2023.10.27

ちょうど雷雨になったのだが、3時過ぎに出かけて、図書館で本を返して、また借りてきた。その足で平和公園を横切って、広島文化学園HBGホールに行った。7-11でサンドウィッチを買ったが、お昼が遅かったので食べなかった。そうそう、広響の第435回定期公演を聴いたのである。下野竜也氏が N響に移るので、最後のシリーズの一つということと、半田美和子がゲスト出演するので、まあ、聴いておこうか、という感じである。

演目は4曲。サミー・ムーサという人の本邦初演『エリジウム』は、音の塊がうねるように動いていく。勿論退屈しないように細かい動きも入ってはいる。まあまあ良くできた演奏で、何かしら感じさせるものがあった。

次はベートーヴェンの交響曲2番。ぐっと判りやすくなる。ちょっとモーツァルトの『ジュピター』を思わせた。まあ、良いのだが、それにしてもベートーヴェンはしつこい。半分位にして欲しいものだ。

後半最初はモーツァルトの歌劇『イドメネオ』序曲。これはまあすっきりして良い演奏であった。

最後がお目当ての、ベルク『ルル組曲』である。ベルクは例の無調音楽で、『ルル』というオペラを作った。欲望のままに生きて男たちを不幸にする女の物語である。それから抜粋して組曲にしたものである。これは退屈しなかった。3曲目のアリアに半田美和子が登場して、例の調子で喚くのであるが、オケの迫力にやや押され気味で残念であった。最後の曲は、途中で、ギャーという叫びをあげてから登場する。これは彼女が殺されたシーンである。そして、「ルル私の天使もう一度あなたを見せて!そばにいるわよ!ここにいるから!ずっとよ!」と歌う。これはどうも、ルルを愛していた伯爵令嬢が刺されて死ぬときの言葉らしい。ともあれ、この最後の曲だけは、何故かグッと心に突き刺さった感じがした。無調とはいってもそれなりに秩序がある。。。ネットで調べると、Barbara Hannigan という人が指揮をしながら歌っている、びっくり! 例の "Mysteries of the Macabre" も指揮をしながら歌っている! うーん、これは敵わない。

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