2023.02.24

    録画で少しづつ東京バレー団の新作『かぐや姫』(振付は金森穣)を観た。4日位かかった。原作とは大分筋が違っていて、村人との恋が彼の結婚によって裏切られる、というロマンスが追加されている代わりに、求婚者達とのやり取りは申し訳程度に簡略化されている。曲は全てドビュッシーで、これだけはなかなか良かった。主人公の衣装は白いレオタードで、細い身体がそのまま、という感じ。まあ妖精的とも言えるが、何か着ておいた方が見栄えがしたのではないかと思う。翁役がユーモラスでなかなか見事だった。ちょうど、『コッペリア』の博士みたいな感じ。最初と最後に竹林の群舞が出てきて、これはなかなか良かった。当然衣装は緑色のレオタードであるが、これはこれで効果的であった。これも最初と最後であるが、背景に満月があって、月と行き来する為の白い階段という舞台も良かった。またこの時は、かぐや姫も付き人も白い半透明の長いベール姿をしていて、幻想的。これまた、古典バレエ『ジゼル』を思わせた。

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