GeodeGX533 の内部
GeodeGX533は開発当初GX2と呼ばれていました。Geode事業がNSからAMDへ売却されたことをきっかけに名称が変更されました。 GX533は開発当初はSD-RAM対応等、かなり細かくシリーズ化されていましたが、現在は大きく3種類のバリエーションに集約されています。 内部構造はGX1とは大きく異なり、バス構造をとっていません。クロスバーSWのようなGeodeLinkと呼ばれるユニット間接続を用いており、データの内部伝達を早めるとともに、将来のモジュールの増加にも対応できるようにアーキテクチャを変更しています。 大変残念なことに期待されたL2キャッシュの内蔵は見送られました。おそらくメモリーがDDRになって高速化できるとの考えであったのではと思います。
GXシリーズは内部アーキテクチャの変更とともに、各ブロックの機能も見直しされています。CPUコアはL1キャッシュをデータとインストラクション別々に16Kずつ確保しています。 GX1で誤解の元となることが多いVGA機能はVESA互換のH/Wが搭載され、全てのVESAモードで高速に表示ができるようになりました。またCPU内部にVideo−DACを集積することにより、コンパニオンとの接続本数を大幅に減らして、変わりにTFTインタフェースを取り込ンでいます。 ただし、それでもピン数が不足するためにCRTとTFTは同時に表示ができません。 メモリーはDDRに変更されています。CPUクロックの1/3が標準のですが、 チューニングにより、さらに高速化も可能です。 GX1と同様にL2キャッシュが無いのでメモリーの高速化はパフォーマンスにかなり影響します。コンパニオンはCS5535です。 残念なことにCS5530は使うことができません。このため、GXシリーズ以降、ISAのサポートには外部にブリッジを設けることになってしまいました。 GX533のCPUコアクロックは400MHzです。AMDによると400MHz動作時にVIA EDENと比較するとおおむね533MHzと同じ程度だとのことです。 これはメモリーがCPU直結になり、またDDRで高速にアクセスできることによる効果のようです。整数・浮動小数点命令の性能はコアクロックを正確に反映してしまい、決して早い方ではありません。GX533でWindowsXPを標準インストールするとやはり体感的にはやや遅いと感じます。 これはグラフィックの性能がかなり低い事が影響しているようです。 しかしながらGX1と同程度の消費電力で2倍から3倍の性能(システム性能です。前述のように演算性能はコアクロックを正確に反映しています)が得られることはGX1の性能では不満だが、FANレスを要求する用途には大変ありがたいCPUです。