2023.11.04
『ジオサイコロジー』 中沢新一×河合俊雄(創元社)
(宗教史)後は何だかだらだらと読んでしまった。言っていることは面白いが、真偽判断はできない。
・保存可能な穀物を手にして以来、人間は富を蓄え、手にするものが増殖していくことを善として生きてきて、現在はその限界に到達しようとしている。・中国大陸に漢民族が勢力を増して、心の古層から抜け出すことが出来なかった人々が周辺に追いやられた。その一派が倭人である。漁労と農耕(と海賊)の民である。縄文人は倭人を受け入れて弥生時代に入った。
●中沢新一は、東京や大阪と言った「近代都市」もよく観察すると単なる合理性ではなく、人々の心の奥底にある古層、地形とそこに付与された神話的イメージに影響を受けていることに気づいて、「アースダイバー」シリーズで採りあげた。これをサイコロジーに準えてジオミトロジーと名付けた。それは「聖地」において顕著に見られるので、今回「アースダイバー神社編」を書いた。この本はいわばその紹介である。精神分析というのも深層心理を扱うのだが、やはり「象徴」に拘り過ぎていて、その奥にある古層がしばしば見失われている。そういう意味で、河合俊雄が興味を抱いた、という次第である。これはまあ、「アースダイバー神社編」を読まないと判らない。 <目次へ> <一つ前へ> <次へ>