The Conti入院g Story of Bungalow Bill 第12章

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【過去の下つゆINDEX

 2022.12/3(土)  337 

1日目【Saturday Night's Alright for Fighting】

早くに寝つこうと努力はしたんだがふとんをかぶって電熱敷布を半開にして体がガクガク震えてどうにもならない。昨夜より酷い。寝そべっていながら呼吸が追いつかずにハーッハーッハーッと強く息をしないでいられない。それで不足なのだ。もはやこれまで。死ぬのは構わないが苦しいのは敵わない。観念して実家にSOSをTELし,実兄に救急車を呼んでもらった。21時半ごろだったと思う。

体温は40.5℃,それで血中酸素が96%あって――おれ,この数字は落ちないのだ――意識の明瞭なところが却って苦しい。救急隊員が毎分1Lの鼻酸素を着けてくれ,毛布に巻かれたら少し落ちついた。おれは既に助かっているという,どえらい安心感がある。高熱なだけに月イチの通院先に受けいれ要請をして,OKの出たあとで移動開始となった。

緊急外来に隔離されてまずはPCR,それからCTとレントゲンのダブル撮影である。喉が渇いてしかたがない。紙コップにストローで二度三度と水道水を飲ませてもらった。幸い新コロナは陰性で,呼吸器科の個室に上がれる。着の身着のままで来たため時計も何もなく,ジツは病院に到着した時刻からしてわかっていない。とにかく水だけは欲しいので,看護師さんに病棟内の自販機からPETボトルの水を買ってきていただいた。まことに申しわけない。

懐かしの点滴ルートが左腕に穿たれ,抗生剤の注入が始まった。溲瓶を借りて何度も排尿し,いずれもだいたい300ccなのがおかしい。排尿量でその人のバイクの適性排気量を占うのはどうか。

保険証と診察カードは持参して渡してある。スタッフの会話を漏れ聞くにワクチン4回済みが即行でばれてたんだけど,あれ,何で照会したんだろうな。

 2022.12/4(日)  338 | 41.2kg

2日目【Blue Sunday】

血液検査の結果から胆管炎かもなあというので終日絶食。特におなかが痛いじゃないが,そう言われると違和を感じるセンシティヴなわたくしだ。点滴の抗生物質投与が続き,再度PCRを行なって陰性を確認した。

体温は36.2℃から37.8℃までまちまちに出る。鼻酸素を終了した。排便に一度だけ車椅子でつれていってもらい,あとはおれの裁量で歩いてヨシとなっている。

兄が取りあえずの入院セットを持ってきてくれた。誰によらず病棟内面会禁止なので,荷物だけが病床に届く。おれのリクエストはケータイと充電器・財布にクレカだけだったんだが,割りと細ごま入っている(あとで思うに半分正解だった)。

2GBのメモリにけもフレ3をロードして,何とかログイン皆勤を守れてひと安心。日次ルーチンは半分がとこ諦めた。電池はいいが,パケットがなー。

 2022.12/5(月)  339 

3日目【Manic Monday】

採血して入院着交換,パンツ穿きかえ。入院着は日払いのレンタルである。胆管炎は大丈夫そうなので昼から食事が出ることになった。新コロナは陰性確定で,今回の病名は「肺炎」である。

昼食: 赤身魚の蒲焼き,あと忘れた。横浜の病院と違ってお箸がついてなくてびっくりだ。

夕食: とんかつ・ブロッコリー。ごはんおいしいな。「温かい食事」に注力してる感じだ。

怖ろしく頭が痛い。眉間とおでこがギリギリする。カフェイン切れかも。

『三体III 死神永生(下)』を読みきった。このまま積ん読の消化に努めよう。

 2022.12/6(火)  340 

4日目【Ruby Tuesday】

朝食: コッペパン(50g×2)・ソーセージ・メロン・ヤクルト。希望を訊かれたから牛乳にプラスの飲み物と勘違いしてヤクルトをお願いしたんだが,差しかえだったのね。失敗失敗。

昼食: 牛皿・ウズラ玉子じゃが。

シーツ交換。コーヒー飲みたいと愚痴ったら買ってきてあげましょうと仰るので,甘ーいのとお願いしてジョージア贅沢ミルクのカフェオレを入手(申し訳ないからと千度お断わりした上での遣り取りなのよ)。

悪寒がする。「ギガ」が足りそうもないのでIIJの追加クーポンを買った。1GBぶん1本220円。

夕食: 鰯大根・焼き豆腐・茄子(←初めて残した)。

PPPPPPPP(←小便8回・大便ナシの意)

 2022.12/7(水)  341 

5日目【Wednesday Morning 3 A.M.】

採血。

朝食: コッペパン・玉子焼き・味噌汁・ヤクルト。

服薬の管理を任される。月曜日には帰されると思ってたんだけど,退院は早くて来週の見込みと聞いた。おれも即日ぶり返すのが怖いからそれでいいと思う。そんでリハビリで運動しなさいとのことだ。

昼食: 白身フライ・ひじき蓮根人参・キャベツベーコン・茄子×。ごめん茄子だけは食えない。

抗生剤の点滴は続いている。37.6℃をマーク。リハビリは主に病棟の環状通路をゆっくり歩くことである。途中でDルーム(と自販機)を発見した。

新コロナ陰性だったので大部屋に移る。と言っても二人部屋である。二人は珍しいね。窓がなく,病棟回廊とナースセンタのバックヤードを繋ぐ通路兼用である。緊急度の高い患者用だな。37.2℃。

夕食: 生揚げ味噌煮・おかか和え・吸い物。

元もと将来の入院用にと半額セールのときに買っておいた『グランバカンス 廃園の天使』をあっさり読んでしまった。IIJの追加クーポンを1GBぶん2本購入。こうなるとベースの月間ギガ契約を増量するほうが安い。次あらば要点である。

PPQPQQ

 2022.12/8(木)  342 

6日目【Thursday Afternoon】

木曜の早朝にしか飲まない薬がある。骨粗鬆症の予防薬だ。抗生剤の点滴変わらず。36.9℃。

朝食: コッペパン・ジャーマンポテト・玉葱ポタージュ・ヤクルト。

清拭と着替え。シャワー浴びてもいいみたいだがめんどくさい。Dルームへ行き,いろはすとジョージア香るブラックを調達する。

昼食: 豚こまカレー炒め・厚揚げ胡瓜・キウイ。

37.1℃に上がってしまった。とどめのPCR3回目を受け,陰性。

点滴のままリハビリ。ベッド脇でごく軽いスクワット。それから病棟の回廊周回(半周)。

夕食: パン粉焼き・鶏ジャガ・蜊ケシ和え。

『ラギッドガール 廃園の天使II』も読んでしまった。また点滴。

QPQ QPP PPP P

 2022.12/9(金)  343 

7日目【Friday Night Fantasy】

採血と点滴。点滴ルートは交換して3基目。

朝食: コッペパン・玉子炒め・味噌汁・ヤクルト。

積ん読がなくなったのでリンカーンシリーズの最新刊を仕入れる。足湯で足を洗ってもらう。これは初めての体験だ。

昼食: 魚西京焼き・かぼちゃ・和え物。

Dルームへ行き,香るブラック(ホット)を調達する。

お医者いらして退院はあした! 数字が合格ラインに達したようである。Dルームへ取って返して兄にTEL。おれひとり甘いワンダで乾杯する。

入院計画書・休日退院連絡票・リハビリ実施計画書など,書類が揃いはじめた。

リハビリ室に移動(エレヴェイタと歩き)してのリハビリである。握力を測ったら右25kg・左23kgであった。中学のときと変わってない気がする。

夕食: 栗ごはん・掻き揚げ・おひたし・吸い物・メロン。

何かちょっとハラ痛い。最後の点滴終わってルートが撤去された。

Q QP QQP QPP

【きょうの愉しみ】

  1. 真夜中の密室 [eBook]Jeffery Deaver・池田真紀子(訳)文藝春秋

 2022.12/10(土)  344 

8日目【One More Saturday Night】

服用の抗生剤を処方してもらう。

朝食: コッペパン・炒り玉子・クラムチャウダー・ヤクルト。

Dルームでミルクコーヒー。

昼食: 鶏肉塩焼き・薩摩芋と林檎・白菜サラダ。

退院が午後なのは,実に昼飯を食って帰るためだ。食ったら即着替える。チェックしてもらって12時半に退室。本当にお世話になりました。

土日休日なので,正面玄関が閉まっている。会計業務も休みだから支払いは次回の通院時である。緊急外来の出入り口に回って13時前に退館した。

僅かな手荷物がくそ重い。タクシーを待つあいだの日差しが暖かくて助かった。はあはあと息を荒げながら後部シートに乗りこんで,バッグを引きこもうとしたときに,したときにーっ,パキパキッと背骨が鳴ったのである。さあっと顔から血の気が引いた。やっちまった。やっちまった。


【本頁パクリスト】

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