コンサル棒屋⑦:支出の算出方法
[コンサル棒屋⑧]、[⑦]、[⑥]、[⑤]、[④]、[③]、[②]、[①]
病院めぐり 木村泌尿器皮膚科.臨泌,67,719,2013.
オフィスウロロジー2015
開業前に相談させていただいたコンサルタントの中で、大変役に立つ資料を作成していただけたのが、
オク〇アイでした。
収支予測をExelで計算して見せてもらえました。
その表には医薬品費・診療材料費・消耗備品費をいくらとしてシミュレーションすれば良いか、出ていました。
医薬品費は外来収入の2%を計上
診療材料費は外来収入の2%を計上
消耗備品費は医業収入の1%を計上
光熱水費.委託費.通信費.その他についても、
その他経費として医業収入の7% を計上
となっていました。
私が現在使用しているTKCの会計ソフトでは、.患者数に応じて変化する支出を変動費、
患者数に無関係の支出を固定費と分け、
委託費(保健科学の外注検査)は変動費、光熱水費.通信費は固定費の方に分類されています。
患者数が増えれば、エコーや膀胱鏡が稼動しますから、電気代も増えそうですが、
患者数0でも、電気や暖房を切るわけには行きませんから、
電気代は変動費なのか、固定費なのか、よく分りませんが、
とにかく、オ〇スアイの資料を基にシミュレーションしましょう。
Exelのソフトそのものをいただけたわけではありませんが、印刷してもらった「木村クリニック」の事業収支計画書・資金繰表を元に、
自分で似たような計算シートを作りました。
そして東京三菱から3000万円融資してもらうとして、それに自己資金〇〇円を基に、
いくらの設備を揃えて、何人雇って、スタートしても大丈夫か、いろいろシミュレーションしてみました。
3000万円のうち、テナント保証金/礼金や内装工事費・医師会入会金を引いた残りで買える機器の値段は〇〇円。
これで買えない物は、リースにします。
テナント賃借料
ローン返済(支払利息・元金返済)
は決まっているので、
給与費(つまりどんな職種を何人雇うか)
リース料(どんな装置をそろえるか)
だけが、Exelでいじれる数字となります。
開業後、このグラフのスピード(1年目は目標の35%、2年目は目標の70%)で患者数が増えて、3年目に1日40人という患者数が達成できるとし、
患者一人1日当たりの診療単価を4000円とすると、
私の自己資金〇〇円を運転資金として、
職員〇人、
リースは〇〇円とした場合、
21ヶ月目に運転資金は0になり、その後は上昇する、と分りました。
このグラフの青い線です。
赤い線は、
患者一人1日当たりの診療単価を5500円とした場合です。
運転資金がどんどん消えていくのは、1日患者数40人を達成するのは3年目としていて、1年目は、目標の35%、2年目は、目標の70%、としているからです。
患者数が少ないときも、固定費であるテナント料・リース料・ローン返済(支払利息・元金返済)・給与は支払わなければなりません。院長一家の食い扶持も必要です。
東京三菱には1年目の元金返済は免除してもらえますが、
「今日は患者さんが少ないから、もう帰っていいよ、給料もなし」と職員に言うわけには行きませんし、
「父ちゃん、破産しそうだから、奨学金を申請して」なんて娘に言えません。
上向きかけた線が13ヶ月目からまた下がっているのは、元金返済が始まるから。
実はこの計算に入っていない支出に税金があります。
「税金は黒字になってから払うものだから、クリニックが軌道に乗らないうちは関係ない」と思ってはいけません。
税務署は元金返済は支出とは見なしてくれません。
コンサル棒屋⑧:元金返済額と減価償却費、に続く。
事業収支計画書と上の文章中の〇〇円はブログでは公表しません。このブログを読んでくださっている泌尿器科医の方、
7月3日(土)、聞きに来てください。
7月3日(土)は午後休診にするのに、
前座の時間帯は客席がらがらでは寂しいですから。
[木村泌尿器皮膚科院長日記一覧]