AZ−1のエンジンルームからの出火を想定した消火実験、実験結果
ここには2つのムービーがある。1つはエンジンルーム側から撮影した物。もう1つは、室内から撮影した物だ。つまり同じ実験を2つのカメラで同時に撮影した物を紹介する。なお線香の火(くすぶっている火)の消火は大変難しいので、消棒レスキューもどきで消火できない。
まずエンジンルーム側から撮影したムービー。実は二酸化炭素の噴射の調子がちょっと悪かった。そのため噴射の勢いが弱く白い霧が出たりでなかったりする。が、二酸化炭素の流れを確認する上ではこの方がわかりやすいので、このムービーを採用した。
次に室内から撮影したムービー。注目して欲しいのは線香の煙。また白い霧がどのように広がるかにも注目して欲しい。
まず線香の煙の動きだが、エキマニ上の煙は拡散されてしまった。従って、エキマニに対しては狙い通り二酸化炭素が当たっていると考えられる。一方インタークーラーの線香だが、煙の動きに変化が見られない。従って、インタークーラーのあたりまでは二酸化炭素が到達していないと考えられる。
白い霧に目を転じると、プラグカバーの上・ブローオフバルブ付近までは到達しているように見える。下方向ではタービン上まで到達しているように見えるが、オイルフィルターあたりには到達していないように見える。周囲の配管の影になって届きにくいのではないか。
私の当初の思いでは、メンテナンスハッチの蓋に二酸化炭素が当たることで広く拡散するのだろうと考えていたのだが、この実験を見る限りではそうなっていない。いかに直接当てるかが肝心なのではないかと思われる。
今まで、消棒レスキューもどきを用いて実験を繰り返してきたが、次頁ではいよいよ本物の消棒レスキューを用いた噴射実験の様子を紹介する。