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次に、この湿地で見られる、その他のトンボを紹介します。ハッチョウトンボが日本最小なら日本最大はオニヤンマです。朝の5時頃写真を撮りに出かけたことろ、ちょうど羽化をしたことろでした。ハッチョウトンボのヤゴは水中ではきっと、随分食べられたことでしょう。

羽化したばかりのオニヤンマ ヤゴの抜け殻。脱皮直後。
彼らにとって種を残す道は、できるだけ多く子孫を残すこと、それしかありません。オニヤンマが海のマグロなら、ハッチョウトンボは、さしずめ海のイワシといったところでしょうか。誤解のないように書いておきますが、ヤゴの抜け殻は左のオニヤンマのものではありません。

雨上がりの朝、梅雨の合間に撮影に出かけたところ、湿地の周りの木にそこらじゅうにねちょねちょの、なんとも奇妙な物質がついています。実は、これ、モリアオガエルの卵なんです。とても粘度が高く、こんな中に卵があるとは思えないほどです。ちょっとやそっとでは落ちそうにないんですが、中には、木から落ちてしまった卵もあります。下に、狐らしき足跡があったので、狐の仕業かもしれません。卵を見かけてから2週間ほど経ったある日、湿地を覗いてみるとおたまじゃくしが泳いでいました。モリアオガエルのおたまじゃくしの棲む池にはイモリが多く、落ちて来たおたまじゃくしは次から次へと狙われるのですが、幸い、ここには、水量が少ないせいでしょうか、イモリを見かけたことがありません。イモリがいないだけまだ生存競争は楽かも知れません。

モリアオガエルの卵 モリアオガエルのおたまじゃくし
8月に入ると、湿地の様子はがらりと変わります。ハッチョウトンボを狙うモウセンゴケも姿を消したとともに、ハッチョウトンボもほとんど姿を消してしまいます。オニヤンマは大きなテリトリーを巡回しています。オオシオカラトンボも数多く見られます。このごろ、シオカラトンボよりもむしろオオシオカラトンボの方がよく目につくような気がしますが、気のせいでしょうか?オスは見晴しのよい枯れ枝の上でメスがどこにいるかじっと観察している様です。
オオシオカラトンボのオス 樹上で交尾をするオオシオカラトンボ。
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