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Last update 2008.11.30
河原崎法律事務所

危ない弁護士は弁護士会へ

弁護士とのトラブルあるいは、弁護士の行動に疑問を持った場合、次の方法で対処できます。

1. 依頼した弁護士の場合

相手から入金したお金を弁護士が渡してくれない、請求された弁護士費用が過大であるなど、依頼した「弁護士が変だ」と思ったら、まず自分自身で弁護士に対して説明を求めてください。弁護士は依頼者に対して事件処理につき十分説明する義務( 弁護士職務基本規定 29条1項)があります。
弁護士の説明に納得できない場合は、弁護士が所属する 弁護士会 に対して苦情を申出ることができます(必ず事前に電話で予約する)。費用はかかりません。

苦情処理
第二東京弁護士会の場合を例にとりますと、弁護士会では、まず、苦情の受付けをし、(苦情処理委員の弁護士2名が)申出をした方と面談し(電話で事情を聴く場合もあります)、申出の内容をチェックし、どのような手続きをすべきかを説明します。
金銭の返還を求める内容なら、紛議調停の申立手続の説明をします。手続きに必要な用紙ももらえます。
弁護士に対し懲戒を求める内容なら懲戒の申立の手続きの説明をしてくれます。
苦情の原因が依頼者と弁護士間で意思の疎通を欠いたことによる単なる誤解であり、かつ、依頼者が希望するならば、苦情相談委員から弁護士に対し、依頼者の要望を伝えます。
妥当でない苦情(この種の苦情は多い)の場合は、苦情相談委員はその旨説明し、依頼者に対し担当弁護士とよく話し合うよう伝えます。

紛議調停
紛議調停委員会では専門の委員3人がチームを組み、弁護士と依頼者の要求を調整し、金銭の清算をするように努めます。これは、話合いですから強制力はありません。しかし、弁護士と依頼者間の金銭上のもめごとの紛議調停は 3 回ないし 4 回程度の期日でまとまる例が多いです。
弁護士が依頼者から預かった書類等の返還義務は、事件終了後 3 年の経過で時効消滅します(民法171条)。弁護士の依頼者に対する報酬請求権は、事件終了後 2 年で時効消滅します(民法172条)。

懲戒
懲戒の申立があると、綱紀委員会では審査し、懲戒の申立が相当で考えるときは、懲戒委員会に審査を求めます(1997年では61件)。
懲戒委員会では、内容を審査し、処分を決めます。懲戒処分には、戒告、2年以内の業務停止、退会命令、除名があります(弁護士法57条)。
懲戒事由発生後 3 年を経過すると懲戒委員会の審査にかけることはできませんので、ご注意下さい(弁護士法64条)。
以上の手続きには費用はいりません。

苦情の実状
苦情の実状を見ますと、依頼者と弁護士間のちょっとした感情のもつれに、金銭欲が絡み、トラブルに発展するケースが多いです。
事件着手前に、苦情になると予想できる(面倒な)依頼者もいます。そのようなケースは、弁護士は、依頼を断るとか、報酬を時間制にして月払いにするとか、面倒ですが、節目ごとに依頼者の意思についての確認書を取るなどの予防策が必要です。
依頼者には、 事件を依頼する前は弁護士報酬を払う意思がありますが、事件が解決すると支払う意思がなくなるのは人情なのでしょう。
重要なことは次のことです。 希にですが、弁護士が依頼者からの預り金を横領し、刑事事件になるケースがあり、依頼者が大きな損害を受けることがあります。これは立派な犯罪です。このような弁護士は日頃の態度、事件処理にもその兆候(処理がいいかげん、常に話が大きい、連絡がない、説明がない、嘘をつく)は出ていますから、気を付ければわかるはずです。弁護士の仕事は地味で、時間と労力を要するものです。

依頼者が裁判上の和解に立ち会ったが、和解に不満であるとの紛議の申立てをするケースがあります。苦情が予想される場合は、事前に、弁護士は依頼者から、和解内容を書いた書面に捺印してもらい、承諾した旨の意思を確認する必要があります。

2. 交渉している相手の弁護士の場合

相手方の弁護士に嫌がらせのための懲戒申立をする人がいますが、意味がありません。
この場合は、 上記手続きではなく、至急、自分で弁護士を依頼し、対抗する必要があります。それが正攻法です。
*参考: 関連質問
この紛議調停というものは、依頼者が相手となる弁護士の所属する弁護士会に対して申立書を提出した場合、「まずその弁護士会の会長がそれを見て紛議調停の必要ありと認めた場合に限って紛議調停委員会に指示をすることで動き出すものである」と某弁護士会から説明されました。
紛議調停の申立をすれば必ず紛議調停委員会に伝えられて、物事が進行していくものと思っていましたが、そうではないようです。

回答
他の弁護士会の事情は知りませんが、これが事実なら おかしいです。紛議調停の必要性は関係ありません。その弁護士会によく尋ねて下さい。
ただし、紛議調停の申立が極端におかしい場合は別です。例えば、申立の相手が、あなたの依頼した弁護士ではなく、事件の相手方が依頼した弁護士の場合は、弁護士会は、調停するに適当でないとして、調停をしないでしょう。

参考
【第二東京弁護士会紛議調停委員会規則12条】
委員会は、事件が調停するに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的で調停の申立をしたと認めるときは、調停をしないものとして事件を終了させることができる。

May 7,1997