下総・行方の古刹・城館巡り

訪問記近くの町の郷土史同好会の研修会に飛び入り参加させていただき、2003年11月3日・4日と一泊二日で下総・行方を回ってきました。初日は小雨に煙る下総路の古刹巡り、二日目は秋晴れの下、主に麻生町の中世城館を回りました。城館については城館名をクリックしてご覧下さい。
参考書『重要遺跡調査報告書II(城館跡)』
[2003/11/03] 初日は、小雨に煙る下総路の古刹巡り

滑川観音龍正院の夫婦松

 千葉県香取郡下総町滑川1196

 坂東三十三所霊場第28番札所龍正院(天台宗)。茅葺きの仁王門(国重文)ほか多数の文化財を所有。黒松(男松)と赤松(女松)が根元で合体した珍しい樹形。

神崎神社のナンジャモンジャの木

 千葉県香取郡神崎町神崎本宿1994

 神崎神社拝殿脇の大グスは、延宝2(1674)年、水戸光圀が参拝の折、「この木はなんというもんじゃろうか」と自問されて以来「ナンジャモンジャ」と呼ばれるようになった。明治40年12月26日の社殿の火災で焼け、高さ7mほどで切断されたが、その後ひこばえが良く育ち樹今では高さ20m以上に達している。国の天然記念物。
 改修前の利根川は神崎神社のある台地を巻き込むように流れていたそうで、台地基部にある西の城貝塚付近は中世城館址らしい。とするとこの神崎神社も城館関連遺構と考えるのが自然だろう。実際本殿背後に回っている土塁は神社の土塁にしては規模が大きい。
[後日、神崎神社は神崎城東の城、西の城貝塚付近は西の城、神宮寺背後の山が中の城であることを知った。]

佐原小野川沿いの風情

 千葉県佐原市

 小野川のほとり、伊能忠敬記念館近く。

佐原の真言宗観福寺

 千葉県佐原市

 古刹に相応しい佇まい。日本3大厄除大師だそうだ。銅像十一面観音坐像はじめ4体の国重文を所有する。境内には伊能忠敬はじめ伊能家代々の墓所もある。

潮来の臨済宗長勝寺

 茨城県潮来市

 文治元年(1185)源頼朝が武運長久を祈って創建した寺で、元徳2年(1330)鋳造で北条高時寄進の銅鐘(国重文)や本堂(県文化財)など文化財も多い。

[2003/11/04] 二日目は秋晴れの下、行方の城館巡り

麻生藩陣屋

 茨城県麻生町麻生

 陣屋跡地(麻生小学校)の東隣りには家老屋敷が残る

麻生城

 茨城県麻生町麻生

 写真は、駐車場西側周辺で、堀と土塁が複雑に配置されている

小高のカヤ

 茨城県麻生町小高

 県指定の天然記念物で幹周囲約5.6m、推定樹齢600年。県内のカヤでは横綱級だそうだ。所在地は玉造町の西蓮寺の末寺である神宮寺跡だという。

小高城

 茨城県麻生町小高

 写真は、本丸虎口の土塁

船子城

 茨城県麻生町船子

 写真は、本丸と三の丸間の堀切

西蓮寺近く、なまず料理がおいしい大形屋

 茨城県玉造町西蓮寺

 なまず料理などと聞いて泥臭いのではと躊躇したのだが、どうしてどうして刺身はさっぱり、蒲焼きはぷりぷり、汁はたっぷり、なかなかおいしいものでした。

西蓮寺の仁王門(国重文)

 茨城県玉造町西蓮寺

 最澄の高弟、最仙上人開基といわれる行方の名刹。明治時代の火災で弘安の役戦勝記念の相輪とう(国重文)と仁王門(国重文)を残して焼けてしまった。西蓮寺は中世の小貫城跡で南側に降りる袖ふり坂は虎口である。