アーキテクチャと内部構造
AMD公式ページにはブロック図とともに仕様が記載されています。 一般公開資料はAMD社の情報が確実ですが十分とは言えませんのでわかりやすくブロック図を整理し、各ブロック図についてわかっていることを説明しました。
GeodeのCPUコアには特殊な技術は使われていません。 いたって簡潔な386アーキテクチャの拡張版です。 GeodeをややこしくしているのはCPUに集積されている他のブロックです。CPUコアのアーキテクチャはGeodeのどのシリーズもほぼ同じです。 コアブロック内の各々の機能は新しくなるに従い、改良はされていますが、高速化のための特別なアーキテクチャは採用していません。 そのために演算能力のみで比較すると明らかにコアクロックの遅さが目立ちます。一方、色々な機能がCPUに集積されているために、総合性能はコアクロックが低い割にそこそこの値になります。 特にメモリーがCPUに直結されていることが大きなアドバンテージとなっているようです。 内蔵グラフィックコントローラは最近のパソコンの高性能グラフィックコントローラと比較すると無残な結果となります。 とくにGX1コア内蔵のコントローラをGeode用のドライバーを使用しないでVGA互換モードで動かすと、見るも無残で、ほとんど実用的なレベルではありません。理由は明白です。GX1系ではコントローラがVGA互換でなく、SMMモードの中でGeode特有のVSAと呼ばれる特殊なコードを用いて巧妙にあたかもVGA互換ハードウエアがあるかのように見せかけているからです。 GX533以降のCPUはAMDもこの点を考慮してH/WでVGA(VESA)互換を実現しています。 LinuxのFrameBufferをVESA互換で動かしても気が付かないレベルです。3Dを多用するゲームでも使用しない限り、実用上の不便を感じることはありません。 LXは発表されたばかりということもあり、目に触れる機会がほとんど無いかと思いますが、ピノーの発表しているPi-BOXでの評価では格段に改善されており, WindowsXPを動かしてMSOfficeやWEB閲覧などの業務を行ってもまったくストレスを感じることはありません。 同社によるとIDEにUDMA対応のDVDドライブを接続するとDVDの再生も”こま落ち”することなくスムーズに再生可能との事です。もちろん、再生しながら他の仕事をサクサクこなすことは難しい事は想像できます。
GeodeGX1 Cyrix時代にMediaGXと命名されていたCPUをプロセスの微細化、バグ修正などで改良し高速化、低消費電力化を図ったCPUです。Geodeの代名詞のような存在です。
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GX1アーキテクチャのページ
GeodeGX GX1の後継CPUです。ちょうどGeodeの事業がナシュセミからAMDに売却される時に開発が行われていたCPUです。そのために開発がずいぶん遅れてしまいました。また将来性への不安から採用を控えるメーカが続出し、折角のローパワーCPUもなかなか市場で目にすることができませんでした。 しかしながらこのCPUからGeodeのアーキテクチャ上、きわめて重要な変更がなされています。すなわちVGA互換のH/Wを搭載したことです。これによりGX1で経験したVGAモードを使う日本語DOS画面の遅さが大きく改善されました。 また内部接続も新たにGeodeLINKという概念を取り込み、拡張性と内部ブロック同士の接続性の改善を図っています。
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GX533アーキテクチャのページ
GeodeLX GXプロセッサーに128Kの1次キャッシュと128Kの2次キャッシュを追加し,CPUコアクロックを500Mhzに上げています。 またSC系で採用されているデジタル画像入力機能も追加されています。 さらにメモリークロックはCPUクロックとは独立して設定でき、 最大DDR400まで対応できます。 VIA EDENの800MHz動作と同程度のシステム性能がでます。グラフィックコントローラの性能も格段に上がったこともあり、WindowsXPがまったくストレスを感じることなく動きます。 なおコンパニオンチップとしてCS5536も同時に発表されています。現在GeodeLXが搭載されたボードを販売しているのは株式会社ピノーのみです。
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LXアーキテクチャのページ
SC系 GX1 CPUコアを中心にCS5530のサブセットのサウスブリッジとSuperI/O機能の一部をインテグレーションしています。またデジタル画像入力機能も持っており、CPU内部の画像プロセッサーでPC画像とデジタル入力画像の重ね合わせなど、さまざまな機能を実現できます。提供される機能により4種類のCPUに分かれています。SC1200がこのシリーズの基本アーキテクチャです。 限定された機能でよければこのチップのみでPC-AT互換機が実現できます。残念ながら性能はGX1コアですのでWindows系ではCE4.xやWin98、NT4.0などです。Linuxでは重たいGUIの無いモードでの動作程度の用途が主になります。
SCシリーズ搭載ボードは国内では株式会社ピノーから購入できえます。
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SCアーキテクチャのページ
Geodeは何が特殊なのか??

互換性は保たれているのか
Geodeの特殊性について知りたい方は以下を参照ください。