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2003年9月分

藤海の創作活動


その1:サークル“メモリー・メーカー!”


名前の由来。
物語を。そこにある心象風景を。
読んだ人の、体験というか消えない記憶にして打ち込みたい。
そんなことを願って本を作っています。藤海は……
追体験とか疑似体験というのは、本人の自分の人生の、体験した経験よりもむしろ
鮮烈に記憶に残ることはありえないだろうか。

できて欲しい、やれるようになりたい。実人生を生きることより深い作品を作ることが。
そういう、記憶を生み出す存在になっていこうという、思いを込めた名前です。


だったのですが……
yahooとかgoogleで、「メモリーメーカー」で検索すると、この名前が引っかかって
きちゃうんですよね(笑)(ちなみに逆もまた真。)
台湾のメモリーメーカーの動向とか、これから先のDRAMがどう進化するのかとか、
そういうことを考えている人には迷惑なサークル名だな、と思いますね。

一応、最初はもう少しこう、ピリッとくる類義語はないもんかな、と調べてみていたん
ですが……、レムナントとかリコレクションとか。
ファクトリーとかプラントとか。

なんかイメージの喚起力が弱くなる一方だったので、一番流通している単語の組み合わ
せにしちゃいました。
それにこんな落とし穴があるとは……(笑)


で、出している個人誌の共通タイトルが「Bullet」。まあ漫研の「定期刊行誌」を
イメージしてみました。全然「定期」じゃないですが

名前の由来は「弾丸」。
想いを乗せて、そして読者様の心に傷になって残る記憶を作るための。
サブタイトルの他にシリアルナンバーが付いているのは、「全作品リスト」みたいな物を
作りやすくするためです。

言いかえればそう。
例えばイベント会場の棚先で、
『すいません、これ #3 と#6 の間が飛んでいて、4と5がないのは売り切れちゃっ
たんですか?』

藤「いえ、4と5ってのはオリジナルをやっていて、これなんですけど、とらハ本じゃ
ないんで別にしてるんですよ」
『それじゃ #1〜#7 まで全部下さい。藤海さんの小説好きなんで』
藤「あ、ありがとうございます!」
『友達に借りて読んでたりとか、ネットで読んでたりとかしてました。
これからもがんばってください!』



……とかですね。
すいません。今、おもいっきりドリーム全開でした(笑)
そうやって、藤海マニアになってくれる人にはやっぱり、親切でありたいと思うし、
そうじゃなく、特定ジャンルしか買わない様な、一定の距離のある人にも、
“メーカー”としてアヴェイラビリティを上げていく態度ではありたいなと、
思ったので。

ただ、これだとどんなに恥ずかしい本を作ってしまっても、それを経歴から抹消でき
なくなる、ってのが結構プレッシャーですが(笑)



同人活動について。
「月姫」の爆裂ヒットのおかげで多少は風向きは変わってきているとは思うんですが。
あのー、
音楽とかのジャンルだと、
「ライブハウスを中心に活動しながら、着実に力を付け、1stアルバムはインディー
ズでありながらも 50 万枚のセールスを記録した」

……みたいな活動がかっこいいというイメージで語られるのに、小説書きの同人活動や
自費出版がお遊びみたいに見られちゃうのはなんでなんでしょうね?
こう、投稿や新人賞の応募をしないと本気で活動していることにならないっていうのは。

まあ、ミュージシャンのオーディションだと逆に、『浅ヤ○』が爆裂したおかげで、
硬派じゃないっぽく見られて大変でしょうが。
全ての人がそうではないだろうし、どんな風に見られていてもやることは変えずに、
自分を信じてやっていくしかないんですが。できることなら誰かには、自分のあり方や
やっていることを評価して貰いたいな、とか思ったりもするのです。
<2003.09.13>



作品

Bullet #3-リスティ本と 那美本オフセット・バージョンを入稿してきました。
これ自体は夏コミに間に合うタイミングなんだよな。参加できるといいんだけど。

今回の #3-リスティ本でも、表紙イラストはみろみろさんにお願いしました。
これがなんかすごくいい絵で。
これがオフセットの色表紙紙にのる、と考えたら、それだけで転げ回りそうになります。

さて。
今回も印刷はポプルスさんです。
で、入稿に行った際の打ち合わせの時に、見せてもらっていた表紙用紙見本に

社内用と書いてあったんで、
「これ、一般用に販売もしているんですか?」
と、つい聞いてしまいました。
いや、だって欲しかったんだもん、アレ。買いましたとも\300。

……
…………。
はあー、いいですわこれ〜
うふふふ。
これをこう、ぱらぱらと眺めながら、
「次の本の表紙、この色の紙でいってみたいなあ」とか
「この色きれいだなあ、でもありきたりな仕上がりになっちゃうかな」とか
「この紙に○○色のインクで刷ったら、ちょっと『本格派』って感じでいいかも」とか
うだうだ考えていると、むくむくと創作意欲が湧き上がって前向きな(夢見がちな?)
気分になれます。

まあ、私は小説書きの係なので、本来そういうことは脇であって、
お話作りにこそ燃えなきゃいけないんですが。
でも、絵描きさんの描いてくださる絵にしても、
こういう装丁や色とりどりの素材にしても、直接目に見えるだけに具体的で、本能に
訴えかける力はとても強いです。
物作りの快感に浸れます。

初めて本ができて来た時も、そういえばこんな風だったかなあ。
嬉しくてどきどきしてたよな。

うん。
なんか初心を思い出しましたね。
自分が本当に好きなものが出来上がる。

それを作るために素直に一生懸命やって、
こんな自分の手から、それは望みもし、夢見もしたけど、できるとは必ずしも
思ってなかったものが、自分なりに満足のいく形で期待にこたえてくれる。
努力が形になる。そして人に見せることもできるようになる。


そうだね。もう一回、またはじめよう。ものがたりを。

<2003.07.15>