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「「プーファ」フリーであなたはよみがえる! 生命場を歪ませるアルデヒド (健康常識パラダイムシフトシリーズ) 」崎谷 博征 (著)(鉱脈社 2017年7月)

→目次など

■必須脂肪酸(植物油や魚油)は必須ではないどころか有害だった■

本書で主張されていることは、PUFA(プーファ=多価不飽和脂肪酸)は極力摂取しないことの1点につきます。

私はまだ読んでいませんが、同著者による『「原始人食」が病気を治す』では、トランス脂肪酸をとらないようにし、多価不飽和脂肪酸であるオメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸を適切な割合で摂取することをむしろ推奨していたそうです。

しかし、オメガ6(紅花油、ひまわり油、大豆油、菜種油、月見草油)とオメガ3(紫蘇油、亜麻仁油、魚油)を必須であるとした根拠になったバー(Mildred Burr)らの実験は、後年になって誤りであると証明されたといいます。バーらの実験には、石油製品の登場によって行き場をなくしたシードオイルやフィッシュオイルの業界の思惑が関係していると推測されています。

実際には、プーファは猛毒のアルデヒドを大量に発生させる原因です。プーファの摂取量の増加に伴ってがんなどの病気が増加してきました。プーファはシミや加齢臭を招きます。農耕革命によって穀類、豆類を過剰摂取するようになった人類は、健康を大きく悪化させました。さらに、近年では、穀物メジャーの影響を受けて、マクガバン・レポートで穀物の摂取が推奨されたり、畜産の影響で動物性食品も多価不飽和脂肪酸を大量に含むようになったことで、現代人は、プーファを摂取しすぎています。

本書には、具体的にどのような食事を摂ればよいのかはほとんど記述されていません。その点で、価格の割に内容は薄いと感じました。しかし、農耕の開始以来のさまざまな活動によって、安全で健康に良い食べ物が少なくなっているという実態を描いた本とはいえます。ちなみに、日本人の平均寿命が長いのは、延命治療のせいだとあります。延命は医療マフィアの思う壺です。

どこまで信じてよいのか疑問はありますが、簡単に読める本ですので、機会があれば目をとおしておいて良い本かなと思いました。

関連書評
血液の闇』:人為が壊す肉体
『小麦は食べるな』:リーキーガットを指摘
家畜になった日本人』:動物性の食べ物に含まれる多価不飽和脂肪酸の重要性を指摘
自然食の効力』:生野菜と果物、海産物の利用を推奨

内容の紹介


プーファ(PUFA)によるライフスタイルの激変
  ここで「心身」としたのは、心、思考と身体はいずれも同じエネルギー代謝で成り立ちますが、そのエネルギー代謝に「プーファ」(多価不飽和脂肪酸:PUFA)がダイレクトに影響を与えているからです。
  そして、心身の状態が変われば必ずライフスタイルも変わります。逆にライフスタイルが変われば心身も変わります。心身の状態とライフスタイルは相互依存関係にあります。
  これはサイエンスの世界ですでに証明されています。専門用語で「エピジェネティクス」(epigenetics)といい、心身に影響を与える遺伝子は環境によってスイッチのオン/オフが影響を受けているのです。 - 20ページ

パンドラの種』によると、南太平洋のチャタム諸島に暮らすモリオリ族は、部族間の激しい戦闘で有名なポリネシア人の子孫であるが、農耕に適さない島で狩猟採集生活に戻るとともに、平和主義者になり、儀式的な戦いと話し合いによって意見の衝突を収めるようになりました。食だけの違いではないと思いますが、私たちが農耕によって生きていることは確かに私たちの心身に影響しています。


ちなみに日本の平均寿命が長いというデータにはかなりの虚偽と誤解があります。これは海外ではすでによく知られた事実で、ニューヨークタイムズにも記事になっています(http://www.nytimes.com/2010/08/15/world/asia/15japan.html)。 - 38ページ

百歳を超える高齢者で生存の確認がとれない人が23万人に上るそうです。また先進国では行われていない延命治療(経管栄養)が行われているため、日本人の実際の寿命は先進国でも最低レベルというのが実情だとしています。


フィッシュオイル(魚油=EPA)については、一九七〇年ころからそれを給餌した動物が長生きすると報告されるようになります。これはよく観察すると、酸化したフィッシュオイル(EPA)の悪臭のため、それを混ぜられた食物を食べなくなることによるものと判明しました。いわゆるカロリー制限で長生きするのと同じです。(カロリー制限は偶然にもプーファフリーになっているため長生きする)。 - 122ページ

確かに、魚粉は臭いですね。もしかすると、これが事実なのかもしれません。


イヌイットの中でも比較的長寿である人の特徴は、魚や海獣の脳、内臓、甲状腺なども丸ごと食べていたのです。 - 152ページ

小魚を丸ごと食べるのはよいのではないかと私は思います。しかし、海も汚染されてしまいました。


ちなみにファスティング(断食)を二十四時間行うだけで、アルデヒドが急上昇することが分かっています。これは、エネルギー源の柱である糖がなくなったために、体内に蓄積したプーファを分解して糖に変換する過程で起こっています。 - 153ページ

これは本当でしょうか。断食までの食べ物の影響や、断食時の活動などは影響しないでしょうか。


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「ルビリン」は東山動物園にいたアムールトラの名前です。土手で出会った子猫を迎え入れ、「るびりん」と命名しました。

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