毛無山( 毛無山:1,946m ) 1999.12.30 登山


 朝霧高原より朝の毛無山方面( 1999.12.30 )
【毛無山登山記録】

【毛無山登山データ】

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毛無山登山記録

朝 4時前に起きるつもりがまたもや寝坊である。 しかし、時刻はまだ 4時30分。寝ぼけた頭の中で色々計算し、時間を挽回すべく、少し料金が余計かかるが時間を短縮できる交通ルートをとることにする。
行き先は、富士山の西方、朝霧高原にある毛無山である。
本来は中央高速道から中央道河口湖線に入り、河口湖・本栖湖を経て毛無山の登山口まで行くつもりであったのだが、 寝坊して 30分以上も時間をロスしたのでは、自宅近くにからすぐに乗れる東名高速道を使って富士ICからアプローチを行い、 時間を稼ぐしかない。
横浜ICから東名高速道に乗る。高速道は年末であったにもかかわらず空いており、かなりスピードを出せたこともあって順調に進み、 富士ICを降りた時にはまだ 6時を過ぎたばかりであった。

富士ICから西富士道路を北上していくと、やがて朝霧高原へと入ることになり、 左手に大きな山塊が見えてきた。天子 (てんし) 山塊らしく、一番高く見える山が毛無山かもしれない。
天候の方は晴れという天気予報にも拘わらず曇り気味で、肝心の富士山は雲の中に入っており、 山麓の大室山だけが見えていて、その横に富士山の裾部分がわずかに見えるだけである。
毛無山登山口の標識を見て道を左に折れ、やがて坂を下り始めると、すぐに東京農大の広大な牧草地となる。
暫く車を止める場所を探してウロウロした後、結局 農大の牧場入口にあった毛無山臨時駐車場と書かれた所に車を止める。
ここから登山口まで結構歩かねばならないのであるが、他に適当な場所がないので仕方がない。

身支度をして出発したのが 7時10分。 目の前に聳える山に向かって暫く歩くと丁字路にぶつかるので、そこを左折し、まばらな家並みを通り過ぎて突き当たった所が登山口であった。
登山口には立派な表示板があり、『毛無山から雨ヶ岳間はクマザサに覆われて道が悪いので注意』 と書かれている。 私の持っている地図にも 『端足峠 (はしたとうげ)−雨ヶ岳−毛無山間の縦走は単独行は避け、 熟達者の同行が必要』 と書かれており、本日の狙いである毛無山−雨ヶ岳の縦走を些か躊躇させる感じである。

神社を右手に見て川を横切り、林道のような道を暫く登ると、やがて山へと取りつく道が左手に現れ、 再び川を渡ってからは本格的な登山道となる。
まだ薄暗い樹林帯の中を登っていくのだが、体調は前回の釈迦ヶ岳と同様に芳しくなく、 身体が後ろへ引っ張られるように重くて先が思いやられる状況である。
すぐに地蔵峠経由の道を左に分けることになり、やがて 2合目と書かれた白い標識を過ぎると、 その少し上で谷を隔てた所にある滝が目に飛び込んできた。不動の滝である。

この場所は不動の滝の展望台となっているようで、木々も切り払われ、 確かに見事な滝が見える。
滝の水量は多くないものの、見事に流れが岩を穿っており、2段になって落ちる様は爽快である。願わくば、 もう少し距離が近いとありがたい。
滝の手前にもあったように、この登山道にはほぼ 15分から 20分間隔で、距離を表す 「合目」 の標識があり、 元気の良い時ならこれが励みになるのだが、体調が悪いときには却って重荷で、「まだ 3合目か」 とため息をつく状態である。
中でも、「下部温泉 5合目」 と書かれた標識を見て、ようやく半分来たかと喜んだところ、 そこからかなり登った所に5合目と書かれた白い標識が現れたので、これには本当にガックリしてしまった。 先の標識は下部温泉の宣伝だったのであろう。

加えて、6合目までは時折日が差すこともあったものの、それ以降は完全にガスの中で、 またもや頂上からの展望が得られないと想像される状態に、ますます力が抜けていく感じである。
たまにガスが一部晴れて稜線が見えたが、カヤトの原らしきところが真っ白くなっており、雪が積もっているのではないかと思われる状況である。
喘ぎつつも歩を進め、7合目、8合目を過ぎる頃になると、苦痛だった標識が励みになり始めたのだからおかしなものである。

ようやく着いた稜線からはそれ程起伏のない道が続き、 樹林を抜けたところが毛無山の頂上であった (10時5分)
頂上には一等三角点やお馴染みの山梨百名山の標識の他、立派な標識が 2つほど立っていたが、 下から吹き上げてくるガスに覆われてそれらも霞んで見え、また木々には霧氷が付いていて頂上は真っ白な世界であった。
頂上には先客として 1組の夫婦がいただけで、その夫婦も私と入れ替わるように下山し、1人寒い頂上に残されることになる。

さて、次の雨ヶ岳への縦走であるが、ここまでの登りであまり体調が芳しくなかったことや、 ただでさえ先に述べたような縦走に対する脅しが利いている中、霧氷による白い世界が不安感に拍車をかけ、進むことが少し躊躇われる。
しかし、このまま往路を戻るのは時間から行っても虚しい気がし、また先の夫婦を思い出すと、誰でも登れる山に (失礼)、 ただ人より早い時間で登ったという実績を作っても面白くないという考えが頭をもたげ、 行けるところまで行こうという気になったのであった (10時27分発)

一旦樹林帯を下っていくと、カヤトの原の気持ちの良い歩きとなる。 ガスが無く視界が良ければさぞかし素晴らしい景色が得られたであろうと思われ、返す返すも本日の天候状態が残念である。
しかし、途中の樹林帯では、木々の間から一瞬ではあるが南アルプスの銀嶺を見ることができた。視覚的には、 これがこの日のハイライトであったことになる。
この毛無山は一応天子山塊の最高峰と言うことになっているものの、実は毛無山から雨ヶ岳へ 20分ほど進んだ所に大見岳という最高点があるはずである。 しかし、どうも見落としたらしく、気が付くと腰の丈ほどもあるササの海へ入り込んでいたのであった。

ササはビッシリと生えており、所々に立っている木々が島のように見える状態で、 道も切り開かれておらず、まさに海原を泳ぐという感じである。
道が見えないことから、ササ原の中にわずかに感じられる人の通った跡 (微妙にササの高さが低くなっている) を辿り、 島のような木々に付けられている目印を頼りにしての遠泳といった感じである。
確かに、場所によってはササが背丈ほどある場所もあり、初心者 1人では迷うこともあるかも知れないが、目印は短い間隔でしっかり付けられており、 慎重に進めば問題はないであろう (でも背が低い方は要注意かもしれない)
ただ、夏は草いきれでムンムンしそうだし、秋はいきなり熊などに遭遇しそうで、積雪前のこの時期が一番良いような気がする。

ササ原の水泳を楽しみながら、ほぼ 20分ほど泳いだであろうか、 延々と続くと思った海原が一旦途切れる。そして、そこには 2人連れが休憩中していたのであった。
こちらもビックリしたが、先方もいきなりササの中から現れた私に驚いたようであった。
言葉を交わすと、雨ヶ岳からの縦走とのことである。
2人が畳 三畳ほどの場所に荷物を広げていたので、標識などは見つけられなかったが、もしかしたらここが タカデッキと呼ばれる所なのかもしれない。

2人は毛無山の方へ行こうかどうか迷っていたようであったが、 私が 1人で歩いてきたことに勇気づけられたらしく、その場で毛無山へ行くことに決めたのであった。
しかし問題は登山口に置いてある車の所に戻る煩わしさで (それは私も同じだが・・・)、 彼らは頻りに車の鍵を私に預けようとしたのであるが (下山後、2人の車を使ってもう一方の登山口まで来て貰いたいとのこと)、 確かにこの提案は魅力的に映ったものの、やはり何か起こってはまずいと思い、丁重にお断りしたのであった。
この 2人のいたスペースからはササの海も勢いを失い、やがて道がハッキリし始め、ついにはごく普通の良く踏まれた登山道に戻る。
しかし、こうなるともっと笹原を泳ぎたいと思えてくるから人間は勝手である。
やがて、キレイにササが刈られた道を登っていくと雨ヶ岳山頂で、そこは標識も無く、ササに囲まれたあまり特徴のない場所であった (11時35分)
本来ならササ原の向こうに富士山が見えるのかも知れないが、この日は全くダメである。

雨ヶ岳からは端足峠まで一気に下る。
峠も近くなると、斜面から本栖湖が見えるようになり、その右にある竜ヶ岳もなかなか立派な姿で、 登高意欲を誘うのであった (もっとも、この日は登ろうと言う気にはなれなかったが・・・)
端足峠からは東海自然歩道に入り、快調に山道を下り、A沢貯水池に着いたのは 12時42分であった。
貯水池横には車が 4台ほど止まっており、このうちのどれかが先の 2人のものだと思うと、 やはり鍵を貰っておけば良かったと少し後悔する。
このA沢貯水池から車を止めてある毛無山臨時駐車場までの間も東海自然道となっており、朝霧高原のフチを横切る 延々 1時間半程の旅で、 高原や牧草地の大きな拡がりに圧倒される思いであった。
この道は道標はしっかりしているものの、何かかなり遠回りをさせられているような気にさせられ、 歩き疲れて駐車場に着いたのが 14時4分
この頃には太陽も顔を出しており、振り返って見上げると、毛無山の堂々とした姿が印象的であった。


毛無山登山データ

上記登山のデータ 登山日:1999.12.30 天候:曇り時々晴れ 単独行 日帰り
登山路:毛無山臨時駐車場−麓−5合目−毛無山−タカデッキ−雨ヶ岳−端足峠− A貯水池−根原の吊り橋−麓−毛無山臨時駐車場
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−富士IC−(西富士道路・富士宮道路)−毛無山臨時駐車場(車にて)
交通復路:毛無山臨時駐車場−(富士宮道路・西富士道路)−富士IC−(東名高速道)−横浜IC−瀬谷(車にて)
その他の毛無山登山 毛無山臨時駐車場−二合目 〜 九合目 −毛無山 (往路を戻る) (2007年01月8日 : 快晴)
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本栖湖駐車場−竜ヶ岳−端足峠−雨ヶ岳−タカデッキ−毛無山−朝霧グリーンパーク入口 (2011年12月29日 : 快晴)
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毛無山登山者用臨時駐車場−麓宮−五合目−富士山展望台−下部温泉分岐−南アルプス展望台−毛無山 −下部温泉分岐−地蔵峠−金山−雪見岳−猪之頭峠−熊森山−湧水峠−長者ヶ岳−天子ヶ岳−天子ヶ岳登山口−立石−白糸の滝−(タクシー)−毛無山登山者用臨時駐車場  (2012年1月7日 : 快晴)
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本栖湖駐車場−竜ヶ岳−端足峠−雨ヶ岳−タカデッキ−毛無山−−北アルプス展望台−地蔵峠への分岐− 五合目−不動の滝展望台−毛無山登山口−(東海自然歩道)− 東屋−(東海自然歩道)−根原吊橋−A沢貯水池−根原バス停−(バス) −本栖湖−本栖湖キャンプ場駐車場 (2015年12月19日 : 快晴)
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