るびりん書林 別館

「偽情報退散! マスコミとお金は人の幸せをこうして食べている」
THINKER(徳間書店 2011年3月)


→目次など
→カテゴリ

■お金に縛られていく社会を作るマスコミ■

子供の頃、偽札を作れば丸儲けできると妄想したことがある人は多いだろう。 しかし、紙幣を発行できるのは「国」だけだと知って、すぐにがっかりさせられたものだ。

ところが、実際に紙幣を発行しているのは国ではなく個人であり、しかも、その紙幣には裏付けなんて存在せず勝手に発行しているとすればどうだろうか。 私たちがお金を使うには、どこからかお金を手に入れる必要がある。そのために皆一生懸命になっている。 ところが、ほんの一部の人々は、お金を作りだすだけでよいのかもしれないのである。 中央銀行に関する話を読むと、一応そんなことはないことになっている。 しかし、調べていくと、中央銀行のバランスシートについて誰一人納得のいく説明のできる学者が存在しないという事実に行き着くのである。

確かに、通貨発行権だけでは説明しきれないかもしれない。 問題は、一旦巨額の資金を手に入れてしまえば、後は勝手に資金を増やせるように、現代社会の仕組みが作りあげられていることにあるのである。 あらゆる国策は彼らの利益になるように調整され、あらゆる企業は最終的には彼らの所有するものとなり、インフラ、食糧、教育、医療など人びとにとって必要性の高いあらゆる活動の結果が彼らの利益になるようにできているのである。

このような社会を維持するために欠かせないのがマスコミである。 マスコミは、中央銀行は国のものであり、銀行の銀行として重要な役割を果たしているとは伝えるが、その実態の怪しさについて人びとに疑問を持たせるような報道は絶対にしない。 何か問題が起きればしたり顔の解説者がわかったような解説を加えるが、真実が語られることは基本的にありえず、いつも歪められた方向へと人びとは誘導されていく。

本書は、このような現代社会の真実について知るための格好の書物になっている。 カバーのそでに書かれた文章を引用しよう。

新聞やテレビは連日、
さもこれが常識といった顔をして情報を垂れ流している。
しかし、その情報がある一部の人の利益のために、
操作されているとしたら……。
お金は私たちの生活にとって極めて重要な存在で、
なくては生きていけないものになっている。
しかし、そのお金を発行する銀行が、
ある一部の人の私有物のようになっているとしたら……。
残念ながら、どちらも歴史が証明している事実である。
これ以上、市民がマスコミとお金の奴隷となるのはまっぴらだ。
今こそ解放される時――


私は、この本や『金融の仕組みは全部ロスチャイルドが作った』をきっかけとして、ではどうすればよいのかを考え始めた。

本書でも最終章、「第六章 これからの時代をどう生きるか」で、対策が検討されている。 ただ、私自身が人の本来の生き方や、生物としての人について知ることから現時点で判断している内容と比べると、本書には大きな欠陥がある。 それは、人は理想を実現できる存在であると想定されていること、そして、人は利便性を維持したまま平等を実現できると想定されていることだ。

人は生物である以上、限られた資源をどう分配するのか、そして、肉体や種の健康をどう維持していくのかという課題を突き付けられて存在している。 皆で話し合えば平等に資源を分け与えることができるとか、技術が進歩すればよくなっていくとか、すべての命を助けようといった視点は誤りなのだ。 このような大きな欠点はあるが、本書は、普段から疑問を多く抱えて生きてきた人にとって宝物になりえる一冊だ。 (THINKER氏のサイトもご覧ください。)

トップへ

お問い合わせ:

お気軽にお問い合わせください。

サイト内検索:

るびりん

「ルビリン」は東山動物園にいたアムールトラの名前です。土手で出会った子猫を迎え入れ、「るびりん」と命名しました。

neko to hon

書評

書評

書評

書評

書評

書評

書評