました。彼は奥さんとレンタカーでヘイスティン
グズ、ぺヴェンシー海岸、バトルからヨーク、更にスコットランドまで行
ってきましたが、ノルマン・コンクェストの壮大さに驚いていました。

また来月はスコットランドにビジネス出張する別の友人が、会議後に
ハイランドを一周する参考に小生のHPを読んでいます。
いろいろな方が、単なる観光旅行から一歩深く突っ込んだ旅を楽しむ
ようになり、そのお役に立ててうれしく思います。

A.I.さんはシェルブールからフェリーでポーツマスとは、まさに往時の
ノルマンの体験ですね。

私は「世界管見」にアップしていますように、ルーアン、カーン、バイユ
ー、モンサンミッシェルまでで、シェルブールまでの日程がありません
でした。
コタンタン半島の様子がメールでよく分かります。有難うございました。

その他の調査報告も楽しみにしています。

                      ロンドン憶良


REPORT

2003/7/18

ロンドン憶良様

 早速のお返事、ありがとうございます。ロンドン憶良さまのHPはどの
専門書よりも詳しく、またわかりやすいですね。

 コタンタン半島のラ・アギュ(ガイドにはラ・アーグとでています)県の
地名は、ラテン語起源であるとかゲルマン語起源である、という事が
はっきりしている場所があります。そして極めつけがスカンディナヴィ
ア起源の地名です。たくさんあります。

 また、ラ・アギュ県はボーモン郡に属しているのですが、ボーモンと
いう名前は、1066年にヘイスティングズの戦いでウイリアム征服王
と共に戦ったロベール・ボーモンとという人と関連があるようです(功
績を残したので領土を与えられたと私は想像しています)。

 ですから、コタンタン半島はヴァイキング関連の歴史的宝庫といって
も過言ではない地域です。フランス側のものですが、興味深い資料も
たくさんありますので(でもたいていフランス語)、ゆっくりと勉強して行
こうと思っています。

 これからもHPを楽しみにしております。特に聖パトリックの話に期待
をしております。彼がガリアで歩いた場所がコタンタン半島の西側だ
ったと言う説もあるようです。コタンタン半島は他のフランスの地域に
比べてキリスト教化が早かったようで、それはひょっとしたら聖パトリッ
クの活動の結果なのかもしれません。

 それでは、またご報告させていただきます。

                                       A.I.
RESPONSE

2003/7/22

A.I.様


コタンタン半島は、一時期ウィリアム征服王の末子ヘンリー王子の
所領でもありましたね。旅をしますと、だんだんと歴史の点と線が結
ばれ、さらに面にと広がりが見えてきますね。
他の方のご参考になると思いますので、地図をつけてみました。



あちこち手を広げすぎて、聖パトリックの話も途中で頓挫しています
ので、継続しなければと思っていたところです。
その方でも参考になります。

ではまた

                         ロンドン憶良



女王の島―チャネル諸島―
モン・サン・ミッシェル大修道院(3)―ノルマンディー公と島―
ルーアンの史跡めぐり(1)―”ジャンヌよ、剣を取れ”―
カーン逍遥(2)―”征服王ウィリアム鎮魂の町”―
バイユー暮色



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